13 無差別攻撃！戦慄のタッグデュエル！　作：ギガプラント

夏武斗「俺はレベル４の霊木仙人とレベル３のビートルーパーにレベル１のクレストウィング・フェアリーをチューニング！」





密林の王者よ！燃えたぎる闘志をその身に宿し、猛き一撃で勝利を掴め！



シンクロ召喚！



出でよ！『ヴィクトリー・ビートル』！星８・ＡＴＫ２５００




漆原「エクセレント！素晴らしいカードだ！この私ですら本物を見るのは初めてですよ。」



夏武斗「仁！なんでこんな奴に手を貸すんだよ！お前はそんな…！」


仁「………黙れ。」


夏武斗「くっ…だったらデュエルに勝って、今度こそ話を聞いてもらうまでだ！」




夏武斗「いくぞ！仁っ！！」


夏武斗「俺は墓地のクレストウィング・フェアリーの効果発動！」


仁「…墓地のモンスターの効果だと？」


夏武斗「墓地のこのカードをゲームから除外する事で、フィールド上のモンスター１体の攻撃力はエンドフェイズまで５００ポイントアップする！」


夏武斗「俺はヴィクトリー・ビートルの攻撃力を上げるぜ！」ＡＴＫ２５００→３０００

半透明になったクレストウィング・フェアリーが現れ、ヴィクトリー・ビートルに吸収される。


夏武斗「バトルだ！俺はヴィクトリー・ビートルで、仁のランサー・デーモンを攻撃！」


夏武斗「ヴィクトリーホーン・ストライク！！」


仁「…くっ！」ＬＰ４０００→２６００


漆原「おや夜見原君……まさか一方的にやられるなんてことはありませんよね？」


夏武斗「ヴィクトリー・ビートルが相手モンスターを戦闘によって破壊した場合、もう一度だけ続けて攻撃できる！」


夏武斗「いくぜ！ヴィクトリー・ビートルで、ナイトメア・エッジを攻撃！」


夏武斗「ヴィクトリーホーン・ストライク！！」


仁「罠発動！『オーバーレイ・プロテクション』！」


仁「エクシーズモンスターへの攻撃を無効にする！」


仁「更に自分フィールドのオーバーレイユニットの数×８００ポイント、自分のライフを回復する。」

ナイトメア・エッジの周りを回っていた残りのオーバーレイユニットが光輝く。


仁「…俺のフィールドのオーバーレイユニットは１つ…よって８００のライフを得る。」ＬＰ２６００→３４００


夏武斗「…そう簡単には通してくれないか。」


夏武斗「俺はカードを１枚セット！これでターンエンドだ！」


夏武斗「この瞬間、ヴィクトリー・ビートルの攻撃力は元に戻る…。」ＡＴＫ３０００→２５００



仁「…俺のターン、ドロー。」


夏武斗（ヴィクトリー・ビートルとナイトメア・エッジの攻撃力は同じ…。）


夏武斗（相討ち狙いで攻撃してくるか…それとも）


仁「…ナイトメア・エッジの効果発動。」


仁「オーバーレイユニットを１つ使い…手札より『壮麗なる騒霊（スプレンダーガイスト）』を守備表示で特殊召喚。」星４・ＤＥＦ１０００

不思議な形の笛を持った騒がしい幽霊。


仁「壮麗なる騒霊がフィールド上に存在する限り、俺のフィールドの闇属性モンスターの攻撃力は４００ポイントアップする。」ナイトメアＡＴＫ２５００→２９００　葬霊ＡＴＫ０→４００

手に持った笛を吹き鳴らす。かん高い音がフィールドを包む。


仁「…そして壮麗なる騒霊以外に闇属性モンスターが存在する時、相手はこのカードを攻撃対象にできない。」


夏武斗「攻撃力を上げられた…！」


天音「これでは一方的に…！」


漆原「エクセレント！それでこそ優秀な雇われというものです。」


仁「ﾁｯ…バトルフェイズ。」


仁「ナイトメア・エッジで、ヴィクトリー・ビートルに攻撃…！」


仁「…デモニック・ランス！」

大槍に貫かれるヴィクトリー・ビートル。


夏武斗「ぐああぁ！！」ＬＰ４０００→３６００


天音「夏武斗君！！」


仁「…ターンエンド。」


漆原「おやおや……ヴィクトリー・ビートルとはその程度で終わってしまわれるのですか…少々残念ですね。」


夏武斗「いや、まだだ！罠発動！『奇跡の残照』！」


夏武斗「このターン破壊されたモンスター１体を墓地から特殊召喚する！」


夏武斗「蘇れ！ヴィクトリー・ビートル！！」星８・ＡＴＫ２５００


仁「………」


漆原「なるほど…そうでなければ面白くありませんね。」


天音（一先ず持ち直したと言ったところでしょうか…。）



天音「私のターン！ドロー！」


天音（攻撃力２９００のモンスター…危ないですね。）


天音（これはタッグデュエル…片方が狙い撃ちされては一溜りもありません…。）


天音（でしたらここは…！）


天音「まず私は、ファイン・ファイターの効果を発動！レベルを１つ上げます！」星５→６


天音「そして『雨天使 レーゲン』を召喚！」星３・ＡＴＫ１５００


天音「続けて魔法カード『倍雨前線（ダブルレインフロント）』を発動！」


天音「自分フィールド上のモンスター１体は、このターン２倍のレベル扱いでエクシーズ素材にできる！」


漆原「成程…エクシーズですか…。」


天音「効果対象は雨天使レーゲンです！」


夏武斗「よし！これでレベル６が２体だ！」


天音「私はレベル６扱いの雨天使レーゲンとレベル６のファイン・ファイターでオーバーレイ！」


天音「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」




エクシーズ召喚！



現れよ！天光の海を翔る優しき翼！『晴天竜 クリアースカイ・ドラゴン』！ランク６・ＡＴＫ２８００




夏武斗「よっしゃあ！これで百人力だぜ！」


漆原「…このモンスターは」


漆原「くっくっく……エクセレント。素晴らしいですよ…実に素晴らしい！」


漆原「まさかこの私ですら知らないカードが見られるなんて！！」



天音「………」


天音（彼のモンスター…未だ動きを見せませんが一体…。）


天音（早めに手を打った方がいいかもしれません…！）


天音「バトルです！クリアースカイ・ドラゴンで、邪商神エビルスターに攻撃！」


天音「サンライズ・ノヴァ！」


漆原「おや？こちらに来ましたか…仕方ありませんね。」


漆原「罠発動！『Ｄ２シールド』」


漆原「モンスター１体の守備力を２倍にします。」


天音「しまっ…！」


漆原「対象は勿論エビルスターです。」ＤＥＦ２６００→５２００


漆原「これでこちらの守備力が上回りましたね。」


漆原「さぁ向かい撃ちなさい！エビルスターよ！」

放たれた光弾を拳で弾き返す。


天音「きゃあっ！！」ＬＰ４０００→１６００


夏武斗「天姉ぇ！」


天音「大丈夫です……くっ！」


漆原「動かないからと油断しましたか？…甘く見られたものですねぇ。」


天音（迂闊だった…！もっと罠を警戒すべきでしたね…。）


天音「くっ…ターンエンドです…！」



漆原「では私のターン。ドロー。」


漆原「そろそろ私も…動かせていただきましょうか…。」


漆原「私はセットしていた罠カード『無謀な欲張り』を発動します。」


天音「無謀な欲張り…！」


仁「………」


漆原「このカードの効果により、私は２ターン分のドローを前借します。」


夏武斗「前借ぃ！？……って、なんだ？」


天音「え、えーっとですね…。」


漆原「つまりこの場でカードを２枚ドローします。但し今後２ターン分、私はドローフェイズにドローができません。」


夏武斗「な、なるほど…。」


漆原「事を起こすにはタイミングが重要なのですよ。商人の中では基本なのですがね。」


漆原「カードを２枚ドロー。…そしてこの瞬間、邪商神エビルスターの効果発動。」


漆原「効果によってカードがドローされた時、ドローされたカードの数×２００ポイントのダメージを相手ライフに与える！」

エビルスターの掌から上空に向かって黒い光が放たれる。


漆原「さぁ！４００ポイントのダメージです！」

上空から雨のように光が降りそそぐ。


夏武斗「うわっ！」ＬＰ３６００→３２００


天音「くっ！」ＬＰ１６００→１２００


仁「ﾁｯ……」ＬＰ３４００→３０００


夏武斗「なっ！？お前味方にまでダメージを与えんのかよ！」


漆原「タッグパートナーも『相手』に含まれますからねぇ…これは致し方ないですね。」


漆原「まぁ、彼ならなんとかやってくれるでしょう。」


夏武斗「てっめぇ…！」


漆原「仮に彼が負けてしまっても私が倒れなければ問題ありません。タッグデュエルである以上、同時に２人攻撃できる方がお得だと思いませんか？」


仁「………」


天音「勝つ為ならパートナーの犠牲も厭わない…それがあの人の…。」


漆原「そろそろデュエルに戻りましょう。私は永続魔法『スーパー・プロスペリティ』を発動します。」


漆原「このカードは１ターンに１度、相手の墓地のカードを５枚まで選択して効果を発動できるカード…。」


漆原「この効果により私は……そうですねぇ。君の墓地から、ビートルーパー、霊木仙人、奇跡の残照の３枚を選択します。」


夏武斗「俺のカードを…！？」


漆原「この効果により、私は選択したカードの枚数分だけ手札を捨てる。」


漆原「そして捨てた枚数と同じ枚数分…３枚をドロー！」


天音（カードの効果でドローを…！）


漆原「そして選択したカードは持ち主の手札へと戻ります。」


夏武斗「えっ！？」

手札に帰っていく３枚。


漆原「ですが私がドローした３枚分…６００ポイントのダメージは受けてもらいますよ。」


夏武斗「ぐっ！！」　ＬＰ３２００→２６００


天音「きゃっ！」ＬＰ１２００→６００


仁「………」ＬＰ３０００→２４００


夏武斗「へっ…でも俺の手札は３枚も増えたぜ。ちょっとサービスしすぎなんじゃないか？」


漆原「私腹が肥えたからと言って油断していては直ぐに足元をすくわれますよ…ふふ。」


漆原「カードを２枚セットしてターンエンドです。」



夏武斗「俺のターンだ！ドロー！」


漆原「この瞬間！罠カード発動！『強欲な贈り物』！」


漆原「相手プレイヤーはカードを２枚ドローする！さぁドローするのは君ですよ？」


夏武斗「俺に更にドローを…！」


夏武斗「後悔しても知らねえぞっと…ドロー！」


漆原「エビルスターの効果発動！更に４００ポイントのダメージ！」


夏武斗「何っ！こっちがドローしてもダメージが与えられるのか！？」


漆原「ふふ…私は『効果によってカードがドローされた時』としか言っていませんよ？」


夏武斗「くっ…また…！」ＬＰ２６００→２２００


天音「きゃあ！！」ＬＰ６００→２００


仁「くっ……！」ＬＰ２４００→２０００


漆原「おやおや…そちらのお嬢さんはもう限界ですか、でしたら…とどめを刺して差し上げるとしましょう。」


天音「！？」


漆原「更に罠発動！『大暴落』！」


漆原「手札８枚以上のプレイヤーは手札を全てデッキへ戻す！」


夏武斗「俺の手札は増えて…９枚！？」


漆原「ふふふ……まさに大暴落ですねぇ。」


夏武斗「ちっくしょお！！」

手札をデッキに混ぜる。


漆原「ですがご安心を…手札を戻した後、２枚のドローができますので。」


夏武斗「２枚ドローって事は４００ダメージ……天姉！？」


漆原「さぁエビルスターの効果発動！更に４００ポイントダメージ！」

降りそそぐ光。


夏武斗「天姉ええ！！」　ＬＰ２２００→１８００


仁「！」ＬＰ２０００→１６００



フィールド全体に掛かっていた砂煙が晴れる。


天音の前に大きな傘を構えたモンスターが立っている。




天音「…『アンブレラ・ガーダー』の効果…このカードを手札から墓地へ送る事で、このターン受けるダメージを１度だけ０にします。」


夏武斗「天姉！良かった！」


漆原「…仕留め損ねましたか。まぁいいでしょう。夜見原君後は任せましたよ。」


夏武斗「おまえ…あれだけ仁にも攻撃しといてなんて言い草だ！」


漆原「ですから先程も言ったでしょう？雇われとは雇い主の機械のように動くのがお仕事なのですよ。」


天音「酷い……！」


夏武斗「仁！！お前ホントに…ホントにこんな奴の言いなりで良いのかよ！！」


仁「………！！」


夏武斗「仁！！何とか……」


仁「黙れ！！」


夏武斗「！！？」


仁「…貴様のような子供には分からん。家も家族も当たり前に在る貴様に、俺のことなど！」


仁「ターンを続けろ…まだ抗うというのなら！」


夏武斗「てっめぇ…！！」


漆原「エクセレント。やはり最初から君を雇っておくんでしたね。」



夏武斗「んにゃろお！！俺は『火樽』（バレル・フライ）を召喚！」星３・ＡＴＫ１２００


夏武斗「バトル！俺はヴィクトリー・ビートルで、ナイトメア・エッジを攻撃！！」


夏武斗「そしてこの瞬間！速攻魔法『バトル・コンセントレーション』を発動！」


夏武斗「戦闘を行うモンスター１体は、バトルフェイズ終了時までそのカード以外の効果を受けない！」


夏武斗「俺が選択するのはナイトメア・エッジ！これで攻撃力は元に戻る！」ＡＴＫ２９００→２５００


仁「…！罠発動『マジックアーム・シールド』！」


夏武斗「何っ！？」


仁「相手モンスター１体のコントロールを奪い、そのモンスターと強制的に戦闘させる！！」


仁「火樽を俺の場へ！」

盾から出たアームに身体を掴まれ引き寄せられる火樽。そのままヴィクトリー・ビートルに貫かれる。


夏武斗「くそっ…火樽が戦闘を行うことによって発生するダメージは、相手も一緒に受ける！」ＬＰ１８００→５００


仁「……！！」ＬＰ１６００→３００


夏武斗「けど！ヴィクトリー・ビートルは相手モンスターを破壊した時、もう一度だけ攻撃できる！！」


夏武斗「いけえ！ヴィクトリー・ビートルでナイトメア・エッジを攻撃！」


仁「相討ち狙いか…！！」






天音「それはどうでしょう？」


仁「！！？」


天音「クリアースカイ・ドラゴンの効果発動！」


天音「オーバーレイユニットを１つ使うことで、フィールド上のモンスター１体はこのターン戦闘で破壊されなくなります！」


天音「私はこの効果を…ヴィクトリー・ビートルに使います！」


仁「何だと！！？」


漆原「！？」


夏武斗「サンキュー天姉！！いっけえ！！ヴィクトリーホーン・ストライクウウウゥゥゥ！！」」

身体を一気に貫かれるナイトメア・エッジ。


仁「くぅ…まさかこんな…！」


天音「仲間がピンチの時に助け合える…それがタッグデュエルです！」


仁「………」


夏武斗「俺はこれでターンエンド…。」




漆原「………」


漆原「はっはっはっはっはっはっは！！！」


漆原「良い友情劇でしたよ！！実にエクセレントだ！！ですが残念ですねぇ。今のターンであなたのライフも風前の灯火…もう勝ち目などありません。」


漆原「さぁ夜見原君！やってしまいなさい！！もう私たちの勝ちは揺るがない！！」


夏武斗「くそ…！」


天音(確かに…夏武斗君はヴィクトリー・ビートル以外のカードが無い…クリアースカイの効果で破壊は防げるけどもうダメージを受けきれません…！)


天音（それに今度またスーパー・プロスペリティでドローされたら、エビルスターの効果でほぼ確実に私のライフは０になる…！）


天音（これは…流石に厳しいですね…！）


漆原「くくく…」













「容疑者を確認！」

路地裏に入り込んでくる複数のセキュリティ


天音「えっ？」






終










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（次回予告）


夏武斗「なんだなんだぁ！？一体どうしたってんだぁ？」


天音「あれはセキュリティ！？どうしてここに…。」


夏武斗「俺なんも悪い事してないぜ！！俺は潔白だぁ！！」


天音「…夏武斗君を捕まえに来たわけじゃないと思いますけど。」


夏武斗「とか言ってる場合じゃねえ！俺たちのライフもうギリギリだった！」


夏武斗「次回！『意外な結末！？タッグデュエル決着！』」


天音「どうしてあなたがここに…！？」


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・とりあえず…強欲な贈り物でドローするプレイヤーは指定した一人という事にしています。
・スーパー・プロスペリティ、今回の過去作成オリカ枠です。