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20話 大丈夫! 作:コングの施し
遊大は迷うことなく典子の肩をがっしりと掴んだ。その目には赫い炎が煌々とゆらめいている。
典子は呆気に取られ、数瞬の間、言葉を詰まらせていた。一瞬で詰められた距離感を理解すると顔を真っ赤にして遊大を両手で押し返した。
典子「ちょ、ちょっ、なに!?なんですの!?」
遊大も勝手に体が動くように咄嗟に出た行動の軽率さに気づき、同じく慌てふためく様を見せた。
遊大「あっ、ごめんよ!なんかつい、、」
典子「つい、、って!見知らぬ女子の肩をがっしり掴むなんて!」
それからガミガミした典子にしばらく噛みつかれ続けたが、呆れた龍平に引っ張られるような形で、遊大は戦線を離脱した。
開会式が幕を開け、遊大と龍平をはじめとする東雲中メンバーは2階ギャラリー席に腰を下ろした。関係者等の挨拶が続く中、選手宣誓の言葉がホールに響く。
『選手宣誓、選手代表、我津第一2年、鬼ヶ逢馬!!』
ステージの右下、ホール隅のパイプ椅子に腰掛けている男が軽い足取りでステージへと進む。
まだ高いその声で宣誓の文章を読み上げる中、それを見つめるマシロの顔が曇る。
嬢「せんせ、どうかしたんですか?」
マシロ「い、いやなんでもない。」
そうマシロは口を紡ぐが、その目はまっすぐにステージ上の小さな男、鬼ヶ逢馬に向いていた。
龍平もステージ上の逢馬を見つめていたが、軽く小さいその様からは決して似合わない異様な雰囲気が漂ってきているのを感じていた。
予想だにし得ない緊張感に包まれた開会式は幕を閉じ、各校のミーティングに入る。それが終われば、いよいよ個人戦トーナメント一回戦が幕を開ける。
開会後、生徒を集めたマシロは開口一番に言い放った。
マシロ「楽しめ。」
と。
律歌はポカンとして聞き返す。
律歌「楽しむ?」
マシロ「ああ。予感とトーナメント表、そして過去のデータから私が導いてお前たちに伝えることはその一つだけだ。」
マシロの言葉に、全員がぴたりと止まる。
マシロ「昨年新人戦で明らかになったGAの存在、そしてシードにいる奴らのことを鑑みて、今回は本気で潰す気で行かなきゃ勝てない。特に一年坊3人、お前らには厳しい初陣になる。間違いなくだ。」
遊大「え、、だったらなんで、、!」
マシロ「初陣にしちゃ厳しすぎるほどの状況だ。だがだからこそだ。お前らがそれぞれなんでデュエルをしているかなんて私は知らん。でもその根底にあるのはデュエルの楽しさだ。多分な。だからどんな状況でも厳しい空気に飲まれるな。負けても学んで、成長する自分を楽しめ。苦しい空気は視界を狭くする。狭い視界は突破口を見出せなくする。負のループだ。だから楽しめ!」
嬢「苦しさを楽しむ、、。」
マシロ「苦しさを楽しめ!逆境を楽しめ!緊張を楽しめ!勝利も敗北も楽しんで、上を目指せ!」
マシロは生徒を解散させ、それぞれのデッキやデュエルディスクの最終調節にあたらせた。
各々が独特の緊張感に包まれる中、その時はやってきた。
『これより一回戦を開始します。シードを除くナンバー1番〜40番の生徒は第一ホールに、40〜60番の生徒は別館の小ホールにて各自の指定デュエルスペースについてください。』
ナンバー13の遊大、そして30の嬢が顔を上げる。
阿原「まずは初戦だ!行ってこい!」
遊大と相手のデュエリストは対峙しデュエルディスクを構えた。
遊大「東雲中1年!樋本遊大!対戦よろしくお願いします!」
相手「上城東2年の篠木怜です!よろしくです!」
『デュエル!』
お互いに5枚の手札をデッキから引き抜き、その後、大会用プログラムが起動したデュエルディスクによって先手後手が決められる。競技用にカスタマイズされたデュエルディスクは文字通りの盤であり戦場であり、同時に決闘を仕切る審判でもあるのだ。
『先攻が決定しました。ターン1、ターンプレイヤーは樋本選手です。スタンバイフェイズに入ります。』
無機質な機械音声がそう告げると、ついにそのデュエルが幕を上げた。
遊大「俺のターン!俺は、『業火の重騎士』を通常召喚!さらにカードを2枚セットしてターンエンド!」
業火の重騎士
☆4 1800/200
炎属性・アンデット族/デュアル/効果
遊大 LP8000・手札2
モンスター:業火の重騎士
魔法罠:セット×2
篠木「ボクのターン!ドロー!」
(盤面には2枚の伏せカードですか。まあ先攻であれば自然ですね。やはり注視すべきはあのモンスターでしょう!)
「ボクは手札から『溟界の滓–ヌル』の効果を発動。このカードを手札から墓地に送り、デッキから『溟界妃–アミュネシア』を墓地に送るです。」
篠木の足元に黒い液体が渦巻き、そこを蛇の影がねっとりと通り過ぎた。
「さらに、『溟界の漠–ゾーハ』を通常召喚です!そして、墓地のヌルの効果も発動!自分フィールドに『溟界』モンスターが存在する時、このカードを墓地から特殊召喚です!」
溟界の漠–ゾーハ
☆4 1500/1700
闇属性・爬虫類族/効果
溟界の滓–ヌル
☆4 0/0
光属性・爬虫類族/効果
黒い液体が重く渦巻き、瞬く間に2体のモンスターを生み出した。それと同時に会場ギャラリーの上城東のコートがどっとざわめき出した。
遊大も目をチラリと上城東の方へ向け、それが自分の目の前の決闘者に向けられたものだと理解した。レベル4のモンスターが2体か、墓地のモンスターの効果か、目に入るすべての情報が遊大を緊迫の沼にし詰めんと袖を強く引いてくる。
その様子を、律歌とマシロはじっと見つめていた。
試合開始前のミーティングであれほどの熱弁をしたマシロであったが、緊張に飲まれきった遊大を見てやはりため息が溢れた。
マシロ「あいつ、、あれほど言ったのに大丈夫じゃねえじゃん。」
そう言うと、傍でデッキを確認する律歌もサラリと言葉を漏らした。
律歌「大丈夫です。わたしがいるから。教えたんですよ。だから、、」
そう言う間にデッキを鞄にしまいこみ、細いその体をフェンスに乗り出して叫んだ。
律歌「だいじょおー ー ー ー ー ー ーぶ!だいじょーぶだよ!ゆうだー ーい!」
その声援はしっかりと遊大の鼓膜を震わせた。狭くなっていた視界がぐっと広まり、盤面をもう1度見渡す。
遊大(ありがとう律歌さん!相手の通常召喚権はない。ヌルの効果でXやL召喚もおそらくない!だったら俺が警戒すればいいカードは、、)
篠木「そして、この2体をリリースし、墓地の『溟界妃–アミュネシア』の効果を発動です!自信を特殊召喚です!現れるです!『溟界妃–アミュネシア』…」
黒い淀みが巨大は蛇へと形を変え、大地に身を乗り出さんとしたその時、凄まじい風が篠木の前を駆け抜けた。
篠木「何です!?」
瞬く間に駆け抜けた風は、確かに降臨しかけたアミュネシアの首を切り裂いており、黒い淀みの残骸が崩れ、フィールドへ流れるのみとなった。
遊大「俺はカウンター罠、『透破抜き』を発動!手札・墓地でモンスター効果が発動した時、その発動を無効にし、除外するっ!」
遊大はそう言うと、背後の律歌がいるギャラリーの方へ振り向かずにピースのサインを作った。
律歌は確かにそれを受け取ると、マシロの方へ振り向き微笑んで見せた。
マシロはやれやれと行った表情でそれを見つめる。
マシロ「律歌、お前あいつに何教えたんだ?」
律歌はフェンスを降りて、席に腰掛けると人差し指をちょんと立てた。
律歌「1つだけ。1つだけ教えたんです。」
〜
大会前
日も暮れた薄暗い部室の中、遊大はデッキを広げて頭を悩ませていた。
律歌「まだいたんだね。どう?デッキ。」
遊大は俯いた顔をあげ、苦笑いをしている。
遊大「やりたいことはわかってるんですけど、そのために削りたいパーツを渋っているっていうか、、律歌さんはデッキ調節どうしてるんですか?」
首を傾げて天井に目をやり、さらに人差し指でちょんと頬に触れる。
律歌「うーん。流れ?ってわけでもないかもだけど、そうだね。先手後手どっちに寄せるか考えてるとか?かな。」
遊大「先手後手、、。」
律歌「1個だけだよ。先攻は相手の突破させずに嫌なことをできる盤面を作る。逆に後攻はそれを突破する。わたしなんてそれぐらいしか考えてないよ。パラディオンは後攻だけどね。遊大のデュアルは先攻なんじゃないかな。」
何気なく出てきたその言葉が、電撃のように遊大に走った。
バラバラだった先攻に寄せることで採用できるカード、そしてリソース確保を得意とするデュアルの戦い方、この2つが文字通り1本の道筋となって繋がった気がした。
律歌「お、気づいちゃったね。これで大丈夫だ。」
律歌はそう言って親指をぐっとあげて遊大に笑って見せた。
〜
遊大の目は先ほどまでとは異なり、視界は透き通って広く、かつ視線自体は相手を真っ直ぐに捉えている。墓地から蘇生されるアミュネシアを透破抜きで除外したことで、間違いなく戦局は遊大に傾いていた。
遊大「油断はしない…!そんで申し訳ないけど、あんたに気持ちよくデュエルさせる気も俺には無い!」
篠木「これは…1年のやることじゃないです…ね。」
続く
典子は呆気に取られ、数瞬の間、言葉を詰まらせていた。一瞬で詰められた距離感を理解すると顔を真っ赤にして遊大を両手で押し返した。
典子「ちょ、ちょっ、なに!?なんですの!?」
遊大も勝手に体が動くように咄嗟に出た行動の軽率さに気づき、同じく慌てふためく様を見せた。
遊大「あっ、ごめんよ!なんかつい、、」
典子「つい、、って!見知らぬ女子の肩をがっしり掴むなんて!」
それからガミガミした典子にしばらく噛みつかれ続けたが、呆れた龍平に引っ張られるような形で、遊大は戦線を離脱した。
開会式が幕を開け、遊大と龍平をはじめとする東雲中メンバーは2階ギャラリー席に腰を下ろした。関係者等の挨拶が続く中、選手宣誓の言葉がホールに響く。
『選手宣誓、選手代表、我津第一2年、鬼ヶ逢馬!!』
ステージの右下、ホール隅のパイプ椅子に腰掛けている男が軽い足取りでステージへと進む。
まだ高いその声で宣誓の文章を読み上げる中、それを見つめるマシロの顔が曇る。
嬢「せんせ、どうかしたんですか?」
マシロ「い、いやなんでもない。」
そうマシロは口を紡ぐが、その目はまっすぐにステージ上の小さな男、鬼ヶ逢馬に向いていた。
龍平もステージ上の逢馬を見つめていたが、軽く小さいその様からは決して似合わない異様な雰囲気が漂ってきているのを感じていた。
予想だにし得ない緊張感に包まれた開会式は幕を閉じ、各校のミーティングに入る。それが終われば、いよいよ個人戦トーナメント一回戦が幕を開ける。
開会後、生徒を集めたマシロは開口一番に言い放った。
マシロ「楽しめ。」
と。
律歌はポカンとして聞き返す。
律歌「楽しむ?」
マシロ「ああ。予感とトーナメント表、そして過去のデータから私が導いてお前たちに伝えることはその一つだけだ。」
マシロの言葉に、全員がぴたりと止まる。
マシロ「昨年新人戦で明らかになったGAの存在、そしてシードにいる奴らのことを鑑みて、今回は本気で潰す気で行かなきゃ勝てない。特に一年坊3人、お前らには厳しい初陣になる。間違いなくだ。」
遊大「え、、だったらなんで、、!」
マシロ「初陣にしちゃ厳しすぎるほどの状況だ。だがだからこそだ。お前らがそれぞれなんでデュエルをしているかなんて私は知らん。でもその根底にあるのはデュエルの楽しさだ。多分な。だからどんな状況でも厳しい空気に飲まれるな。負けても学んで、成長する自分を楽しめ。苦しい空気は視界を狭くする。狭い視界は突破口を見出せなくする。負のループだ。だから楽しめ!」
嬢「苦しさを楽しむ、、。」
マシロ「苦しさを楽しめ!逆境を楽しめ!緊張を楽しめ!勝利も敗北も楽しんで、上を目指せ!」
マシロは生徒を解散させ、それぞれのデッキやデュエルディスクの最終調節にあたらせた。
各々が独特の緊張感に包まれる中、その時はやってきた。
『これより一回戦を開始します。シードを除くナンバー1番〜40番の生徒は第一ホールに、40〜60番の生徒は別館の小ホールにて各自の指定デュエルスペースについてください。』
ナンバー13の遊大、そして30の嬢が顔を上げる。
阿原「まずは初戦だ!行ってこい!」
遊大と相手のデュエリストは対峙しデュエルディスクを構えた。
遊大「東雲中1年!樋本遊大!対戦よろしくお願いします!」
相手「上城東2年の篠木怜です!よろしくです!」
『デュエル!』
お互いに5枚の手札をデッキから引き抜き、その後、大会用プログラムが起動したデュエルディスクによって先手後手が決められる。競技用にカスタマイズされたデュエルディスクは文字通りの盤であり戦場であり、同時に決闘を仕切る審判でもあるのだ。
『先攻が決定しました。ターン1、ターンプレイヤーは樋本選手です。スタンバイフェイズに入ります。』
無機質な機械音声がそう告げると、ついにそのデュエルが幕を上げた。
遊大「俺のターン!俺は、『業火の重騎士』を通常召喚!さらにカードを2枚セットしてターンエンド!」
業火の重騎士
☆4 1800/200
炎属性・アンデット族/デュアル/効果
遊大 LP8000・手札2
モンスター:業火の重騎士
魔法罠:セット×2
篠木「ボクのターン!ドロー!」
(盤面には2枚の伏せカードですか。まあ先攻であれば自然ですね。やはり注視すべきはあのモンスターでしょう!)
「ボクは手札から『溟界の滓–ヌル』の効果を発動。このカードを手札から墓地に送り、デッキから『溟界妃–アミュネシア』を墓地に送るです。」
篠木の足元に黒い液体が渦巻き、そこを蛇の影がねっとりと通り過ぎた。
「さらに、『溟界の漠–ゾーハ』を通常召喚です!そして、墓地のヌルの効果も発動!自分フィールドに『溟界』モンスターが存在する時、このカードを墓地から特殊召喚です!」
溟界の漠–ゾーハ
☆4 1500/1700
闇属性・爬虫類族/効果
溟界の滓–ヌル
☆4 0/0
光属性・爬虫類族/効果
黒い液体が重く渦巻き、瞬く間に2体のモンスターを生み出した。それと同時に会場ギャラリーの上城東のコートがどっとざわめき出した。
遊大も目をチラリと上城東の方へ向け、それが自分の目の前の決闘者に向けられたものだと理解した。レベル4のモンスターが2体か、墓地のモンスターの効果か、目に入るすべての情報が遊大を緊迫の沼にし詰めんと袖を強く引いてくる。
その様子を、律歌とマシロはじっと見つめていた。
試合開始前のミーティングであれほどの熱弁をしたマシロであったが、緊張に飲まれきった遊大を見てやはりため息が溢れた。
マシロ「あいつ、、あれほど言ったのに大丈夫じゃねえじゃん。」
そう言うと、傍でデッキを確認する律歌もサラリと言葉を漏らした。
律歌「大丈夫です。わたしがいるから。教えたんですよ。だから、、」
そう言う間にデッキを鞄にしまいこみ、細いその体をフェンスに乗り出して叫んだ。
律歌「だいじょおー ー ー ー ー ー ーぶ!だいじょーぶだよ!ゆうだー ーい!」
その声援はしっかりと遊大の鼓膜を震わせた。狭くなっていた視界がぐっと広まり、盤面をもう1度見渡す。
遊大(ありがとう律歌さん!相手の通常召喚権はない。ヌルの効果でXやL召喚もおそらくない!だったら俺が警戒すればいいカードは、、)
篠木「そして、この2体をリリースし、墓地の『溟界妃–アミュネシア』の効果を発動です!自信を特殊召喚です!現れるです!『溟界妃–アミュネシア』…」
黒い淀みが巨大は蛇へと形を変え、大地に身を乗り出さんとしたその時、凄まじい風が篠木の前を駆け抜けた。
篠木「何です!?」
瞬く間に駆け抜けた風は、確かに降臨しかけたアミュネシアの首を切り裂いており、黒い淀みの残骸が崩れ、フィールドへ流れるのみとなった。
遊大「俺はカウンター罠、『透破抜き』を発動!手札・墓地でモンスター効果が発動した時、その発動を無効にし、除外するっ!」
遊大はそう言うと、背後の律歌がいるギャラリーの方へ振り向かずにピースのサインを作った。
律歌は確かにそれを受け取ると、マシロの方へ振り向き微笑んで見せた。
マシロはやれやれと行った表情でそれを見つめる。
マシロ「律歌、お前あいつに何教えたんだ?」
律歌はフェンスを降りて、席に腰掛けると人差し指をちょんと立てた。
律歌「1つだけ。1つだけ教えたんです。」
〜
大会前
日も暮れた薄暗い部室の中、遊大はデッキを広げて頭を悩ませていた。
律歌「まだいたんだね。どう?デッキ。」
遊大は俯いた顔をあげ、苦笑いをしている。
遊大「やりたいことはわかってるんですけど、そのために削りたいパーツを渋っているっていうか、、律歌さんはデッキ調節どうしてるんですか?」
首を傾げて天井に目をやり、さらに人差し指でちょんと頬に触れる。
律歌「うーん。流れ?ってわけでもないかもだけど、そうだね。先手後手どっちに寄せるか考えてるとか?かな。」
遊大「先手後手、、。」
律歌「1個だけだよ。先攻は相手の突破させずに嫌なことをできる盤面を作る。逆に後攻はそれを突破する。わたしなんてそれぐらいしか考えてないよ。パラディオンは後攻だけどね。遊大のデュアルは先攻なんじゃないかな。」
何気なく出てきたその言葉が、電撃のように遊大に走った。
バラバラだった先攻に寄せることで採用できるカード、そしてリソース確保を得意とするデュアルの戦い方、この2つが文字通り1本の道筋となって繋がった気がした。
律歌「お、気づいちゃったね。これで大丈夫だ。」
律歌はそう言って親指をぐっとあげて遊大に笑って見せた。
〜
遊大の目は先ほどまでとは異なり、視界は透き通って広く、かつ視線自体は相手を真っ直ぐに捉えている。墓地から蘇生されるアミュネシアを透破抜きで除外したことで、間違いなく戦局は遊大に傾いていた。
遊大「油断はしない…!そんで申し訳ないけど、あんたに気持ちよくデュエルさせる気も俺には無い!」
篠木「これは…1年のやることじゃないです…ね。」
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40 | 59話 強くならなきゃ | 303 | 2 | 2024-04-03 | - | |
33 | 60話 竜を駆るもの | 174 | 0 | 2024-04-20 | - | |
55 | 61話 竜を狩るもの | 310 | 2 | 2024-04-22 | - | |
38 | 62話 反逆の剣 | 202 | 2 | 2024-04-26 | - | |
35 | 63話 血の鎖 | 276 | 1 | 2024-05-01 | - | |
48 | 64話 気高き瞳 | 343 | 2 | 2024-06-02 | - | |
25 | 65話 使命、確信、脈動 | 313 | 2 | 2024-06-16 | - | |
33 | 66話 夜帷 | 225 | 0 | 2024-07-14 | - | |
30 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 257 | 2 | 2024-07-18 | - | |
28 | 68話 陽は何処で輝く | 216 | 2 | 2024-07-30 | - | |
27 | 69話 血みどろの歯車 | 259 | 2 | 2024-08-16 | - | |
25 | 70話 災禍 その① | 220 | 2 | 2024-08-28 | - | |
27 | 71話 災禍 その② | 220 | 2 | 2024-09-01 | - | |
24 | 72話 親と子 | 153 | 2 | 2024-09-09 | - | |
26 | 73話 血断の刃 | 146 | 2 | 2024-10-10 | - | |
30 | 74話 血威の弾丸 | 183 | 2 | 2024-10-17 | - | |
24 | 75話 炉心 | 122 | 0 | 2024-11-01 | - | |
21 | 76話 ひとりじゃない | 133 | 2 | 2024-11-03 | - | |
22 | 77話 春風が運ぶもの | 129 | 2 | 2024-11-06 | - | |
10 | 78話 天道虫 その① | 98 | 2 | 2024-11-19 | - | |
2 | 79話 天道虫 その② | 25 | 0 | 2024-11-21 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/10/25 新商品 SUPREME DARKNESS カードリスト追加。
- 11/22 13:54 評価 6点 《ジェムナイト・アメジス》「《水族》を素材に要求する《ジェムナ…
- 11/22 13:30 評価 10点 《強欲で貪欲な壺》「ダイーザの主食。発動コストが超重いならそ…
- 11/22 13:17 評価 7点 《魂吸収》「昔は除外自体そこまでメジャーでは無かった...今は毎…
- 11/22 12:56 評価 4点 《瞬間融合》「総合評価:自壊デメリットを補えるなら。 《超融合…
- 11/22 12:56 掲示板 低評価されているカードに高評価を付けるとき
- 11/22 12:50 評価 4点 《機関連結》「総合評価:貫通の有用性が下がっており、強化として…
- 11/22 12:48 評価 8点 《堕天使ナース-レフィキュル》「超高級シモッチ。 シモッチバー…
- 11/22 12:46 掲示板 最適なデッキ枚数は何枚か
- 11/22 12:43 評価 8点 《スキャッター・フュージョン》「《ジェムナイト》では2枚目とな…
- 11/22 12:35 評価 7点 《シャドー・インパルス》「総合評価:自分から破壊することでコン…
- 11/22 12:26 評価 9点 《ジェムナイトレディ・ラピスラズリ》「SSされた場のモンスターの…
- 11/22 11:11 評価 5点 《ZW-風神雲龍剣》「《ZW-雷神猛虎剣》と併用してなんか強そ…
- 11/22 10:28 評価 10点 《サモンリミッター》「連続展開とモンスター効果連続発動という…
- 11/22 08:43 SS 第25話:爆撃連打
- 11/22 07:58 評価 5点 《葬角のカルノヴルス》「レベル6のシンクロチューナー。 攻撃宣…
- 11/22 07:47 一言 何気なく見に来たらウチのSSの読者がいて涙を禁じ得ない デュエルしな…
- 11/22 03:01 評価 6点 《ブラック・ソニック》「総合評価:攻撃宣言時のため、BFの数を…
- 11/22 02:53 評価 4点 《BF-竜巻のハリケーン》「総合評価:ローレベルで展開能力があ…
- 11/22 02:47 評価 3点 《ブラック・リベンジ》「総合評価:《ゴッドバードアタック》で相…
- 11/22 02:14 評価 7点 《赤酢の踏切》「「使用後、場に残り続けるフリーチェーン除去」と…
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