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コラボ編・上波航海日誌 ~葛藤~ 作:ギガプラント
※本作はター坊様執筆の『遊戯王 カオスジェネレーション』とのコラボ回となっております。
(上波町・住宅地)
メアリー「はぁ~もうちょい身のふり方考えて行動せんとアカンなぁ…。」
メアリー(別にウチとしては自分の思う通りに言っただけやし、悪気があったわけやない。奏っちを心配したんもホントの事や。)
メアリー(せやけど……)
メアリー「お陰でまた宿無しに逆戻りや…あーもう口は災いの元やな。」
メアリー「………」
ふと辺りを見回すが、蒸し暑い外では人の気配を感じない。
メアリー「ハァ……。」
メアリー「また……一人か。」
メアリー「そういえば、一人になるんは…久しぶりやなぁ…。」
メアリー「ユイっち達に会うてからは大所帯やったし…まぁ退屈せんかったけど。」
メアリー「………」
メアリー「アカンアカン!とにかく今は宿探しや!何か金になりそーなもんでも…。」
自身の服の中を手当たり次第に探る。
メアリー「あっ……」
見慣れた小石が一つだけ出てくる。
メアリー「ルナ・デ・マール………。」
メアリー「…流石にアンタは売り払えんわ。」
メアリー「てかアンタ再開と帰還の象徴やろ?なんでまたウチ一人になっとるねん。」
メアリー「ほんまに仕事せぇへんやっちゃなぁ…。」
メアリー(なんて石ころにグチグチ言うてもしゃあないな。)
メアリー「とにかく早いとこなんとかせんと……ん?」
開けた公園に目を向ける。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
(上波町・公園)
楯山「ドロー!!」
楯山「………」
楯山(この戦術も…ダメなのか…。)
楯山「…僕はあのデッキでないと、あの感覚が無いと。」
メアリー(こんな時間に公園にいる物好きもおるんやなぁ…。)
メアリー「………」
メアリー(……もう相手を選んどる余裕はあらへんしな。)
メアリー「なぁ!そこの兄ちゃん!」
楯山「………?」
楯山「なんだ突然?子供は家に帰りたまえ。」
メアリー「いやアンタより年上やと思うんやけど……まぁええか。」
メアリー「なぁ、ウチちょ~っと困っとるんやけど、力貸してくれへん?」
楯山「…新手のキャッチか?そういうのは繁華街の方でやってくれ。住宅街の風紀を乱すんじゃない。」
メアリー「いやそんなんやないし!ええから話だけでも聞いてくれへんか?」
楯山(この風貌といい態度といい……僕が嫌いなタイプの筆頭だな。)
楯山(やはり女性ならもっとこう清廉性というか透き通る上品さというか華やかさがだな…)
メアリー「…何一人でブツブツ言うとるん?」
楯山「はっ!つい声に……とにかく僕は今忙しいんだ。他をあたってくれ。」
メアリー「忙しいて……さっきからカード広げたり眺めたりそればっかやんか。何しとるん?」
楯山「君には関係ない。放っておいてくれ。」
メアリー「そないに簡単に決めつけんといてぇな。これでも人生経験は豊富な自信あるで!なんか悩みがあるなら相談に乗ってもええ!」
楯山「なんだ藪から棒に……君のような背伸びしているだけの子供に相談する事などない。」
楯山「それに、デュエルの事を君に説いたところで到底理解できんだろう。」
メアリー「…なんや言うてくれるやんか。だったら試してみるか?」
楯山「…なんだと?」
メアリー「何しとったかは知らんけど、カードは宝石みたいに眺めて後生大事に抱えるもんやない。使ってなんぼや!」
デュエルディスクを構える。
メアリー「そうは思わんか?」
楯山「ペラペラと大口を…。」
楯山「いいだろう受けてやる…言っておくが僕をそこらのチンピラデュエリストと同等と思っているなら後悔するぞ。」
メアリー「この世界のチンピラなんて知らんし!そっちこそ舐めてかからんといてな!!」
dPhoneモードチェンジ!Dパッドモード!
ターゲットロックOK!
ビジョンリンクOK!
ファーストディールOK!
デュエル!!
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
奏「………」
奏「あー清々した!早くシャワーでも浴びてとっとと寝ちゃお!」
奏「ふぅ…!」
立ち上がりゆっくり歩きだす。
脱衣所の扉に手をかけたところでその動きが止まる。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
メアリー「…確かにちょっと一方的やったな。そこは謝る。ごめんな。」
メアリー「けど…それでもウチは、アンタに後悔なんてして欲しくないんよ。」
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
奏「………」
奏「………あー」
一つ大きくため息をつく。
奏「あーもー!!ホント厄日よ今日は!!」
扉を開けずそのまま玄関方面へと歩き出す。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
メアリー「先攻はもろたで!ウチのターン!!」
メアリー(んなっ!!?)
『七彩海賊-露草のアクア』
『七彩海賊-露草のアクア』
『七彩海賊-露草のアクア』
メアリー(なんやねんこの手札……なんか揃っとるし、モンスターしかおらん…。)
メアリー(溜息と一緒にツキも出てってしもたんか?)
メアリー「…まぁしゃあないか。」
メアリー「ウチは『七彩海賊-露草のアクア』を召喚!」星3・ATK1300
メアリー「露草のアクアの効果発動!召喚に成功した時、デッキから『七彩海賊-紅緋のスカーレット』を手札に加える!」
メアリー「そして露草のアクアが存在する時、自分フィールドの七彩海賊モンスターの攻撃力は200ポイントアップするで!」ATK1300→1500
メアリー「ウチはこれでターンエンドや。」
楯山「…下級モンスター1体に伏せカードも無しだと?僕を馬鹿にしているのか?」
メアリー「んな事あらへん!ウチはいつでも全力や!」
楯山「これで全力…どうやら僕の想像以上に素人のようだな。」
楯山「はぁ…時間を無駄にしたか。僕のターン!」
楯山「僕はモンスターを裏側守備表示でセット!更にカードを1枚伏せてターンエンドだ。」
メアリー「なんやそっちも大して変わらんやん!」
楯山「君のような子供に僕の戦術は理解できまい。早くターンを進めたまえ。」
メアリー「…一々癪に障るやっちゃな。負けてから言い訳しても遅いで。」
メアリー「ウチのターン!ドロー!」
メアリー「ウチは『七彩海賊-紅緋のスカーレット』を召喚!」星3・ATK1400
メアリー「次は紅緋のスカーレットの効果や!デッキから『七彩海賊-常盤のクリケット』を手札に加えるで!」
メアリー「そして紅緋のスカーレットは他の七彩海賊モンスターが居る時、攻撃力が300ポイントアップする!アクアの効果も併せて合計500ポイントアップや!」ATK1400→1700→1900
メアリー「更に!自分フィールドに七彩海賊モンスターが2体以上存在する時、『七彩海賊-紫苑のビオレ』は手札から特殊召喚できる!」星3・DEF1900
メアリー「バトルや!紅緋のスカーレットでセットモンスターに攻撃!」
楯山「僕のモンスターはシャインエンジェル!」DEF800
楯山「戦闘破壊された事により効果発動!デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!来い!2体目のシャインエンジェル!」星4・ATK1400
メアリー「流石にタダじゃやられへんか…まぁええ。」
メアリー「ウチはレベル3の露草のアクア、紅緋のスカーレット、紫苑のビオレでオーバーレイ!」
錨を揚げろ!帆を張れ!今こそ海賊の流儀を見せるとき!暴れたれぇ!
エクシーズ召喚!
ランク3!『七彩海賊船(レインボー・パイレーツ・シップ)-セブンヘブンス』!!ランク3・ATK2000
メアリー「オーバーレイユニットが2つ以上ある時、セブンヘブンスの攻撃力は1000ポイントアップする!」ATK2000→3000
楯山「…攻撃力3000.」
メアリー「そのままセブンヘブンスの効果発動や!オーバーレイユニットを1つ使う事で、デッキの上から3枚を確認しその中から1枚を手札に加える!トレジャー・ハント!」
『七彩海賊-紅緋のスカーレット』
『七彩海賊-常盤のクリケット』
『オーバーレイ・シェルチャージ』
メアリー(うーん……パッとせえへんな。)
メアリー「ウチはオーバーレイ・シェルチャージを手札に加えるで。」
メアリー「これでターンエンドや。」
楯山「ふん、僕のターン。」
楯山「何が相談だ…偉そうに。」
楯山「僕が抱えるこの苦悩は誰にも分りやしない!」
メアリー「……!」
楯山「僕は『光神機(ライトニングギア)-桜火』を召喚!」星6・ATK2400
メアリー「レベル6のモンスターをリリースなしで召喚やて!?」
楯山「桜花はリリースなしで召喚ができるのさ。ただしその場合エンドフェイズに墓地へ送られる。」
メアリー「ほぉ…けどそいつの攻撃力は2400。攻撃力3000のセブンヘブンスには届かんで。それじゃ無駄死にと違うか?」
楯山「…ごちゃごちゃと。これだからお前みたいな女は嫌いなんだ。」
楯山「僕は永続魔法『越えられない壁』を発動!」
メアリー「なんやねん!見た目だけで全部判断しよってからに!」
楯山「このカードが存在し、自分のモンスターが自身の攻撃力より高い数値の攻撃力・守備力に攻撃した時、その攻撃力は相手の数値より100少ない数値となる!」
メアリー「挙句無視かい!!」
楯山「バトルフェイズ!僕はシャインエンジェルで七彩海賊船-セブンヘブンスを攻撃!」ATK1400→2900
不思議な力を受けたシャインエンジェルだが、一歩及ばず返り討ちに遭う。
メアリー「っ!自滅かいな!?」
楯山「ホントにそうか?自分のフィールドを見てみたまえ!」LP4000→3900
メアリー「何を言うて…っ!?」
戦闘を終えたセブンヘブンスの姿が消え去る。
メアリー「ウチのモンスターが…!!」
楯山「僕は更に永続罠『門前払い』を発動していた!このカードが存在する限り、戦闘ダメージを与えたモンスターは手札へと還る!」
メアリー「エクシーズモンスターは手札に戻らへん…エクストラデッキに戻されたっちゅうわけか。」
楯山「更に戦闘破壊されたシャインエンジェルの効果発動!デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!」
楯山「来い!『光神機-閃空』!」星4・ATK1000
楯山「そのまま2体の光神機(ライトニングギア)でダイレクトアタックだ!」
メアリー「くあああ!!!」LP4000→600
楯山「閃空がダイレクトアタックに成功した事により1枚ドローさせてもらうぞ。」
楯山「そして2体の光神機は手札へと還る。」
メアリー「ちっ…無駄死にどころか逃げよった。」
楯山「少しは分かったか。君程度のデュエリストが僕と同等に話そうという事自体が間違いだ。」
メアリー「そういうセリフは…勝ってから言うんやな。」
楯山「ちっ…どこまでも生意気な。」
楯山「僕はカードを2枚伏せてターンエンドだ。」
メアリー「ウチのターン!ドロー!」
メアリー(手札に戻る条件は『戦闘ダメージを与える』事…。それならモンスターを守備表示で出せば……。)
メアリー「………」
メアリー「ウチは『七彩海賊-露草のアクア』を召喚!そのまま効果で紅緋のスカーレットを手札に加える!」星3・ATK1300→1500
楯山「…攻撃表示?」
メアリー「バトルや!ウチは露草のアクアでダイレクトアタック!!」
楯山「馬鹿正直に守備に徹しなかったことは褒めてやる!だが僕に勝つにはまだまだだ!」
楯山「速攻魔法発動!『フォトン・リード』!」
楯山「手札からレベル4以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!来い!3体目の『シャインエンジェル』!」星4・ATK1400
楯山「更にもう一枚!速攻魔法発動!『地獄の暴走召喚』!」
楯山「特殊召喚された攻撃力1500以下のモンスターを手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!」星4・ATK1400
楯山「ただしこの効果により相手もモンスター1体を可能な限り特殊召喚できる。さぁ出したまえ。」
メアリー「…七彩海賊モンスターは同名カードを2体以上出せへんのや。」
楯山「ハッ!完全に悪手を選んだようだな!」
楯山「もう君にできる事はない、早くターンエンドしたまえ!」
メアリー「ウチは……カードを1枚伏せてターンエンドや。」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
住宅街に出る奏。
奏「まだ遠くへは行ってない筈…ったくもう。」
奏「なにやってんのかしら私…!」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
メアリー(ホントにツキが無くなって……いや)
メアリー「そないな事考えとる暇なんてあらへん!まだまだや!」
楯山「僕のターン!」
楯山「さぁこれがラストターンだ。僕は再び『光神機-桜火』を召喚!」星6・ATK2400
楯山「バトルだ!桜火で露草のアクアを攻撃!」
メアリー「そう簡単に行くかい!手札から『七彩海賊-深縹のカリブ』の効果発動!」
メアリー「このカードを攻撃表示で特殊召喚し、攻撃対象をこのカードに変更する!」星3・ATK1200→1400
楯山「悪あがきを!!蹴散らせ!」
メアリー「くっ…そしてこの戦闘で受けるダメージは半分になる!」LP600→100
楯山「ダメージを与えた事により桜火は手札に戻る!」
メアリー「この瞬間罠カード発動や!『海賊の流儀』!」
メアリー「七彩海賊モンスターが戦闘で破壊された時、手札から七彩海賊モンスターを2体まで特殊召喚できる!『七彩海賊-紅緋のスカーレット』『七彩海賊-蒲公英のカナリー』を特殊召喚!」星3・DEF700 星3・DEF900
メアリー「もういっちょ!スカーレットの効果や!クリケットを手札に加える!」
楯山「無駄だと言っている!シャインエンジェルで露草のアクアを攻撃!」LP3900→3800
楯山「門前払いの効果でそいつは手札に戻る!」
楯山「そしてシャインエンジェルの効果によりデッキから『コーリング・ノヴァ』を特殊召喚!」星4・ATK1400
メアリー「またその手か…!」
楯山「2体のシャインエンジェルで残りのモンスターを攻撃!」
身を護るも光弾の前に敗れる2体の七彩海賊。
楯山「今度こそ最後だ!コーリング・ノヴァでダイレクトアタック!!」
メアリー「終わらせへん!墓地から『七彩海賊-紫苑のビオレ』の効果発動!このカードを特殊召喚して攻撃対象をこのカードに変更する!」星3・DEF1900
楯山「墓地からモンスターを特殊召喚だと!?」
楯山「ぐぅ…!だが越えられない壁の効果で攻撃力は上がる!」ATK1400→1800 LP3800→3700
楯山「そしてそのカードも手札行きだ!」
メアリー「っ!けどこれで攻撃は全部防いだで。」
楯山「何度も何度も…!運にまで見放されても尚…!」
楯山(何故そこまで…コイツ無性に腹が立つ!)
楯山「カードを1枚セット!ターンエンド!」
メアリー「運がなんぼのもんやっちゅーねん!そないなもんで諦めるほどウチはつまんない女やない!」
メアリー「見放されたんなら…引っ張ってでも連れてくりゃええ話や!!ウチのターン!ドロー!」
楯山「っ!」
ドローカードを確認する。
メアリー「…ったく、遅いっちゅーねん。」
メアリー「ウチは永続魔法『七彩海賊の旗』を発動!」
メアリー「そしてウチは3体目の露草のアクアを召喚!」星3・ATK1300→1500
メアリー「これも3回目やな。効果でスカーレットを手札に!」
メアリー「更に七彩海賊の旗の効果によりウチはもう一体七彩海賊モンスターを召喚できる!」
メアリー「紅緋のスカーレットを召喚!効果で常盤のクリケットを手札に!」星3・ATK1400→1700→1900
メアリー「更に!自分フィールドに七彩海賊モンスターが2体存在する事により、手札の『七彩海賊-紫苑のビオレ』を特殊召喚!」星3・DEF1900
楯山「どんなにモンスターを並べたところで!!」
メアリー「それはどうやろな?ウチはレベル3の露草のアクアと紅緋のスカーレットでオーバーレイ!」
響け!海賊の雄叫び!轟け!閃光の砲弾!泣く子もぶっ飛ぶ弾ぁ当てたれ!
エクシーズ召喚!
ランク3『七彩海賊砲台(レインボーパイレーツ・キャノン)-ヴァルキューレ』!!ランク3・ATK2000
メアリー「更に速攻魔法『オーバーレイ・シェルチャージ』を発動!」
メアリー「この効果でビオレをヴァルキューレのオーバーレイユニットとする!」
楯山「攻撃力2000のエクシーズモンスターが出たからなんだというんだ!攻撃しても手札に…」
メアリー「まぁまぁこっからがええとこや。」
メアリー「ヴァルキューレの効果発動や!サイコロを1回振り、その目×300ポイントのダメージを与える!」
楯山「効果ダメージ…させるか!罠発動!『ダメージ・トランスレーション』!」
楯山「これでこのターン僕が受けるダメージは半分となる!これなら届くまい!!」
メアリー「せやなぁ…けどこの効果にはもう一つおまけがあるんや。」
楯山「おまけ…だと?」
メアリー「この効果で与えたダメージの倍以下の攻撃力を持つフィールドのモンスターを全て墓地へ送る。勿論コイツ自身は例外やけどな。」
メアリー「これでアンタのモンスターをどければダイレクトアタックができる。それなら届くんと違うか?」
楯山「そんな運任せな効果を…!」
メアリー「さぁ!最後の大博打や!」
コロコロコロ…4
メアリー「サイコロの目は4!よって1200ポイントのダメージや!」
楯山「ダメージ・トランスレーションの効果を忘れたか!ダメージは半分となる!」LP3700→3100
楯山「ダメージが抑えられたことにより墓地へ送れる範囲も狭くなる!600の倍、1200では僕のモンスターの攻撃力に届かない!」
メアリー「弾はまだあんで!2回目や!!」
コロコロコロ…2
メアリー「チッ…2×300、600のダメージ!」
楯山「くっ…それも半分となる!」LP3100→2800
楯山「その効果もあと一度だけだ!4以下が出ればお前に勝ちはない!」
メアリー「逆に言えば5以上なら勝てる可能性があるっちゅうこっちゃろ!!」
メアリー「これがホントに最後の最後や!!行っけえええぇぇぇ!!!」
コロコロコロ…
6
楯山「!!?」
メアリー「よっしゃあああ6や!!1800の半分、900のダメージ!!」
楯山「ぐううう!!はっ!?」LP2800→1900
メアリー「更にこの効果で与えたダメージの倍!1800以下の攻撃力を持つモンスターは皆墓地送りや!!」
何度も撃ち出される砲弾が楯山の天使モンスター達を襲う。
楯山「そんな…全滅だと…!」
メアリー「最後の一発!!ヴァルキューレでダイレクトアタックや!!」
楯山「まさかこんな奴にまで……のわあああぁぁぁ!!!」LP1900→0
WIN・メアリー
メアリー「へっへ~ん!ウチの勝ちや!!」
楯山「………」
メアリー(ちゅうても危なかったわぁ…最初にあんな手札やった時はどうな……あ)
手札に目を向ける。
『七彩海賊-常盤のクリケット』
『七彩海賊-常盤のクリケット』
『七彩海賊-常盤のクリケット』
メアリー(しっかり3枚入れ替わっとるし…)
メアリー「まぁええか。兄ちゃんちょいと…」
奏「見つけた!!」
メアリーの元へ駆けてくる奏。
奏「はあ…はあ、此処にいたのね…。」
メアリー「奏っち!?なんで……」
奏「あ、えーっと…その」
メアリー「…奏っち?」
奏「その…あの……コホン」
奏「あー………さっきは悪かったわよ。」
メアリー「…!」
奏「その…アンタも私の事を思って言ってくれてたみたいだし…流石に出てけは言い過ぎたかな…と。」
メアリー「奏っち…。」
メアリー「いいや、謝らにゃあかんのはウチの方や。色々と偉そうに言い過ぎてたわ。」
奏「いや…いいわよ。もう気にしてないし。」
奏「………」
メアリー「………」
奏「ほ、ほら早く帰るわよ!!沢山汗かいたし早くシャワーでも浴びたいわ!」
メアリー「奏っち……ホンマおおきにな。」
メアリー「あぁっと…兄ちゃんさっきの話なぁ……あれ?」
ふと見渡すが楯山の姿はない。
メアリー「…なんやったんやろあの兄ちゃん。まあええか。」
終
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
(次回予告)
竜太「奏先生って絶対光輝さんの事好きだよな。」
初「えーっと…やっぱりそうなの?」
竜太「いやあれはバレバレだろう…本人は隠してるつもりらしいが。」
初「ま、まぁそっとしておこうよ。」
竜太「おいおいお前は気にしろよ。もしかしたらいつか親戚になるかもしれないんだぜ?」
初「親戚……」
竜太「あ~んな恐い指導や、こ~んな身の毛も弥立つお説教や、そ~んなこの世の地獄を見せるかのような折檻をするあの奏先生と親族になるんだぞ!?」
初「えっ…?」
初「次回!『上波航海日誌第5話!『~勇気~』!」
初「竜太君……何をどうすればそんなに怒らせるの…?」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
・なんかいつもの1.5倍くらいの文量だけど気にしない…。
・「そんな運任せな効果を…!」←ダメージ・トランスレーションが無ければ高確率で勝てていたので別に運任せとも言えなかったりする。
(上波町・住宅地)
メアリー「はぁ~もうちょい身のふり方考えて行動せんとアカンなぁ…。」
メアリー(別にウチとしては自分の思う通りに言っただけやし、悪気があったわけやない。奏っちを心配したんもホントの事や。)
メアリー(せやけど……)
メアリー「お陰でまた宿無しに逆戻りや…あーもう口は災いの元やな。」
メアリー「………」
ふと辺りを見回すが、蒸し暑い外では人の気配を感じない。
メアリー「ハァ……。」
メアリー「また……一人か。」
メアリー「そういえば、一人になるんは…久しぶりやなぁ…。」
メアリー「ユイっち達に会うてからは大所帯やったし…まぁ退屈せんかったけど。」
メアリー「………」
メアリー「アカンアカン!とにかく今は宿探しや!何か金になりそーなもんでも…。」
自身の服の中を手当たり次第に探る。
メアリー「あっ……」
見慣れた小石が一つだけ出てくる。
メアリー「ルナ・デ・マール………。」
メアリー「…流石にアンタは売り払えんわ。」
メアリー「てかアンタ再開と帰還の象徴やろ?なんでまたウチ一人になっとるねん。」
メアリー「ほんまに仕事せぇへんやっちゃなぁ…。」
メアリー(なんて石ころにグチグチ言うてもしゃあないな。)
メアリー「とにかく早いとこなんとかせんと……ん?」
開けた公園に目を向ける。
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(上波町・公園)
楯山「ドロー!!」
楯山「………」
楯山(この戦術も…ダメなのか…。)
楯山「…僕はあのデッキでないと、あの感覚が無いと。」
メアリー(こんな時間に公園にいる物好きもおるんやなぁ…。)
メアリー「………」
メアリー(……もう相手を選んどる余裕はあらへんしな。)
メアリー「なぁ!そこの兄ちゃん!」
楯山「………?」
楯山「なんだ突然?子供は家に帰りたまえ。」
メアリー「いやアンタより年上やと思うんやけど……まぁええか。」
メアリー「なぁ、ウチちょ~っと困っとるんやけど、力貸してくれへん?」
楯山「…新手のキャッチか?そういうのは繁華街の方でやってくれ。住宅街の風紀を乱すんじゃない。」
メアリー「いやそんなんやないし!ええから話だけでも聞いてくれへんか?」
楯山(この風貌といい態度といい……僕が嫌いなタイプの筆頭だな。)
楯山(やはり女性ならもっとこう清廉性というか透き通る上品さというか華やかさがだな…)
メアリー「…何一人でブツブツ言うとるん?」
楯山「はっ!つい声に……とにかく僕は今忙しいんだ。他をあたってくれ。」
メアリー「忙しいて……さっきからカード広げたり眺めたりそればっかやんか。何しとるん?」
楯山「君には関係ない。放っておいてくれ。」
メアリー「そないに簡単に決めつけんといてぇな。これでも人生経験は豊富な自信あるで!なんか悩みがあるなら相談に乗ってもええ!」
楯山「なんだ藪から棒に……君のような背伸びしているだけの子供に相談する事などない。」
楯山「それに、デュエルの事を君に説いたところで到底理解できんだろう。」
メアリー「…なんや言うてくれるやんか。だったら試してみるか?」
楯山「…なんだと?」
メアリー「何しとったかは知らんけど、カードは宝石みたいに眺めて後生大事に抱えるもんやない。使ってなんぼや!」
デュエルディスクを構える。
メアリー「そうは思わんか?」
楯山「ペラペラと大口を…。」
楯山「いいだろう受けてやる…言っておくが僕をそこらのチンピラデュエリストと同等と思っているなら後悔するぞ。」
メアリー「この世界のチンピラなんて知らんし!そっちこそ舐めてかからんといてな!!」
dPhoneモードチェンジ!Dパッドモード!
ターゲットロックOK!
ビジョンリンクOK!
ファーストディールOK!
デュエル!!
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
奏「………」
奏「あー清々した!早くシャワーでも浴びてとっとと寝ちゃお!」
奏「ふぅ…!」
立ち上がりゆっくり歩きだす。
脱衣所の扉に手をかけたところでその動きが止まる。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
メアリー「…確かにちょっと一方的やったな。そこは謝る。ごめんな。」
メアリー「けど…それでもウチは、アンタに後悔なんてして欲しくないんよ。」
~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~
奏「………」
奏「………あー」
一つ大きくため息をつく。
奏「あーもー!!ホント厄日よ今日は!!」
扉を開けずそのまま玄関方面へと歩き出す。
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
メアリー「先攻はもろたで!ウチのターン!!」
メアリー(んなっ!!?)
『七彩海賊-露草のアクア』
『七彩海賊-露草のアクア』
『七彩海賊-露草のアクア』
メアリー(なんやねんこの手札……なんか揃っとるし、モンスターしかおらん…。)
メアリー(溜息と一緒にツキも出てってしもたんか?)
メアリー「…まぁしゃあないか。」
メアリー「ウチは『七彩海賊-露草のアクア』を召喚!」星3・ATK1300
メアリー「露草のアクアの効果発動!召喚に成功した時、デッキから『七彩海賊-紅緋のスカーレット』を手札に加える!」
メアリー「そして露草のアクアが存在する時、自分フィールドの七彩海賊モンスターの攻撃力は200ポイントアップするで!」ATK1300→1500
メアリー「ウチはこれでターンエンドや。」
楯山「…下級モンスター1体に伏せカードも無しだと?僕を馬鹿にしているのか?」
メアリー「んな事あらへん!ウチはいつでも全力や!」
楯山「これで全力…どうやら僕の想像以上に素人のようだな。」
楯山「はぁ…時間を無駄にしたか。僕のターン!」
楯山「僕はモンスターを裏側守備表示でセット!更にカードを1枚伏せてターンエンドだ。」
メアリー「なんやそっちも大して変わらんやん!」
楯山「君のような子供に僕の戦術は理解できまい。早くターンを進めたまえ。」
メアリー「…一々癪に障るやっちゃな。負けてから言い訳しても遅いで。」
メアリー「ウチのターン!ドロー!」
メアリー「ウチは『七彩海賊-紅緋のスカーレット』を召喚!」星3・ATK1400
メアリー「次は紅緋のスカーレットの効果や!デッキから『七彩海賊-常盤のクリケット』を手札に加えるで!」
メアリー「そして紅緋のスカーレットは他の七彩海賊モンスターが居る時、攻撃力が300ポイントアップする!アクアの効果も併せて合計500ポイントアップや!」ATK1400→1700→1900
メアリー「更に!自分フィールドに七彩海賊モンスターが2体以上存在する時、『七彩海賊-紫苑のビオレ』は手札から特殊召喚できる!」星3・DEF1900
メアリー「バトルや!紅緋のスカーレットでセットモンスターに攻撃!」
楯山「僕のモンスターはシャインエンジェル!」DEF800
楯山「戦闘破壊された事により効果発動!デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!来い!2体目のシャインエンジェル!」星4・ATK1400
メアリー「流石にタダじゃやられへんか…まぁええ。」
メアリー「ウチはレベル3の露草のアクア、紅緋のスカーレット、紫苑のビオレでオーバーレイ!」
錨を揚げろ!帆を張れ!今こそ海賊の流儀を見せるとき!暴れたれぇ!
エクシーズ召喚!
ランク3!『七彩海賊船(レインボー・パイレーツ・シップ)-セブンヘブンス』!!ランク3・ATK2000
メアリー「オーバーレイユニットが2つ以上ある時、セブンヘブンスの攻撃力は1000ポイントアップする!」ATK2000→3000
楯山「…攻撃力3000.」
メアリー「そのままセブンヘブンスの効果発動や!オーバーレイユニットを1つ使う事で、デッキの上から3枚を確認しその中から1枚を手札に加える!トレジャー・ハント!」
『七彩海賊-紅緋のスカーレット』
『七彩海賊-常盤のクリケット』
『オーバーレイ・シェルチャージ』
メアリー(うーん……パッとせえへんな。)
メアリー「ウチはオーバーレイ・シェルチャージを手札に加えるで。」
メアリー「これでターンエンドや。」
楯山「ふん、僕のターン。」
楯山「何が相談だ…偉そうに。」
楯山「僕が抱えるこの苦悩は誰にも分りやしない!」
メアリー「……!」
楯山「僕は『光神機(ライトニングギア)-桜火』を召喚!」星6・ATK2400
メアリー「レベル6のモンスターをリリースなしで召喚やて!?」
楯山「桜花はリリースなしで召喚ができるのさ。ただしその場合エンドフェイズに墓地へ送られる。」
メアリー「ほぉ…けどそいつの攻撃力は2400。攻撃力3000のセブンヘブンスには届かんで。それじゃ無駄死にと違うか?」
楯山「…ごちゃごちゃと。これだからお前みたいな女は嫌いなんだ。」
楯山「僕は永続魔法『越えられない壁』を発動!」
メアリー「なんやねん!見た目だけで全部判断しよってからに!」
楯山「このカードが存在し、自分のモンスターが自身の攻撃力より高い数値の攻撃力・守備力に攻撃した時、その攻撃力は相手の数値より100少ない数値となる!」
メアリー「挙句無視かい!!」
楯山「バトルフェイズ!僕はシャインエンジェルで七彩海賊船-セブンヘブンスを攻撃!」ATK1400→2900
不思議な力を受けたシャインエンジェルだが、一歩及ばず返り討ちに遭う。
メアリー「っ!自滅かいな!?」
楯山「ホントにそうか?自分のフィールドを見てみたまえ!」LP4000→3900
メアリー「何を言うて…っ!?」
戦闘を終えたセブンヘブンスの姿が消え去る。
メアリー「ウチのモンスターが…!!」
楯山「僕は更に永続罠『門前払い』を発動していた!このカードが存在する限り、戦闘ダメージを与えたモンスターは手札へと還る!」
メアリー「エクシーズモンスターは手札に戻らへん…エクストラデッキに戻されたっちゅうわけか。」
楯山「更に戦闘破壊されたシャインエンジェルの効果発動!デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!」
楯山「来い!『光神機-閃空』!」星4・ATK1000
楯山「そのまま2体の光神機(ライトニングギア)でダイレクトアタックだ!」
メアリー「くあああ!!!」LP4000→600
楯山「閃空がダイレクトアタックに成功した事により1枚ドローさせてもらうぞ。」
楯山「そして2体の光神機は手札へと還る。」
メアリー「ちっ…無駄死にどころか逃げよった。」
楯山「少しは分かったか。君程度のデュエリストが僕と同等に話そうという事自体が間違いだ。」
メアリー「そういうセリフは…勝ってから言うんやな。」
楯山「ちっ…どこまでも生意気な。」
楯山「僕はカードを2枚伏せてターンエンドだ。」
メアリー「ウチのターン!ドロー!」
メアリー(手札に戻る条件は『戦闘ダメージを与える』事…。それならモンスターを守備表示で出せば……。)
メアリー「………」
メアリー「ウチは『七彩海賊-露草のアクア』を召喚!そのまま効果で紅緋のスカーレットを手札に加える!」星3・ATK1300→1500
楯山「…攻撃表示?」
メアリー「バトルや!ウチは露草のアクアでダイレクトアタック!!」
楯山「馬鹿正直に守備に徹しなかったことは褒めてやる!だが僕に勝つにはまだまだだ!」
楯山「速攻魔法発動!『フォトン・リード』!」
楯山「手札からレベル4以下の光属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する!来い!3体目の『シャインエンジェル』!」星4・ATK1400
楯山「更にもう一枚!速攻魔法発動!『地獄の暴走召喚』!」
楯山「特殊召喚された攻撃力1500以下のモンスターを手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!」星4・ATK1400
楯山「ただしこの効果により相手もモンスター1体を可能な限り特殊召喚できる。さぁ出したまえ。」
メアリー「…七彩海賊モンスターは同名カードを2体以上出せへんのや。」
楯山「ハッ!完全に悪手を選んだようだな!」
楯山「もう君にできる事はない、早くターンエンドしたまえ!」
メアリー「ウチは……カードを1枚伏せてターンエンドや。」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
住宅街に出る奏。
奏「まだ遠くへは行ってない筈…ったくもう。」
奏「なにやってんのかしら私…!」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
メアリー(ホントにツキが無くなって……いや)
メアリー「そないな事考えとる暇なんてあらへん!まだまだや!」
楯山「僕のターン!」
楯山「さぁこれがラストターンだ。僕は再び『光神機-桜火』を召喚!」星6・ATK2400
楯山「バトルだ!桜火で露草のアクアを攻撃!」
メアリー「そう簡単に行くかい!手札から『七彩海賊-深縹のカリブ』の効果発動!」
メアリー「このカードを攻撃表示で特殊召喚し、攻撃対象をこのカードに変更する!」星3・ATK1200→1400
楯山「悪あがきを!!蹴散らせ!」
メアリー「くっ…そしてこの戦闘で受けるダメージは半分になる!」LP600→100
楯山「ダメージを与えた事により桜火は手札に戻る!」
メアリー「この瞬間罠カード発動や!『海賊の流儀』!」
メアリー「七彩海賊モンスターが戦闘で破壊された時、手札から七彩海賊モンスターを2体まで特殊召喚できる!『七彩海賊-紅緋のスカーレット』『七彩海賊-蒲公英のカナリー』を特殊召喚!」星3・DEF700 星3・DEF900
メアリー「もういっちょ!スカーレットの効果や!クリケットを手札に加える!」
楯山「無駄だと言っている!シャインエンジェルで露草のアクアを攻撃!」LP3900→3800
楯山「門前払いの効果でそいつは手札に戻る!」
楯山「そしてシャインエンジェルの効果によりデッキから『コーリング・ノヴァ』を特殊召喚!」星4・ATK1400
メアリー「またその手か…!」
楯山「2体のシャインエンジェルで残りのモンスターを攻撃!」
身を護るも光弾の前に敗れる2体の七彩海賊。
楯山「今度こそ最後だ!コーリング・ノヴァでダイレクトアタック!!」
メアリー「終わらせへん!墓地から『七彩海賊-紫苑のビオレ』の効果発動!このカードを特殊召喚して攻撃対象をこのカードに変更する!」星3・DEF1900
楯山「墓地からモンスターを特殊召喚だと!?」
楯山「ぐぅ…!だが越えられない壁の効果で攻撃力は上がる!」ATK1400→1800 LP3800→3700
楯山「そしてそのカードも手札行きだ!」
メアリー「っ!けどこれで攻撃は全部防いだで。」
楯山「何度も何度も…!運にまで見放されても尚…!」
楯山(何故そこまで…コイツ無性に腹が立つ!)
楯山「カードを1枚セット!ターンエンド!」
メアリー「運がなんぼのもんやっちゅーねん!そないなもんで諦めるほどウチはつまんない女やない!」
メアリー「見放されたんなら…引っ張ってでも連れてくりゃええ話や!!ウチのターン!ドロー!」
楯山「っ!」
ドローカードを確認する。
メアリー「…ったく、遅いっちゅーねん。」
メアリー「ウチは永続魔法『七彩海賊の旗』を発動!」
メアリー「そしてウチは3体目の露草のアクアを召喚!」星3・ATK1300→1500
メアリー「これも3回目やな。効果でスカーレットを手札に!」
メアリー「更に七彩海賊の旗の効果によりウチはもう一体七彩海賊モンスターを召喚できる!」
メアリー「紅緋のスカーレットを召喚!効果で常盤のクリケットを手札に!」星3・ATK1400→1700→1900
メアリー「更に!自分フィールドに七彩海賊モンスターが2体存在する事により、手札の『七彩海賊-紫苑のビオレ』を特殊召喚!」星3・DEF1900
楯山「どんなにモンスターを並べたところで!!」
メアリー「それはどうやろな?ウチはレベル3の露草のアクアと紅緋のスカーレットでオーバーレイ!」
響け!海賊の雄叫び!轟け!閃光の砲弾!泣く子もぶっ飛ぶ弾ぁ当てたれ!
エクシーズ召喚!
ランク3『七彩海賊砲台(レインボーパイレーツ・キャノン)-ヴァルキューレ』!!ランク3・ATK2000
メアリー「更に速攻魔法『オーバーレイ・シェルチャージ』を発動!」
メアリー「この効果でビオレをヴァルキューレのオーバーレイユニットとする!」
楯山「攻撃力2000のエクシーズモンスターが出たからなんだというんだ!攻撃しても手札に…」
メアリー「まぁまぁこっからがええとこや。」
メアリー「ヴァルキューレの効果発動や!サイコロを1回振り、その目×300ポイントのダメージを与える!」
楯山「効果ダメージ…させるか!罠発動!『ダメージ・トランスレーション』!」
楯山「これでこのターン僕が受けるダメージは半分となる!これなら届くまい!!」
メアリー「せやなぁ…けどこの効果にはもう一つおまけがあるんや。」
楯山「おまけ…だと?」
メアリー「この効果で与えたダメージの倍以下の攻撃力を持つフィールドのモンスターを全て墓地へ送る。勿論コイツ自身は例外やけどな。」
メアリー「これでアンタのモンスターをどければダイレクトアタックができる。それなら届くんと違うか?」
楯山「そんな運任せな効果を…!」
メアリー「さぁ!最後の大博打や!」
コロコロコロ…4
メアリー「サイコロの目は4!よって1200ポイントのダメージや!」
楯山「ダメージ・トランスレーションの効果を忘れたか!ダメージは半分となる!」LP3700→3100
楯山「ダメージが抑えられたことにより墓地へ送れる範囲も狭くなる!600の倍、1200では僕のモンスターの攻撃力に届かない!」
メアリー「弾はまだあんで!2回目や!!」
コロコロコロ…2
メアリー「チッ…2×300、600のダメージ!」
楯山「くっ…それも半分となる!」LP3100→2800
楯山「その効果もあと一度だけだ!4以下が出ればお前に勝ちはない!」
メアリー「逆に言えば5以上なら勝てる可能性があるっちゅうこっちゃろ!!」
メアリー「これがホントに最後の最後や!!行っけえええぇぇぇ!!!」
コロコロコロ…
6
楯山「!!?」
メアリー「よっしゃあああ6や!!1800の半分、900のダメージ!!」
楯山「ぐううう!!はっ!?」LP2800→1900
メアリー「更にこの効果で与えたダメージの倍!1800以下の攻撃力を持つモンスターは皆墓地送りや!!」
何度も撃ち出される砲弾が楯山の天使モンスター達を襲う。
楯山「そんな…全滅だと…!」
メアリー「最後の一発!!ヴァルキューレでダイレクトアタックや!!」
楯山「まさかこんな奴にまで……のわあああぁぁぁ!!!」LP1900→0
WIN・メアリー
メアリー「へっへ~ん!ウチの勝ちや!!」
楯山「………」
メアリー(ちゅうても危なかったわぁ…最初にあんな手札やった時はどうな……あ)
手札に目を向ける。
『七彩海賊-常盤のクリケット』
『七彩海賊-常盤のクリケット』
『七彩海賊-常盤のクリケット』
メアリー(しっかり3枚入れ替わっとるし…)
メアリー「まぁええか。兄ちゃんちょいと…」
奏「見つけた!!」
メアリーの元へ駆けてくる奏。
奏「はあ…はあ、此処にいたのね…。」
メアリー「奏っち!?なんで……」
奏「あ、えーっと…その」
メアリー「…奏っち?」
奏「その…あの……コホン」
奏「あー………さっきは悪かったわよ。」
メアリー「…!」
奏「その…アンタも私の事を思って言ってくれてたみたいだし…流石に出てけは言い過ぎたかな…と。」
メアリー「奏っち…。」
メアリー「いいや、謝らにゃあかんのはウチの方や。色々と偉そうに言い過ぎてたわ。」
奏「いや…いいわよ。もう気にしてないし。」
奏「………」
メアリー「………」
奏「ほ、ほら早く帰るわよ!!沢山汗かいたし早くシャワーでも浴びたいわ!」
メアリー「奏っち……ホンマおおきにな。」
メアリー「あぁっと…兄ちゃんさっきの話なぁ……あれ?」
ふと見渡すが楯山の姿はない。
メアリー「…なんやったんやろあの兄ちゃん。まあええか。」
終
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
(次回予告)
竜太「奏先生って絶対光輝さんの事好きだよな。」
初「えーっと…やっぱりそうなの?」
竜太「いやあれはバレバレだろう…本人は隠してるつもりらしいが。」
初「ま、まぁそっとしておこうよ。」
竜太「おいおいお前は気にしろよ。もしかしたらいつか親戚になるかもしれないんだぜ?」
初「親戚……」
竜太「あ~んな恐い指導や、こ~んな身の毛も弥立つお説教や、そ~んなこの世の地獄を見せるかのような折檻をするあの奏先生と親族になるんだぞ!?」
初「えっ…?」
初「次回!『上波航海日誌第5話!『~勇気~』!」
初「竜太君……何をどうすればそんなに怒らせるの…?」
--- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---
・なんかいつもの1.5倍くらいの文量だけど気にしない…。
・「そんな運任せな効果を…!」←ダメージ・トランスレーションが無ければ高確率で勝てていたので別に運任せとも言えなかったりする。
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132 | 51 宿命の再戦!夏武斗VS光輝 | 1349 | 4 | 2016-05-25 | - | |
100 | 52 グロウアップ・コクーン!熱き力比べ | 1448 | 3 | 2016-06-04 | - | |
78 | 53 ラストターンの駆け引き | 1263 | 4 | 2016-06-19 | - | |
102 | 54 グレイシア再び | 1213 | 6 | 2016-06-21 | - | |
162 | 55 大会中止!?吹き荒ぶ陰謀の風! | 1243 | 3 | 2016-07-02 | - | |
129 | 特別編・使用カード一覧(楠夏武斗) | 1321 | 0 | 2016-07-07 | - | |
142 | 特別編・使用カード一覧(花田天音) | 1478 | 0 | 2016-07-08 | - | |
100 | 特別編・使用カード一覧(夜見原仁) | 1257 | 0 | 2016-07-10 | - | |
81 | 特別編・裏話と共に振り返ってみよう | 1281 | 7 | 2016-07-18 | - | |
144 | 56 オペレーション・アブソーブ | 1210 | 4 | 2016-07-27 | - | |
158 | 57 ジェネシックのエージェント | 1294 | 6 | 2016-08-03 | - | |
141 | コラボ編・上波航海日誌 ~想起~ | 1122 | 4 | 2016-08-21 | - | |
141 | コラボ編・上波航海日誌 ~出合~ | 1295 | 4 | 2016-08-28 | - | |
124 | コラボ編・上波航海日誌 ~奇縁~ | 1118 | 2 | 2016-09-15 | - | |
129 | コラボ編・上波航海日誌 ~葛藤~ | 1207 | 4 | 2016-09-22 | - | |
139 | コラボ編・上波航海日誌 ~勇気~ | 1232 | 4 | 2016-10-10 | - | |
137 | コラボ編・上波航海日誌 ~棄却~ | 1263 | 2 | 2016-10-20 | - | |
106 | コラボ編・上波航海日誌 ~再会~ | 1025 | 2 | 2016-10-24 | - | |
164 | 58 楯山の苦悩、自分自身のデュエル | 1228 | 4 | 2016-11-02 | - | |
125 | 59 動き出した影 | 1341 | 6 | 2016-11-20 | - | |
133 | 60 狙われた夏武斗 | 1361 | 6 | 2016-12-05 | - | |
139 | 61 奪われたヴィクトリー・ビートル | 1202 | 6 | 2017-01-03 | - | |
79 | 62 4倍ハンデ!?超弩級のシェンロン! | 1093 | 6 | 2017-01-22 | - | |
140 | 63 神龍演舞 | 1158 | 8 | 2017-02-13 | - | |
110 | 64 引かれ合う力 | 1078 | 0 | 2017-03-09 | - | |
113 | 65 Dオーラ | 1039 | 2 | 2017-03-31 | - | |
175 | 66 動物園の罠!?変則バトルロワイアル | 1260 | 4 | 2017-04-20 | - | |
148 | 67 ランクアップ 新たなる力 | 1253 | 4 | 2017-05-19 | - | |
162 | 68 アインヘリアルの陰謀 | 1111 | 6 | 2017-05-29 | - | |
144 | 69 罪と罰 | 1029 | 4 | 2017-06-24 | - | |
137 | 70 悪夢を払え!覚醒のシンクロ召喚! | 1141 | 4 | 2017-07-28 | - | |
168 | 71 ロバート再来 | 1217 | 3 | 2017-08-09 | - | |
146 | 72 ハイウェイの戦い!激闘ツーリング | 985 | 2 | 2017-09-04 | - | |
158 | 73 俺達の誇り | 1142 | 4 | 2017-09-10 | - | |
151 | 74 ライジンの選んだ道 | 993 | 4 | 2017-10-15 | - | |
179 | 75 爆誕!智界精ミズガリア・ワイズ! | 1266 | 4 | 2017-11-13 | - | |
75 | 76 夏武斗の為に…。天音VS仁! | 1004 | 4 | 2017-12-15 | - | |
136 | 77 立ち上がれ!俺の信じるデュエル! | 1119 | 6 | 2018-01-29 | - | |
56 | 78 馬鹿執事と迷子のお嬢様 | 794 | 4 | 2018-02-24 | - | |
134 | 79 アブソーバーの脅威 | 970 | 4 | 2018-03-31 | - | |
115 | 80 空っぽの場所 | 877 | 2 | 2018-04-19 | - | |
111 | 81 クリスティアホールの夜 | 887 | 2 | 2018-05-12 | - | |
101 | 82 不思議の国のタッグデュエル | 821 | 2 | 2018-05-27 | - | |
121 | 83 幸せの記憶 | 882 | 2 | 2018-06-23 | - | |
104 | 84 愛されなかった者 | 993 | 2 | 2018-07-11 | - | |
139 | 85 一睡の悲劇 | 880 | 2 | 2018-07-29 | - | |
82 | 86 裁かれなかった者 | 876 | 2 | 2018-08-26 | - | |
114 | 87 一人じゃないから | 923 | 6 | 2018-09-23 | - | |
62 | 88 尽きぬ欲望、暗躍のカードコレクター | 987 | 6 | 2018-11-02 | - | |
121 | 89 開演!トレジャー歌劇団 | 806 | 3 | 2018-11-06 | - | |
85 | 90 大女優の本性 | 856 | 4 | 2018-11-16 | - | |
122 | 91 天音VS平留!浮上せし氷山の一角獣 | 1046 | 4 | 2018-12-08 | - | |
69 | 92 平留香織の凍てつく日々 | 833 | 2 | 2019-01-01 | - | |
105 | 93 絶望クリスマス | 827 | 4 | 2019-01-18 | - | |
97 | 94 天音の選択 | 743 | 4 | 2019-02-12 | - | |
95 | 95 追跡!アインヘリアル! | 752 | 4 | 2019-03-10 | - | |
80 | 96 ライバルタッグ!蘇りし欲望 | 750 | 4 | 2019-03-29 | - | |
99 | 97 邪商魔神爆誕!絶望のトークン地獄! | 748 | 6 | 2019-04-16 | - | |
70 | 98 最後の攻撃 | 685 | 2 | 2019-05-02 | - | |
95 | 99 託した1ターン | 679 | 4 | 2019-05-21 | - | |
89 | 100 覚醒の不死蝶 | 1020 | 4 | 2019-05-28 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/10/25 新商品 SUPREME DARKNESS カードリスト追加。
- 11/22 08:43 SS 第25話:爆撃連打
- 11/22 07:58 評価 5点 《葬角のカルノヴルス》「レベル6のシンクロチューナー。 攻撃宣…
- 11/22 07:47 一言 何気なく見に来たらウチのSSの読者がいて涙を禁じ得ない デュエルしな…
- 11/22 03:01 評価 6点 《ブラック・ソニック》「総合評価:攻撃宣言時のため、BFの数を…
- 11/22 02:53 評価 4点 《BF-竜巻のハリケーン》「総合評価:ローレベルで展開能力があ…
- 11/22 02:47 評価 3点 《ブラック・リベンジ》「総合評価:《ゴッドバードアタック》で相…
- 11/22 02:14 評価 7点 《赤酢の踏切》「「使用後、場に残り続けるフリーチェーン除去」と…
- 11/22 01:39 評価 10点 《頼もしき守護者》「なんと、下級《エクソシスター》を《大霊術…
- 11/22 01:18 評価 10点 《ピラミッドパワー》「《妖精伝姫-カグヤ 》《妖精伝姫-シラユ…
- 11/22 00:06 評価 10点 《大寒気》「《ハーピィの狩場》の自壊を防ぐ他《女神ヴェルダン…
- 11/22 00:02 コンプリート評価 クリムゾン・ノヴァさん ⭐QUARTER CENTURY LIMITED PACK⭐
- 11/21 23:05 評価 5点 《Evil★Twin チャレンジ》「ちょっと弱すぎる。 一応相手…
- 11/21 20:56 評価 8点 《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》「 相手が後攻を選択し、しかも《強欲で…
- 11/21 20:30 評価 10点 《スキルドレイン》「 遊戯王を脳筋フィジカルゲーにできる、超…
- 11/21 19:51 デッキ ガイア
- 11/21 19:47 評価 8点 《青眼の究極亜竜》「《青眼の究極竜》《真青眼の究極竜》に続く同…
- 11/21 19:34 評価 7点 《Evil★Twin イージーゲーム》「永続罠でキスキルかリィラ…
- 11/21 18:56 SS 79話 天道虫 その②
- 11/21 18:49 一言 リンクペンデュラムのオリカを作りたいんですがやっぱり不可能ですかね…
- 11/21 17:23 評価 8点 《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》「 『混沌を制す者』シリ…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
ちなみにこれ以降全くでませんw
楯山さんは現在迷走中なので手札事故がなければ割とあっさり負けていたのかもしれません…。 (2016-09-22 10:20)
壮絶に事故っていたメアリーも、最終的には運を味方につけて勝利。奏とも思ったよりもすんなりと仲直りできたようで何よりです。さて、ここからどんな展開になるのやら……? (2016-09-23 00:08)
楯山さんの未来はどっちだ!?
実質残りの2話がメイン……となる予定です。 (2016-09-23 07:57)