第４８話：私は嵐の様に去るぜ　作：チュウ

ユウキ：ＬＰ４６００
手札：１枚　※公開情報《スターブライト・シスター》
フィールド：
●モンスター
《スターブライト・ブレイバー》《ライトロード・アーク・ミカエル》
●魔法・罠

チドリ：ＬP７００
手札：５枚　※公開情報《カクテラーズ・アップル》《リキュール・コーディネート》《カクテラーズ・ミルク》
フィールド：
●モンスター
なし
●魔法・罠
《カクテラーズ・カウンター》


　「私のターンね、ドロー！」

　正直状況はかなり俺の不利だ。手札は１枚でフィールドには２体のモンスターがいるが相手の行動を妨害できる効果はない。対して相手の手札は今のドローで６枚と潤沢だ。逆転される可能性は高い……が！今回はあの人のデッキの性質上、難しいんじゃないかと俺は考えている。

　「ん～～～ライフがぁ……足りない……」

　やっぱり。あのデッキは自分のライフも幾らか払わないと展開ができないようになっている。７００ポイントじゃ精々融合モンスター１体しか出ないんじゃないだろうか？

　「ぐぬぬ……ここで出すべきカードは……ぬわーー！！考えるの面倒！ゴクッゴクッゴクッ……っぱあ！！飲まないとやってらんないよね～もうこれでいいや！行け！ミルク！」

《カクテラーズ・ミルク》
効果モンスター
星４/水属性/魔法使い族/攻５００/守５００
このカード名の①の方法による特殊召喚は１ターンに１度しかできず、②③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：手札・フィールドのカード１枚を墓地へ送り、このカードは手札から特殊召喚できる。
②：このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「カクテラーズ・ミルク」以外の「カクテラーズ」モンスター１体を手札に加えるか特殊召喚する。
③：このカードが融合素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から「カクテラーズ」モンスター１体を手札に加える。

　「この子が出た時にデッキから仲間を呼ぶわ！守備表示で出てきて！３体目のアップル！」

《カクテラーズ・アップル》
効果モンスター
星４/水属性/魔法使い族/攻５００/守５００
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「カクテラーズ」魔法・罠カード１枚を手札に加える。
②：このカードが融合素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から「カクテラーズ」魔法・罠カード１枚を手札に加える。

　「アップルが出た時の効果でデッキから２枚目の《カクテラーズ・シェイクダンス》を手札に加えるよ！」

《カクテラーズ・シェイクダンス》
通常罠
このカード名のカードは１ターンに１枚しか発動できない。
①：自分・相手のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールド・墓地から融合素材モンスターをデッキに戻し、「カクテラーズ」融合モンスター１体を融合召喚する。その後、自分フィールドのモンスターの数が相手フィールドのモンスターの数よりも少ない場合、相手フィールドのモンスター１体を持ち主のデッキに戻す事ができる。

　「手札から永続魔法《リキュール・コーディネート》を発動！」

《リキュール・コーディネート》
永続魔法
このカード名の①の効果は１ターンに３度まで使用できる。
①：自分フィールドに「カクテラーズ」モンスターが存在する場合に発動できる。以下の効果から１つを選択し、そのトークンを自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。その後、自分は４００ＬＰを払う。
●「カシストークン」（植物族・水・星４・攻／守０）
●「ピーチトークン」（植物族・水・星４・攻／守０）
●「カルーアトークン」（植物族・水・星４・攻／守０）
②：自分・相手のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドの融合素材モンスターを墓地へ送り、「カクテラーズ」融合モンスター１体を融合召喚する。このターン自分は、同名の融合モンスターを「リキュール・コーディネート」の効果で融合召喚できない。

　「《リキュール・コーディネート》の①の効果！《カルーアトークン》を守備表示で特殊召喚するよ！」

チドリ：ＬP７００→ＬＰ３００

《カルーアトークン》
通常・トークン
星４/水属性/植物族/攻０/守０

　「《リキュール・コーディネート》の②の効果！《カクテラーズ・ミルク》と《カルーアトークン》を素材に《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》を攻撃表示で融合召喚！」

《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》
融合・効果モンスター
星８/水属性/魔法使い族/攻２５００/守２５００
「カクテラーズ・ミルク」＋「カルーアトークン」
このカード名の①の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが融合召喚した場合に発動できる。相手フィールドのモンスター１体のコントロールを得る。この効果でコントロールを得たモンスターの効果は無効になる。
②：自分フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする。

　「融合召喚された《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》の効果！選ぶのは～～……わがんない！！《スターブライト・ブレイバー》にする！」

　適当にブレイバーが選ばれたが、正直痛手だな。ブレイバーが何かの手段で墓地へ送られたら効果が発動したのに……奪われたらそれもできなさそうだな。

　「更に！《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》のもうひとつの効果！対象は自身！攻撃力を２５００アップさせるよ！」

《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》
攻２５００→攻５０００

　「バトルぅ！いっけー！《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》で《ライトロード・アーク・ミカエル》を攻撃ぃ！この攻撃と《スターブライト・ブレイバー》の攻撃が通れば私の勝ちじゃん！」

　「そうはさせない！！俺は墓地の《超電磁タートル》の効果を発動！このカードを墓地から除外し、バトルフェイズを強制的に終了させる！」

　「はぁーー～～～！！！？何でそんなカードが墓地にあるわけ？ユウキ少年のデッキのテーマカードじゃないよねそれ？」

　「こいつはさっきの《ライトロード・アーク・ミカエル》の効果でデッキからたまたま墓地に送られたカードさ」

　正直墓地に落ちてくれて助かった。今回ばかりは運が味方してくれたみたいだな。

　「ムカつく……てか、何でそんなカードが入ってる訳？私もデュエルモンスターズに詳しい訳じゃないけど、テーマに属さないカードを入れる意味が分からない」

　「なら聞くが、チドリさんはちゃんとカードを十二分に集められてデッキを組んでいるのか？」

　「それは……」

　「正直に言うが、俺のデッキはまだまだ未完成らしくてな……だからテーマに殆ど関係ないカードもまだ幾らか入っている。今回はそれが功を奏しただけだ」

　《超電磁タートル》も本来ならデッキから抜こうと検討していたカードだ。軒並みライトロードを抜いた関係で、大量の墓地送りギミックがなくなった結果、《超電磁タートル》を墓地へ送る手段がなくなってしまったからな。だが、他に抜くカードも入れるカードもないからまだ入っている……本当に今回は運がよかっただけだ。

　「バトルフェイズが終了したならメインフェイズ２に移行するよ！手札からカードを１枚セットしてターンエンド！」

　やっぱりライフが少ないから手札があってもできる事が少ないみたいだな。何とかこのターンでケリをつけたいな。

　「俺のターン、ドロー！まずは《ライトロード・アーク・ミカエル》の効果！１０００ライフを払い《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》を除外する！」

ユウキ：ＬＰ４６００→ＬＰ３６００

　「ぐぬぬ……」

　あのセットカードはさっき手札に加えた罠カードか？できれば安全に破壊してから攻めたい……なら！

　「俺は手札から《スターブライト・シスター》を召喚！」

《スターブライト・シスター》
効果モンスター
星４/光属性/魔法使い族/攻７００/守１９００
このカード名の②③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが召喚した場合に発動できる。このカードを守備表示にし、自分は７００ＬＰ回復する。
②：このカードが守備表示で存在する場合に発動できる。デッキから「スターブライト」のカード名が記された魔法・罠カード１枚を手札に加える。
③：このカードが光属性ＳモンスターのＳ素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から「スターブライト・シスター」以外の「スターブライト」モンスター１体を特殊召喚する。

　「このカードの召喚時、守備表示にして７００ライフ俺は回復する」

ユウキ：ＬＰ３６００→ＬＰ４３００

　「《スターブライト・シスター》の②の効果！デッキから《輝く七芒星》（スターブライト・へプタグラム）を手札に加え、そのまま発動！デッキから《スターブライト・フレイミア》を手札に加える」

《輝く七芒星》（スターブライト・へプタグラム）
通常魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：デッキから「スターブライト」モンスター１体を手札に加える。
②：墓地のこのカードを除外して発動できる。自分の墓地・除外状態から光属性Ｓモンスター及び「スターブライト」モンスターを合計２体までデッキに戻し、自分はそのカードの数×７００ＬＰを回復する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

　「デッキから《七芒星の儀式》（へプタグラム・リチューアル）を墓地へ送り、手札の《スターブライト・フレイミア》の効果を発動！《スターブライト・フレイミア》を特殊召喚！」

《スターブライト・フレイミア》
効果モンスター
星１/光属性/炎族/攻５００/守２００
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：デッキから「スターブライト」のカード名が記された魔法・罠カード１枚を墓地へ送って発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。この効果の発動後、自分はＥＸデッキから「スターブライト」モンスター及び光属性Ｓモンスターしか特殊召喚できない。
②：このカードがＳ・儀式の素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「スターブライト・フレイミア」以外の「スターブライト」モンスター１体を手札に加える。

　「今墓地へ送られた《七芒星の儀式》（へプタグラム・リチューアル）の効果発動！デッキから《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》を墓地へ送る。そして、《七芒星の儀式》（へプタグラム・リチューアル）の③の効果で墓地の《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》を除外してこのカードを手札に加え、そのまま①の効果を発動！」

《七芒星の儀式》（へプタグラム・リチューアル）
儀式魔法
このカード名の②③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリースし、自分の手札・墓地・除外状態から「スターブライト」儀式モンスター１体を儀式召喚する。この時、リリースするモンスターが「スターブライト・フレイミア」の場合、そのモンスター１枚で儀式召喚に必要な分のリリースとして使用できる。
②：このカードが手札・デッキから墓地へ送られた場合に発動できる。自分の手札・デッキから「スターブライト」儀式モンスター１体を墓地へ送る。

　「俺のフィールドの《スターブライト・フレイミア》１体を儀式素材として儀式召喚！除外状態より現れろ！《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》！」

《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》
儀式・効果モンスター
星１０/炎属性/ドラゴン族/攻３０００/守２５００
「七芒星の儀式」により降臨。
このカード名の①③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが儀式召喚した場合に発動できる。お互いの墓地からカードを７枚まで除外する。この効果でカード７枚を除外した場合、さらに相手フィールドのカード１枚を破壊できる。
②：このカードの攻撃力はお互いの除外状態のカードの数×１００アップする。
③：このカードが相手によって墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。自分の墓地からこのカードのレベル以下のドラゴン族・光属性Ｓモンスター１体を特殊召喚する。

　「儀式召喚した《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の①の効果をチェーン１、《スターブライト・フレイミア》の②の効果をチェーン２として発動！」

チェーン１：《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》
チェーン２：《スターブライト・フレイミア》

　「《スターブライト・フレイミア》の効果でデッキから２体目の《スターブライト・ブレイダー》を手札に加え、チェーン１の《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の効果で互いの墓地から合計で７枚までのカードを除外する！俺はチドリさんの墓地から《シェイキーカクテラーズ・カルーミル》《シェイキーカクテラーズ・ピーチップル》《カクテラーズ・オレンジ》《カクテラーズ・アップル》《カクテラーズ・シェイクダンス》《ドレインシールド》と俺の墓地から《死者蘇生》《ツインツイスター》を除外する！」

　これで《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の追加効果が使える！

　「この瞬間《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の追加効果！儀式召喚の効果で７枚のカードを除外した場合、さらに相手フィールドのカード１枚を破壊できる！俺はそのセットカードを破壊する！」

　破壊できたのは……また《ドレインシールド》！？さっきサーチした《カクテラーズ・シェイクダンス》じゃなかったのか……不用意に攻撃しなくてよかった。《ドレインシールド》ぐらいなら俺でも知っているカードだ。攻撃を無効にしてライフを回復するカードだったよな。もしライフを回復されたらまた展開を許す事になるし破壊できてホントによかった。

　「うぅぅ～～～……もうムリポ……ゴクッゴクッ……」

　泣きながら飲んでるし……

　「俺は更に手札から《スターブライト・ブレイダー》を自身の効果で特殊召喚！」

《スターブライト・ブレイダー》
効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻１８００/守１７００
このカード名の①②③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：自分フィールドに「スターブライト」モンスターまたは光属性Ｓモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②：このカードが攻撃表示の場合、７００ＬＰ払って相手フィールドのカード１枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。その後、このカードを守備表示にする。
③：このカードが光属性ＳモンスターのＳ素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から「スターブライト・ブレイダー」以外の「スターブライト」モンスター１体を手札に加える。

　「これで終わりだ……バトル！《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》は自身の効果で除外されているカード１枚につき攻撃力を１００アップする！《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》の効果で除外されたカード７枚とミカエルの効果で除外したカード２枚があるためその攻撃力は……３９００！」

《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》
攻３０００→攻３９００

　「《スターブライト・ブレイダー》で守備表示のアップルを攻撃！そして、《スターブライト・ブレイズ・ドラゴン》でダイレクトアタック！」

チドリ：ＬP７００→ＬＰ０

　「俺の勝ちだ！」

　「負けたぁぁーー～～～……まぁ、いいか！ゴクッ……」

　いいんかい！また飲んでるし……おまけに地面に座り込むし……

　「もう通っていいって事だよな？」

　「ん？いいんじゃない？私は最低限のお仕事はやったし……わわ！！もうお酒がなくなるぅ……じゃ！私は帰ります！お酒が私を呼んでるぜぇ～」

　もの凄い速さでいなくなってしまった……嵐みたいな人だったな。何というか憎めないキャラのせいで、こんな悪事に手を貸していなかったら仲良くできたかもしれない……なんて考えてしまうな。
　さて、そんな事を考えてないでフレアが心配だし先を急がないとな。