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36話 雨中の戎 その② 作:コングの施し
全国決闘王杯市予選4回戦、県大会への出場を賭けたその試合にて、遊大は因縁の相手であり忍者デッキの使い手、『斬隠輝久』と対決する。今まで必死に鍛え上げたデッキを持って臨む雄大だったが、同じく身を粉にするような鍛錬の先に《忍者》デッキの真髄を掴んだ輝久に苦戦を強いられる。
氷雨と身をプレッシャーが会場に、デッキに、そして彼自身に降りかかる。そんな中、輝久は新たなエースモンスター《戎の忍者-冥禪》を融合召喚を成功させたのだった。
〜
TURN:2(メインフェイズ)
斬隠 輝久 (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:4
モンスター:《機甲忍者ブレード・ハート》(攻) 《戎の忍者-冥禪》(攻)
魔法罠:
フィールドゾーン:
樋本 遊大
LP:8000
手札:1
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》(攻) 《炎妖蝶ウィルプス》(守)
魔法罠:《切り裂かれし闇》 《デュアル・アブレーション》 セット×1
フィールドゾーン:
輝久「その魂、戦場を駆け!その術!いま境地に達する!
融合召喚!《戎の忍者-冥禪》!!」
《戎の忍者-冥禪》(攻)
☆6 闇・戦士族/融合/効果
2500/1500
2人の忍者から放たれた光は混ざり合い、瞬く間に雷となってフィールドを貫く。衝撃と舞い上がる煙を切り裂き、『戎』の冠する究極の忍が姿を見せた。
遊大(《融合》無しの融合召喚…!無法にも程がある!なんつうモンスターだ!)
輝久「これが真の忍!
さらに僕はここで《機甲忍者ブレードハート》のオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果を発動!」
《機甲忍者ブレードハート》の周囲を舞う光の球体、オーバーレイユニット。その一つが剣に宿り、緑色の閃光を放つ。
遊大「《戎の忍者-冥禪》の攻撃回数を増やすつもりか!だが俺のフィールドには《切り裂かれし闇》が…!」
輝久「わかっているさ。だがその上で!僕は再び、《忍法装具 鉄土竜》を発動!対象は《戎の忍者-冥禪》だよ!」
ソリッドヴィジョンに映し出されたそのカードより、先ほども出現した黒鋼の百足を模した武具が出現し、冥禪の腕に装着される。
《戎の忍者-冥禪》ATK:2500→3000
遊大「…どういうことだ…!」
遊大は困惑を隠せない。《切り裂かれし闇》の効果を知らないはずがない。数刻前に自分が開示している。ただのミスではないはず。そんなにやわな判断をする相手ではないと理解しているからこそ、これから起きることを警戒し、身構える。
輝久「バトルだ!
僕は《戎の忍者-冥禅》で攻撃!戦陣の剣、炎鹿の番!」
鋼鉄の武具を大地に叩き込み、フィールドが揺れ土煙が舞い上がる。
遊大「…!」
視界を妨げられた遊大の眼前に、鋭利に研ぎ澄まされた紅色の忍者刀が飛び込んでくる。土煙を引き裂いた一撃は、本来戦うはずの《フェニックス・ギア・フリード》でも《炎妖蝶ウィルプス》でもなく、確実に遊大本人のLPを直接刈り取りに来ていた。
遊大「ダイレクトアタックか!?」
輝久「そうさ!
《戎の忍者-冥禅》がフィールドに存在する限り、僕の《忍者》モンスターは直接攻撃できる!」
狂刃がLPを貫こうとした刹那、遊大は今の自分で回せる思考をフル回転させ、1つのカードの発動を宣言する。
遊大(《切り裂かれし闇》があるにも関わらずバトルに入ったのは、直接攻撃だけで3000×2+2200で勝負をつけられるから!
だったら発動のタイミングはここしかねえ!)
「俺は《炎妖蝶ウィルプス》をリリースし、速攻魔法《デュアルスパーク》を発動ッ!攻撃中の《戎の忍者-冥禅》を破壊する!!」
輝久「!!」
バチッ…!
ソリッドヴィジョンで映し出されたカードから雷撃が放たれ、遊大を切り裂かんとした《戎の忍者-冥禅》の懐に飛び込んでいく。双方の直撃によって衝撃が走り、破裂音が鳴り響く。
今の攻撃、そしてさらなる衝撃を生んだ速攻魔法の発動によって大地の砂や土が舞い上がり、再びお互いの様子が確認できなくなった。
遊大(今の攻撃…、通っていたらヤバかった!)
「はぁ、はぁ、俺は《デュアルスパーク》の効果で1枚ドロー…!」
パラパラと舞い上がった煙が消えていく。その刹那、遊大は目を疑うこととなる。
《戎の忍者-冥禪》は突破した、しかしその場には藍色の鎧に身を包んだ新たな忍とやれやれ、とほくそ笑む輝久の姿があった。
輝久「さすがだね。もうバトルフェイズにやることがないや。
ただ僕も《デュアルスパーク》にチェーンして《戎の忍者-冥禪》の効果を発動させてもらった。」
そう言ったとき、輝久の背後より赤く透明な影、「戎」の名を持つ忍者の影が垣間見える。
輝久「その効果で、デッキから新しい忍者モンスター《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》を守備表示で特殊召喚できた。」
忍という名すら似合わないほどの重厚な鎧に身を包んだ武将。深緑の旗印には、月と叢雲の刺繍が施されている。
《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》(守)
☆8 闇・戦士族/効果
2000/3000
遊大(融合魔法ナシの融合、直接攻撃の付与、そして効果に反応した後続の確保!)
「厄介な置き土産じゃねえかよ!だが《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の効果は攻撃表示じゃなきゃ使えないはずだ!」
輝久「よく覚えてるね。
だから僕もこのカードを使わせてもらうよ!」
そう言い放った輝久の手に握られているのは《おろかな埋葬》のカード。勢いよく魔法罠ゾーンにそれを叩きつける。
遊大「…つよ!」
輝久「こういう煮詰まった試合であればあるほど、単純な効果が勝敗を分けるものさ。効果はモチロン知ってるね?
僕はデッキから《ADチェンジャー》を墓地に!」
赤と蒼の旗をゆらゆらと揺らめかせる男のソリッドヴィジョンが浮かび上がる。《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の鎧が赤色のオーラに包まれ、紅色の目で遊大をにらみつける。
輝久「墓地から《ADチェンジャー》を除外して効果発動!《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の表示形式を攻撃表示に変更するよ!」
遊大「これでゲツガの効果を使う気か…!」
輝久「その通りだよ!
ちょっと徒労だったみたいだね。《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の効果発動!」
《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》が月の印のついた軍配を掲げ、ソリッドヴィジョンで包まれたフィールドが黄昏色に染まる。法螺貝の笛が鳴り響き、瞬く間に輝久の元へと2人の忍が控える。
輝久「再び僕の元へ!
《戎の忍者-冥禪》!《宙の忍者-鳥帷》!」
《戎の忍者-冥禪》(攻)
☆6 闇・戦士族/融合/効果
2500/1500
《宙の忍者-鳥帷》(守)
☆1 地・鳥獣族/効果
0/0
輝久「これでもかなり全力の展開をしたつもりだよ。
それでもワンターンキルを回避してくるとは、やっぱりさすがだね遊大くん。
僕はこれでターンエンド!」
対する遊大はやはり焦りを感じていた。『盤面を突破されないように』と作り上げたフィールド。現にワンターンキルは回避している。しかし、かろうじて逃れ切ったという事実は変わることはなく、逆に「次のターンに回せば勝利はない」という確信が頭の中にあった。
同時に「負けたくない」と思ってしまっていた自分。その「負けないデュエル」を通すためには回ってくる自分のターンでケリをつけるしかないということもわかっていた。
遊大「俺のターン…!」
TURN:3
樋本 遊大 (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:2→3
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》(攻)
魔法罠:《切り裂かれし闇》《デュアル・アブレーション》
フィールドゾーン:
斬隠 輝久
LP:8000
手札:2
モンスター:《機甲忍者ブレード・ハート》(攻) 《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》(守) 《戎の忍者-冥禪》(攻) 《宙の忍者-鳥帷》(守)
魔法罠:
フィールドゾーン:
遊大が見つめるその先にある、勢いよくデッキから引き抜いたカード。手に握られたのは《異界共鳴ーシンクロフュージョン》のカードだった。
遊大(《異界共鳴ーシンクロフュージョン》…!融合素材とS素材に同時になれるカードを墓地に送り、2つの召喚を行うカード…!!
これがこのターンの攻撃の要になるっ!)
《異界共鳴ーシンクロフュージョン》(通常魔法)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分は融合・SモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):自分フィールドの表側表示の、チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ墓地へ送って発動できる。以下のモンスターを1体ずつEXデッキから特殊召喚する。
●墓地のそのモンスター2体を素材としてS召喚可能なSモンスター
●墓地のそのモンスター2体を素材として融合召喚可能な融合モンスター
融合とシンクロ、2つの次元の召喚をつかさどる、遊大の新しい戦術の核となるカード。遊大はこの一瞬で、それが勝敗を分けることを確信した。
遊大「俺は、《エンジェル・トランペッター》を通常召喚!」
フィールドに紫色の霧が立ち込める。うふふ、と不気味な笑い声をあげ、華奢な少女のようなシルエットの植物族モンスターが姿を見せる。
《エンジェル・トランペッター》(攻)
☆4 地・植物族/チューナー
1900/1600
輝久(…デュアルじゃない。普通の通常モンスター?)
遊大「さらに《切り裂かれし闇》の効果を適応!1枚ドローする!」
(ドローしたカードは《シャッフル・リボーン》…!やっぱりこのターンでカタをつけるのが正解か!!)
思考の嵐が彼らの頭の中で巻き起こる。この瞬間にお互いが目指す勝利への道標は…。
輝久(《エンジェル・トランペッター》…!便利なカードだが、飛びつくのは危険だね。
《戎の忍者-冥禪》の効果で妨害を用意できる以上、ここで遊大くんが出したいカードは《ブラック・ブルドラゴ》ではなく、効果を受け付けない《始祖竜ワイアーム》の方!《フェニックス・ギア・フリード》の打点も必要と考えれば、妨害のタイミングは…!!)
遊大(手札の勝ち筋は《異界共鳴ーシンクロフュージョン》!!
輝久の妨害のタイミングが気がかりだが、《デュアル・アブレーション》から《エヴォルテクター エヴェック》で《炎妖蝶ウィルプス》を蘇生して基盤を作る!《異界共鳴ーシンクロフュージョン》で、《ブラック・ブルドラゴ》と《始祖竜ワイアーム》を出せば、《ミニマム・ガッツ》で勝負をつけにいける…!!)
考え抜き、鍛え抜かれた頭脳のぶつかり合い。そこにある先の勝敗を知り得るものは、ほぼゼロに等しかった。ただ一握り、卓越した練度のわずかな決闘者を除けば。
~
デュエルホールの隅。1回戦で遊大に敗北したキャンデがちょこんと腰を降ろしている。雨に降られた会場は、窓とは観客席を挟んで離れているホールにも雨音が響いていた。
龍平「お疲れ様です。」
4回戦、県大会を賭けた試合を難なく突破した龍平。ましろに報告しに行こうとした彼が、偶然目にかかったキャンデに声をかけた。
キャンデ「よっ!久々だな。合同練習ぶりか?」
龍平「はい。その節はどうも。」
キャンデはおしりをちょいちょいっと左にずらし、そこを軽く手でたたいて隣にすわるように促す。
キャンデ「そういや聞きたいことあんだった。」
龍平は、次の試合まで時間もあることを時計に目を向けて確認し、そそくさと腰を下ろした。
キャンデ「前言ってたさ、『召喚法の多さは手数の多さに直結するわけじゃない』って話、どういうことなんだ?」
龍平はすこし黙り込み、会場の中心の遊大に目を向けた。
龍平「デッキの核となるプランではない召喚法を攻めの要にしないほうがいいと思ってるんです。
例えば…」
そう言うと、会場の中心でデュエルを繰り広げる遊大のほうへと指を指す。
龍平「遊大のデュアルの場合、それをサポートしたり通常モンスターなどをサポートするカードを軸に様々な召喚法へと分岐する。」
キャンデ「それって何かいけないことなのか?」
キャンデも同じく遊大を見つめるが、翻って彼は首を傾げる。
龍平「アイツのデッキのメインプランはあくまで『デュアル』の展開です。いかなる召喚法を用意しても、そこにアクセスするためのカードが余分にデッキに入ることになる。S召喚であればチューナー、融合であれば融合魔法…。手札もデッキも無限ではないし、EXデッキに触る前にわかりやすい妨害のタイミングが存在する。」
キャンデ「…ほう?」
キャンデはいまいち言っていることを呑み込めていない。龍平もそれを悟っているようで、再び視線を落とすとまた口を開いた。
龍平「デッキのコンセプトとなる召喚法や展開は絶対にあります。
そこから離れて、リソースを割いてEXデッキに触るタイミングを撃ち抜かれれば、立ち上がりはかなり厳しいものになる…!!」
~
遊大ははぁーっと大きく息を吐く。デュエルの始まりのときと同じように、自分の中に溜まった暗雲を、緊張を、そして焦燥を外に出すようにして深く呼吸をする。
大丈夫。勝てる。このターンに攻めきれれば勝てる。県大会に進める。追い詰められたときほど冷静に。そう心の中で何度も唱えた。
遊大「行くぞ!
俺は手札から《シャッフル・リボーン》を墓地に送り、永続罠《デュアル・アブレーション》の効果を発動!デッキからデュアルモンスターを、再度召喚された状態で特殊召喚する!
来い!《エヴォルテクター エヴェック》!」
1枚の永続罠から炎が放たれる。炎の奥より、鎖と鉄の衝突音が鳴り響き、紅い鎧に身を包んだ戦士が姿を現した。
《エヴォルテクター エヴェック》(攻)
☆4 炎・戦士族/デュアル/効果
1500/1000
輝久「ははっ!やはり来たか!」
輝久は笑みを見せている。どこまで読めている?答えは遊大にはわからない。しかし前に向ってデュエルをするしかない。決死の思いで、効果の発動を宣言する。
遊大「特殊召喚に成功した《エヴォルテクター エヴェック》の効果を発動っ!!」
輝久「そこだッ!
僕は《戎の忍者-冥禪》の効果を発動!!」
遊大「…!!」
《戎の忍者-冥禪》、赤い装甲をあしらった装束を身にまとった忍者が、素早く掌で印を結ぶ。どくどくと足元に影が広がり、その内より黒い巨影が飛び出す。
輝久「現れろ!大地穿つ猛き忍!!
《重の忍者-磁翁》ッ!」
飛び上がった影は勢いよく大地に衝突し、地震よりも強いほどの衝撃を生み出す。がっちりとした身体、上裸に拳を装甲で武装し、その腕には巨大な岩石が握られている。
《重の忍者-磁翁》(守)
☆8 地・岩石族/効果
2300/2900
遊大「レベル8…!!上級ばっかり呼びやがる!俺は《エヴォルテクター エヴェック》の効果を処理し、墓地から《炎妖蝶ウィルプス》を特殊召喚!」
《炎妖蝶ウィルプス》(攻)
☆4 炎・昆虫族/デュアル/効果
1500/1500
《エヴォルテクター エヴェック》が拳に炎を宿し、雄々しく叫ぶ。炎は肥大化し、蝶の形へと姿を変えていく。
しかしその刹那、地面が激しく隆起し、巨大な岩石片がその炎を貫いた。
遊大「なっ!?」
そればかりではない。先ほどまでフィールドに存在していた《エンジェル・トランペッター》。妖艶な花が咲いていた場所には突き出た岩があるばかりだった。
輝久「これが《重の忍者-磁翁》の効果だよ!
特殊召喚に成功したとき、フィールドのモンスターを2体まで裏側守備表示にすることができる。さらに対象のモンスターは表示形式を変更できない!」
すばやくデュエルディスクを確認する。2枚のセットされたカード、そして手札に残された《異界共鳴ーシンクロフュージョン》。完璧に思惑が看破されてしまった。攻めの要にしていたカードの発動が完全に防がれた。
輝久「融合かシンクロか…。
たとえ手札のカードが《融合》であったとしても、《始祖竜ワイアーム》を出すなら《フェニックス・ギア・フリード》を犠牲にするしかないハズだよ!」
遊大(《異界共鳴ーシンクロフュージョン》は、表側表示のモンスターを墓地に送ることでしか発動できない…!発動できたとして、裏側のデュアルモンスターは効果モンスター扱い…。
完全にやられた…!!!!)
このターンを回せば、《戎の忍者-冥禪》、《機甲忍者ブレード・ハート》、《重の忍者-磁翁》の直接攻撃によって勝敗は決する。極限状態まで追い込まれた身体が、『敗北』の可能性を否定しろと叫び始める。
ここまで頑張ってきた。努力してきた。しかしそれが打ち破られそうになったとき、きづけば必死に、フィールドを確認していた。状況を飲み込め。突破口を見つけ出せ。汗だくになりながら、心の中で叫び続ける。
遊大「俺は…!!」
震える手で掴んだ1枚のカード。喉を鳴らして、そのカードの発動を叫ぶ。
遊大「俺は墓地の《シャッフル・リボーン》の効果を発動!」
デュエルディスクの墓地から1枚のカードが光と共に粒子となり、除外状態のゾーンへと流される。
遊大はゆっくりと《切り裂かれし闇》のカードに手を伸ばし、それをデッキに差し込む。カードが含まれた山札は瞬く間にオートシャッフルされ、そのデッキトップの1枚に手をかける。
輝久(《シャッフル・リボーン》…。自分フィールドのカード1枚をデッキに戻し、1枚ドローする効果。そしてデメリットはエンドフェイズ時の手札1枚の除外…。)
「このターンで決めるつもりだね…!」
遊大はデッキから全力でカードを引き抜く。力強く握られたそのカード。
まだ諦めない。自分の中に灯っている炎が消えないように、絶対に守り切る。雨が降っても風が吹いても、絶対に炎を灯し薪をくべ続ける。
遊大「俺は《ミニマム・ガッツ》を発動!!」
裏側にされたカードのうちの1枚。《炎妖蝶ウィルプス》のカードが墓地に送られ、その炎が《戎の忍者-冥禪》の身に降りかかる。
遊大「《炎妖蝶ウィルプス》をリリースし、《戎の忍者-冥禪》の攻撃力を0にする!さらにそのモンスターが破壊された時に、もともとの攻撃力分のダメージを与える!!」
《戎の忍者-冥禪》ATK:2500→0
輝久は見たことがあった。絶対的な状況に追い込まれても喰らいつき、勝つまで戦い続けるその男の姿を。諦めないという強み。それがまた目の前で返り咲こうとしていると思ったとき、自然に笑みがこぼれていた。
輝久「…とことん闘ろう。」
遊大「…言われなくても!!」
遊大の顔に笑みはない。しかし眼は追い詰められた獣のようにギラギラとしていた、細くも確かに、確実に未だ消えることのない炎がその奥にあった。
遊大「俺はドローしたカード…。《ファイヤー・バック》を発動…!」
遊大が1枚のカードの発動を宣言する。ソリッドヴィジョンによって溶鉱炉が映し出され、手札に残された《異界共鳴ーシンクロフュージョン》のカードをそこにポトンと落とす。
これで手札はゼロ。正真正銘、最後の攻勢となる。
遊大「魔法カード《ファイヤー・バック》は、自分の墓地の炎属性モンスターを特殊召喚する。
俺が最後に選ぶのは、これだ!!」
そう言って映し出された溶鉱炉に右腕を突っ込む。グツグツと煮えたぎり、ありったけの炎と光を発するその内から、遊大が引っ張り上げたカードは…。
遊大「《昇華騎士-エクスパラディン》!!」
輝久「…!?」
輝久に戦慄が走る。たった今手札から墓地に送られたのは《異界共鳴ーシンクロフュージョン》のカードのはず。いつ墓地に送られた?いつ見落とした?
考えを巡らせ、そして1つの結論にたどり着く。
輝久「…本当に隅に置けないな!キミは!!
さっきのターンの《デュアル・アブレーション》の発動コストで手札から墓地に送ってたのか!!」
遊大「…来てくれ!!《昇華騎士-エクスパラディン》!!」
溶鉱炉が勢いよく弾ける。視界を覆うほどの蒸気と熱がフィールドを包み込み、重々しい鉄の音を立てながらその戦士は姿を現した。
《昇華騎士-エクスパラディン》(守)
☆3 炎・戦士族/効果
1300/200
遊大「さらに《昇華騎士-エクスパラディン》の効果を発動!手札・デッキからデュアルモンスターまたは炎属性・戦士族モンスター1体を選び、このカードに装備する!」
機械仕掛けの剣が、蒸気を巻き上げながら駆動し始める。
輝久「ユニオンモンスターの《チューン・ナイト》か…!」
遊大「デッキから《チューン・ナイト》を装備し、効果を発動!装備された自身を、チューナー扱いで特殊召喚する…!!」
チーズを模した剣がフィールドに突き刺さり、蒸気がそれを取り囲む。瞬く間にモンスターへと姿を変えたそれは、字のごとくネズミのように素早く《昇華騎士-エクスパラディン》の元へと駆け寄った。
《チューン・ナイト》(守)
☆1 炎・戦士族/ユニオン/(チューナー)/効果
500/500
遊大「最後に一回だけ、力を貸してくれ…!
俺は、レベル3の《昇華騎士-エクスパラディン》に、レベル1の《チューン・ナイト》をチューニング!!」
炎と共に1つの星が光輪を描き、3つの閃光が駆け抜ける。光の奥の方、巨大な腕の影がその姿をおぼろげに映し出す。
遊大「集いし望みが、未来を拓く拳となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!
現れろ!《アームズ・エイド》!!」
《アームズ・エイド》(攻)
☆4 光・機械族/シンクロ/効果
1800/1200
振り絞った最後のカード。未来を拓く拳。鋼鉄のそれは《フェニックス・ギア・フリード》の左腕と一つとなる。腕と鎧の接合部から赤い焔が漏れ出し、まるで狂戦士のようにその巨腕とともに姿勢を低く構える。
輝久「それが《フェニックス・ギア・フリード》が《アームズ・エイド》を装備した姿、
龍平君とのデュエルで見せた『フェニックス・パワーギア・フリード』だね…!
3800×2、そして《ミニマム・ガッツ》の2500ダメージで決着をつけるつもりか!!」
『フェニックス・パワーギア・フリード』
☆8 炎・戦士族/デュアル/効果
⚫︎《フェニックス・ギア・フリード》が、《アームズ・エイド》を装備した姿。戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。
(2800→)3800/2600
どれだけ細くなっても、ここまで燃やし続けた炎は絶対に消さない。誰よりも努力してきた。その矜持を手放さないように、負けないように、全力でデュエルをする。たとえ彼の者が今会場を叩いている雨であっても、それがどれほど激しくあったとしても、ここで自分の炎を消すわけにはいかない。そんな思いが遊大に最後の覚悟をさせた。
遊大「これで…終わりだ!!バトル!!」
炎を宿した戦士は、膝をついた忍へと掌を突き出す。その拳は炎をまとい、フィールドを飲み込むほどに大きく、そして眩しく燃え上がる拳となる。
遊大「『フェニックス・パワーギア・フリード』で、《戎の忍者-冥禪》を攻撃!!
パワーギア・クローズ!!」
炎の拳は段々と輝久に迫りくる。緋色に照らされたその顔には笑顔が灯っていた。
輝久「…遊大くん、やっぱり最高だよ!キミは!!」
これまでも見てきた。どれほど追い詰められようと、いくら絶望的な状況に追い込まれようと、決して胸の炎を消さずに戦い続けたその姿を。きっと自分の限界までデュエルを磨き、最後の最後まで喰らいつけるよう、ずっと燃え続けられるようにしてきたのだろう。しかし全力で勝ちたいのは彼の者だけではない。炎はいつまでも燃え続けることはできない。ただ自分は雨となろう。燃え上がる炎を消し、この会場を叩く慈悲のない天の涙となろう。そんな思いが、輝久に最後の覚悟をさせた。
輝久「…この一手、もらったよ…!!
僕は《宙の忍者-鳥帷》の効果を発動!!」
遊大は必死に喉を震わせる。それが最後の攻撃だから。ただ祈るように、叫んでいた。
『決めさせてくれ!』と。
雨は止まない。炎が激しく燃え上がろうと、それを打ち消すように、依然として喧しく雨音を響かせていた。
輝久「僕は相手のバトルフェイズに、再び融合召喚を行う!!」
その声と同時に、輝久の目と鼻の先まで迫った火焔の拳に、ぼっかりと風穴が開く。放たれた『何か』は、そのまま『フェニックス・パワーギア・フリード』の白銀の鎧を貫いた。瞳に灯っていた火が、ゆっくりと消えていく。
遊大「…くっ…。」
輝久「融合召喚。《冑の忍者-櫓丸》。」
輝久の目の前で構える機械仕掛けの忍。打ち出したその右腕からは、青白い硝煙が浮かんでいた。
輝久「…特殊召喚に成功した時、墓地から《忍者》《忍法》カードを除外し、フィールドのカードを1枚除外する。
…楽しいデュエルだったよ。」
自分のありったけの一撃。努力の結晶を撃ち抜いたそれは、降りしきる雨のように遊大の内の炎に降り注いだ。フィールドにただ一つ昇った青い煙が、デュエルの全てを物語る。
遊大は歯を食いしばる。うつむき、垂れた前髪で目元が見えなくなった。頬を伝った一筋の藍をぬぐい、静かにデッキの上に手を置いた。
『デュエルに降参します。本当によろしいですか?』
戎の終わりを告げる無機質な電子音。会場に染み渡る雨音も、それを隠しはしなかった。
WINNER:斬隠 輝久
全国決闘王杯・市内予選。県大会出場とベスト16を賭けたその決闘は、《忍者》デッキの使い手「斬隠 輝久」の勝利と、《デュアル》デッキの使い手「樋本 遊大」の敗北で幕を下ろした。炎が消え、膝をついた彼を背に、輝久は次なる戦いへと進む。ただ「待ってるよ。」という言葉と共に。
鳴り止まない雨音とは裏腹に、決闘者達の戦いは終わりに近づいていた。
続く
氷雨と身をプレッシャーが会場に、デッキに、そして彼自身に降りかかる。そんな中、輝久は新たなエースモンスター《戎の忍者-冥禪》を融合召喚を成功させたのだった。
〜
TURN:2(メインフェイズ)
斬隠 輝久 (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:4
モンスター:《機甲忍者ブレード・ハート》(攻) 《戎の忍者-冥禪》(攻)
魔法罠:
フィールドゾーン:
樋本 遊大
LP:8000
手札:1
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》(攻) 《炎妖蝶ウィルプス》(守)
魔法罠:《切り裂かれし闇》 《デュアル・アブレーション》 セット×1
フィールドゾーン:
輝久「その魂、戦場を駆け!その術!いま境地に達する!
融合召喚!《戎の忍者-冥禪》!!」
《戎の忍者-冥禪》(攻)
☆6 闇・戦士族/融合/効果
2500/1500
2人の忍者から放たれた光は混ざり合い、瞬く間に雷となってフィールドを貫く。衝撃と舞い上がる煙を切り裂き、『戎』の冠する究極の忍が姿を見せた。
遊大(《融合》無しの融合召喚…!無法にも程がある!なんつうモンスターだ!)
輝久「これが真の忍!
さらに僕はここで《機甲忍者ブレードハート》のオーバーレイユニットを1つ取り除き、効果を発動!」
《機甲忍者ブレードハート》の周囲を舞う光の球体、オーバーレイユニット。その一つが剣に宿り、緑色の閃光を放つ。
遊大「《戎の忍者-冥禪》の攻撃回数を増やすつもりか!だが俺のフィールドには《切り裂かれし闇》が…!」
輝久「わかっているさ。だがその上で!僕は再び、《忍法装具 鉄土竜》を発動!対象は《戎の忍者-冥禪》だよ!」
ソリッドヴィジョンに映し出されたそのカードより、先ほども出現した黒鋼の百足を模した武具が出現し、冥禪の腕に装着される。
《戎の忍者-冥禪》ATK:2500→3000
遊大「…どういうことだ…!」
遊大は困惑を隠せない。《切り裂かれし闇》の効果を知らないはずがない。数刻前に自分が開示している。ただのミスではないはず。そんなにやわな判断をする相手ではないと理解しているからこそ、これから起きることを警戒し、身構える。
輝久「バトルだ!
僕は《戎の忍者-冥禅》で攻撃!戦陣の剣、炎鹿の番!」
鋼鉄の武具を大地に叩き込み、フィールドが揺れ土煙が舞い上がる。
遊大「…!」
視界を妨げられた遊大の眼前に、鋭利に研ぎ澄まされた紅色の忍者刀が飛び込んでくる。土煙を引き裂いた一撃は、本来戦うはずの《フェニックス・ギア・フリード》でも《炎妖蝶ウィルプス》でもなく、確実に遊大本人のLPを直接刈り取りに来ていた。
遊大「ダイレクトアタックか!?」
輝久「そうさ!
《戎の忍者-冥禅》がフィールドに存在する限り、僕の《忍者》モンスターは直接攻撃できる!」
狂刃がLPを貫こうとした刹那、遊大は今の自分で回せる思考をフル回転させ、1つのカードの発動を宣言する。
遊大(《切り裂かれし闇》があるにも関わらずバトルに入ったのは、直接攻撃だけで3000×2+2200で勝負をつけられるから!
だったら発動のタイミングはここしかねえ!)
「俺は《炎妖蝶ウィルプス》をリリースし、速攻魔法《デュアルスパーク》を発動ッ!攻撃中の《戎の忍者-冥禅》を破壊する!!」
輝久「!!」
バチッ…!
ソリッドヴィジョンで映し出されたカードから雷撃が放たれ、遊大を切り裂かんとした《戎の忍者-冥禅》の懐に飛び込んでいく。双方の直撃によって衝撃が走り、破裂音が鳴り響く。
今の攻撃、そしてさらなる衝撃を生んだ速攻魔法の発動によって大地の砂や土が舞い上がり、再びお互いの様子が確認できなくなった。
遊大(今の攻撃…、通っていたらヤバかった!)
「はぁ、はぁ、俺は《デュアルスパーク》の効果で1枚ドロー…!」
パラパラと舞い上がった煙が消えていく。その刹那、遊大は目を疑うこととなる。
《戎の忍者-冥禪》は突破した、しかしその場には藍色の鎧に身を包んだ新たな忍とやれやれ、とほくそ笑む輝久の姿があった。
輝久「さすがだね。もうバトルフェイズにやることがないや。
ただ僕も《デュアルスパーク》にチェーンして《戎の忍者-冥禪》の効果を発動させてもらった。」
そう言ったとき、輝久の背後より赤く透明な影、「戎」の名を持つ忍者の影が垣間見える。
輝久「その効果で、デッキから新しい忍者モンスター《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》を守備表示で特殊召喚できた。」
忍という名すら似合わないほどの重厚な鎧に身を包んだ武将。深緑の旗印には、月と叢雲の刺繍が施されている。
《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》(守)
☆8 闇・戦士族/効果
2000/3000
遊大(融合魔法ナシの融合、直接攻撃の付与、そして効果に反応した後続の確保!)
「厄介な置き土産じゃねえかよ!だが《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の効果は攻撃表示じゃなきゃ使えないはずだ!」
輝久「よく覚えてるね。
だから僕もこのカードを使わせてもらうよ!」
そう言い放った輝久の手に握られているのは《おろかな埋葬》のカード。勢いよく魔法罠ゾーンにそれを叩きつける。
遊大「…つよ!」
輝久「こういう煮詰まった試合であればあるほど、単純な効果が勝敗を分けるものさ。効果はモチロン知ってるね?
僕はデッキから《ADチェンジャー》を墓地に!」
赤と蒼の旗をゆらゆらと揺らめかせる男のソリッドヴィジョンが浮かび上がる。《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の鎧が赤色のオーラに包まれ、紅色の目で遊大をにらみつける。
輝久「墓地から《ADチェンジャー》を除外して効果発動!《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の表示形式を攻撃表示に変更するよ!」
遊大「これでゲツガの効果を使う気か…!」
輝久「その通りだよ!
ちょっと徒労だったみたいだね。《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》の効果発動!」
《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》が月の印のついた軍配を掲げ、ソリッドヴィジョンで包まれたフィールドが黄昏色に染まる。法螺貝の笛が鳴り響き、瞬く間に輝久の元へと2人の忍が控える。
輝久「再び僕の元へ!
《戎の忍者-冥禪》!《宙の忍者-鳥帷》!」
《戎の忍者-冥禪》(攻)
☆6 闇・戦士族/融合/効果
2500/1500
《宙の忍者-鳥帷》(守)
☆1 地・鳥獣族/効果
0/0
輝久「これでもかなり全力の展開をしたつもりだよ。
それでもワンターンキルを回避してくるとは、やっぱりさすがだね遊大くん。
僕はこれでターンエンド!」
対する遊大はやはり焦りを感じていた。『盤面を突破されないように』と作り上げたフィールド。現にワンターンキルは回避している。しかし、かろうじて逃れ切ったという事実は変わることはなく、逆に「次のターンに回せば勝利はない」という確信が頭の中にあった。
同時に「負けたくない」と思ってしまっていた自分。その「負けないデュエル」を通すためには回ってくる自分のターンでケリをつけるしかないということもわかっていた。
遊大「俺のターン…!」
TURN:3
樋本 遊大 (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:2→3
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》(攻)
魔法罠:《切り裂かれし闇》《デュアル・アブレーション》
フィールドゾーン:
斬隠 輝久
LP:8000
手札:2
モンスター:《機甲忍者ブレード・ハート》(攻) 《黄昏の忍者将軍-ゲツガ》(守) 《戎の忍者-冥禪》(攻) 《宙の忍者-鳥帷》(守)
魔法罠:
フィールドゾーン:
遊大が見つめるその先にある、勢いよくデッキから引き抜いたカード。手に握られたのは《異界共鳴ーシンクロフュージョン》のカードだった。
遊大(《異界共鳴ーシンクロフュージョン》…!融合素材とS素材に同時になれるカードを墓地に送り、2つの召喚を行うカード…!!
これがこのターンの攻撃の要になるっ!)
《異界共鳴ーシンクロフュージョン》(通常魔法)
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分は融合・SモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):自分フィールドの表側表示の、チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ墓地へ送って発動できる。以下のモンスターを1体ずつEXデッキから特殊召喚する。
●墓地のそのモンスター2体を素材としてS召喚可能なSモンスター
●墓地のそのモンスター2体を素材として融合召喚可能な融合モンスター
融合とシンクロ、2つの次元の召喚をつかさどる、遊大の新しい戦術の核となるカード。遊大はこの一瞬で、それが勝敗を分けることを確信した。
遊大「俺は、《エンジェル・トランペッター》を通常召喚!」
フィールドに紫色の霧が立ち込める。うふふ、と不気味な笑い声をあげ、華奢な少女のようなシルエットの植物族モンスターが姿を見せる。
《エンジェル・トランペッター》(攻)
☆4 地・植物族/チューナー
1900/1600
輝久(…デュアルじゃない。普通の通常モンスター?)
遊大「さらに《切り裂かれし闇》の効果を適応!1枚ドローする!」
(ドローしたカードは《シャッフル・リボーン》…!やっぱりこのターンでカタをつけるのが正解か!!)
思考の嵐が彼らの頭の中で巻き起こる。この瞬間にお互いが目指す勝利への道標は…。
輝久(《エンジェル・トランペッター》…!便利なカードだが、飛びつくのは危険だね。
《戎の忍者-冥禪》の効果で妨害を用意できる以上、ここで遊大くんが出したいカードは《ブラック・ブルドラゴ》ではなく、効果を受け付けない《始祖竜ワイアーム》の方!《フェニックス・ギア・フリード》の打点も必要と考えれば、妨害のタイミングは…!!)
遊大(手札の勝ち筋は《異界共鳴ーシンクロフュージョン》!!
輝久の妨害のタイミングが気がかりだが、《デュアル・アブレーション》から《エヴォルテクター エヴェック》で《炎妖蝶ウィルプス》を蘇生して基盤を作る!《異界共鳴ーシンクロフュージョン》で、《ブラック・ブルドラゴ》と《始祖竜ワイアーム》を出せば、《ミニマム・ガッツ》で勝負をつけにいける…!!)
考え抜き、鍛え抜かれた頭脳のぶつかり合い。そこにある先の勝敗を知り得るものは、ほぼゼロに等しかった。ただ一握り、卓越した練度のわずかな決闘者を除けば。
~
デュエルホールの隅。1回戦で遊大に敗北したキャンデがちょこんと腰を降ろしている。雨に降られた会場は、窓とは観客席を挟んで離れているホールにも雨音が響いていた。
龍平「お疲れ様です。」
4回戦、県大会を賭けた試合を難なく突破した龍平。ましろに報告しに行こうとした彼が、偶然目にかかったキャンデに声をかけた。
キャンデ「よっ!久々だな。合同練習ぶりか?」
龍平「はい。その節はどうも。」
キャンデはおしりをちょいちょいっと左にずらし、そこを軽く手でたたいて隣にすわるように促す。
キャンデ「そういや聞きたいことあんだった。」
龍平は、次の試合まで時間もあることを時計に目を向けて確認し、そそくさと腰を下ろした。
キャンデ「前言ってたさ、『召喚法の多さは手数の多さに直結するわけじゃない』って話、どういうことなんだ?」
龍平はすこし黙り込み、会場の中心の遊大に目を向けた。
龍平「デッキの核となるプランではない召喚法を攻めの要にしないほうがいいと思ってるんです。
例えば…」
そう言うと、会場の中心でデュエルを繰り広げる遊大のほうへと指を指す。
龍平「遊大のデュアルの場合、それをサポートしたり通常モンスターなどをサポートするカードを軸に様々な召喚法へと分岐する。」
キャンデ「それって何かいけないことなのか?」
キャンデも同じく遊大を見つめるが、翻って彼は首を傾げる。
龍平「アイツのデッキのメインプランはあくまで『デュアル』の展開です。いかなる召喚法を用意しても、そこにアクセスするためのカードが余分にデッキに入ることになる。S召喚であればチューナー、融合であれば融合魔法…。手札もデッキも無限ではないし、EXデッキに触る前にわかりやすい妨害のタイミングが存在する。」
キャンデ「…ほう?」
キャンデはいまいち言っていることを呑み込めていない。龍平もそれを悟っているようで、再び視線を落とすとまた口を開いた。
龍平「デッキのコンセプトとなる召喚法や展開は絶対にあります。
そこから離れて、リソースを割いてEXデッキに触るタイミングを撃ち抜かれれば、立ち上がりはかなり厳しいものになる…!!」
~
遊大ははぁーっと大きく息を吐く。デュエルの始まりのときと同じように、自分の中に溜まった暗雲を、緊張を、そして焦燥を外に出すようにして深く呼吸をする。
大丈夫。勝てる。このターンに攻めきれれば勝てる。県大会に進める。追い詰められたときほど冷静に。そう心の中で何度も唱えた。
遊大「行くぞ!
俺は手札から《シャッフル・リボーン》を墓地に送り、永続罠《デュアル・アブレーション》の効果を発動!デッキからデュアルモンスターを、再度召喚された状態で特殊召喚する!
来い!《エヴォルテクター エヴェック》!」
1枚の永続罠から炎が放たれる。炎の奥より、鎖と鉄の衝突音が鳴り響き、紅い鎧に身を包んだ戦士が姿を現した。
《エヴォルテクター エヴェック》(攻)
☆4 炎・戦士族/デュアル/効果
1500/1000
輝久「ははっ!やはり来たか!」
輝久は笑みを見せている。どこまで読めている?答えは遊大にはわからない。しかし前に向ってデュエルをするしかない。決死の思いで、効果の発動を宣言する。
遊大「特殊召喚に成功した《エヴォルテクター エヴェック》の効果を発動っ!!」
輝久「そこだッ!
僕は《戎の忍者-冥禪》の効果を発動!!」
遊大「…!!」
《戎の忍者-冥禪》、赤い装甲をあしらった装束を身にまとった忍者が、素早く掌で印を結ぶ。どくどくと足元に影が広がり、その内より黒い巨影が飛び出す。
輝久「現れろ!大地穿つ猛き忍!!
《重の忍者-磁翁》ッ!」
飛び上がった影は勢いよく大地に衝突し、地震よりも強いほどの衝撃を生み出す。がっちりとした身体、上裸に拳を装甲で武装し、その腕には巨大な岩石が握られている。
《重の忍者-磁翁》(守)
☆8 地・岩石族/効果
2300/2900
遊大「レベル8…!!上級ばっかり呼びやがる!俺は《エヴォルテクター エヴェック》の効果を処理し、墓地から《炎妖蝶ウィルプス》を特殊召喚!」
《炎妖蝶ウィルプス》(攻)
☆4 炎・昆虫族/デュアル/効果
1500/1500
《エヴォルテクター エヴェック》が拳に炎を宿し、雄々しく叫ぶ。炎は肥大化し、蝶の形へと姿を変えていく。
しかしその刹那、地面が激しく隆起し、巨大な岩石片がその炎を貫いた。
遊大「なっ!?」
そればかりではない。先ほどまでフィールドに存在していた《エンジェル・トランペッター》。妖艶な花が咲いていた場所には突き出た岩があるばかりだった。
輝久「これが《重の忍者-磁翁》の効果だよ!
特殊召喚に成功したとき、フィールドのモンスターを2体まで裏側守備表示にすることができる。さらに対象のモンスターは表示形式を変更できない!」
すばやくデュエルディスクを確認する。2枚のセットされたカード、そして手札に残された《異界共鳴ーシンクロフュージョン》。完璧に思惑が看破されてしまった。攻めの要にしていたカードの発動が完全に防がれた。
輝久「融合かシンクロか…。
たとえ手札のカードが《融合》であったとしても、《始祖竜ワイアーム》を出すなら《フェニックス・ギア・フリード》を犠牲にするしかないハズだよ!」
遊大(《異界共鳴ーシンクロフュージョン》は、表側表示のモンスターを墓地に送ることでしか発動できない…!発動できたとして、裏側のデュアルモンスターは効果モンスター扱い…。
完全にやられた…!!!!)
このターンを回せば、《戎の忍者-冥禪》、《機甲忍者ブレード・ハート》、《重の忍者-磁翁》の直接攻撃によって勝敗は決する。極限状態まで追い込まれた身体が、『敗北』の可能性を否定しろと叫び始める。
ここまで頑張ってきた。努力してきた。しかしそれが打ち破られそうになったとき、きづけば必死に、フィールドを確認していた。状況を飲み込め。突破口を見つけ出せ。汗だくになりながら、心の中で叫び続ける。
遊大「俺は…!!」
震える手で掴んだ1枚のカード。喉を鳴らして、そのカードの発動を叫ぶ。
遊大「俺は墓地の《シャッフル・リボーン》の効果を発動!」
デュエルディスクの墓地から1枚のカードが光と共に粒子となり、除外状態のゾーンへと流される。
遊大はゆっくりと《切り裂かれし闇》のカードに手を伸ばし、それをデッキに差し込む。カードが含まれた山札は瞬く間にオートシャッフルされ、そのデッキトップの1枚に手をかける。
輝久(《シャッフル・リボーン》…。自分フィールドのカード1枚をデッキに戻し、1枚ドローする効果。そしてデメリットはエンドフェイズ時の手札1枚の除外…。)
「このターンで決めるつもりだね…!」
遊大はデッキから全力でカードを引き抜く。力強く握られたそのカード。
まだ諦めない。自分の中に灯っている炎が消えないように、絶対に守り切る。雨が降っても風が吹いても、絶対に炎を灯し薪をくべ続ける。
遊大「俺は《ミニマム・ガッツ》を発動!!」
裏側にされたカードのうちの1枚。《炎妖蝶ウィルプス》のカードが墓地に送られ、その炎が《戎の忍者-冥禪》の身に降りかかる。
遊大「《炎妖蝶ウィルプス》をリリースし、《戎の忍者-冥禪》の攻撃力を0にする!さらにそのモンスターが破壊された時に、もともとの攻撃力分のダメージを与える!!」
《戎の忍者-冥禪》ATK:2500→0
輝久は見たことがあった。絶対的な状況に追い込まれても喰らいつき、勝つまで戦い続けるその男の姿を。諦めないという強み。それがまた目の前で返り咲こうとしていると思ったとき、自然に笑みがこぼれていた。
輝久「…とことん闘ろう。」
遊大「…言われなくても!!」
遊大の顔に笑みはない。しかし眼は追い詰められた獣のようにギラギラとしていた、細くも確かに、確実に未だ消えることのない炎がその奥にあった。
遊大「俺はドローしたカード…。《ファイヤー・バック》を発動…!」
遊大が1枚のカードの発動を宣言する。ソリッドヴィジョンによって溶鉱炉が映し出され、手札に残された《異界共鳴ーシンクロフュージョン》のカードをそこにポトンと落とす。
これで手札はゼロ。正真正銘、最後の攻勢となる。
遊大「魔法カード《ファイヤー・バック》は、自分の墓地の炎属性モンスターを特殊召喚する。
俺が最後に選ぶのは、これだ!!」
そう言って映し出された溶鉱炉に右腕を突っ込む。グツグツと煮えたぎり、ありったけの炎と光を発するその内から、遊大が引っ張り上げたカードは…。
遊大「《昇華騎士-エクスパラディン》!!」
輝久「…!?」
輝久に戦慄が走る。たった今手札から墓地に送られたのは《異界共鳴ーシンクロフュージョン》のカードのはず。いつ墓地に送られた?いつ見落とした?
考えを巡らせ、そして1つの結論にたどり着く。
輝久「…本当に隅に置けないな!キミは!!
さっきのターンの《デュアル・アブレーション》の発動コストで手札から墓地に送ってたのか!!」
遊大「…来てくれ!!《昇華騎士-エクスパラディン》!!」
溶鉱炉が勢いよく弾ける。視界を覆うほどの蒸気と熱がフィールドを包み込み、重々しい鉄の音を立てながらその戦士は姿を現した。
《昇華騎士-エクスパラディン》(守)
☆3 炎・戦士族/効果
1300/200
遊大「さらに《昇華騎士-エクスパラディン》の効果を発動!手札・デッキからデュアルモンスターまたは炎属性・戦士族モンスター1体を選び、このカードに装備する!」
機械仕掛けの剣が、蒸気を巻き上げながら駆動し始める。
輝久「ユニオンモンスターの《チューン・ナイト》か…!」
遊大「デッキから《チューン・ナイト》を装備し、効果を発動!装備された自身を、チューナー扱いで特殊召喚する…!!」
チーズを模した剣がフィールドに突き刺さり、蒸気がそれを取り囲む。瞬く間にモンスターへと姿を変えたそれは、字のごとくネズミのように素早く《昇華騎士-エクスパラディン》の元へと駆け寄った。
《チューン・ナイト》(守)
☆1 炎・戦士族/ユニオン/(チューナー)/効果
500/500
遊大「最後に一回だけ、力を貸してくれ…!
俺は、レベル3の《昇華騎士-エクスパラディン》に、レベル1の《チューン・ナイト》をチューニング!!」
炎と共に1つの星が光輪を描き、3つの閃光が駆け抜ける。光の奥の方、巨大な腕の影がその姿をおぼろげに映し出す。
遊大「集いし望みが、未来を拓く拳となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!
現れろ!《アームズ・エイド》!!」
《アームズ・エイド》(攻)
☆4 光・機械族/シンクロ/効果
1800/1200
振り絞った最後のカード。未来を拓く拳。鋼鉄のそれは《フェニックス・ギア・フリード》の左腕と一つとなる。腕と鎧の接合部から赤い焔が漏れ出し、まるで狂戦士のようにその巨腕とともに姿勢を低く構える。
輝久「それが《フェニックス・ギア・フリード》が《アームズ・エイド》を装備した姿、
龍平君とのデュエルで見せた『フェニックス・パワーギア・フリード』だね…!
3800×2、そして《ミニマム・ガッツ》の2500ダメージで決着をつけるつもりか!!」
『フェニックス・パワーギア・フリード』
☆8 炎・戦士族/デュアル/効果
⚫︎《フェニックス・ギア・フリード》が、《アームズ・エイド》を装備した姿。戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。
(2800→)3800/2600
どれだけ細くなっても、ここまで燃やし続けた炎は絶対に消さない。誰よりも努力してきた。その矜持を手放さないように、負けないように、全力でデュエルをする。たとえ彼の者が今会場を叩いている雨であっても、それがどれほど激しくあったとしても、ここで自分の炎を消すわけにはいかない。そんな思いが遊大に最後の覚悟をさせた。
遊大「これで…終わりだ!!バトル!!」
炎を宿した戦士は、膝をついた忍へと掌を突き出す。その拳は炎をまとい、フィールドを飲み込むほどに大きく、そして眩しく燃え上がる拳となる。
遊大「『フェニックス・パワーギア・フリード』で、《戎の忍者-冥禪》を攻撃!!
パワーギア・クローズ!!」
炎の拳は段々と輝久に迫りくる。緋色に照らされたその顔には笑顔が灯っていた。
輝久「…遊大くん、やっぱり最高だよ!キミは!!」
これまでも見てきた。どれほど追い詰められようと、いくら絶望的な状況に追い込まれようと、決して胸の炎を消さずに戦い続けたその姿を。きっと自分の限界までデュエルを磨き、最後の最後まで喰らいつけるよう、ずっと燃え続けられるようにしてきたのだろう。しかし全力で勝ちたいのは彼の者だけではない。炎はいつまでも燃え続けることはできない。ただ自分は雨となろう。燃え上がる炎を消し、この会場を叩く慈悲のない天の涙となろう。そんな思いが、輝久に最後の覚悟をさせた。
輝久「…この一手、もらったよ…!!
僕は《宙の忍者-鳥帷》の効果を発動!!」
遊大は必死に喉を震わせる。それが最後の攻撃だから。ただ祈るように、叫んでいた。
『決めさせてくれ!』と。
雨は止まない。炎が激しく燃え上がろうと、それを打ち消すように、依然として喧しく雨音を響かせていた。
輝久「僕は相手のバトルフェイズに、再び融合召喚を行う!!」
その声と同時に、輝久の目と鼻の先まで迫った火焔の拳に、ぼっかりと風穴が開く。放たれた『何か』は、そのまま『フェニックス・パワーギア・フリード』の白銀の鎧を貫いた。瞳に灯っていた火が、ゆっくりと消えていく。
遊大「…くっ…。」
輝久「融合召喚。《冑の忍者-櫓丸》。」
輝久の目の前で構える機械仕掛けの忍。打ち出したその右腕からは、青白い硝煙が浮かんでいた。
輝久「…特殊召喚に成功した時、墓地から《忍者》《忍法》カードを除外し、フィールドのカードを1枚除外する。
…楽しいデュエルだったよ。」
自分のありったけの一撃。努力の結晶を撃ち抜いたそれは、降りしきる雨のように遊大の内の炎に降り注いだ。フィールドにただ一つ昇った青い煙が、デュエルの全てを物語る。
遊大は歯を食いしばる。うつむき、垂れた前髪で目元が見えなくなった。頬を伝った一筋の藍をぬぐい、静かにデッキの上に手を置いた。
『デュエルに降参します。本当によろしいですか?』
戎の終わりを告げる無機質な電子音。会場に染み渡る雨音も、それを隠しはしなかった。
WINNER:斬隠 輝久
全国決闘王杯・市内予選。県大会出場とベスト16を賭けたその決闘は、《忍者》デッキの使い手「斬隠 輝久」の勝利と、《デュアル》デッキの使い手「樋本 遊大」の敗北で幕を下ろした。炎が消え、膝をついた彼を背に、輝久は次なる戦いへと進む。ただ「待ってるよ。」という言葉と共に。
鳴り止まない雨音とは裏腹に、決闘者達の戦いは終わりに近づいていた。
続く
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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75 | 0話 プロローグ | 1018 | 1 | 2020-10-25 | - | |
64 | 1話 転入生 | 816 | 0 | 2020-10-25 | - | |
79 | 2話 巨竜の使い手 | 830 | 0 | 2020-10-31 | - | |
77 | 登場人物紹介 〜東雲中編〜 | 872 | 0 | 2020-11-04 | - | |
110 | 3話 黒き刺客たち | 931 | 3 | 2020-11-14 | - | |
89 | 4話 暗く冷たく | 725 | 0 | 2020-11-23 | - | |
78 | 5話 己の意思で | 714 | 0 | 2020-12-24 | - | |
84 | 6話 廃材の竜/炎の戦士たち | 728 | 0 | 2020-12-30 | - | |
65 | 7話 スタート地点 | 690 | 0 | 2021-01-15 | - | |
78 | 8話 タッグデュエル-その0- | 696 | 0 | 2021-01-21 | - | |
71 | タッグデュエル・チームデュエルについて | 630 | 0 | 2021-02-07 | - | |
73 | 9話 タッグデュエルー①ー 竜呼相打つ | 587 | 0 | 2021-02-09 | - | |
74 | 10話 タッグデュエル-②- 重撃 | 657 | 0 | 2021-02-09 | - | |
61 | 11話 託す者 | 609 | 0 | 2021-03-15 | - | |
72 | 12話 紫色の猛者 | 749 | 2 | 2021-04-10 | - | |
70 | 13話 死の領域を突破せよ! | 671 | 0 | 2021-04-13 | - | |
73 | 14話 協奏のデュエル | 661 | 0 | 2021-05-01 | - | |
88 | 15話 刹那の決闘 | 653 | 0 | 2021-05-29 | - | |
103 | 16話 リベリオス・ソウル | 652 | 0 | 2021-06-08 | - | |
76 | 17話 リトル・ファイター | 565 | 0 | 2021-07-22 | - | |
74 | 18話 強者への道、煌めいて | 522 | 0 | 2021-10-30 | - | |
74 | 19話 黒い霧 | 744 | 0 | 2022-01-02 | - | |
61 | 20話 大丈夫! | 507 | 0 | 2022-03-08 | - | |
92 | 21話 魂を繋ぐ龍 | 655 | 0 | 2022-04-03 | - | |
80 | 22話 原初の雄叫び その① | 604 | 2 | 2022-05-02 | - | |
64 | 23話 原初の雄叫び その② | 596 | 2 | 2022-05-04 | - | |
50 | 24話 焼け野原 その① | 436 | 2 | 2022-11-10 | - | |
50 | 25話 焼け野原 その② | 497 | 0 | 2022-11-11 | - | |
41 | 26話 蒼の衝突 その① | 416 | 0 | 2023-02-28 | - | |
43 | 27話 蒼の衝突 その② | 394 | 0 | 2023-03-24 | - | |
49 | 28話 憧れゆえの | 536 | 2 | 2023-04-15 | - | |
41 | 29話 黒い暴虐 | 297 | 0 | 2023-07-20 | - | |
61 | 30話 決闘の導火線 | 499 | 2 | 2023-07-30 | - | |
35 | 登場人物紹介 〜光妖中編〜 | 360 | 0 | 2023-08-03 | - | |
34 | 31話 開幕!決闘王杯! | 271 | 0 | 2023-08-12 | - | |
36 | 32話 ガムシャラ | 417 | 2 | 2023-08-25 | - | |
28 | 33話 目覚める龍血 その① | 285 | 2 | 2023-09-02 | - | |
36 | 34話 目覚める龍血 その② | 312 | 2 | 2023-09-06 | - | |
57 | 35話 雨中の戎 その① | 427 | 4 | 2023-09-19 | - | |
26 | 36話 雨中の戎 その② | 260 | 2 | 2023-09-23 | - | |
30 | 37話 チャレンジャー | 389 | 2 | 2023-09-30 | - | |
51 | 38話 心に傘を | 391 | 2 | 2023-10-07 | - | |
27 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 346 | 3 | 2023-10-22 | - | |
31 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 322 | 2 | 2023-10-26 | - | |
45 | 41話 花と薄暮 | 395 | 2 | 2023-10-30 | - | |
33 | 42話 燃ゆる轍 その① | 365 | 2 | 2023-11-07 | - | |
29 | 43話 燃ゆる轍 その② | 272 | 1 | 2023-11-09 | - | |
29 | 44話 襷 | 265 | 1 | 2023-11-14 | - | |
25 | 45話 星を賭けた戦い | 361 | 3 | 2023-11-17 | - | |
28 | 46話 可能性、繋いで その① | 314 | 2 | 2023-11-28 | - | |
36 | 47話 可能性、繋いで その② | 301 | 2 | 2023-12-07 | - | |
29 | 48話 揺れろ。魂の… | 246 | 2 | 2023-12-28 | - | |
29 | 49話 エンタメデュエル | 272 | 2 | 2024-01-07 | - | |
38 | 50話 乗り越えろ! | 316 | 3 | 2024-01-26 | - | |
60 | 51話 Show Me!! | 320 | 0 | 2024-02-01 | - | |
31 | 52話 モノクロの虹彩 | 373 | 1 | 2024-02-08 | - | |
33 | 53話 激昂 | 269 | 2 | 2024-02-22 | - | |
27 | 54話 火の暮れる場所 その① | 225 | 0 | 2024-03-02 | - | |
52 | 55話 火の暮れる場所 その② | 338 | 2 | 2024-03-07 | - | |
31 | 56話 赫灼の剣皇 | 335 | 2 | 2024-03-11 | - | |
44 | 57話 金の卵たち | 243 | 2 | 2024-03-18 | - | |
31 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 216 | 0 | 2024-03-20 | - | |
43 | 58話 一生向き合うカード | 315 | 2 | 2024-03-24 | - | |
31 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 269 | 0 | 2024-03-31 | - | |
39 | 59話 強くならなきゃ | 300 | 2 | 2024-04-03 | - | |
33 | 60話 竜を駆るもの | 173 | 0 | 2024-04-20 | - | |
55 | 61話 竜を狩るもの | 309 | 2 | 2024-04-22 | - | |
36 | 62話 反逆の剣 | 197 | 2 | 2024-04-26 | - | |
35 | 63話 血の鎖 | 274 | 1 | 2024-05-01 | - | |
48 | 64話 気高き瞳 | 343 | 2 | 2024-06-02 | - | |
24 | 65話 使命、確信、脈動 | 309 | 2 | 2024-06-16 | - | |
33 | 66話 夜帷 | 225 | 0 | 2024-07-14 | - | |
30 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 257 | 2 | 2024-07-18 | - | |
27 | 68話 陽は何処で輝く | 214 | 2 | 2024-07-30 | - | |
26 | 69話 血みどろの歯車 | 256 | 2 | 2024-08-16 | - | |
24 | 70話 災禍 その① | 217 | 2 | 2024-08-28 | - | |
27 | 71話 災禍 その② | 220 | 2 | 2024-09-01 | - | |
24 | 72話 親と子 | 153 | 2 | 2024-09-09 | - | |
26 | 73話 血断の刃 | 145 | 2 | 2024-10-10 | - | |
30 | 74話 血威の弾丸 | 182 | 2 | 2024-10-17 | - | |
22 | 75話 炉心 | 117 | 0 | 2024-11-01 | - | |
21 | 76話 ひとりじゃない | 132 | 2 | 2024-11-03 | - | |
22 | 77話 春風が運ぶもの | 127 | 2 | 2024-11-06 | - | |
9 | 78話 天道虫 その① | 92 | 2 | 2024-11-19 | - | |
2 | 79話 天道虫 その② | 18 | 0 | 2024-11-21 | - |
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- 2024/10/25 新商品 SUPREME DARKNESS カードリスト追加。
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- 11/22 00:02 コンプリート評価 クリムゾン・ノヴァさん ⭐QUARTER CENTURY LIMITED PACK⭐
- 11/21 23:05 評価 5点 《Evil★Twin チャレンジ》「ちょっと弱すぎる。 一応相手…
- 11/21 20:56 評価 8点 《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》「 相手が後攻を選択し、しかも《強欲で…
- 11/21 20:30 評価 10点 《スキルドレイン》「 遊戯王を脳筋フィジカルゲーにできる、超…
- 11/21 19:51 デッキ ガイア
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- 11/21 19:34 評価 7点 《Evil★Twin イージーゲーム》「永続罠でキスキルかリィラ…
- 11/21 18:56 SS 79話 天道虫 その②
- 11/21 18:49 一言 リンクペンデュラムのオリカを作りたいんですがやっぱり不可能ですかね…
- 11/21 17:23 評価 8点 《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》「 『混沌を制す者』シリ…
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- 11/21 16:09 評価 8点 《超魔導剣士-ブラック・パラディン》「 3DSの最強カードバト…
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- 11/21 14:40 デッキ ディフォーマー
- 11/21 14:25 デッキ ドローテスト【怪盗コンビEvil★Twin】2024/11
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知略と知略のぶつかり合い。召喚法による手数で圧倒する事を狙う遊大でしたが、龍平も触れた手数の多さ故の隙を見事に突いてきた輝久。融合とシンクロの同時展開を寸前で阻止され絶体絶命。そしてここでシャッフル・リボーンにて、逆転の1手を引き込む!
彼のデュエルの本流…デュアルで最後の攻撃を仕掛ける。フェニックス・パワーギア・フリードにて、勝利を欲しますが…輝久には一歩及ばず無念のサレンダー。雨が降り続けていたのも、暗雲が立ち込めるという暗示だった訳ですねぇ…。
まさかの遊大の敗退と言う形になった今回の大会…。とても熱い試合で会場は盛り上がった事でしょう。この結果はひじょーーに今後の展開が気になる所です! (2023-09-24 19:55)
ランペルさん、閲覧とコメントありがとうございます。読んでいたただけてるようで凄く嬉しいです!!
伝えたかったことをそのまんま受け取ってくださってるようで、もう書き手からすればこれ以上のことはないんです;;
実はこの漫画、初めてのサレンダーであります。そして同時に、遊大の未熟な部分も描きたかったんですよね。デュエルへの炎が消えてしまった彼が次に取る行動は!?そして大会の結果は!?次回もお楽しみ! (2023-09-26 16:18)