第２７話：悪足掻き　作：チュウ

ユウキ：ＬＰ２１００
手札：３枚《幻想の光霊シャイニー》《スターブライト・シスター》（公開情報）
フィールド：
●モンスター
《ライトロード・アーク　ミカエル》《スターブライトネス・ドラゴン》
《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》
●魔法・罠　セット２枚
●墓地

マサヨシ：ＬＰ６８００
手札：４枚
フィールド：
●モンスター《賜炎の咎姫》《爆撃トークン》
●魔法・罠
●墓地


　「しかし暑いなぁ～～ーー……」

　どの口が言ってんだ……

　「お前がやった事だろ！」

　「るっせーなぁ、燃やすのは好きだけど実際に燃えてる場所に行きたいわけじゃねーんだわ」

　「燃やすって……お前、俺と同じ異世界人だったな？向こうで放火なってやったら捕まるだろ！」

　「ばーか、放火なんてする訳ねーじゃん！俺の事知らない？動画配信とか割とやってんだよ！所謂炎上系って奴？」

　燃やすって炎上の事かよ！てか、そっちも大概じゃないか……

　「つくづく迷惑な奴だなお前……」

　「その感じだと知らないかぁ……残念だな～結構有名になってきたところなんだけどなー」

　自分のやってる事に疑問すら抱かない……異常過ぎる……

　「この世界にはネットがねーからつまんねーけど、向こうの世界ではできなかった事がこっちの世界だとできるからそこは楽しいんだよね〜」

　「どういう事だ？」

　「この世界には勿論ちゃんと国々で法律がある……だけどなぁ〜この世界の生活や文明は中世かそこらだ。幾ら国内で法律を作ろうと、人の目の届かない場所では犯罪が起きちまうんだよ……咎める奴がいないからな！」

　幾らなんでも変に解釈し過ぎだろ！なんなんだコイツ……

　「実際、いっぺんやってみたかったんだよね～……森に火をつけるのさ！」

　イカれてやがる！

　「お前はここで俺が倒す！！」

　「はぁ！！やってみなぁ！俺のターン！」

　奴はさっき《無謀な欲張り》を使ったからこのターンはドローできないが、いったいどんなカードを前借してまで引いたんだ？

　「クククッ！これならドローフェイズがなくても関係ないぜ！俺は手札から２枚目の《爆撃基地》を発動！その効果によりデッキから爆撃トークンのカード名が記されたカード１枚を手札に加える！」

《爆撃基地》
永続魔法
このカード名の①の効果は１ターンに１度しか使用できず、②の効果は１ターンに２度まで使用できる。
①：自分のメインフェイズに発動できる。デッキから「爆撃基地」を除く、「爆撃トークン」のカード名が記されたカード１枚を手札に加える。
②：自分フィールドの「爆撃トークン」のカード名が記されたモンスターまたは機械族と炎族のモンスターを融合素材とする融合モンスター１体を対象として発動できる。対象としたモンスターのレベル×２００ダメージを自分は受ける。その後、「爆撃トークン」（炎族・炎・星１・攻／守０）１体を特殊召喚できる。このトークンがフィールドに存在する限り、自分は炎属性モンスターしか特殊召喚できない。
③：このカードがフィールドに存在する限り、自分フィールドの「爆撃融合」の効果で融合召喚されたモンスターは戦闘では破壊されず、自分はモンスターで攻撃できない。

　「そうはいかない！セットカード！オープン！《コズミック・サイクロン》！１０００ＬＰ払い、《爆撃基地》を除外する！」

ユウキ：ＬＰ２１００→ＬＰ１１００

　「しまった！永続魔法は場に残ってないと効果が不発になるからサーチできねーじゃねーか！」

　これで手札に加える事は防げたし、手札に同じカードがあってもそれは同じ事……成程、ここまで読んでシャイニーはさっきのターンに《コズミック・サイクロン》を発動しなかったんだな。

　「だが、俺の前でライフを減らした事を後悔させてやるぜ！俺は手札から《爆撃鳥ボム・ファルコン》を召喚！」

《爆撃鳥ボム・ファルコン》
効果モンスター
星４/炎属性/機械族/攻１７００/守５００

　「場に出た時の効果により、デッキから《爆撃融合》を手札に加える！」

　また融合するつもりか！？

　「融合する前に、俺は《爆撃鳥ボム・ファルコン》と《賜炎の咎姫》の２体でリンク召喚！２体目の《揚陸群艦アンブロエール》！」

　《揚陸群艦アンブロエール》
リンク・効果モンスター
リンク４/炎属性/機械族/攻２６００
【リンクマーカー：右/左/下/右下】

　「そして《爆撃融合》を発動！俺は場の《揚陸群艦アンブロエール》と《爆撃トークン》の２体で融合召喚！来い！《起爆獣ヴァルカノン》！」

　《起爆獣ヴァルカノン》
融合・効果モンスター
星６/地属性/機械族/攻２３００/守１６００

　「お前の《スターブライトネス・ドラゴン》の弱点を見つけたぜ！結局そいつはシンクロモンスターしか守れねぇ！つまり！儀式モンスターは守れないって事だよなぁ！融合召喚した《起爆獣ヴァルカノン》の効果！こいつとお前の《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》を対象に、破壊する！その後、その儀式モンスターの攻撃力分のダメージをお前は受けるぜ！」

　「ユウキ！」

　「あぁ！罠カード発動！《奈落の落とし穴》！特殊召喚された攻撃力１５００以上のモンスターを破壊して除外する！《起爆獣ヴァルカノン》を破壊！」

　「なっ！？」

　「《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》は破壊されますが、ダメージを与える効果の方は不発となります！」

　間一髪だったな……

　「クソがぁ！！エンドだ！」

　感情の乱高下が激しすぎる……有利な時はとことん相手を馬鹿にして、不利になったらイラつく……まるで子供じゃないか……
　こんな奴に遠慮なんて要らない！一斉攻撃で倒してやる！

　「俺のターン！ドロー！墓地の《七芒星の儀式》の③の効果！墓地のスターブライトモンスター１体を除外してこのカードを手札に加え、そのまま発動！手札の《スターブライト・シスター》と俺の場の《ライトロード・アーク　ミカエル》をリリースして儀式召喚！再び現れろ！《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》！」

《七芒星の儀式》（へプタグラム・リチューアル）
儀式魔法
このカード名の②③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、自分の手札・墓地・除外状態から「スターブライト」儀式モンスター１体を儀式召喚する。この時、リリースするモンスターが「スターブライト・フレイミア」の場合、そのモンスター１枚で儀式召喚に必要な分のリリースとして使用できる。
②：このカードが手札・デッキから墓地へ送られた場合に発動できる。自分の手札・デッキから「スターブライト」儀式モンスター１体を墓地へ送る。
③：このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地の「スターブライト」モンスター１体を除外して発動できる。このカードを手札に加える。

《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》
儀式・効果モンスター
星１０/炎属性/ドラゴン族/攻３０００/守２５００
「七芒星の儀式」により降臨。
このカード名の①③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが儀式召喚した場合に発動できる。お互いの墓地からカードを合計で７枚まで除外する。この効果でカード７枚を除外した場合、さらに相手フィールドのカード１枚を破壊できる。
②：このカードの攻撃力はお互いの除外状態のカードの数×１００アップする。
③：このカードが相手によって墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。自分の墓地からこのカードのレベル以下のドラゴン族・光属性Ｓモンスター１体を特殊召喚する。

　「クソがぁ！何度も蘇ってんじゃねー！！さっき破壊したばっかだろ！」

　「さっきからうるせぇ！……はぁ、儀式召喚した《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の効果！お前の墓地のカード、《起爆獣ヴァルカノン》《揚陸群艦アンブロエール》《爆撃鳥ボム・ファルコン》《爆撃融合》を除外する！」

　「これでお互いに除外されているカードが１２枚となり、《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の攻撃力が１２００アップされますよ！」

《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》
攻３０００→攻４２００


「俺は更に手札から２体目の《スターブライト・ブレイダー》を召喚！」

《スターブライト・ブレイダー》
効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻１８００/守１７００
このカード名の①②③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：自分フィールドに「スターブライト」モンスターまたは光属性Ｓモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②：このカードが攻撃表示の場合、７００ＬＰ払って相手フィールドのカード１枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、このカードを守備表示にする。
③：このカードが光属性ＳモンスターのＳ素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から「スターブライト・ブレイダー」以外の「スターブライト」モンスター１体を手札に加える。

　「これでお前のライフを削りきれる！バトルだ！まずは《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》で攻撃！」

　これで勝てる！

　「まだだ！俺は手札から《速攻のかかし》を捨てて効果を発動！その攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる！」

　「なに！？」

　「往生際が悪いですよ！」

　「うるせぇ！！勝てばいいんだよ！！」

　「……仕方ない、俺はターンエンドだ」

　なんとか次のターンまで耐えねーと……

　「へへへっ……耐えたぜぇ。俺のターン！ド、」

　「ドローフェイズは《無謀な欲張り》の効果でこのターンまでスキップされてますけど、その手はなんですか？」

　「グッ……くそぉ……エンドだ」

　「俺のターン！ドロー！今度こそバトルだ！」

　「ま、まだだ！！２枚目の《速攻のかかし》の効果！」

　まただと！？

　「こ、今度こそ……今度こそ俺のターンだ！爆撃モンスターだ！それさえ引ければ勝てる！ドロー！」

　なにを引いた……

　「はぁ……はぁ……なんでだよぉぉぉ！！！」

　癇癪を起して引いたカードが地面に叩きつけられた。そのカードは《爆撃融合》だった。

　「あのカードだけではモンスターを呼べませんね」

　「ホントに子供かよ……俺のターンでいいな！」

　返事はなかったが、これ以上待っても埒が明かない。

　「バトルだ！一斉攻撃！」

マサヨシ：ＬＰ６８００→ＬＰ０

　なんとか勝てたな……所謂バーンデッキってやつだったが、戦ってみてかなり厄介だったな……もうバーンは懲り懲りだ……