第５０話：子供の罠遊び　作：チュウ

フレア：ＬＰ８０００
【手札】２枚　

【フィールド】
●モンスター
《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》※攻撃力３６００
《炎麗蝶アカネヒメ》※攻撃力２０００
●フィールドゾーン
《炎麗蝶の舞園》
●魔法・罠
《炎麗蝶の繭》　セットカード１枚

【墓地】
《炎麗蝶の舞踊》《炎麗蝶レッド・モナーク》《炎麗蝶ベニヒメ》《炎麗蝶ハレギヒメ》

ソウジロウ：ＬＰ７８００
【手札】０枚　

【フィールド】
●モンスター
なし
●魔法・罠
《ビッグウェルカム・ラビュリンス》※セット状態

【墓地】
《ウェルカム・ラビュリンス》《白銀の城の火吹炉》《白金の城の召使いアリアンナ》×２《白金の城の召使いアリアーヌ》《白銀の迷宮城》《悪魔の技》


※（フレア視点継続）


　「では、私のターン、ドローします！まずはセットカード発動！《ビッグウェルカム・ラビュリンス》！デッキから《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）を特殊召喚し、私のフィールドのモンスター１体を手札に戻す。私は今特殊召喚した《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）を手札に戻す」

　一瞬出しただけ？いったい何をするというの？

　「これにより、私の墓地の《ウェルカム・ラビュリンス》と《白銀の城の火吹炉》が効果を発動します」

チェーン１：《ウェルカム・ラビュリンス》
チェーン２：《白銀の城の火吹炉》

　「この２枚はフィールドのモンスターが通常罠カードの効果でフィールドから離れた場合に発動できます。《白銀の城の火吹炉》は自身の効果で守備表示で特殊召喚し、《ウェルカム・ラビュリンス》は自身の効果でフィールドにセットできます」

《白銀の城の火吹炉》
効果モンスター
星２/闇属性/悪魔族/攻０/守２０００

　リソースが回復していく……不味いですね。

　「更に手札から先程戻した《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）の効果！このカードを守備表示で特殊召喚！」

《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）
効果モンスター
星８/闇属性/悪魔族/攻３０００/守２９００

　「因みに、《迷宮城の白銀姫》は私のフィールドにセットカードがある場合、カードの対象にならず、相手の効果では破壊されませんよ」

　厄介な耐性ね……あの男のフィールドにはセットカードが１枚のみ。あれを如何にかできれば。

　「私はカードを１枚セットしてターンエンドです」

　セットカードが増えたけど、これで相手の手札は０枚。《白銀の城の火吹炉》の効果は手札コストが必要だからもう発動はできない筈……ならまずは数を減らす！

　「エンドフェイズに、《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》の効果！相手フィールドのモンスター１体を破壊します！《白銀の城の火吹炉》を破壊！更に攻撃力を５００アップ！」

《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》
攻３６００→攻４１００

　「そして、私のターン、ドロー！このままバトルよ！そんな耐性があっても戦闘で破壊してしまえば変わらないわ！」

　「クソッ！舐めるな！罠カード《天龍雪獄》を発動！このカードは相手の墓地のモンスター１体を対象とし、そのモンスターを私の場に特殊召喚する。更に！お互いのフィールドのモンスターから同じ種族のモンスターを１体ずつ除外できる！」

　プシュケーが狙われている！ならその前に。

　「相手がカード効果を発動した事で、《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》の②の効果を発動！」

　「ならば私は更に《ウェルカム・ラビュリンス》を発動！デッキからラビュリンスモンスターを特殊召喚する。そこにチェーンして《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）の効果も発動！」

チェーン１：《天龍雪獄》
チェーン２：《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》
チェーン３：《ウェルカム・ラビュリンス》
チェーン４：《迷宮城の白銀姫》

　「《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）の効果でデッキから《ビッグウェルカム・ラビュリンス》をセットし、《ウェルカム・ラビュリンス》の効果で《白銀の城のラビュリンス》を攻撃表示で特殊召喚！」

《白銀の城のラビュリンス》
効果モンスター
星８/闇属性/悪魔族/攻２９００/守１９００

　「《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》の②の効果で、《炎麗蝶レッド・モナーク》を攻撃表示で特殊召喚！」

《炎麗蝶レッド・モナーク》
儀式・効果モンスター
星４/炎属性/昆虫族/攻１９００守２００
「炎麗蝶の舞踊」により降臨。このカード名の①の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが特殊召喚した場合に発動できる。自分の墓地・除外状態から昆虫族モンスター１体を手札に加えるか特殊召喚する。この効果の発動後、自分は昆虫族モンスターしか特殊召喚できない。
②：このカードを儀式素材として儀式召喚された昆虫族の儀式モンスターは以下の効果を得る
●このカードは効果では破壊されない。

　「では、貴女の墓地の《炎麗蝶ベニヒメ》を私の場に特殊召喚し、このカードと《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》を除外します！」

　除外されてしまったけど、この程度で私のデッキは止まらない！

　「私は特殊召喚された《炎麗蝶レッド・モナーク》の効果を発動！」

　「では、私も通常罠カードの効果でフィールドのモンスターが離れた場合、《白銀の城のラビュリンス》の効果を発動！」

チェーン１：《炎麗蝶レッド・モナーク》
チェーン２：《白銀の城のラビュリンス》

　「《白銀の城のラビュリンス》の効果でフィールド魔法の《炎麗蝶の舞園》を破壊！」

　「なら、《炎麗蝶レッド・モナーク》の効果で除外状態から《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》を特殊召喚します！」

《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》
儀式・効果モンスター
星８/炎属性/昆虫族/攻２８００/守２３００
「炎麗蝶の舞踊」により降臨。
このカード名の②の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：自分・相手ターンに１度、発動できる。相手フィールドのモンスター１体を破壊し、このカードの攻撃力は５００アップする。その後、自分の除外状態の昆虫族モンスター１体を墓地へ戻す事ができる。
②：相手がカード効果を発動した場合に発動できる。自分の墓地・除外状態から昆虫族・炎属性モンスター１体を特殊召喚する。

　「なに！？さっき除外したばかりだろ！」

　「残念でしたね、さっきの罠カードは無意味という事です。正直、同じ罠使いなら前に戦ったツカサ様の方が強いですね。貴方には負ける気がしません」

　「馬鹿にしやがってぇ……元々、青の国の罠使いは私の専売特許だったのに、アイツが来てからというもの、その罠使いはアイツの異名として広まってしまった。クソッ！クソッ！……私だって強い！私をもっと見ろ！ちゃんと評価しろ！アイツと私を比べるなぁ！！」

　「惨め……という感想しか出てきませんね。ただ、貴方の実力が足りなかっただけの話しでは？大きな声で喚かないでいただきたいですね……」

　「な、んだとぉ……このアマ！！！」

　子供ですね……自分を見て欲しいと気を引く大きな子供。年相応の子供ならまだ可愛いですが、いい年してこれは中々酷いですね……

　「デュエルを続けます。先程バトルを宣言しましたが、メインフェイズを続行します。私は墓地の《炎麗蝶の舞踊》の効果発動！自分フィールドに昆虫族・炎属性モンスターが存在するため、このカードを手札に加えます」

《炎麗蝶の舞踊》
儀式魔法
このカード名の②の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドの昆虫族モンスターをリリースし、手札から昆虫族の儀式モンスター１体を儀式召喚する。
②：このカードが墓地に存在し、自分フィールドに昆虫族・炎属性モンスターまたは「炎麗蝶」魔法・罠カードが存在する場合に発動できる。このカードを手札に加える。

　「更に私は手札から魔法カード《魔法石の採掘》を発動します。手札のカード２枚を墓地へ送り、墓地からフィールド魔法《炎麗蝶の舞園》を手札に加え、発動します」

《炎麗蝶の舞園》
フィールド魔法
このカード名の①③の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：自分のメインフェイズに発動できる。デッキから「炎麗蝶の舞踊」１枚を手札に加える。
②：自分フィールドの昆虫族モンスターの攻撃力・守備力は３００アップする。
③：自分フィールドに昆虫族・炎属性モンスターが２体以上存在し、相手がカード効果を発動した時に発動できる。そのカードの効果を無効にする。

　「そして、手札に最後に残った１枚、２体目の《炎麗蝶アカネヒメ》を召喚！」

《炎麗蝶アカネヒメ》
効果モンスター
星４/炎属性/昆虫族/攻１７００守１１００
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。デッキから「炎麗蝶アカネヒメ」以外の「炎麗蝶」モンスター１体を手札に加える。
②：自分フィールドに昆虫族・炎属性の儀式モンスターが存在する場合、お互いのメインフェイズに発動できる。相手フィールドのモンスター１体の効果を無効にする。
③：「炎麗蝶の舞踊」の効果によって、自分の手札・フィールドの昆虫族モンスターをリリースする場合、墓地のこのカードを儀式素材として除外できる。

　「《炎麗蝶アカネヒメ》の②の効果を発動！《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）の効果を無効にします！この効果は対象に取る効果ではないので適用されます」

　これで破壊ができるようになった！

　「《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》の①の効果、《迷宮城の白銀姫》（レディ・オブ・ザ・ラビュリンス）を破壊し、このカードの攻撃力を５００アップさせます！」

《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》
攻２８００→攻３３００

　「バトルです！《炎麗蝶の舞園》の効果で私のモンスターの攻撃力は全て３００アップします」

《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》
攻３３００→攻３８００

《炎麗蝶アカネヒメ》×２
攻１７００→攻２０００

《炎麗蝶レッド・モナーク》
攻１９００→攻２２００

　「まずは《炎麗蝶ヴァーミリオン・プシュケー》で《白銀の城のラビュリンス》を攻撃します！」

ソウジロウ：ＬＰ７８００→ＬＰ６９００

　「《炎麗蝶アカネヒメ》２体と《炎麗蝶レッド・モナーク》でダイレクトアタック！」

ソウジロウ：ＬＰ６９００→ＬＰ７００

　「これでターンエンドです。ソウジロウ様のターンですよ？」

　「クソッ……セットされている《ビッグウェルカム・ラビュリンス》だけでは……」

　「因みにそのセットされている《ビッグウェルカム・ラビュリンス》の効果は《炎麗蝶の舞園》の③の効果で無効にできるので無駄ですよ？」

　これでほぼ詰み状態。ドロー次第ではあるけど、ここから逆転はない筈。

　「私のターン、ドロー！……クソッ！このカードだけじゃ……」

　如何やら逆転は無理そうですね。

　「無理そうならターンエンドを……」

　「サレンダーだ！！」

　えっ？

　「このデュエルは私の負けだ……だが！このマジックアイテム……”星骸の宝玉”は渡さん！！兵士達よあの女をデュエルで倒せ！数の力で圧倒せよ！」

　なっ！？この期に及んでこのような真似をするなんて！

　「往生際が悪いですよ！約束通りにそのマジックアイテムを渡して情報を吐きなさい！」

　「わ、私にも立場があるんですよ……そう簡単にはいきませんよ」

　こうなったら、何とかしてこの兵士達を倒さなければ。

　「いいでしょう……雑兵がいくら束になって掛かってきても勝てない事を教えてあげましょう！」