100 覚醒の不死蝶　作：ギガプラント

漆原「覚醒翅蝶－リザレクション・バタフライ……我が手中に収めるに相応しい！！！」


漆原「まずは私のエビル・ストレングスの餌食にしてあげましょう！！……ですがその前に。」


漆原「夜見原ああ！！散々私をコケにしてくれた礼をたっぷりとしてやる！！」


仁「っ！」


漆原「これ以上貴様に邪魔されると厄介なんでねええ…！」


仁（やはり先にこちらを狙ってくるか…。）


漆原「貴様のような攻撃もできない雑魚、放っておいても何も問題ありませんがね！！しかしそろそろいい加減鬱陶しいんですよ！！」


漆原「バトル！！私はライフを１０００払い、邪商魔神エビル・ストレングスで、冥獄の猛将 ナイトメア・エッジを攻撃！！！」ＬＰ６９００→５９００


夏武斗「仁！！」


漆原「失せろぉ！！アンダーマインド・ディザイア！！」




夏武斗「これ以上……やらせてたまっかよおおお！！！」


夏武斗「俺はこの瞬間！覚醒翅蝶－リザレクション・バタフライの効果発動！」


仁「っ！？」

漆原「このタイミングだと！！？」


夏武斗「モンスターの攻撃宣言時！フィールド上の全てのモンスターを破壊する！！」


漆原「何だと！！？」



仁「…全く、どこまでもやってくれるなお前は。」



夏武斗「この鬱陶しいトークン諸共、全部ぶっ飛ばせえええ！！！ブレイズ・オブ・ピュリフィケイション！！」


大きく翅をはためかせるとフィールド全域を覆い尽くす強い熱風が吹き荒れる。






漆原「くううううう！！！まだだまだだ！！！エビル・ストレングスの効果！！エビルトークン１体を身代わりにする！」


リザレクション・バタフライを中心に、フィールドのモンスターは全て焼き尽くされる。


漆原「くっ…攻撃力は大幅に落ちたが、なんということはない！」ＡＴＫ１０６００→１８００


漆原「トークンを倒したは良いが、仲間のモンスターも破壊してしまってはなんの意味も無い！！壁モンスターすら失った貴様を倒す事など造作も無いのだよ！！」


漆原「そのまま攻撃を続行！沈め夜見原！ダイレクトアタック！！」











仁「……いい加減に気づくんだな。貴様は既に優勢などではない。」


漆原「！！」









仁「速攻魔法発動！『ＲＵＭージェネシック・リバイバル』！」


仁「このターン破壊されたエクシーズモンスター１体を墓地から特殊召喚する！！蘇れ！ナイトメア・エッジ！！！」ランク５・ＡＴＫ２５００


仁「更に！そのモンスターを、同じ属性でランクが１つ高いエクシーズモンスターにランクアップさせる！」


漆原「ランクアップ！！？なんだそれは！！」


仁「俺はランク５のナイトメア・エッジでオーバーレイネットワークを再構築！」




晦冥たる世界で研ぎ澄まされし気高き騎士の魂よ！冥府の門を突き破り、終わりなき覇道を突き進め！！



ランクアップ・エクシーズチェンジ！！



現れよ！ランク６！『冥獄の魔神将 ナイトメア・ドレッド』！！ランク６・ＡＴＫ３０００





夏武斗「す、すっげぇ……。」


漆原「き、貴様等ぁ……揃いも揃ってなんなんだ！！ことごとく私の知らないカードを使いやがって！！」


漆原「そんなものあってはならない……私は最強のカードコレクター！！それも全て私が貰ううう！！！」



仁「…御託はいい。どうする？」


漆原「何ィ！？」




仁「…モンスターが増えた事で貴様のエビル・ストレングスの攻撃力は更に８００ポイント上がる訳だが…。」ＡＴＫ１８００→２６００


仁「ナイトメア・ドレッドの攻撃力は３０００ポイントだ。」


仁は今までで一番鋭い視線を漆原に向ける。












仁「攻撃するのか？しないのか？」











漆原「ぐ、ぐうううううう！！！」



漆原（あり得ない……この私が押されているだと…そんな筈はない…！！そんなことはあり得ないいいい！！！）



漆原「攻撃は……しない。」



漆原「ターンエンド…。」


漆原（まだだ…まだ手はある筈だ。こんな糞餓鬼共にこの私が…）


夏武斗「この瞬間、リザレクション・バタフライの効果発動！」


漆原「えぇ！？」



夏武斗「このカードの効果で破壊されたモンスターは。ターン終了時に全て墓地から特殊召喚される！」


夏武斗「さぁ蘇れ！！リザレクト・ブレイズ！！」星１０・ＡＴＫ２８００


夏武斗「勿論トークンは蘇らないけどな！！」


夏武斗の場にリザレクション・バタフライ。そして仁の場にも冥獄公爵アシュタロードが蘇る。　　



仁「…ﾌｯ」ランク６・ＡＴＫ２６００



漆原「復活だと！！卑怯な！！」エビルＡＴＫ２６００→４２００


夏武斗「お前にだけは言われたくないやい！！！」


夏武斗「そして俺はこの効果で特殊召喚したモンスターの数×５００ポイントのライフを回復する！」ＬＰ７００→１７００


仁「これで夏武斗も再び攻撃が可能となった。」




仁「俺のターン。ドロー。」


漆原「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ！こんなことありえない！！」


漆原「そうだ！！この私が負ける訳がない！！エビル・ストレングスの効果！私の場にエビルトークンを特殊召喚！」星１・ＤＥＦ１００


漆原「これでエビル・ストレングスの攻撃力は５０００！また攻撃力が上回った！！」


漆原「モンスター蘇生が裏目にでましたねえ！！はははは！」


仁「…哀れな奴だな。ここまで思考能力が落ちるとは。」



仁「まぁ良い。貴様にかける情けなど持ち合わせていない。」



仁「俺は冥獄の魔神将ナイトメア・ドレッドのモンスター効果発動。」


仁「オーバーレイユニットを１つ使い、手札・フィールドの闇属性モンスター１体を墓地へ送る事で、このカードの攻撃力はターン終了時まで墓地へ送ったモンスターの攻撃力分アップする。」


仁「フィールドのアシュタロードを墓地へ送り、その攻撃力２６００ポイント分ナイトメア・ドレッドの攻撃力はアップする！」ＡＴＫ３０００→５６００


漆原「攻撃力５６００！！？」


仁「それだけじゃない。アシュタロードが墓地へ行きモンスターの数が減った事でエビル・ストレングスの攻撃力はダウンする！！」ＡＴＫ５０００→４２００



夏武斗（すっげぇ…仁の奴いつのまにこんな強力なカードを…。）



仁「そして俺は魔法カード『エクシーズキュア』を発動！」


仁「自分フィールドのエクシーズモンスター１体の攻撃力の半分だけ、自分のライフを回復する。」


仁「俺が選択するのはナイトメア・ドレッド。その攻撃力の半分２８００のライフを得る。」ＬＰ４００→３２００


仁「これで俺も攻撃可能だ。」


漆原「ヒイィ！！」



















仁「夏武斗。一つ良い事を教えてやる。」


夏武斗「えっ…？」











仁「ナイトメア・ドレッドは、カードの効果では破壊されない。」



夏武斗「カードの効果……。」











夏武斗「うっし分かった！！そういうことか！！」

仁「…ﾌｯ」


漆原「まさか……ありえないありえないありえないありえない………。」



仁「行くぞ！！バトルフェイズ！！」






仁＆夏武斗「「冥獄の魔神将ナイトメア・ドレッドで、邪商魔神エビル・ストレングスを攻撃！！！」」ＬＰ３２００→２２００


仁＆夏武斗「「この瞬間！リザレクション・バタフライの効果発動！！」」


仁＆夏武斗「「モンスターの攻撃宣言時！フィールド上の全てのモンスターを破壊する！！」」



再びリザレクション・バタフライの炎がフィールドを包み込む。



漆原「ト、トークンだ！！トークンを代わりに破壊するぅ！！」ＡＴＫ４２００→２６００


エビル・ストレングスはトークンを身代わりに生き残ったが、残りのトークンは全て焼き消えてしまった。
そして攻撃をしかけたナイトメア・ドレッドも自身の耐性により破壊されない為、何事も無かったかのように攻撃を続行する。




夏武斗「でもこれでトークンはもういない！！」


仁「今度こそ終わりだ！！」


仁＆夏武斗「「ディアボリック・デスランス！！」」



大きく放られた黒き大槍は邪神の中心に突き刺さり、そのままその身体を内側から爆散させる。





漆原「があああああぁぁぁぁ！！！」ＬＰ５９００→２９００





漆原「私の……エビル・ストレングスが……。」


仁「バトルギルドの効果で、俺は１０００ライフを回復。ターンエンド。」ＬＰ２２００→３２００



夏武斗「リザレクション・バタフライの効果！リザレクション・バタフライを特殊召喚！」星１０・ＡＴＫ２８００　ＬＰ１７００→２２００



仁「夏武斗、最後はお前に任せた。」


夏武斗「よっしゃ！！任せろ仁！！」



夏武斗「俺のターン！ドロー！」


夏武斗「俺は墓地のクレストウィング・フェアリーの効果発動！」


夏武斗「このカードを墓地から除外する事で、モンスター１体の攻撃力はターン終了時まで５００アップする！！」


夏武斗「対象は勿論リザレクション・バタフライだ！」ＡＴＫ２８００→３３００




漆原「そんな………そんなことが」



夏武斗「これでホントに最後だ！！覚醒翅蝶－リザレクション・バタフライでダイレクトアタック！！」ＬＰ２２００→１２００


夏武斗「ルミネッセンス・バーンフォース！！！」


浄化の炎を纏い、漆原に突攻していく。





漆原「あ、あああ、ああああああぁぁぁぁぁぁ！！！！」ＬＰ２９００→０




ＷＩＮ・夏武斗＆仁






一面に広がっていたドーム状の影が消え去っていく。
中からは二人の決闘者と、両膝をついて崩れ落ちる一人の男。


漆原「こんなことが……そんな馬鹿な…この私が。」


夏武斗「やったな！！仁！」


仁「…だな。」


どちらからともなく近づき、拳をぶつけて互いを称え合う夏武斗と仁。




漆原「こ、こんな……あってたまるかこんなことありえないこんな…」


仁「…下らん譫言は牢屋に行ってからにしてもらおうか。」


夏武斗「そうだ！！奪った皆のカード！！返して貰うぜ！！」


崩れ落ちブツブツと何かを喋る漆原にかけよる夏武斗。



夏武斗「おい！聞いてんのかよ！！」


漆原の肩を揺すろうと手を伸ばす…




漆原「私に触れるなあああ！！」


夏武斗「！？」


漆原「私はワダシ…ハ……まだ、負けテな…マゲテナイイイイイ！！！！」


夏武斗「なんだ！？」


仁「…っ！夏武斗離れろ！！」


夏武斗「ええっ！！？」


漆原が懐からカードを１枚取り出す。



漆原「私はこンナとこロで終わルわけニは行かなイんだ！！！界精のカードよ！！私に力ヲ！！チカラヲオオオオオオ！！」


突如輝きだしたカードに飲み込まれるかのように、漆原の全身が光に包まれる。
ギラギラと輝きながら、身体のあらゆる部分が膨張していき、背中には悪魔を思わせる巨大な大翼が出現する。


仁「これも…奴の力だというのか…！？」


夏武斗「こんなの、もう人間じゃねえって……。」


絶句する二人を余所に、漆原は完全に人間ではないものに変り果てる。


漆原「ギャハハハハハ！！！コレガ！コレガワタシノチカラダ！！ヒーーヒッヒヒッヒ！！」


漆原「コゾウドモ！！ツギニアウトキハヨウシャシナイ！！」


漆原「カンプナキマデニタタキツブシテヤル！！！」


夏武斗「なっ！？おい！！うわっ…！！」



大翼を大きく震い上げると、跳躍と共に一気に空へと飛び去る。
夏武斗は一瞬何が起きたのか分からずに立ち尽くしたが、直ぐに我に返ると大空に向かって声を張り上げた。




夏武斗「おおおぉぉぉい！！俺のカード！！皆のカード返せえええ！！！」














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仁「夏武斗。」


何度も叫び続け疲れ果てた夏武斗は、その場にへたり込む。
確かにデュエルには勝利したが、その上でまんまと窃盗犯を取り逃がした事実が脚の力を抜いていく。


夏武斗「っっっっくしょう！！！」




仁「…戻るぞ。」


夏武斗「でも仁！！！」


仁「今の俺達では奴を追う事は不可能だ。……先ずはＭ.Ｃ.Ｃとジェネシック、そしてセキュリティに報告するのが先だ。」


夏武斗「………」


仁「…奴があんなことになったのは完全に予想外だった。」


夏武斗「一体なんなんだよアインヘリアルって……訳分かんねえよ。」


仁「全くだな。」



夏武斗（俺、今日はただトレジャー歌劇団の公演を見に来るだけのつもりだったのに、なんだか大変な事ばっかり起きるな。）



dPhoneを確認する仁。


仁「…トレジャー歌劇団の公演ももう終わったそうだ。」


仁「団員の一人がアインヘリアルのメンバーだった影響で裏ではかなり慌てたようだが、なんとか代役を立てて乗り切ったらしい。」


夏武斗「…そっか。」





仁（漆原……奴もアインヘリアルなのか……？）


仁「だとすれば何故……。」



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（街道）


双葉「……あの人。」


双葉「あの人って……やっぱり…。」




終










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（次回予告）


夏武斗「チックチョー！俺のヴィクトリー・ビートルがぁ！」


仁「…あのような異形になるとは、予想外だった。」


天音「アインヘリアル…次はどう動いてくるのでしょうか。」


夏武斗「ビルを襲って物盗んで…大会をめちゃめちゃにして…えーっとあとは…。」


天音「一度状況を整理してみませんか？セキュリティやジェネシックへの報告もありますし。」


夏武斗「次回、『マイティレポートPart.1』」


マイティ「ボス～報告書できました～」
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・初めて見た筈のナイトメア・ドレッドの攻撃名を何故夏武斗が知っているのか…というツッコミはスルーで…。
・次回から２話に渡って総集編的なものの予定………ですが、その前に別の企画を始める予定なので時間がかかるかもです。