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第15話:カードの生成? 作:チュウ
フレアさんに案内されて城の中に入ったが……あまりにも広過ぎる……案内された場所もごく限られた場所しかないのに、全く覚えられなかった。
そうしている内に、来客用の個室に案内されてここで待っていて欲しいとフレアさんに言われて今に至る。因みにいつまでになるかは今のところ未定だが、ここにいる間はこの部屋を自由に使ってもいいとの事だ。
「このベッドもふかふかだよな……置いてある物全部高そうだし……貴族って感じがする」
「流石に疲れましたね……」
シャイニーもお疲れの様子でその小さい身体でベッドにダイブした。
「シャイニーもお疲れ~……俺も疲れた……」
俺もシャイニーに続いて仰向けでベッドに横になった。ここまでに色々な事があり過ぎて、このまま寝てしまいたい気持ちになってくるな……
「ですが、色々と面倒事に巻き込まれてしまった感がありますね。私が貴族に恩を売った方がいいみたいに考えてたのが裏目に出てしまいました……すみません」
唐突にシャイニーが謝り始めて俺は疲れた気持ちを振り払った。
「シャイニーは悪くないだろ?恩を売るって考えも先の事を考えての事なんだし気にすんな!」
シャイニーの考えは最もだと俺も思う。卑しい考えなのかもしれないが、現状俺達はほぼ当てのない旅をし始めるところだ。何かの後ろ盾や繋がりを作る様な考えに至るのは別に間違いじゃないと思う。だからこそ俺はシャイニーをフォローした。
「それにしてなんだかんだ、イアンは強かったよな……」
さっきまでのデュエルを俺は思い返していた。俺のデッキも一番最初に比べれば強くはなっていると思うが、イアンの使ったカードと比べると全体的にデッキとしての完成度の違いが如実に出ていると感じた。
「そうですね……ユウキのデッキでは今後も苦戦は免れないですね……」
イアンとの戦いではシャイニーが幾つもの新しいカードを作ってくれたからなんとか戦えたが……
「カードパワーが違い過ぎるんだよな……もう少しなんとかならないのか?」
「今は無理ですね……一度にカードを作りすぎたので……」
そうか……そうだよな。スターブライト……この名前のカードがいきなり多くなったが、この名前はシャイニーのテキストにも書かれていた。つまりシャイニーのテーマって事だよな。
「なぁシャイニー、このスターブライトってなんなんだ?俺が知らないのはいいとしてもイアンも知らなかったみたいだし」
「当然でしょう。それは私が独自に作ったカードです。この世界はおろか、ユウキの世界でも知ってる人はいませんよ」
世界で俺だけのデッキって事か……なんか嬉しいもんだな。
「この世界にはユウキの世界には存在しないカードも多く存在しているので、デュエルモンスターズを知っている者からしたらその違いも楽しめるんでしょうけど……ユウキは既存のカードの知識すら殆どないですからね……」
うぐっ……まぁ確かにこの世界にしかないって言われても、見ただけじゃ俺には分からないな……見るカードの殆どが真新しいしな。
「まぁ、ユウキのデッキはまだまだ未完成ですからね。これからもっとデュエルの腕を磨いてください。そうしたらもっと強いカードも扱えると思うので」
もっと強いカードか……どんなのだろうか?イアンが使ってたカードみたいに沢山ドローとかできたりするのかな?それとも滅茶苦茶強いモンスターをお手軽に出せたり?そしたらデュエルも少しは楽になりそうだな!
「なら頑張らないとな!」
勝手な想像だけど、想像するだけタダだしやる気やワクワク感も出て来るしな。もっと頑張ろう!ってなれるってもんだ。
「その意気です!」
トントントン
その時部屋の外からこの部屋のドアを叩く音が聞こえた。
「はいどうぞ」
俺は外にいる人にそう伝えた。
「失礼します……」
そう言いながら入って来たのはフレアさんの傍にいたメイドさんだった。
「ユウキ様、フレア様がお呼びですのでご案内します。私について来てください」
「分かりました」
俺とシャイニーはメイドさんに連れられてとある部屋に来た。そこにはフレアさんがいた。フレアさんの自室……というか仕事とかで使う様な個室だろうか?とても綺麗に整理整頓されており、整っていると感じた。高そうな家具が置いてあるが、部屋の広さの割に置いてある物が少ないようにも感じる。机と椅子、客用の長いテーブルにソファー、本棚くらいだもんな……その本棚も大きさの割にそんなに本がそんなに置いてない。もっと何か置けそうなもんだが。
「ユウキ!急に呼んでごめんなさい。貴方へのお礼の品を色々考えていたのだけれど決まらなくて……ユウキに選んで欲しくて呼んだの」
近い近い!顔が近い!
ずいっと顔を近づけながら話すフレアに俺は緊張してしまった。それに滅茶苦茶いい香りがする……
「やはりカードがいいでしょうか?それとも宝石でしょうか?お金そのものでも用意ができますよ?後は持ち家が欲しいと言うなら手配も……」
「待て待て!そ、そんなに沢山並べられても選べないから!」
なんだなんだ!?なんでそんなに色々出してくるんだ?
「ですが……」
「じゃ、じゃあカードで……」
これ以上出される前に俺は先手を打ってカードを指定した。カードならこの先も俺の助けになってくれると思ったからだ。
「分かりました!持ってきますね!」
そう言ってフレアさんは部屋の奥へ引っ込むと、1分程で両手で持てるくらいの高価そうな箱を持って戻って来た。
「これが私の持っているカードです。幼い頃から契約の儀で契約して手に入れたカードなのでここから欲しいカードを持っていてください」
「カードが欲しいって言ったけどいいんですか?カードってこの世界では大事なんですよね?」
シャイニーの話しからもこの世界の人間にとってはカードの入手はかなり困難な様に思える。だからこそカード1枚の価値は計り知れないと俺は思っているんだが……恩返しとはいえカードを安々と渡していいんだろうか?
「……度々思っていたのですが、ユウキは何処か別の世界からでも来たのですか?こういった場合は結構吹っ掛けて物を要求してくるのが普通……というか定石なのですが?服装も見た事がないようなものですし」
学校の制服はこの世界だとちょっと浮いて見えるのか……というか説明してなかったな。
俺はこの世界に来た経緯をフレアさんに説明した。
「成程、異世界の方だったのですね。そしてシャイニー様はこの世界を司る女神様の使いと……」
「釘を刺すけど、お国のために私達の力を利用するなら覚悟をしてもらう事になるからそのつもりでいてね」
シャイニーがフレアさんに自分達を利用するなと言い放った。
「そのような事は致しません。この事もここだけの話しにしましょう……いいですねメイ?」
「畏まりましたフレア様」
フレアさんが俺達を案内したメイドさん……メイさんに言いつけをした。
「では、話しを戻してカードについてですが、確かにこれは大事な物です。余程の事がない限り、自分が契約したカードを他人へ譲る事はしません。ですが、契約したカードが必ずしも自分にとって有益なカードとは限らないのです」
どういうことだ?
「契約で手に入るカードは1回につき1枚。その内容はある程度契約する場所や自身の相性で固定されますが、自分で欲しいカードは選べません。因みに私の場合は2週間に1回くらいのペースで契約ができます」
「選べないって……契約するまでどんなカードが来るか分からないって事ですか?」
「はい……ですので自分のデッキの方向性とはそぐわないカードもかなりの数手に入ってしまうのです」
完全にガチャだなこれ……しかも2週間に1回しか引けないとか……これがゲームならクソゲーだな。
「ふむふむ、成程」
シャイニーが既にカードの中身を確認していた。
「少しは遠慮ってもんを……」
「くれるって言っているのになにを遠慮しているのです?ユウキが遅いので中身は全て確認できました」
早っ!?
「炎属性のモンスターが多いですね」
「えぇ、私は炎との相性が良いみたいで……というよりこの国の主要な人物……特にヴァーミリオン家は炎属性との相性が良い人が多いです」
一族で炎への相性が良いのか……遺伝とかもあるのかもな。
「困りました……ユウキは光属性との相性が良いので炎は専門外です……そうだ!」
シャイニーがなにかを思いついたみたいだ。
「4枚程カードを貰います。その内3枚のカードを元手に新しいカードを1枚作ります」
何だよそれ……カードを犠牲に別のカードなんて作れるのかよ。
「そんな裏技みたいな事ができるのかよ」
俺は思った事をそのままシャイニーに言った。契約でようやく手に入る様な代物を別のカード……たぶんだけど自分の本当に欲しいカードへと変えるなんて裏技もいいところだろ。
「あまり多用すると女神様に怒られるので、取り敢えず今回の1回くらいなら見逃してくれると思います……たぶん」
まぁそうだよな……そんな裏技があるならフレアさんからカード貰いまくって作り放題になるもんな。
「構いませんので持って行ってくださいな」
シャイニーがどんなカードを作るか楽しみだな.……ん?
「なら残りの1枚は何を選んだんだ?」
「まだ内緒です。それに今のユウキに説明してもよく分からないでしょう?だから私がカードを作るまで内緒です」
その通りではあるんだけど実際に使うのは俺なんだけどな……
そういえば、フレアさんて俺の事呼び捨てで呼んでたっけ?
そうしている内に、来客用の個室に案内されてここで待っていて欲しいとフレアさんに言われて今に至る。因みにいつまでになるかは今のところ未定だが、ここにいる間はこの部屋を自由に使ってもいいとの事だ。
「このベッドもふかふかだよな……置いてある物全部高そうだし……貴族って感じがする」
「流石に疲れましたね……」
シャイニーもお疲れの様子でその小さい身体でベッドにダイブした。
「シャイニーもお疲れ~……俺も疲れた……」
俺もシャイニーに続いて仰向けでベッドに横になった。ここまでに色々な事があり過ぎて、このまま寝てしまいたい気持ちになってくるな……
「ですが、色々と面倒事に巻き込まれてしまった感がありますね。私が貴族に恩を売った方がいいみたいに考えてたのが裏目に出てしまいました……すみません」
唐突にシャイニーが謝り始めて俺は疲れた気持ちを振り払った。
「シャイニーは悪くないだろ?恩を売るって考えも先の事を考えての事なんだし気にすんな!」
シャイニーの考えは最もだと俺も思う。卑しい考えなのかもしれないが、現状俺達はほぼ当てのない旅をし始めるところだ。何かの後ろ盾や繋がりを作る様な考えに至るのは別に間違いじゃないと思う。だからこそ俺はシャイニーをフォローした。
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さっきまでのデュエルを俺は思い返していた。俺のデッキも一番最初に比べれば強くはなっていると思うが、イアンの使ったカードと比べると全体的にデッキとしての完成度の違いが如実に出ていると感じた。
「そうですね……ユウキのデッキでは今後も苦戦は免れないですね……」
イアンとの戦いではシャイニーが幾つもの新しいカードを作ってくれたからなんとか戦えたが……
「カードパワーが違い過ぎるんだよな……もう少しなんとかならないのか?」
「今は無理ですね……一度にカードを作りすぎたので……」
そうか……そうだよな。スターブライト……この名前のカードがいきなり多くなったが、この名前はシャイニーのテキストにも書かれていた。つまりシャイニーのテーマって事だよな。
「なぁシャイニー、このスターブライトってなんなんだ?俺が知らないのはいいとしてもイアンも知らなかったみたいだし」
「当然でしょう。それは私が独自に作ったカードです。この世界はおろか、ユウキの世界でも知ってる人はいませんよ」
世界で俺だけのデッキって事か……なんか嬉しいもんだな。
「この世界にはユウキの世界には存在しないカードも多く存在しているので、デュエルモンスターズを知っている者からしたらその違いも楽しめるんでしょうけど……ユウキは既存のカードの知識すら殆どないですからね……」
うぐっ……まぁ確かにこの世界にしかないって言われても、見ただけじゃ俺には分からないな……見るカードの殆どが真新しいしな。
「まぁ、ユウキのデッキはまだまだ未完成ですからね。これからもっとデュエルの腕を磨いてください。そうしたらもっと強いカードも扱えると思うので」
もっと強いカードか……どんなのだろうか?イアンが使ってたカードみたいに沢山ドローとかできたりするのかな?それとも滅茶苦茶強いモンスターをお手軽に出せたり?そしたらデュエルも少しは楽になりそうだな!
「なら頑張らないとな!」
勝手な想像だけど、想像するだけタダだしやる気やワクワク感も出て来るしな。もっと頑張ろう!ってなれるってもんだ。
「その意気です!」
トントントン
その時部屋の外からこの部屋のドアを叩く音が聞こえた。
「はいどうぞ」
俺は外にいる人にそう伝えた。
「失礼します……」
そう言いながら入って来たのはフレアさんの傍にいたメイドさんだった。
「ユウキ様、フレア様がお呼びですのでご案内します。私について来てください」
「分かりました」
俺とシャイニーはメイドさんに連れられてとある部屋に来た。そこにはフレアさんがいた。フレアさんの自室……というか仕事とかで使う様な個室だろうか?とても綺麗に整理整頓されており、整っていると感じた。高そうな家具が置いてあるが、部屋の広さの割に置いてある物が少ないようにも感じる。机と椅子、客用の長いテーブルにソファー、本棚くらいだもんな……その本棚も大きさの割にそんなに本がそんなに置いてない。もっと何か置けそうなもんだが。
「ユウキ!急に呼んでごめんなさい。貴方へのお礼の品を色々考えていたのだけれど決まらなくて……ユウキに選んで欲しくて呼んだの」
近い近い!顔が近い!
ずいっと顔を近づけながら話すフレアに俺は緊張してしまった。それに滅茶苦茶いい香りがする……
「やはりカードがいいでしょうか?それとも宝石でしょうか?お金そのものでも用意ができますよ?後は持ち家が欲しいと言うなら手配も……」
「待て待て!そ、そんなに沢山並べられても選べないから!」
なんだなんだ!?なんでそんなに色々出してくるんだ?
「ですが……」
「じゃ、じゃあカードで……」
これ以上出される前に俺は先手を打ってカードを指定した。カードならこの先も俺の助けになってくれると思ったからだ。
「分かりました!持ってきますね!」
そう言ってフレアさんは部屋の奥へ引っ込むと、1分程で両手で持てるくらいの高価そうな箱を持って戻って来た。
「これが私の持っているカードです。幼い頃から契約の儀で契約して手に入れたカードなのでここから欲しいカードを持っていてください」
「カードが欲しいって言ったけどいいんですか?カードってこの世界では大事なんですよね?」
シャイニーの話しからもこの世界の人間にとってはカードの入手はかなり困難な様に思える。だからこそカード1枚の価値は計り知れないと俺は思っているんだが……恩返しとはいえカードを安々と渡していいんだろうか?
「……度々思っていたのですが、ユウキは何処か別の世界からでも来たのですか?こういった場合は結構吹っ掛けて物を要求してくるのが普通……というか定石なのですが?服装も見た事がないようなものですし」
学校の制服はこの世界だとちょっと浮いて見えるのか……というか説明してなかったな。
俺はこの世界に来た経緯をフレアさんに説明した。
「成程、異世界の方だったのですね。そしてシャイニー様はこの世界を司る女神様の使いと……」
「釘を刺すけど、お国のために私達の力を利用するなら覚悟をしてもらう事になるからそのつもりでいてね」
シャイニーがフレアさんに自分達を利用するなと言い放った。
「そのような事は致しません。この事もここだけの話しにしましょう……いいですねメイ?」
「畏まりましたフレア様」
フレアさんが俺達を案内したメイドさん……メイさんに言いつけをした。
「では、話しを戻してカードについてですが、確かにこれは大事な物です。余程の事がない限り、自分が契約したカードを他人へ譲る事はしません。ですが、契約したカードが必ずしも自分にとって有益なカードとは限らないのです」
どういうことだ?
「契約で手に入るカードは1回につき1枚。その内容はある程度契約する場所や自身の相性で固定されますが、自分で欲しいカードは選べません。因みに私の場合は2週間に1回くらいのペースで契約ができます」
「選べないって……契約するまでどんなカードが来るか分からないって事ですか?」
「はい……ですので自分のデッキの方向性とはそぐわないカードもかなりの数手に入ってしまうのです」
完全にガチャだなこれ……しかも2週間に1回しか引けないとか……これがゲームならクソゲーだな。
「ふむふむ、成程」
シャイニーが既にカードの中身を確認していた。
「少しは遠慮ってもんを……」
「くれるって言っているのになにを遠慮しているのです?ユウキが遅いので中身は全て確認できました」
早っ!?
「炎属性のモンスターが多いですね」
「えぇ、私は炎との相性が良いみたいで……というよりこの国の主要な人物……特にヴァーミリオン家は炎属性との相性が良い人が多いです」
一族で炎への相性が良いのか……遺伝とかもあるのかもな。
「困りました……ユウキは光属性との相性が良いので炎は専門外です……そうだ!」
シャイニーがなにかを思いついたみたいだ。
「4枚程カードを貰います。その内3枚のカードを元手に新しいカードを1枚作ります」
何だよそれ……カードを犠牲に別のカードなんて作れるのかよ。
「そんな裏技みたいな事ができるのかよ」
俺は思った事をそのままシャイニーに言った。契約でようやく手に入る様な代物を別のカード……たぶんだけど自分の本当に欲しいカードへと変えるなんて裏技もいいところだろ。
「あまり多用すると女神様に怒られるので、取り敢えず今回の1回くらいなら見逃してくれると思います……たぶん」
まぁそうだよな……そんな裏技があるならフレアさんからカード貰いまくって作り放題になるもんな。
「構いませんので持って行ってくださいな」
シャイニーがどんなカードを作るか楽しみだな.……ん?
「なら残りの1枚は何を選んだんだ?」
「まだ内緒です。それに今のユウキに説明してもよく分からないでしょう?だから私がカードを作るまで内緒です」
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