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第57話:星骸龍 作:チュウ
※ユウキ視点に戻ります
「フレア!」
俺は直ぐにフレアに駆け寄って倒れた身体を抱き上げた。
だが、意識を失っているのか反応がない。さっきの激しい攻撃のせいか。
「アハハ!このわたくしに逆らうからですわ!哀れな妹……約束通り、此度の戦争に参加してもらいますわよ!」
クレアさんが俺達を見据えてそう言い放った。
「ユウキ……ここは素直に従っておいた方がいいです。この数の人間に囲まれては、流石に勝ちきれません」
「うん……ここじゃ敵が多いよ」
シャイニーとエルミアの言う通り、人数差は圧倒的に不利。逃げる事もできないか……
「……分かった。協力する」
「口の利き方がなってませんわね。今やわたくしは、この国の新たな王。相応の言い方があるでしょう?」
何て嫌味な表情と言い方だ!性格の悪さが滲み出てやがる……
「分かりました……謹んでお受け致します……」
見聞きした程度の言葉だが、最大限敬っている言葉を使っただろう。これで満足しやがれ!
「よろしいですわ!これから忙しくなります。用が合ったらその都度顔を出しなさい。それまでは用意した部屋で待機なさい!」
ほぼ軟禁状態になるって事か……
「それと……誰かフレアを治療してあげなさいな。この哀れな妹も戦力になりますからね」
コイツ本当にムカつくなぁ……だが、従うしかない。
*
戦争の準備とやらで丸1か月程、俺とシャイニー、エルミアは軟禁状態だった。治療から目覚めたフレアも同じだ。お互いに出入りできる場所は必要最低限で、俺達全員が顔を合わせられる時間は限られていたが、それでも時々会うくらいはできた。
そうしている内に、戦争の準備が整ったのか俺達は招集され、クレアさん改め、新国王が率いる兵士達と共に青の国との国境付近へ進軍を開始した。
「この辺りが青の国との国境付近なのか?」
辺りには草木が多少生えているだけで殺風景な景色が広がっている荒野だ。
「えぇ、もう近い所まで来ているので油断しない様にね、ユウキ」
フレアに釘を刺されたが、油断するつもりは微塵もないさ。
「……それと、この間のデュエルの時は、その……本当にみっともないところを」
「それはもう何度も聞いたって。大丈夫だ、フレアにも事情があるんだし、俺が離れたりする訳ないだろ?」
クレアさんとのデュエル……あの時に口にした自分の秘めた気持ちは確かに褒められたものではないのかもしれないが……俺はそれを聞いてもなお、フレアから離れないと決めた。
というか、誰かに対して辛く当たりたくなるのって別に珍しい事でもないしな。きっと色んな人が口にしないだけで、色んな事を想って生活している。なら、フレアが特別に酷い奴って事にはならないな!普通だ普通!
「うん……ありがと」
「それにしてもこの辺りって本当に魔力が濃いね……」
エルミアがこの辺りの魔力を感じ取ったみたいだ。俺にはさっぱり分からないが……
「やっぱり異常なことなのか?」
「異常だね。こんなに地中深くから魔力が溢れてくるなんてないから……何が起きてるんだろ?」
異常な事なんだな。エルミアの言う通り、何でこんな事になっているんだ?
「恐らくは、星骸の宝玉が深界神殿アビスリウムから持ち出された事が原因だと思います。眠っていた精霊の魂が徐々に覚醒しているのかと……」
前にシャイニーが説明してくれた話しだったな。でも、それって人間達に対して怒っているって言ってた精霊の魂の事だよな……
「もし、この状況が続いたらどうなるんだ?」
「どうなるかは私も未知数です。ただ、最悪な状況になるのは間違いないですかね」
シャイニーでも詳細は分からないんだな。でも、最悪の状況になるってかなり不味いよな。このままの状態で、この大量の魔力を使って精霊と契約なんてできるのかよ。
そんな話しをしていると行軍が止まった。
「どうやら目的の場所みたいね。慌ただしく契約の準備に取り掛かっているわ」
フレアが指差した方向をみると、確かに兵士や魔術師っぽい人達がせっせと動いている。
「待つしかないか……」
*
「……魔力が濃すぎてちょっと気持ち悪いかも」
エルミアの顔色が悪いな……
「エルフ族は魔法に長けた種族ですからね。他の種族よりも魔力に敏感に反応してしまうのでしょうね」
成程、エルフのイメージ通りだな。それはいいとして……
「大丈夫かエルミア?馬車の中、狭いかもだけど横になるか?」
「……うん。ちょっと場所取るけど横になるね」
しかし、契約を開始してもう1時間くらいになるか?まだ終わらないのか?
カンカンカン!
「何だ!?何かを強く叩く音がするが?」
気持ち馬車の外の兵士達が慌ただしくしているが……
「敵襲です!」
フレアのその言葉で俺は一気に緊張感が高まった。さっきの音はそれを知らせるための音だったのか。
俺達は急いで馬車の外に出た。
「何処から来るんだ!?」
俺は見える範囲で敵の姿を探すと、かなり遠くに大群をなしていた。
「狼狽えなくてもいいですわ!もう間もなく契約は完了しますわ!」
全員に言って聞かせる様にクレアさんは言った。すると、辺りが淡い光に包まれ始めた。
「来る……」
「来ますよ!」
エルミアとシャイニーが何かを感じたみたいだ。一体何が来るっていうんだ……
その刹那、赤と黒色をした光の柱が地上から空へと高くそびえ立つと、その光が一瞬にして何かの形に変化した。
「ドラゴン?……」
「大きすぎんだろ……」
現れたのは途轍もなく大きなドラゴンだった。その姿は、黒色をベースに所々赤く身体が光っている。そして、一番特徴的なのはその身体に頭から羽、尻尾に至るまで白い骨がむき出しになっている事だ。まるで、骨に無理やり肉付けをした様な姿だ。
「素晴らしいですわ!これなら青の国の兵士を一掃できますわ!さぁ、あの者達を蹂躙なさい!」
クレアさんがドラゴンに指示をしたが、動く気配がない。というか、このドラゴンはちゃんと契約できたのか?とてもじゃないが、指示を聞く様には見えないんだが……
「何で動きませんの?……」
何テンポも遅れてドラゴンが動き出した。そのドラゴンの周りに赤黒い光る球体が幾つも浮かび上がった。そして、その光が放たれた……
「ユウキ!フレア!エルミア!私の近くに来てください!!」
何だ!?シャイニーが急がせたから、俺達はとにかく急いでシャイニーの周りに集まった。すると、ドラゴンがその光を放った。敵味方関係なく無差別に……
「クッ!!……」
「シャイニー!大丈夫か!?」
ドラゴンの無差別攻撃はもちろん赤の国の兵士達にも降り注いだ。その強烈な攻撃をシャイニーが魔法のバリアで守ってくれた。攻撃が強烈なのか、シャイニーは耐えるだけでも苦しそうに見える。
「な、何でこっちにも攻撃が!?」
フレアの意見には俺もそう思う。契約できなかったのか?
「シャイニー先生!私の魔力も使って!」
エルミアがシャイニーに軽く触れると、エルミアの身体が淡く光った。魔力を譲渡しているって事なんだろうか。
暫くして、攻撃が止んだ。辺りは攻撃によって土煙や炎が立ち上っている。そして、死屍累々の状況だった。それは青の国も同じで遠目だが、さっきまで進軍していた大群が全く動かない。
「どうすんだよ……これ。それにあのドラゴンもって……え?」
俺はドラゴンを見ると、その姿がどんどん消えていくのが見えた。そして、完全に消滅してしまった。
「とにかく、今は生き残っている者を探しましょう!」
そうだな、フレアの言う通りだ。
「だけど、さっきのドラゴンは一体何だったの?」
「あれは、さっきも言った眠れる精霊達の怒れる魂が集まってできた姿……死者の骸を使ったこの星に仇名す龍、”星骸龍”と言います。かつて女神様が、いつの日か精霊の魂が暴走してしまったら、その様な姿になる……と言っていました。まさか本当に起こるとは思いませんでしたが……」
星骸龍……あんな恐ろしいのを呼び起こしてしまったって事なのか……
「その星骸龍……もう出て来ないのか?さっき消えたけど……」
「分かりません……あのクレアと言う人間がちゃんと契約できたのか、それとも利用されただけなのか……いずれにしても、クレア本人の安否を確認したいですね」
ならその安否を確かめないとな。
「とにかく探そう。今はそれしかできないしな」
「……それもいいけど、私の相手もして欲しいかな?」
聞き覚えのない女性の声が突然後ろから聞こえて来た。
後ろを振り向くと、そこには青く長い整った髪をなびかせている一人の少女がいた。着ている服からして貴族だろうか?まるで人形の様に整った容姿だな……ちょっと目を奪われてしまう。けど、そんな場合じゃないのは俺も分かっている。
「誰だ!」
まずは誰かを知らないとな。こんな状況だ、敵なのは間違いないよな。
「……貴方がユウキ?ふーん、ツカサの言ってた通りの暑苦しい男ね」
司!?ってか暑苦しいってどんな説明したんだよ!
「お久しぶりですね。青の国の第1王女、フィオラ・フォン・アズール様」
青の国の第1王女!?この人が……フレアは会った事があるみたいだな。
「……そうね。挨拶も程ほどにして私とデュエルをしてくれませんか?フレア王女」
「何故と尋ねても?この状況で青の国側も瀕死の筈……これ以上の戦いは意味を持たないと思いますが?」
「……そんなの関係ない。私がデュエルと言ったらデュエルをするの」
何て我が儘なセリフだよ。かなり物静かに話しているが言ってる事が自分勝手過ぎる……
「……ツカサがここでフレア王女と戦えって言ってた。だから戦うの。ツカサのお願いは絶対」
どんな関係性だよ……今度会ったら聞いてみたいな。
「分かりました……現状、敵同士ですしね。ここでフィオラ様を倒して捕らえさせて頂きます!」
「……それでいい。じゃあ始めましょうか」
「フレア!」
俺は直ぐにフレアに駆け寄って倒れた身体を抱き上げた。
だが、意識を失っているのか反応がない。さっきの激しい攻撃のせいか。
「アハハ!このわたくしに逆らうからですわ!哀れな妹……約束通り、此度の戦争に参加してもらいますわよ!」
クレアさんが俺達を見据えてそう言い放った。
「ユウキ……ここは素直に従っておいた方がいいです。この数の人間に囲まれては、流石に勝ちきれません」
「うん……ここじゃ敵が多いよ」
シャイニーとエルミアの言う通り、人数差は圧倒的に不利。逃げる事もできないか……
「……分かった。協力する」
「口の利き方がなってませんわね。今やわたくしは、この国の新たな王。相応の言い方があるでしょう?」
何て嫌味な表情と言い方だ!性格の悪さが滲み出てやがる……
「分かりました……謹んでお受け致します……」
見聞きした程度の言葉だが、最大限敬っている言葉を使っただろう。これで満足しやがれ!
「よろしいですわ!これから忙しくなります。用が合ったらその都度顔を出しなさい。それまでは用意した部屋で待機なさい!」
ほぼ軟禁状態になるって事か……
「それと……誰かフレアを治療してあげなさいな。この哀れな妹も戦力になりますからね」
コイツ本当にムカつくなぁ……だが、従うしかない。
*
戦争の準備とやらで丸1か月程、俺とシャイニー、エルミアは軟禁状態だった。治療から目覚めたフレアも同じだ。お互いに出入りできる場所は必要最低限で、俺達全員が顔を合わせられる時間は限られていたが、それでも時々会うくらいはできた。
そうしている内に、戦争の準備が整ったのか俺達は招集され、クレアさん改め、新国王が率いる兵士達と共に青の国との国境付近へ進軍を開始した。
「この辺りが青の国との国境付近なのか?」
辺りには草木が多少生えているだけで殺風景な景色が広がっている荒野だ。
「えぇ、もう近い所まで来ているので油断しない様にね、ユウキ」
フレアに釘を刺されたが、油断するつもりは微塵もないさ。
「……それと、この間のデュエルの時は、その……本当にみっともないところを」
「それはもう何度も聞いたって。大丈夫だ、フレアにも事情があるんだし、俺が離れたりする訳ないだろ?」
クレアさんとのデュエル……あの時に口にした自分の秘めた気持ちは確かに褒められたものではないのかもしれないが……俺はそれを聞いてもなお、フレアから離れないと決めた。
というか、誰かに対して辛く当たりたくなるのって別に珍しい事でもないしな。きっと色んな人が口にしないだけで、色んな事を想って生活している。なら、フレアが特別に酷い奴って事にはならないな!普通だ普通!
「うん……ありがと」
「それにしてもこの辺りって本当に魔力が濃いね……」
エルミアがこの辺りの魔力を感じ取ったみたいだ。俺にはさっぱり分からないが……
「やっぱり異常なことなのか?」
「異常だね。こんなに地中深くから魔力が溢れてくるなんてないから……何が起きてるんだろ?」
異常な事なんだな。エルミアの言う通り、何でこんな事になっているんだ?
「恐らくは、星骸の宝玉が深界神殿アビスリウムから持ち出された事が原因だと思います。眠っていた精霊の魂が徐々に覚醒しているのかと……」
前にシャイニーが説明してくれた話しだったな。でも、それって人間達に対して怒っているって言ってた精霊の魂の事だよな……
「もし、この状況が続いたらどうなるんだ?」
「どうなるかは私も未知数です。ただ、最悪な状況になるのは間違いないですかね」
シャイニーでも詳細は分からないんだな。でも、最悪の状況になるってかなり不味いよな。このままの状態で、この大量の魔力を使って精霊と契約なんてできるのかよ。
そんな話しをしていると行軍が止まった。
「どうやら目的の場所みたいね。慌ただしく契約の準備に取り掛かっているわ」
フレアが指差した方向をみると、確かに兵士や魔術師っぽい人達がせっせと動いている。
「待つしかないか……」
*
「……魔力が濃すぎてちょっと気持ち悪いかも」
エルミアの顔色が悪いな……
「エルフ族は魔法に長けた種族ですからね。他の種族よりも魔力に敏感に反応してしまうのでしょうね」
成程、エルフのイメージ通りだな。それはいいとして……
「大丈夫かエルミア?馬車の中、狭いかもだけど横になるか?」
「……うん。ちょっと場所取るけど横になるね」
しかし、契約を開始してもう1時間くらいになるか?まだ終わらないのか?
カンカンカン!
「何だ!?何かを強く叩く音がするが?」
気持ち馬車の外の兵士達が慌ただしくしているが……
「敵襲です!」
フレアのその言葉で俺は一気に緊張感が高まった。さっきの音はそれを知らせるための音だったのか。
俺達は急いで馬車の外に出た。
「何処から来るんだ!?」
俺は見える範囲で敵の姿を探すと、かなり遠くに大群をなしていた。
「狼狽えなくてもいいですわ!もう間もなく契約は完了しますわ!」
全員に言って聞かせる様にクレアさんは言った。すると、辺りが淡い光に包まれ始めた。
「来る……」
「来ますよ!」
エルミアとシャイニーが何かを感じたみたいだ。一体何が来るっていうんだ……
その刹那、赤と黒色をした光の柱が地上から空へと高くそびえ立つと、その光が一瞬にして何かの形に変化した。
「ドラゴン?……」
「大きすぎんだろ……」
現れたのは途轍もなく大きなドラゴンだった。その姿は、黒色をベースに所々赤く身体が光っている。そして、一番特徴的なのはその身体に頭から羽、尻尾に至るまで白い骨がむき出しになっている事だ。まるで、骨に無理やり肉付けをした様な姿だ。
「素晴らしいですわ!これなら青の国の兵士を一掃できますわ!さぁ、あの者達を蹂躙なさい!」
クレアさんがドラゴンに指示をしたが、動く気配がない。というか、このドラゴンはちゃんと契約できたのか?とてもじゃないが、指示を聞く様には見えないんだが……
「何で動きませんの?……」
何テンポも遅れてドラゴンが動き出した。そのドラゴンの周りに赤黒い光る球体が幾つも浮かび上がった。そして、その光が放たれた……
「ユウキ!フレア!エルミア!私の近くに来てください!!」
何だ!?シャイニーが急がせたから、俺達はとにかく急いでシャイニーの周りに集まった。すると、ドラゴンがその光を放った。敵味方関係なく無差別に……
「クッ!!……」
「シャイニー!大丈夫か!?」
ドラゴンの無差別攻撃はもちろん赤の国の兵士達にも降り注いだ。その強烈な攻撃をシャイニーが魔法のバリアで守ってくれた。攻撃が強烈なのか、シャイニーは耐えるだけでも苦しそうに見える。
「な、何でこっちにも攻撃が!?」
フレアの意見には俺もそう思う。契約できなかったのか?
「シャイニー先生!私の魔力も使って!」
エルミアがシャイニーに軽く触れると、エルミアの身体が淡く光った。魔力を譲渡しているって事なんだろうか。
暫くして、攻撃が止んだ。辺りは攻撃によって土煙や炎が立ち上っている。そして、死屍累々の状況だった。それは青の国も同じで遠目だが、さっきまで進軍していた大群が全く動かない。
「どうすんだよ……これ。それにあのドラゴンもって……え?」
俺はドラゴンを見ると、その姿がどんどん消えていくのが見えた。そして、完全に消滅してしまった。
「とにかく、今は生き残っている者を探しましょう!」
そうだな、フレアの言う通りだ。
「だけど、さっきのドラゴンは一体何だったの?」
「あれは、さっきも言った眠れる精霊達の怒れる魂が集まってできた姿……死者の骸を使ったこの星に仇名す龍、”星骸龍”と言います。かつて女神様が、いつの日か精霊の魂が暴走してしまったら、その様な姿になる……と言っていました。まさか本当に起こるとは思いませんでしたが……」
星骸龍……あんな恐ろしいのを呼び起こしてしまったって事なのか……
「その星骸龍……もう出て来ないのか?さっき消えたけど……」
「分かりません……あのクレアと言う人間がちゃんと契約できたのか、それとも利用されただけなのか……いずれにしても、クレア本人の安否を確認したいですね」
ならその安否を確かめないとな。
「とにかく探そう。今はそれしかできないしな」
「……それもいいけど、私の相手もして欲しいかな?」
聞き覚えのない女性の声が突然後ろから聞こえて来た。
後ろを振り向くと、そこには青く長い整った髪をなびかせている一人の少女がいた。着ている服からして貴族だろうか?まるで人形の様に整った容姿だな……ちょっと目を奪われてしまう。けど、そんな場合じゃないのは俺も分かっている。
「誰だ!」
まずは誰かを知らないとな。こんな状況だ、敵なのは間違いないよな。
「……貴方がユウキ?ふーん、ツカサの言ってた通りの暑苦しい男ね」
司!?ってか暑苦しいってどんな説明したんだよ!
「お久しぶりですね。青の国の第1王女、フィオラ・フォン・アズール様」
青の国の第1王女!?この人が……フレアは会った事があるみたいだな。
「……そうね。挨拶も程ほどにして私とデュエルをしてくれませんか?フレア王女」
「何故と尋ねても?この状況で青の国側も瀕死の筈……これ以上の戦いは意味を持たないと思いますが?」
「……そんなの関係ない。私がデュエルと言ったらデュエルをするの」
何て我が儘なセリフだよ。かなり物静かに話しているが言ってる事が自分勝手過ぎる……
「……ツカサがここでフレア王女と戦えって言ってた。だから戦うの。ツカサのお願いは絶対」
どんな関係性だよ……今度会ったら聞いてみたいな。
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