19 喧嘩上等！武装闘鬼の底力　作：ギガプラント

大駕「さぁ！かかって来んかいぃ！！」


仁「くっ…俺のターン、ドロー。」


仁「俺はモンスターを裏側守備表示でセット…。」


仁「…これでターンエンドだ。」


大駕「はっはっは！打つ手が無くなったかぁ！」


仁「…下らん戯言はいい。早くターンを進めろ。」



大駕「上等じゃ！儂のターン！！ドロゥ！」


仁（押されてはいるが、奴の手札は１枚のみ…勝機はまだ失われていない！）


大駕「がははは！！モンスターを引いたわい！これで終いじゃ！」


大駕「儂は『武装闘鬼 ファルクス』を召喚！」星３・ＡＴＫ１２００

ケラケラと笑いながら反り返った刀剣を振り回す武装闘鬼モンスター。


仁「来たか…。」


大駕「バトルじゃ！武装闘鬼 フランヴェルジェでセットモンスターに攻撃！」


仁「…くっ！破壊された『常闇のファントム』の効果発動！」


仁「このカードが破壊された時、相手モンスター１体の表示形式を変更する。」


仁「俺は武装闘鬼 ファルクスを守備表示に変更。」ＤＥＦ１０００


大駕「ぬぁ！？追撃を防がれたか！！」


大駕「まだまだやられる気は無いという事か。上等じゃのう…！」


大駕「じゃがまだこちらが場を仕切っとる！ターンエンドじゃ！！」



仁「俺のターン…ドロー。」


仁（これなら…！）


仁「相手フィールドにのみモンスターが存在する時、このカードは手札から特殊召喚できる。」


仁「現れろ！『先陣の魔妖兵』！」星６・ＡＴＫ２４００


仁「但しこの方法で特殊召喚したターンこのカードは攻撃できない。」


大駕「中々デカい火力のモンスターじゃが…攻撃できんのなら怖くないのぅ…！」


仁「…俺は魔法カード発動『共鳴蘇生』！」


大駕「…なんじゃと？」


仁「フィールド上に存在するモンスター１体の同名のモンスター１体を墓地から特殊召喚する。」


仁「墓地より『先陣の魔妖兵』を特殊召喚！」


大駕「なんと！これでレベル６モンスターが２体に！？」


仁「このまま風向きを変える…！」


仁「俺はレベル６の先陣の魔妖兵２体でオーバーレイ！」


仁「２体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！」




エクシーズ召喚！




現れよ！闇を総べる高貴なる覇者！ランク６！『冥獄公爵 アシュタロード』！ランク６・ＡＴＫ２６００





漆黒の衣を纏う悪魔の貴族。



仁「更に俺は『マッド・デーモン』を召喚！」星４・ＡＴＫ１８００


大駕「たった３００のライフで下級モンスターを攻撃表示か…上等じゃが命知らずな奴じゃのう。」


仁「マッド・デーモンは攻撃された時、守備表示になる効果がある。………それに、このターンで終らせればそれも無意味な懸念だ。」


大駕「何じゃとぉ…！？」


仁「冥獄公爵 アシュタロードのモンスター効果発動！」


仁「１ターンに１度、オーバーレイ・ユニットを１つ使う事で、自分フィールドの闇属性エクシーズモンスターの数までフィールドのカードを破壊する！」


大駕「なっ！破壊効果っ！！？」


仁「闇属性エクシーズモンスターはアシュタロード１枚、俺は武装闘鬼 フランヴェルジェを破壊する！」


仁「マジェスティ・バースト！！」

掌より見えない闇が放たれる。


大駕「くっ！すまぬフランヴェルジェよ…。」


仁「バトル！マッド・デーモンで、武装闘鬼 ファルクスを攻撃！ボーン・スプラッシュ！」


仁「そしてマッド・デーモンが守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を超えていればその数値分の貫通ダメージを与える！」


大駕「貫通ダメージ！？ぐあああ！！」ＬＰ２９００→２１００


大駕「じゃがまだじゃ！まだ終わらせん！！儂は武装闘鬼 ファルクスの効果発動！」


大駕「ファルクスが戦闘によって破壊された時、墓地からファルクス以外の武装闘鬼モンスターを特殊召喚する！」


仁「くっ！そんな効果が…！」


大駕「蘇れ！『武装闘鬼 ハルパー』！攻撃表示じゃ！」星４・ＡＴＫ１５００


大駕「ハルパーがバトルフェイズ中に特殊召喚された時、このターンのみ攻撃力が１２００ポイントアップする！」ＡＴＫ１５００→２７００


大駕「これで攻撃力は２７００まで上がる！そのモンスターじゃ倒せんわい！」


仁（倒し損ねたか…。）


仁「しかしその強化もこのターン中のみ…。」


仁「これでターンエンドだ。」ハルパーＡＴＫ２７００→１５００



大駕（くっ…！儂の手札は０、場のハルパーも攻撃力は１５００に戻っておる。）


大駕（儂のセットカードは罠カード『地霊術－鉄』。このカードは地属性モンスター１体をリリースし墓地からレベル４以下の地属性モンスターを特殊召喚できる…。）


大駕（こいつをバトルフェイズ中に発動し、もう一度ハルパーを特殊召喚すれば攻撃力は２７００となり奴のモンスターを倒せるが…。）


大駕（地霊術－鉄には『リリースしたモンスターは特殊召喚できない』制約がある。つまりこのコンボを成功させるには、次のドローカード１枚でハルパーを墓地へ送りつつフィールドにモンスターを残さなきゃならん！）


大駕（その方法はただ１つ…アドバンス召喚じゃ！）


大駕（このドローでレベル５か６のモンスターを引けば…まだ巻き返せる！！）



大駕「ゆくぞ！！儂のターン！！ドロオオオウウウゥゥゥ！！！」




仁（あの目…これはまだ終わらない…！）






大駕「よぉし！！儂は武装闘鬼 ハルパーをリリース！！」


仁「！？」


大駕「『武装闘鬼 シャムシール』をアドバンス召喚じゃ！！」星５・ＡＴＫ１７００

反り返った細長い剣を構えた細身の悪魔戦士。


大駕「シャムシールは自分フィールドの武装闘鬼モンスター１体につき攻撃力が３００ポイントアップする！」ＡＴＫ１７００→２０００


大駕「バトルじゃ！武装闘鬼 シャムシールでマッド・デーモンに攻撃！」


仁「マッド・デーモンの効果発動。攻撃された時このカードは守備表示になる。」ＤＥＦ０


大駕「じゃがそのモンスターは破壊じゃ！」


仁「………」


大駕「そしてここで罠発動！『地霊術－鉄』！」


大駕「地属性モンスター１体をリリースし、墓地からレベル４以下の地属性モンスター１体を特殊召喚する！」


大駕「もう一度来い！『武装闘鬼 ハルパー』！」星４・ＡＴＫ１５００


仁「そういう事か…！」


大駕「バトルフェイズ中に特殊召喚されたハルパーの攻撃力は１２００ポイントアップする！！」ＡＴＫ１５００→２７００


大駕「行くぞ！武装闘鬼 ハルパーで冥獄公爵 アシュタロードに攻撃！！」


仁「ぐううっ…！」ＬＰ３００→２００


大駕「よし！２体目のエクシーズも撃退じゃ！」


大駕「これでターンエンド！！」　ＡＴＫ１５００→２７００






仁「くっ…！」


大駕「楽しい…楽しいのう。ここまで燃えたデュエルは久し振りじゃわい！」


仁（こいつ…。）


大駕「さぁ来い！最後まで全力で闘うんじゃ！」


仁（…雇われや悪人の臭いがしない。だとすれば…）


仁「…いや、そんなことはどうでもいい。」


大駕「うん？どうしたんじゃ？」


仁「…なんでもない。行くぞ、俺のターン！ドロー！」





仁（………よし！）





仁「魔法カード発動、『悪夢再び』！」


仁「自分の墓地の守備力０の闇属性モンスター２体を手札に加える。」


仁「俺が手札に呼びもどすのは『先陣の魔妖兵』『マッド・デーモン』の２枚…！」


大駕「ほう…！」


仁「相手フィールドにのみモンスターが存在する時、手札から『先陣の魔妖兵』を特殊召喚！」星６・ＡＴＫ２４００


大駕「じゃがその方法で出したそのモンスターはこのターン攻撃ができない…さっき自分でそう言ったのは忘れておらんじゃろうな？」


仁「当然だ…更に俺は『マッド・デーモン』を召喚！」星４・ＡＴＫ１８００


大駕「モンスターが２体か…。」


仁「そして…装備魔法発動！『ディフェクティブ・リエクシーズ』！」


大駕「装備魔法じゃと…！？」


仁「…自分フィールドのモンスター２体をオーバーレイユニットとし、墓地のエクシーズモンスター１体を復活させる！」


大駕「なっ…！？レベルの異なるモンスター同士でもう一回エクシーズじゃと！！？」


仁「…但し復活させたエクシーズモンスターにこのカードを装備し、装備が外れた場合そのモンスターの効果は無効化される。」


仁「…不完全な状態で強引にもう一度エクシーズ召喚を行う、それがこのカードだ。」


大駕「そんなカードを…！」


仁「装備対象は『冥獄公爵 アシュタロード』！場の２体を素材とし蘇れ！」



大駕「………！！」



フィールドにアシュタロードが再び降臨する。



仁「アシュタロードの効果発動！オーバーレイ・ユニットを１つ使い、自分フィールドの闇属性エクシーズモンスターの数までフィールドのカードを破壊する！」


仁「武装闘鬼 ハルパーを破壊！」


大駕「………ふ。」


大駕「がーはっはっは！！！」


大駕「面白い！実に面白いデュエルじゃった！やはり闘って正解じゃったのう！」


大駕「お前のようなデュエリストと闘えた事、誇りに思うぞ！」


仁「ふんっ…バトルフェイズ！」


仁「冥獄公爵 アシュタロードで、ダイレクトアタック！！」


仁「デス・サンクション！！」

異空間より死神の大鎌を呼び出し、敵を一刀両断にする。


大駕「がっはっはっはっは…！！！」ＬＰ１５００→０





ＷＩＮ・仁






大駕「楽しかったのう！！夜見原仁よ！」


仁「それで…結局貴様は何者なんだ？」


大駕「儂か？儂はなぁ………」








奏「あれ？…大駕じゃない。」


光輝「それと…君は確か…」


デュエルセンターの方向より歩いてくる光輝と奏。


大駕「おおう。光輝に奏嬢、我が宿命のライバル達よ！これはまた偶然じゃのう！！」


奏「偶然…ねぇ。あんたこんなとこで何してるわけ？」


大駕「何をとはまた…見ての通り漢同士の熱いデュエルじゃ！がっはっは！！」


奏「…いや、まぁそりゃなんとなくわかるけど。」


光輝「今日は早上がりじゃなかったかい？急用ができたとかで。」


大駕「ああ！この熱いデュエルの為少々暇を貰ったというわけじゃ！！」


仁「……待て、お前は、」


大駕「あぁ！こうして間近で会うのは初めてじゃが儂もセンターのスタッフじゃ！」


仁「………」


光輝「えーっと…確か君は新人スタッフの、夜見原仁君…だったよね。」


奏「あぁ、天音ちゃん達のお友達っていう……」


仁「………誰が」


大駕「やはりお前たちも知っておったか。噂通りの腕前だったぞ！」


仁「…だからその噂とやらは何なのかと訊いている。」


光輝「それって…彼がかなりの実力者らしいっていうアレかい？」


仁「………」


大駕「その通り！強者と訊けば闘わぬわけにはいかんからな！！ここで待ち伏せさせてもらったぞ！」


光輝「ま、待ち伏せだって…？」


奏「あんたねえ…チンピラじゃないんだから…。普通に挑みなさいよ普通に…。」


大駕「こういった手合いの方が本気で闘ってくれると思ってのう！がはは！！」


仁「………」


光輝「大駕…セキュリティにでも通報されたらどうするつもりだよ…。」


奏「っていうかあんたね！この忙しい時期にそんな下らない理由で仕事休むんじゃないわよ！」


大駕「む、むぅ…このデュエルには漢としてのだな…。」


奏「わけ分かんないこと言ってないの！…ったく、あんたの仕事殆ど私等に廻ってきたんだからね。お陰でもうこんな時間よ…。」




大駕「………ほう、上手くやってるようじゃの。」


奏「はぁ？何言って……ってあんたまさか！！」


大駕「がっはっはっは！！すまんかったのう！がっはっはっは！！」


奏「あ、あんた……もう！余計なお世話だって言ってんのよ！このっこのっ！」

大駕に蹴りを入れる奏。


大駕「これこれ蹴るでない蹴るでない。がっはっは！！」


奏「うっさい筋肉馬鹿！！」


光輝「…うん？話が見えないんだが、一体どういう事だい？」


奏「なんでもないわよ！！」


光輝「な、なんで怒るんだよ…。」


大駕「がーはっはっは！！」


仁「………」





仁「…碌な事が無い。」




終










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（次回予告）


夏武斗「なぁ…酒って美味いのかな？」


天音「…どうしたんですか急に？」


夏武斗「いや…その、特に深い理由はねえんだけど…。」


天音「…飲んだことが無いので分かりませんが。って夏武斗君まさかっ！！」


夏武斗「違う違う！俺は飲んでないし飲む気もねえよ！！……ただ、その。」


天音「…どうかしたんですか？」


夏武斗「次回！『駆け付け三杯！？酔っ払いデュエル！』」


夏武斗「酒なんて大っ嫌いだあああぁぁぁ！！！」

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・SS内のオリカはメモにまとめているのですが、「ディフェクティブ・リエクシーズ」のテキストはトップクラスで難しかったです…。因みにこんな感じ↓
ディフェクティブ・リエクシーズ
魔法カード・装備
自分の墓地のエクシーズモンスター１体を選択して発動する。選択したモンスターを特殊召喚し、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター２体をそのモンスターの下に重ねてエクシーズ素材とし、このカードを装備する。このカードがフィールド上から離れた場合、このカードを装備していたモンスターの効果は無効化される。