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第37話:予期せぬ再会 作:チュウ
扉を開けるとそこには薄暗く灯りは最低限しかない。
よく辺りを見てみると、そこそこ広い空間がそこにはあった。バーカウンターの様なものや丸いテーブルとそれ用の椅子……少し段差があるが2階席もあり、そっちはパッと見ても良さ気なソファーが置いてある。 そして一番目を引くであろうステージの様な舞台場。今まさにナレーションであろう人が一人の少女について説明をして、席に座っている人達がそれぞれ金額を言っている……奴隷オークションとでも言えばいいんだろうか?異様な雰囲気に少し気分が悪くなってくるな……
「さて……見つけられるかな」
フレアから渡された紙……ここに名前が書かれた人物に接触する事が今回の最初の目的だ。俺にはこの世界の文字は読めないからフレアが言った人物の名前を俺が書いたメモ紙となる。ある意味暗号化されてるから、万が一取られてもこの世界の人には読めない筈だ。
そして件の人物達についてだが、もちろんどんな顔をした人物なのかは俺には分からない。この世界には写真とかの技術は一応あるらしいが、手軽に撮れる様な小型な物はないらしい。そもそも向こうの世界の様な機械ではなく魔法によるものらしいので、尚更写真……念写魔法だったか?に触れる機会なんてものは貴族でもそうないとフレアは言っていた。
「まずは情報収集ですかね?ご主人様!」
「だな……聞けそうな人を探そう」
人物の顔が分からない以上、特定の人物を探す方法はこの場でただひとつ……聞き込みだ。
「バーカウンターに行こう。バーのマスターになら聞けそうだ」
俺とエルミアはバーカウンターへ近づき、空いている席に俺は座った。だがエルミアは座らずに俺の直ぐ後ろに立っていた。
「あれ?座らないのか?……あ!……何でもない……」
エルミアは今奴隷っていう設定でいるんだった。こんな場所で貴族が座るであろう席に奴隷が座ろうもんなら一発で怪しまれるところだった……
「ご注文は?」
唐突にバーのマスターらしき人にそう言われた。
何も頼まないのもおかしいか……しかし、お酒は飲めないしなぁ。メニューの文字も読めないし……
「ミルクでも貰おうか……」
ミルクを使ったお酒もあるって聞いた事があるからたぶん置いてある筈……
するとバーの人が手を出してきた。
「お代を……」
成程、先払いなのか……しかし、お金のやり取りも分からない……そうだ!
「ではこれで頼む」
俺は金貨1枚を渡した。
というかフレアからは金貨しか貰ってないのでそれしか出せない。
「失礼、流石にミルクに金貨1枚は出し過ぎです」
バーのマスターから苦言を呈された。アンダーグラウンドな場所なのにきっちりしてるもんだな……それとも後でいちゃもんでも付けてくる輩がいて、その対策なんだろうか?
「御釣りは要らないから俺の質問に答えて欲しい」
俺はマスターの言葉を聞いて咄嗟にある事を思いついた。御釣りの代わりに情報を聞き出そう!というものだ。我ながら良いアイデアだと思う。
「……どんな事を聞きたいので?」
「人を探しているんだ」
「今日は人探しの方が多い日ですね……」
「どういう意味だ?」
俺以外にも誰かを探している奴がこの人に話しかけたって事か?
「一番端の席に座っている方も誰かを探していましたのでつい」
マスターが目を向けた先にいる人物に俺も視線を向けた。
薄暗いのもあってハッキリとは見えないが、黒く丈の長いマントを身に着けている。そしてその男と視線が合った。その人物は俺の良く知る人物だった。
「司!?」
「遊輝!?何でここに……」
あまりに驚き過ぎて椅子から立ち上がり、司へと近づいた。
「お前何でここにいるんだよ!?」
「遊輝……悪いがお前の質問に俺はほとんど答えられない」
「答えられないって、そんなので納得なんてできるかよ!エルフ族達を大勢捕えておいてそんな事が言える立場じゃないだろ」
司がやった事は絶対に許されない事だ。何かの理由があるとは思うが言って貰わなくちゃその理由だって分からない。
「私の前でも言えませんか?」
俺の横に立つようにエルミアが近づいて来た。
「君はあの時戦ったエルフの…………あぁ、言えない」
「随分と卑怯で薄情な人なんですね……ユウキのお友達とはとても思えません」
エルミアと司は確か俺が追いつく前にデュエルをしていたんだったな。
エルミアが怒るのも無理はない……俺としては司の悪口を言って欲しくはないが、俺にも擁護できないような事をしているからな……エルミアにここまで言われても俺にはそれを止める事も否定する事もできない。
「クロリム!そこにいるのでしょ?何があったのか私に話す義務というものがあるでしょう?」
姿は現さなかったが、俺の持つデッキの中からシャイニーの声だけが聞こえて来た。
「フンなの!そんなの知らないの!クロリムとツカサは今大事な任務中なの!」
こっちも声だけしか聞こえてこない……如何やら司のデッキにいる様だ。
「何が任務よこのおバカ!」
「バカって言うな!クロリムはバカじゃない!それにこっちの事情も知らないで勝手な事ばっか言うんじゃないの!クロリムとツカサは黄の国のお姫様を助けに来てる真っ最中なの!」
黄の国のお姫様?司は確か青の国に行くってエルフの森を襲撃し終わった後にそう言っていた……なのに何で黄の国が出て来るんだ?そういえば、ギュンターさんの情報だと青の国は黄の国に侵攻をしているって言ってたか……司の立ち位置がまるで分からない……司は青の国に身を寄せている?それとも黄の国と縁が深いのか?
「クロリム!余計な事を喋るなといつも言ってるだろ!」
「うぅ……ごめんなの……」
「話さないと分からない事もあるんじゃないのか?」
俺は司とクロリムと言う闇の妖精との会話に割って入った。
「俺もそう思う……だが話せない。抗弁を垂れる気はない、好きに俺の事を罵ればいい」
そんな事を聞いているんじゃない。だが、司の意思は固く、現状のままだと気持ちを変える事ができなさそうだ。
「さぁさぁ!!今回の奴隷オークション……最後にして最大の目玉の登場だぁ!!」
俺達のやり取りを余所にオークションは如何やら終わりが近いみたいだった。俺達は一斉にステージの方を見た。
「今回の目玉!なんと!黄の国のお姫様にして黄の国を統治する……シャルル・シャルトルーズだぁ!!」
そこにはボロ布の様なワンピースを1枚着た狐の様な耳と尻尾が特徴の背の低い少女がいた。両手両足には枷がついており、鎖で繋がれている。
「金貨100枚からオークション開始だ!」
「金貨110枚だ!」
「なら120!」
「125!」
オークションの競りが始まった。みな思い思いの金額をどんどん提示している。身体的特徴から獣人族だろう事は予想できる……とはいえ人には違いない筈だ。それを金で買うなんて俺には未だにこの光景が信じられなかった。
「140枚!」
その声は司だった。
「お前まさかあの子を競り落とす気か!?」
俺は司の行動に驚いた。司はこんな犯罪的な事に手を染める奴じゃない……頭がよくて要領もいいが犯罪はしない普通の奴だ……これがクロリムが言っていた助ける事の一環なのか?
「……」
何か言ってくれよ司!
「300枚だぁ!」
突如として会場の空気を支配するような一声が響いた。他の人よりも大きく野太い声で今まで出ていた金額よりも大きな金額を言った人物にその場にいた人達の視線が集中した。その人物は二階席にいた。薄暗くてよくは見えないが、かなり体形が太っていて、如何にも人相が悪そうな男がそこにはいた。
「おーっとここで一番高い金額が出ましたぁ!他にいらっしゃいますかぁー!」
司会の人が場を盛り上げようとしているが、場の空気は逆に静かになっている気がするんだが……
「ロッソ領主相手じゃなぁ……」
「領主様が手を挙げたのなら諦めるしかないか……」
席の近くにいる人が口々にそう言ったのが俺には聞こえた。
ロッソの領主!まさかこの領地の領主に出会えるなんて思いもしなかった。領主本人を現行犯にすれば一番手っ取り早いんじゃないか?
「……305枚」
司は司会の人にそう言った。
「おいおい……この俺の前で落札しようなんて随分と威勢がいいじゃねぇか!」
二階席に座っていたロッソ領主が立ち上がり、階段をゆっくりと降りて来た。二階席にいるのもあってさっきは姿をあまり見る事ができなかったが、一階に降りてきたためかその姿が薄暗いとはいえ見えて来た。
白のスーツの様な服装だが、その太った体型には不釣り合いで、服が張り裂けそうになっている。顔は体形に反してかなりこわもてだが醜悪という顔ではない様に見える。整えられてオールバックの様になっている髪は野性味すら感じる。
「……そんなルールはない筈ですが?」
司は怯む事なく椅子から立ち上がりながらロッソ領主に言い放った。正直俺はかなりロッソ領主の威圧感に圧倒されている。体の大きさもあるのか分からないが、自信に満ちた態度や表情、言葉がこの場の誰もを萎縮させているのを肌で感じる。貴族特有の威圧感は俺もこれまで関わってきた貴族達で知っていたが、こいつは明らかに毛色が違うと思う……まさに悪役の様な威圧とオーラが目に見えてくるような人物だと思った。
「ここでは俺様がルールなんだよ?分かるだろ?ここで俺様……ゴードルフ・フォン・ロッソがどういう立場の人間だって事がお前にも」
「分からないですね……ここのルールに従って俺は参加をしています。文句言われる筋合いはないです」
「ハハッ!!この俺様を目の前にして言いやがったな?その威勢の良さは気に入ったぞ?なら、俺様とデュエルで決着っていうのはどうだ?お前が勝ったらあの奴隷は譲ってやる。俺様が勝ったらその時はあの奴隷……そしてお前も俺のものになれ!」
「いいでしょう……それしかこの場を収める事ができないというのであれば受けて立ちます」
おいおい大丈夫かよ司……なんだかんだとしている内に、司とロッソ領主のデュエルする流れになってしまったぞ。
よく辺りを見てみると、そこそこ広い空間がそこにはあった。バーカウンターの様なものや丸いテーブルとそれ用の椅子……少し段差があるが2階席もあり、そっちはパッと見ても良さ気なソファーが置いてある。 そして一番目を引くであろうステージの様な舞台場。今まさにナレーションであろう人が一人の少女について説明をして、席に座っている人達がそれぞれ金額を言っている……奴隷オークションとでも言えばいいんだろうか?異様な雰囲気に少し気分が悪くなってくるな……
「さて……見つけられるかな」
フレアから渡された紙……ここに名前が書かれた人物に接触する事が今回の最初の目的だ。俺にはこの世界の文字は読めないからフレアが言った人物の名前を俺が書いたメモ紙となる。ある意味暗号化されてるから、万が一取られてもこの世界の人には読めない筈だ。
そして件の人物達についてだが、もちろんどんな顔をした人物なのかは俺には分からない。この世界には写真とかの技術は一応あるらしいが、手軽に撮れる様な小型な物はないらしい。そもそも向こうの世界の様な機械ではなく魔法によるものらしいので、尚更写真……念写魔法だったか?に触れる機会なんてものは貴族でもそうないとフレアは言っていた。
「まずは情報収集ですかね?ご主人様!」
「だな……聞けそうな人を探そう」
人物の顔が分からない以上、特定の人物を探す方法はこの場でただひとつ……聞き込みだ。
「バーカウンターに行こう。バーのマスターになら聞けそうだ」
俺とエルミアはバーカウンターへ近づき、空いている席に俺は座った。だがエルミアは座らずに俺の直ぐ後ろに立っていた。
「あれ?座らないのか?……あ!……何でもない……」
エルミアは今奴隷っていう設定でいるんだった。こんな場所で貴族が座るであろう席に奴隷が座ろうもんなら一発で怪しまれるところだった……
「ご注文は?」
唐突にバーのマスターらしき人にそう言われた。
何も頼まないのもおかしいか……しかし、お酒は飲めないしなぁ。メニューの文字も読めないし……
「ミルクでも貰おうか……」
ミルクを使ったお酒もあるって聞いた事があるからたぶん置いてある筈……
するとバーの人が手を出してきた。
「お代を……」
成程、先払いなのか……しかし、お金のやり取りも分からない……そうだ!
「ではこれで頼む」
俺は金貨1枚を渡した。
というかフレアからは金貨しか貰ってないのでそれしか出せない。
「失礼、流石にミルクに金貨1枚は出し過ぎです」
バーのマスターから苦言を呈された。アンダーグラウンドな場所なのにきっちりしてるもんだな……それとも後でいちゃもんでも付けてくる輩がいて、その対策なんだろうか?
「御釣りは要らないから俺の質問に答えて欲しい」
俺はマスターの言葉を聞いて咄嗟にある事を思いついた。御釣りの代わりに情報を聞き出そう!というものだ。我ながら良いアイデアだと思う。
「……どんな事を聞きたいので?」
「人を探しているんだ」
「今日は人探しの方が多い日ですね……」
「どういう意味だ?」
俺以外にも誰かを探している奴がこの人に話しかけたって事か?
「一番端の席に座っている方も誰かを探していましたのでつい」
マスターが目を向けた先にいる人物に俺も視線を向けた。
薄暗いのもあってハッキリとは見えないが、黒く丈の長いマントを身に着けている。そしてその男と視線が合った。その人物は俺の良く知る人物だった。
「司!?」
「遊輝!?何でここに……」
あまりに驚き過ぎて椅子から立ち上がり、司へと近づいた。
「お前何でここにいるんだよ!?」
「遊輝……悪いがお前の質問に俺はほとんど答えられない」
「答えられないって、そんなので納得なんてできるかよ!エルフ族達を大勢捕えておいてそんな事が言える立場じゃないだろ」
司がやった事は絶対に許されない事だ。何かの理由があるとは思うが言って貰わなくちゃその理由だって分からない。
「私の前でも言えませんか?」
俺の横に立つようにエルミアが近づいて来た。
「君はあの時戦ったエルフの…………あぁ、言えない」
「随分と卑怯で薄情な人なんですね……ユウキのお友達とはとても思えません」
エルミアと司は確か俺が追いつく前にデュエルをしていたんだったな。
エルミアが怒るのも無理はない……俺としては司の悪口を言って欲しくはないが、俺にも擁護できないような事をしているからな……エルミアにここまで言われても俺にはそれを止める事も否定する事もできない。
「クロリム!そこにいるのでしょ?何があったのか私に話す義務というものがあるでしょう?」
姿は現さなかったが、俺の持つデッキの中からシャイニーの声だけが聞こえて来た。
「フンなの!そんなの知らないの!クロリムとツカサは今大事な任務中なの!」
こっちも声だけしか聞こえてこない……如何やら司のデッキにいる様だ。
「何が任務よこのおバカ!」
「バカって言うな!クロリムはバカじゃない!それにこっちの事情も知らないで勝手な事ばっか言うんじゃないの!クロリムとツカサは黄の国のお姫様を助けに来てる真っ最中なの!」
黄の国のお姫様?司は確か青の国に行くってエルフの森を襲撃し終わった後にそう言っていた……なのに何で黄の国が出て来るんだ?そういえば、ギュンターさんの情報だと青の国は黄の国に侵攻をしているって言ってたか……司の立ち位置がまるで分からない……司は青の国に身を寄せている?それとも黄の国と縁が深いのか?
「クロリム!余計な事を喋るなといつも言ってるだろ!」
「うぅ……ごめんなの……」
「話さないと分からない事もあるんじゃないのか?」
俺は司とクロリムと言う闇の妖精との会話に割って入った。
「俺もそう思う……だが話せない。抗弁を垂れる気はない、好きに俺の事を罵ればいい」
そんな事を聞いているんじゃない。だが、司の意思は固く、現状のままだと気持ちを変える事ができなさそうだ。
「さぁさぁ!!今回の奴隷オークション……最後にして最大の目玉の登場だぁ!!」
俺達のやり取りを余所にオークションは如何やら終わりが近いみたいだった。俺達は一斉にステージの方を見た。
「今回の目玉!なんと!黄の国のお姫様にして黄の国を統治する……シャルル・シャルトルーズだぁ!!」
そこにはボロ布の様なワンピースを1枚着た狐の様な耳と尻尾が特徴の背の低い少女がいた。両手両足には枷がついており、鎖で繋がれている。
「金貨100枚からオークション開始だ!」
「金貨110枚だ!」
「なら120!」
「125!」
オークションの競りが始まった。みな思い思いの金額をどんどん提示している。身体的特徴から獣人族だろう事は予想できる……とはいえ人には違いない筈だ。それを金で買うなんて俺には未だにこの光景が信じられなかった。
「140枚!」
その声は司だった。
「お前まさかあの子を競り落とす気か!?」
俺は司の行動に驚いた。司はこんな犯罪的な事に手を染める奴じゃない……頭がよくて要領もいいが犯罪はしない普通の奴だ……これがクロリムが言っていた助ける事の一環なのか?
「……」
何か言ってくれよ司!
「300枚だぁ!」
突如として会場の空気を支配するような一声が響いた。他の人よりも大きく野太い声で今まで出ていた金額よりも大きな金額を言った人物にその場にいた人達の視線が集中した。その人物は二階席にいた。薄暗くてよくは見えないが、かなり体形が太っていて、如何にも人相が悪そうな男がそこにはいた。
「おーっとここで一番高い金額が出ましたぁ!他にいらっしゃいますかぁー!」
司会の人が場を盛り上げようとしているが、場の空気は逆に静かになっている気がするんだが……
「ロッソ領主相手じゃなぁ……」
「領主様が手を挙げたのなら諦めるしかないか……」
席の近くにいる人が口々にそう言ったのが俺には聞こえた。
ロッソの領主!まさかこの領地の領主に出会えるなんて思いもしなかった。領主本人を現行犯にすれば一番手っ取り早いんじゃないか?
「……305枚」
司は司会の人にそう言った。
「おいおい……この俺の前で落札しようなんて随分と威勢がいいじゃねぇか!」
二階席に座っていたロッソ領主が立ち上がり、階段をゆっくりと降りて来た。二階席にいるのもあってさっきは姿をあまり見る事ができなかったが、一階に降りてきたためかその姿が薄暗いとはいえ見えて来た。
白のスーツの様な服装だが、その太った体型には不釣り合いで、服が張り裂けそうになっている。顔は体形に反してかなりこわもてだが醜悪という顔ではない様に見える。整えられてオールバックの様になっている髪は野性味すら感じる。
「……そんなルールはない筈ですが?」
司は怯む事なく椅子から立ち上がりながらロッソ領主に言い放った。正直俺はかなりロッソ領主の威圧感に圧倒されている。体の大きさもあるのか分からないが、自信に満ちた態度や表情、言葉がこの場の誰もを萎縮させているのを肌で感じる。貴族特有の威圧感は俺もこれまで関わってきた貴族達で知っていたが、こいつは明らかに毛色が違うと思う……まさに悪役の様な威圧とオーラが目に見えてくるような人物だと思った。
「ここでは俺様がルールなんだよ?分かるだろ?ここで俺様……ゴードルフ・フォン・ロッソがどういう立場の人間だって事がお前にも」
「分からないですね……ここのルールに従って俺は参加をしています。文句言われる筋合いはないです」
「ハハッ!!この俺様を目の前にして言いやがったな?その威勢の良さは気に入ったぞ?なら、俺様とデュエルで決着っていうのはどうだ?お前が勝ったらあの奴隷は譲ってやる。俺様が勝ったらその時はあの奴隷……そしてお前も俺のものになれ!」
「いいでしょう……それしかこの場を収める事ができないというのであれば受けて立ちます」
おいおい大丈夫かよ司……なんだかんだとしている内に、司とロッソ領主のデュエルする流れになってしまったぞ。
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