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55話 火の暮れる場所 その② 作:コングの施し
全国決闘王杯・本戦出場者及びその同校の決闘者にのみ参加権が与えられた『アカデミア合宿』。その参加者を待つ、スターチップ10個を突破条件とする4時間の『スターチップ争奪戦』。残り30分を切った最終局面。無事に☆10に到達した遊大を待つのは、中盤戦で別れたはずの日暮 振士であった。同じく10つの星を携えた彼を前に歩みを見せた遊大だが、日暮のうちに眠る狂気は彼を逃しはしなかった。始まる☆10同士の決闘。最後の時間とスターチップ、そして二人の信念をかけた決闘が幕を開ける。
*
何年前だったかも忘れてしまうほどの昔、デュエルが好きだった父に連れられて、舞網市までデュエルの祭典を見に行ったことがあった。ごった返すような人の波に飲まれながら、もはや席に座ることすらなく、小さかった体を父の肩に乗せて、そのデュエルに釘付けになっていた。
『《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》の直接攻撃!ヘルテンタクルウィップ!!
これで終わりだ!!』
紫色の結晶を模った3人の死の王たるモンスターが吠え叫び、禍々しい閃光がフィールドに降り注ぐ。
対する青年。フィールドをモンスターに跨り縦横無人に駆け回る彼の顔にも驚いたような表情があった。
『…抜け出して見せる!!』
しかし絶対に絶やさない、笑顔。
誰もを包み込み、自分も対戦相手も笑顔の輪に加えて見せた。その彼のディスクから1枚のカードが光を放つ。柔らかな音色とチャーミングな鳴き声を奏で、そのキャッチーな見た目のモンスターがフィールドに飛び出した。
『防いでくるか!この攻撃を!!』
デュエルの優勢の振り子は幾度となく揺れ動いた。その度に会場はどよめき、誰しもその2人に目を奪われていた。自分も、一瞬たりともその戦いから目を離すことができなかった。父親の肩に跨りながらも、輝いているデュエルに、エンターテイナーの最高峰たるそのデュエリストたちに、届くはずのない短い手を伸ばしていた。
花吹雪のような、儚くも美しく、激しくも楽しげなそのエンタメデュエルは、《EM》の使い手の青年の勝利に終わった。勝敗を噛み砕いているにも関わらずその場所にいる全員が笑顔で、ただ純粋にその様に心奪われていた。
自分も笑顔の輪に加わりたい。あんなデュエルを、誰よりも近くで見ていたい。
そんな一心で、華やかなデュエルが終わった後もずっと手を伸ばしていた。青年は四方囲むオーディエンスの歓声に深々礼をしていた。鳴り響くシャッター音と観客の声、そして彼の明るい礼は、今でも克明に目に刻み込まれていた。
そんな最高のショーの幕引きの中、青年と自分の目が合った。少年は暖かな笑顔で1枚のカードをディスクに通し、それによって出現したモンスターのヴィジョンに跨って、自分の元へとひょいひょいと近づいてくる。
胸が、高鳴った。もちろん、自分の周りには他の観客もいる。デュエルは終わっているというのに観客たちの声援のボルテージは最高潮を迎え、ついに、自分の目の前にそのモンスターと少年が現れた。青年は観客席の外側からモンスターの首を乗り出し、それを伝って軽い足取りでたたっと走り出す。そして自分の目の前で、中腰に落とした。そこまで近づいた時、彼の注目が自分に向いていることに気づいて、耳鳴りとすら言えてしまうほどに大きくなった心音の中で、何も言えずに固まってしまっていた。
『キラキラした視線をありがとう。
それじゃあ伝説の決闘者さんにならって…!』
青年はディスクにマウントされたデッキから1枚のカードを手に取り、それを伸ばしていた自分の小さな手に握らせた。
『ラッキーカードだ!
こいつがキミのところに行きたがってる、ってやつだよ!』
そういって自分の手の中に、1枚のカードが握られた。幼いながら、絶対に叶わないと思えた。ただ見ているだけの自分まで笑顔の輪に引き入れ、その道標となってくれたその人に。
それから先のことはよく覚えていない。それほどまでに昔の記憶だった。しかし今でも何よりも大切な自分の記憶だった。その前後の記憶は曖昧でも、鳴り響く声援と、あの時確かにあった笑顔の輪は、今でも胸に刻み込まれている。
そして、自分の手に握られた、『そのカード』も。
*
12:49
遊大「もう、終わらせてくれ…!
《フェニックス・ギア・ブレード》の装備を解除…ダイレクトアタック!!」
遊大には、その少年を否定することも、そして理解することもできなかった。
迷いながらも戦う自分に目を背けるようにして、最後の攻勢を仕掛ける。
日暮のLPは5400。そして遊大のフィールドに存在する《フェニックス・ギア・フリード》、《超化合獣メタン・ハイド》の攻撃力の合計は5800。装備カードである《フェニックス・ギア・ブレード》を装備解除し追加攻撃の権利を得たモンスターたちによる総攻撃が、日暮のライフを貫こうとしていた。
TURN:2(バトルフェイズ)
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP :6000
手札 :0
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》《超化合獣メタン・ハイド》
魔法罠 :《工作箱》
フィールド:《化合電界》
日暮 振士
LP :5400
手札 :2
モンスター:
魔法罠 :
Pゾーン :◆ 《竜剣士ラスターP》◇
フィールド:《天空の虹彩》
白銀の鎧に身を包んだ戦士。その大剣を大きく振りかぶって、ついに日暮のLPを叩き斬った。炎の斬撃が刻まれたディスクは、ピピピ…という電子音を立てながら、表示されたその数値をみるみる減らしていく。
《フェニックス・ギア・フリード》(ATK:2800)
日暮 振士 LP:5400→2600
背後に吹っ飛ばされた日暮を、化合の魔獣たる《超化合獣メタン・ハイド》が真っ直ぐに睨みつける。黙り込んだ二人の間に、一瞬の静寂が流れる。しかしそれを裂いたのは、日暮の声だった。
日暮「…これで終わりじゃないよね?」
遊大「…ッ!!」
彼は苦悶の表情を浮かべ、拳をがっしりと強く握った。振り絞るように叫ぼうとしていた。迷いながらも勝利しなければならないこの状況を噛み締めるように。
遊大「おれは…!!
《超化合獣メタン・ハイド》で、ダイレクトアタ…」
そこまで言いかけた時、誰しも聞いたことのあるモンスターの声がフィールドに響いた。デュエリストであれば、誰もが一度はその耳に刻み込んだことのあるであろう声。数々の伝説の決闘者のピンチを支えたそのモンスター。
クリクリ〜♪
遊大「…!?」
日暮はゆっくりと立ち上がり、また口を開いた。そしてその手の中にあった1枚のカードを前に差し出す。
日暮「…たった1枚の《EM》…ぼくのラッキーカードだよ。
こんなに輝かしいデュエルを、まだ終わらせるわけがないじゃないか。
ぼくは戦闘ダメージを受けたことで、《クロシープ》の効果で墓地に送った《EMクラシックリボー》の効果を発動。…このカードをPスケールにセッティング!」
藍色のマントに身を包んだ、オーケストラ奏者のような風貌の《クリボー》。それが天へと舞い上がり、柔らかな音色を奏でながら光さす柱の元へ赴く。
《EMクラシックリボー》:◆8◇
遊大「《EM》の…《クリボー》…だと!?」
《EM》…伝説の決闘者の一人が使用したとされるカード群。そして決闘の守護者たる《クリボー》。その存在に、たった小さなそのモンスターが出現したことで、ますます目の前のデュエリストの正体が霧に包まれていくような気がした。
だからこそ。
遊大(…ここで、終わらせなきゃダメだ…!!!)
「《超化合獣メタン・ハイド》のダイレクトアタック…炎天瀑華!!!」
《超化合獣メタン・ハイド》の体を走る赫い熱波。それが炎の熱を通り越し青白く輝く。血が全身を駆け巡るように、青白い閃光はその拳に集約していく。蜃気楼を纏った翼を翻し、稲光のように青白いその巨体が日暮へと突っ込んでいく。光に照らされ、その黒い瞳が青くキラキラと輝く。
遊大「…届かせてくれ…ッ!!」
最後のLPを貫かんとする全身全霊をかけたその一撃は…
クリリリ〜♬
デュエルの守護者とすら言えるそのモンスターを従える日暮には、届かない。
日暮「Pゾーンにセッティングされた《クラシックリボー》の効果を発動。
直接攻撃宣言時にスケールのこのカードを破壊し、さらにバトルフェイズを終了する。」
《EMクラシックリボー》。可愛らしい奏者の様相を呈する《クリボー》の像がどんどんと膨らんでいき、ついに風船のように弾けた。その破片は無数の音符を描き、その譜面は《超化合獣メタン・ハイド》の腕を絡め取っていく。
遊大「くッ…そ…!!」
最後の攻撃。手札に握るカードは1枚。そのモンスターたちによる攻撃を通せなかった遊大は、握り込んだ拳を空に振り下ろす。振り絞るようにターンの終了を宣言した。
TURN:3
日暮 振士(ターンプレイヤー)
LP :5400
手札 :2→3
モンスター:
魔法罠 :
Pゾーン :◆ 《竜剣士ラスターP》◇
フィールド:《天空の虹彩》
樋本 遊大
LP :6000
手札 :1
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》《超化合獣メタン・ハイド》
魔法罠 :《工作箱》
フィールド:《化合電界》
日暮「ぼくのターン。」
日暮がデッキトップのカードを引き抜く。対する遊大は、握り拳を作ったまま俯いていた。その状況で出せる全力の展開を押し通そうと焦り、公開情報である相手の墓地にすら気づけずに、結局ターンは相手のものになっている。
遊大(…何してんだよ!!)
あの時こうしていれば。ああしていれば。そんな後悔よりも今は、自分の中に渦巻く迷いに、体を締め付けられているのがわかった。
日暮「さあ、行こうか…。
ぼくは《竜剣士イグニスP》をPゾーンにセッティング…!」
《竜剣士イグニスP》:◆7◇
『輝き』や『エンタメデュエル』を見るために、そのためだけにスターチップ10個同士の戦いを強要し、それに悦を見出す日暮の姿が理解できていなかった。そしてそれは今でも同じで、理解に至っているとは言い難かった。
日暮「ぼくはセッティングされている《竜剣士ラスターP》の効果を発動。
スケールにセッティングした《イグニスP》を破壊し、その同名カードを手札に加える。
…そして破壊された《イグニスP》の効果を発動。デッキから特殊召喚。…《竜剣士マジェスティP》!」
天へと昇る光の柱が屈折し、その光は2つに分かれる。その屈折した光の隙間より、天馬を模った竜の剣士がフィールドに舞い降りた。
《竜剣士マジェスティP》(守)
☆4 風属性・魔法使い族/ペンデュラム/(チューナー)/効果
ATK:1500/DEF:1500[◆1◇]
理解及ばぬ状況に立ち、理解及ばぬ考えに晒された時、自分のデュエルの原動力となったのは、なってしまったのは、拒絶だった。
遊大は、理解できないからこそ、自分のデュエルで彼の屈折したデュエルの目的をねじ伏せようと、否定しようとしてしまった。
日暮「《マジェスティP》の効果を発動。デッキからフィールド魔法《ドラゴニックP》を手札に加え…手札から《竜剣士イグニスP》を捨てる。」
そしてあの時見た日暮の瞳。黒く深く、どこまでも続いている道のようで、その反面、誰よりも輝きを放っていた、あの吸い込まれそうな目。子供のように無邪気で、自分の目の前に起きていることに歓喜していなければあんな目はできないと、そう思えた。
《解放のアリアドネ》:◆3◇
日暮「ぼくは《解放のアリアドネ》をPスケールにセッティング。
…揺らげ、魂の振り子。今こそ描きだせ、天の虹彩。…ペンデュラム召喚!!」
ゴウンゴウン、と天から伸びる振り子が揺らぎ、その門を開いた。フィールドに差し込む2色の閃光。
日暮「手札より《竜剣士ダイナマイトP》…そしてEXデッキから集結せよ。《竜剣士イグニスP》!」
《竜剣士ダイナマイトP》(守)
☆4 水属性・機械族/ペンデュラム/効果
ATK:1700/DEF:1800[◆6◇]
《竜剣士イグニスP》(守)
☆4 炎属性・戦士族/ペンデュラム/効果
ATK:1700/DEF:1900[◆7◇]
あの輝いている目を見た時、自分がしたことは誤りだと、そう感じた。感じ取ってしまった。いや、日暮が言ったように「何が正しいか」などどうでも良いのかもしれない。ただ、否定の刃を振り下ろそうとした時、自分の中にあるデュエルの価値がボロボロに傷ついてしまうのがわかった。
日暮「ぼくはフィールド魔法《天空の虹彩》の効果を発動。
…Pスケールにセッティング済みの《解放のアリアドネ》を破壊し、デッキから《オッドアイズ・アドベント》を手札に加える。
…ここで《解放のアリアドネ》の効果を発動するんだけど…遊大くん?」
展開を続ける日暮、それを前に俯く遊大を見て語りかけた。
当たり前だ。ターンを回したっきり、自分の口数もアクションもめっきりとなくなってしまっている。彼のデュエルを見ていないわけではない。だた自分の中でめぐる思考が、迷いが、体をそうさせてしまった。
遊大「…ああ…わかっているよ。」
日暮「…ありがとう。
《解放のアリアドネ》の効果を発動。《神の宣告》《神の通告》そして《一撃離脱》を公開し、相手の選んだカードを手札に加える。
…選んでもらうよ。遊大くん。」
ソリッドヴィジョンによって映し出される3枚のカードが、遊大の集中をデュエルに引き戻す。《神の宣告》、《神の通告》、《一撃離脱》。誰しもが知り得るそのカウンター罠たちの中に、1枚だけ遊大ですら知らないカードが混じっていた。
遊大(召喚・特殊召喚と魔法罠を咎める《神の宣告》…その性能をモンスターに特化させた《神の通告》。そして…知らないカードだ。《一撃離脱》…バトルフェイズ終了時にメインフェイズ2をスキップさせるカードか。
だめだ…!今は迷ってる暇なんかない…ここで勝つ必要が、おれにはある!そのためには…今はガムシャラさが必要だろ!!)
迷っていた思考の霧をはらうようにして、頬を両の手でパチンと叩く。
デュエルで迷った時、思いが乱れた時、いつもそうやって自分に喝を入れるようにしていた。いつの日か自分に投げかけられた仲間たちの思い。そのルーティンが、それを思い出させてくれるから。
遊大「…おれは《一撃離脱》を選択!」
日暮「…!!」
遊大「おれ…迷っていたんだ。
お前を否定しようとして、それで吹っ飛ばされそうになって、でも理解も…できなかった。…いや、今もできちゃいない。そればっかりか、このデュエルで、お前に何を伝えればいいかすらわかってないんだ。
でもこれはお前とおれのデュエルで、おれが何を思おうと時間は止まっちゃくれない。
…だから迷ってても戦うよ。全力で!!」
俯いた顔を上げ、真っ直ぐに日暮に答えた。俯いた彼に声を落としていた日暮の顔にも柔らかな笑顔が灯った。
遊大は思っていた。未だ自分の中に、このデュエルに込めるものに迷いはある。確かに迷っている自分はここにいる。日暮を否定することも、理解することもできなかった自分を背負った今の自分がここにいる。でもだからこそ、夢中に戦う必要がある。
日暮「…そっか…そうだね。
迷っていても向き合ってくれるキミは…やっぱり優しい。
…だったらぼくにできることは…。」
答えを言い淀んだ彼を見て、何かが見えかかけたような気がした。何もわからなかった日暮の彼の持つ棘の鎧が、その鎧の中にある心が、見え隠れしたような気がした。
虹色に輝く虹彩のフィールドが光の塵となって姿を変えていく。空が黒く染まり、天より、幾つもの剣が、日暮を中心としてフィールドに降り注いだ。
日暮「ぼくは発動中の《天空の虹彩》を墓地に送り、《ドラゴニックP》を発動。」
それに応えるようにして、デュエルディスクをガッと天へと掲げる。EXデッキの収納が音を立てて開き、1枚のカードが日暮の手に握られる。
日暮「《竜剣士イグニスP》の効果で特殊召喚したモンスターは、チューナー扱いとなる。
…ぼくはレベル4の《竜剣士イグニスP》に、同じくレベル4チューナー扱いの《竜剣士マジェスティP》をチューニング!!」
彼の前に構える炎と風の剣士が、その刃を振いながら光となって一つになっていく。炎の剣は4つの光輪を描き、その中心を旋風と光が突き抜ける。
日暮「烈火宿し竜の剣煌めかせ、その赫焔で敵を討て。シンクロ召喚!
レベル8《爆竜剣士イグニスターP》!」
フィールドに降り注ぐ白緑の閃光はやがてその色を赫く変え、巨大な翼を翻す一人の竜剣士の影を描き出した。弾ける炎。《オッドアイズ》でも《EM》でもない、紛れもなく彼自身のエースモンスター格のその存在にフィールド全体が震撼する。
《爆竜剣士イグニスターP》(攻)
☆8 炎属性・ドラゴン族/シンクロ/効果
ATK:(2850)→3150/DEF:0
日暮「ぼくは《イグニスターP》の効果を発動。
セッティングされた《ラスターP》を破壊し、《超化合獣メタン・ハイド》をデッキに戻す。イグナイト・スティグマ!!」
剣が凄まじい熱気を帯び、《爆竜剣士イグニスターP》が、それをフィールドに勢いよく突き立てた。ひび割れた大地からは火花の波が導火線のように、血管のように巻き上がり、《超化合獣メタン・ハイド》の元まで瞬く間に侵食していく。
大地に刻み込まれた聖痕は弾ける炎と無数の刃を飛び散ったマグマのように突き立て、ついにその体を貫いた。
ディスクからパチンと音を立てて遊大のカードが宙に弾かれた。
遊大「…デッキバウンス!」
日暮「さらに…《ドラゴニックP》の効果を発動。
《竜剣士》が効果を発動したことで、このカード自身を破壊する。」
フィールドに突き立てられた無数の刃。色とりどりの輝きを放つその中にある、禍々しいオーラを放つ一本の剣を、ゆっくりと引き抜いた。映し出された剣と暗色の空は音を立てて砕け散り、手に握られたそれだけが残っていた。
日暮「《ドラゴニックP》が破壊された時、デッキから《竜剣士》カード、または《竜魔王》カードを手札に加える。
…ぼくは《虚竜魔王アモルファクターP》を手札に加えるよ…!!」
手に握られた禍々しい一本の刃。それは黒い稲妻を放ちながら一枚のカードへと姿を変える。まるで《ドラゴニックP》によってフィールドに突き立てられた幾つもの剣が、そのカードを示しているかのようだった。
遊大(また儀式モンスター…!)
日暮「ぼくは《爆竜剣士イグニスターP》の、もう一つの効果を発動。
…デッキから現れろ!《竜剣士マスターP》!」
《竜剣士マスターP》(守)
☆4 光属性・ドラゴン族/ペンデュラム/通常
ATK:1950/DEF:0[◆3◇]
日暮に残された手札は3枚。しかしそこにあるのは公開情報のみ。防ぎようなどなくともその異様なオーラを放つそのカードに気づかないはずなどなかった。そのカードを握っているだけで、空気さえ震える。今までの遊大ならば、今までの自分であれば、その存在の恐怖に震え、腰を抜かしへこたれていたかもしれない。
遊大「…こえーよ!こえーけど…見せてくれ!!」
日暮「これが《オッドアイズ》、そして《竜剣士》を繋ぐ力。
今こそ重なり交わり、魔の竜王さえ従えて魅せろ。
儀式魔法…《オッドアイズ・アドベント》!!」
《天空の虹彩》の力。すなわち《オッドアイズ》の力によって彼の手に加えられたそのカードがゆっくりと胎動する。上空に聳える巨大な振り子は揺らぎ、モノクロの黒色の輝きを放ちながらその門を映し出す。
日暮「禍々しくも美しきその瞳輝かせ…時すら…世界すら、塗り変えろ!!
…儀式召喚!《虚竜魔王アモルファクターP》!!!」
黒い稲妻が、二人を色のない輝きで照らし出す。そこに光があるのかすらわからないほどに黒く、それが闇なのかすらわからないほどに白い稲光。轟音と共に世界が色彩を消し、目に映る全てがモノクロへと染まっていく。
轟く雷光の中で、重く苦しい咆哮が彼らの鼓膜を貫いた。色のない世界の中で、赤黒く輝くその二つの目だけが光った。真っ直ぐに睨みつけるそれは、その光は、じわじわとそのモンスターの全貌を明らかにしていく。
今までに対峙したどのモンスターよりも強大で、邪悪で、そして虚しさすら覚えるほどに飢えた瞳。
《虚竜魔王アモルファクターP》(攻)
☆8 闇属性・ドラゴン族/儀式/効果
ATK:2950/DEF:2500
遊大「…虚竜…魔王!!」
そのモノクロの世界の中にある日暮の表情が、目についた。
優しい微笑みを見せながらも、その瞳に映るのは自分の姿のみで、しかしどこか悲しそうなその瞳。竜の魔王と同じように、虚に見えながらも何かを求めるその瞳。
日暮「さっき…言いかけたことがあったよね。」
ぽつ、とモノクロの世界の中で日暮は口を開いた。
日暮「迷っているキミに…ぼくができることは、選択を急がせることだけだ。」
遊大「おれの…選択。」
日暮「…キミが理解しようと拒もうと、ぼくはキミのエンターテイメントを、輝きを見れればそれでいい…だからこれは利己なんだよ。
でも理解が…キミのその選択がこのデュエルに色彩を与えるなら…ぼくは「勝ちに行く」ってキミの言葉で、キミに選択を迫る……。」
その瞳とその言葉を、胸に焼き付けた。
迷っているのは、自分だけではない。理解か否定か、その狭間で思いを巡らせる内に、自分のデュエルに「魅せられたい」という理由とはいえ、日暮自身にも迷いを伝播させていた。それでも自分がガムシャラに戦うと豪語したから、今こうして彼は選択を迫っている。今こうして、不器用に背中を押している。
遊大「ありがとう…じゃあもう、やることは決まったよ…!」
このデュエルが始まった時に理解できていなかった彼の言葉は、彼自身が遊大の「勝利する」という言葉を使って訴えかけたからこそ、今、遊大の中で迷いの霧が晴れた。
諦めないことだけが、それだけが自分の取り柄だった。デュエルも、そして理解も、最初に投げ出したその選択に今一度手を伸ばし、そしてその胸の中で、このデュエルでなさねばならないことがはっきりとわかった。
日暮「バトル…!」
お互いを真っ直ぐに見つめ、その瞳の中に炎を宿す彼らを、その一言がデュエルへと引き戻す。色を失った世界の中で、同じ炎の剣を携えた2人の剣士がその刃を交える。《フェニックス・ギア・フリード》と《爆竜剣士イグニスターP》、2つの剣は、幾度となく重い金属音を放ちながらぶつかり合う。
《爆竜剣士イグニスターP》(ATK:2950)
《フェニックス・ギア・フリード》(ATK:2800)
樋本 遊大 LP:6000→5850
バキン…!と、鈍い音を立てて砕け散ったのは、《フェニックス・ギア・フリード》の方であった。ディスクから敗北の足音のように、その電子音は鳴り響く。これでフィールドのモンスターはゼロ。そのLPを噛みちぎろうとばかりに、巨大なその大顎を開けドス黒い声をフィールドに轟かせた。
日暮「《虚竜魔王アモルファクターP》の直接攻撃…!
…殲滅のプリズムファクター!!」
その大顎に黒い雷撃が迸り、それを吐き出すでもなく地面を破りながら遊大の元へと飛びつく。目の前に轟くモノクロの閃光と太く鋭利な牙。相手に殺意すら覚えているほどに惨たらしい攻撃が、遊大のライフを、文字通り噛みちぎった。
《虚竜魔王アモルファクターP》(ATK:2950)
樋本 遊大 LP:5850→2900
遊大「うぉああぁああああーーーっ!!!」
遊大の体が大きく背後へ吹っされた。しかしその顔にはさっきまでの迷いはなく、デュエリストとして向き合おうとする真っ直ぐな目があった。
遊大「いってェじゃねえか…LPが!!」
日暮は最後の手札となるカードを1枚、フィールドにセットした。虚な目の中に、遊大という小さな灯火があった。日暮ですら知っている、その小さくも燃ゆる強い炎。小さく、確かにそこにあるからこそ、その目には哀しみが芽生えていた。これから起こることを、知っているから。
日暮「ぼくはこれで…ターンエンド。」
TURN:4
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP :2900
手札 :1→2
モンスター:
魔法罠 :《工作箱》
フィールド:《化合電界》
日暮 振士
LP :5400
手札 :0
モンスター:《爆竜剣士イグニスターP》《虚竜魔王アモルファクターP》
魔法罠 :セット×1
Pゾーン :◆ ◇
フィールド:
遊大「おれのターン!」
デッキからカードの刃を引き抜く。
パキ…!
その瞬間にその異常に否応なく気付かされることとなる。
遊大「なっ…!!」
ひび割れるモノクロの視界の中で、日暮の悲しそうな目だけが映っていた。消えゆく音のと光の中で、小さな言葉だけが自分の胸に刻まれていく。
日暮「…ありがとう…ぼくの全力、受け止めてね。」
それは声援か、後悔か、哀愁か、同情か。彼の全力が、立ち上がった遊大をモノクロの世界へと引き込む。
続く
*
何年前だったかも忘れてしまうほどの昔、デュエルが好きだった父に連れられて、舞網市までデュエルの祭典を見に行ったことがあった。ごった返すような人の波に飲まれながら、もはや席に座ることすらなく、小さかった体を父の肩に乗せて、そのデュエルに釘付けになっていた。
『《DDD死偉王ヘル・アーマゲドン》の直接攻撃!ヘルテンタクルウィップ!!
これで終わりだ!!』
紫色の結晶を模った3人の死の王たるモンスターが吠え叫び、禍々しい閃光がフィールドに降り注ぐ。
対する青年。フィールドをモンスターに跨り縦横無人に駆け回る彼の顔にも驚いたような表情があった。
『…抜け出して見せる!!』
しかし絶対に絶やさない、笑顔。
誰もを包み込み、自分も対戦相手も笑顔の輪に加えて見せた。その彼のディスクから1枚のカードが光を放つ。柔らかな音色とチャーミングな鳴き声を奏で、そのキャッチーな見た目のモンスターがフィールドに飛び出した。
『防いでくるか!この攻撃を!!』
デュエルの優勢の振り子は幾度となく揺れ動いた。その度に会場はどよめき、誰しもその2人に目を奪われていた。自分も、一瞬たりともその戦いから目を離すことができなかった。父親の肩に跨りながらも、輝いているデュエルに、エンターテイナーの最高峰たるそのデュエリストたちに、届くはずのない短い手を伸ばしていた。
花吹雪のような、儚くも美しく、激しくも楽しげなそのエンタメデュエルは、《EM》の使い手の青年の勝利に終わった。勝敗を噛み砕いているにも関わらずその場所にいる全員が笑顔で、ただ純粋にその様に心奪われていた。
自分も笑顔の輪に加わりたい。あんなデュエルを、誰よりも近くで見ていたい。
そんな一心で、華やかなデュエルが終わった後もずっと手を伸ばしていた。青年は四方囲むオーディエンスの歓声に深々礼をしていた。鳴り響くシャッター音と観客の声、そして彼の明るい礼は、今でも克明に目に刻み込まれていた。
そんな最高のショーの幕引きの中、青年と自分の目が合った。少年は暖かな笑顔で1枚のカードをディスクに通し、それによって出現したモンスターのヴィジョンに跨って、自分の元へとひょいひょいと近づいてくる。
胸が、高鳴った。もちろん、自分の周りには他の観客もいる。デュエルは終わっているというのに観客たちの声援のボルテージは最高潮を迎え、ついに、自分の目の前にそのモンスターと少年が現れた。青年は観客席の外側からモンスターの首を乗り出し、それを伝って軽い足取りでたたっと走り出す。そして自分の目の前で、中腰に落とした。そこまで近づいた時、彼の注目が自分に向いていることに気づいて、耳鳴りとすら言えてしまうほどに大きくなった心音の中で、何も言えずに固まってしまっていた。
『キラキラした視線をありがとう。
それじゃあ伝説の決闘者さんにならって…!』
青年はディスクにマウントされたデッキから1枚のカードを手に取り、それを伸ばしていた自分の小さな手に握らせた。
『ラッキーカードだ!
こいつがキミのところに行きたがってる、ってやつだよ!』
そういって自分の手の中に、1枚のカードが握られた。幼いながら、絶対に叶わないと思えた。ただ見ているだけの自分まで笑顔の輪に引き入れ、その道標となってくれたその人に。
それから先のことはよく覚えていない。それほどまでに昔の記憶だった。しかし今でも何よりも大切な自分の記憶だった。その前後の記憶は曖昧でも、鳴り響く声援と、あの時確かにあった笑顔の輪は、今でも胸に刻み込まれている。
そして、自分の手に握られた、『そのカード』も。
*
12:49
遊大「もう、終わらせてくれ…!
《フェニックス・ギア・ブレード》の装備を解除…ダイレクトアタック!!」
遊大には、その少年を否定することも、そして理解することもできなかった。
迷いながらも戦う自分に目を背けるようにして、最後の攻勢を仕掛ける。
日暮のLPは5400。そして遊大のフィールドに存在する《フェニックス・ギア・フリード》、《超化合獣メタン・ハイド》の攻撃力の合計は5800。装備カードである《フェニックス・ギア・ブレード》を装備解除し追加攻撃の権利を得たモンスターたちによる総攻撃が、日暮のライフを貫こうとしていた。
TURN:2(バトルフェイズ)
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP :6000
手札 :0
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》《超化合獣メタン・ハイド》
魔法罠 :《工作箱》
フィールド:《化合電界》
日暮 振士
LP :5400
手札 :2
モンスター:
魔法罠 :
Pゾーン :◆ 《竜剣士ラスターP》◇
フィールド:《天空の虹彩》
白銀の鎧に身を包んだ戦士。その大剣を大きく振りかぶって、ついに日暮のLPを叩き斬った。炎の斬撃が刻まれたディスクは、ピピピ…という電子音を立てながら、表示されたその数値をみるみる減らしていく。
《フェニックス・ギア・フリード》(ATK:2800)
日暮 振士 LP:5400→2600
背後に吹っ飛ばされた日暮を、化合の魔獣たる《超化合獣メタン・ハイド》が真っ直ぐに睨みつける。黙り込んだ二人の間に、一瞬の静寂が流れる。しかしそれを裂いたのは、日暮の声だった。
日暮「…これで終わりじゃないよね?」
遊大「…ッ!!」
彼は苦悶の表情を浮かべ、拳をがっしりと強く握った。振り絞るように叫ぼうとしていた。迷いながらも勝利しなければならないこの状況を噛み締めるように。
遊大「おれは…!!
《超化合獣メタン・ハイド》で、ダイレクトアタ…」
そこまで言いかけた時、誰しも聞いたことのあるモンスターの声がフィールドに響いた。デュエリストであれば、誰もが一度はその耳に刻み込んだことのあるであろう声。数々の伝説の決闘者のピンチを支えたそのモンスター。
クリクリ〜♪
遊大「…!?」
日暮はゆっくりと立ち上がり、また口を開いた。そしてその手の中にあった1枚のカードを前に差し出す。
日暮「…たった1枚の《EM》…ぼくのラッキーカードだよ。
こんなに輝かしいデュエルを、まだ終わらせるわけがないじゃないか。
ぼくは戦闘ダメージを受けたことで、《クロシープ》の効果で墓地に送った《EMクラシックリボー》の効果を発動。…このカードをPスケールにセッティング!」
藍色のマントに身を包んだ、オーケストラ奏者のような風貌の《クリボー》。それが天へと舞い上がり、柔らかな音色を奏でながら光さす柱の元へ赴く。
《EMクラシックリボー》:◆8◇
遊大「《EM》の…《クリボー》…だと!?」
《EM》…伝説の決闘者の一人が使用したとされるカード群。そして決闘の守護者たる《クリボー》。その存在に、たった小さなそのモンスターが出現したことで、ますます目の前のデュエリストの正体が霧に包まれていくような気がした。
だからこそ。
遊大(…ここで、終わらせなきゃダメだ…!!!)
「《超化合獣メタン・ハイド》のダイレクトアタック…炎天瀑華!!!」
《超化合獣メタン・ハイド》の体を走る赫い熱波。それが炎の熱を通り越し青白く輝く。血が全身を駆け巡るように、青白い閃光はその拳に集約していく。蜃気楼を纏った翼を翻し、稲光のように青白いその巨体が日暮へと突っ込んでいく。光に照らされ、その黒い瞳が青くキラキラと輝く。
遊大「…届かせてくれ…ッ!!」
最後のLPを貫かんとする全身全霊をかけたその一撃は…
クリリリ〜♬
デュエルの守護者とすら言えるそのモンスターを従える日暮には、届かない。
日暮「Pゾーンにセッティングされた《クラシックリボー》の効果を発動。
直接攻撃宣言時にスケールのこのカードを破壊し、さらにバトルフェイズを終了する。」
《EMクラシックリボー》。可愛らしい奏者の様相を呈する《クリボー》の像がどんどんと膨らんでいき、ついに風船のように弾けた。その破片は無数の音符を描き、その譜面は《超化合獣メタン・ハイド》の腕を絡め取っていく。
遊大「くッ…そ…!!」
最後の攻撃。手札に握るカードは1枚。そのモンスターたちによる攻撃を通せなかった遊大は、握り込んだ拳を空に振り下ろす。振り絞るようにターンの終了を宣言した。
TURN:3
日暮 振士(ターンプレイヤー)
LP :5400
手札 :2→3
モンスター:
魔法罠 :
Pゾーン :◆ 《竜剣士ラスターP》◇
フィールド:《天空の虹彩》
樋本 遊大
LP :6000
手札 :1
モンスター:《フェニックス・ギア・フリード》《超化合獣メタン・ハイド》
魔法罠 :《工作箱》
フィールド:《化合電界》
日暮「ぼくのターン。」
日暮がデッキトップのカードを引き抜く。対する遊大は、握り拳を作ったまま俯いていた。その状況で出せる全力の展開を押し通そうと焦り、公開情報である相手の墓地にすら気づけずに、結局ターンは相手のものになっている。
遊大(…何してんだよ!!)
あの時こうしていれば。ああしていれば。そんな後悔よりも今は、自分の中に渦巻く迷いに、体を締め付けられているのがわかった。
日暮「さあ、行こうか…。
ぼくは《竜剣士イグニスP》をPゾーンにセッティング…!」
《竜剣士イグニスP》:◆7◇
『輝き』や『エンタメデュエル』を見るために、そのためだけにスターチップ10個同士の戦いを強要し、それに悦を見出す日暮の姿が理解できていなかった。そしてそれは今でも同じで、理解に至っているとは言い難かった。
日暮「ぼくはセッティングされている《竜剣士ラスターP》の効果を発動。
スケールにセッティングした《イグニスP》を破壊し、その同名カードを手札に加える。
…そして破壊された《イグニスP》の効果を発動。デッキから特殊召喚。…《竜剣士マジェスティP》!」
天へと昇る光の柱が屈折し、その光は2つに分かれる。その屈折した光の隙間より、天馬を模った竜の剣士がフィールドに舞い降りた。
《竜剣士マジェスティP》(守)
☆4 風属性・魔法使い族/ペンデュラム/(チューナー)/効果
ATK:1500/DEF:1500[◆1◇]
理解及ばぬ状況に立ち、理解及ばぬ考えに晒された時、自分のデュエルの原動力となったのは、なってしまったのは、拒絶だった。
遊大は、理解できないからこそ、自分のデュエルで彼の屈折したデュエルの目的をねじ伏せようと、否定しようとしてしまった。
日暮「《マジェスティP》の効果を発動。デッキからフィールド魔法《ドラゴニックP》を手札に加え…手札から《竜剣士イグニスP》を捨てる。」
そしてあの時見た日暮の瞳。黒く深く、どこまでも続いている道のようで、その反面、誰よりも輝きを放っていた、あの吸い込まれそうな目。子供のように無邪気で、自分の目の前に起きていることに歓喜していなければあんな目はできないと、そう思えた。
《解放のアリアドネ》:◆3◇
日暮「ぼくは《解放のアリアドネ》をPスケールにセッティング。
…揺らげ、魂の振り子。今こそ描きだせ、天の虹彩。…ペンデュラム召喚!!」
ゴウンゴウン、と天から伸びる振り子が揺らぎ、その門を開いた。フィールドに差し込む2色の閃光。
日暮「手札より《竜剣士ダイナマイトP》…そしてEXデッキから集結せよ。《竜剣士イグニスP》!」
《竜剣士ダイナマイトP》(守)
☆4 水属性・機械族/ペンデュラム/効果
ATK:1700/DEF:1800[◆6◇]
《竜剣士イグニスP》(守)
☆4 炎属性・戦士族/ペンデュラム/効果
ATK:1700/DEF:1900[◆7◇]
あの輝いている目を見た時、自分がしたことは誤りだと、そう感じた。感じ取ってしまった。いや、日暮が言ったように「何が正しいか」などどうでも良いのかもしれない。ただ、否定の刃を振り下ろそうとした時、自分の中にあるデュエルの価値がボロボロに傷ついてしまうのがわかった。
日暮「ぼくはフィールド魔法《天空の虹彩》の効果を発動。
…Pスケールにセッティング済みの《解放のアリアドネ》を破壊し、デッキから《オッドアイズ・アドベント》を手札に加える。
…ここで《解放のアリアドネ》の効果を発動するんだけど…遊大くん?」
展開を続ける日暮、それを前に俯く遊大を見て語りかけた。
当たり前だ。ターンを回したっきり、自分の口数もアクションもめっきりとなくなってしまっている。彼のデュエルを見ていないわけではない。だた自分の中でめぐる思考が、迷いが、体をそうさせてしまった。
遊大「…ああ…わかっているよ。」
日暮「…ありがとう。
《解放のアリアドネ》の効果を発動。《神の宣告》《神の通告》そして《一撃離脱》を公開し、相手の選んだカードを手札に加える。
…選んでもらうよ。遊大くん。」
ソリッドヴィジョンによって映し出される3枚のカードが、遊大の集中をデュエルに引き戻す。《神の宣告》、《神の通告》、《一撃離脱》。誰しもが知り得るそのカウンター罠たちの中に、1枚だけ遊大ですら知らないカードが混じっていた。
遊大(召喚・特殊召喚と魔法罠を咎める《神の宣告》…その性能をモンスターに特化させた《神の通告》。そして…知らないカードだ。《一撃離脱》…バトルフェイズ終了時にメインフェイズ2をスキップさせるカードか。
だめだ…!今は迷ってる暇なんかない…ここで勝つ必要が、おれにはある!そのためには…今はガムシャラさが必要だろ!!)
迷っていた思考の霧をはらうようにして、頬を両の手でパチンと叩く。
デュエルで迷った時、思いが乱れた時、いつもそうやって自分に喝を入れるようにしていた。いつの日か自分に投げかけられた仲間たちの思い。そのルーティンが、それを思い出させてくれるから。
遊大「…おれは《一撃離脱》を選択!」
日暮「…!!」
遊大「おれ…迷っていたんだ。
お前を否定しようとして、それで吹っ飛ばされそうになって、でも理解も…できなかった。…いや、今もできちゃいない。そればっかりか、このデュエルで、お前に何を伝えればいいかすらわかってないんだ。
でもこれはお前とおれのデュエルで、おれが何を思おうと時間は止まっちゃくれない。
…だから迷ってても戦うよ。全力で!!」
俯いた顔を上げ、真っ直ぐに日暮に答えた。俯いた彼に声を落としていた日暮の顔にも柔らかな笑顔が灯った。
遊大は思っていた。未だ自分の中に、このデュエルに込めるものに迷いはある。確かに迷っている自分はここにいる。日暮を否定することも、理解することもできなかった自分を背負った今の自分がここにいる。でもだからこそ、夢中に戦う必要がある。
日暮「…そっか…そうだね。
迷っていても向き合ってくれるキミは…やっぱり優しい。
…だったらぼくにできることは…。」
答えを言い淀んだ彼を見て、何かが見えかかけたような気がした。何もわからなかった日暮の彼の持つ棘の鎧が、その鎧の中にある心が、見え隠れしたような気がした。
虹色に輝く虹彩のフィールドが光の塵となって姿を変えていく。空が黒く染まり、天より、幾つもの剣が、日暮を中心としてフィールドに降り注いだ。
日暮「ぼくは発動中の《天空の虹彩》を墓地に送り、《ドラゴニックP》を発動。」
それに応えるようにして、デュエルディスクをガッと天へと掲げる。EXデッキの収納が音を立てて開き、1枚のカードが日暮の手に握られる。
日暮「《竜剣士イグニスP》の効果で特殊召喚したモンスターは、チューナー扱いとなる。
…ぼくはレベル4の《竜剣士イグニスP》に、同じくレベル4チューナー扱いの《竜剣士マジェスティP》をチューニング!!」
彼の前に構える炎と風の剣士が、その刃を振いながら光となって一つになっていく。炎の剣は4つの光輪を描き、その中心を旋風と光が突き抜ける。
日暮「烈火宿し竜の剣煌めかせ、その赫焔で敵を討て。シンクロ召喚!
レベル8《爆竜剣士イグニスターP》!」
フィールドに降り注ぐ白緑の閃光はやがてその色を赫く変え、巨大な翼を翻す一人の竜剣士の影を描き出した。弾ける炎。《オッドアイズ》でも《EM》でもない、紛れもなく彼自身のエースモンスター格のその存在にフィールド全体が震撼する。
《爆竜剣士イグニスターP》(攻)
☆8 炎属性・ドラゴン族/シンクロ/効果
ATK:(2850)→3150/DEF:0
日暮「ぼくは《イグニスターP》の効果を発動。
セッティングされた《ラスターP》を破壊し、《超化合獣メタン・ハイド》をデッキに戻す。イグナイト・スティグマ!!」
剣が凄まじい熱気を帯び、《爆竜剣士イグニスターP》が、それをフィールドに勢いよく突き立てた。ひび割れた大地からは火花の波が導火線のように、血管のように巻き上がり、《超化合獣メタン・ハイド》の元まで瞬く間に侵食していく。
大地に刻み込まれた聖痕は弾ける炎と無数の刃を飛び散ったマグマのように突き立て、ついにその体を貫いた。
ディスクからパチンと音を立てて遊大のカードが宙に弾かれた。
遊大「…デッキバウンス!」
日暮「さらに…《ドラゴニックP》の効果を発動。
《竜剣士》が効果を発動したことで、このカード自身を破壊する。」
フィールドに突き立てられた無数の刃。色とりどりの輝きを放つその中にある、禍々しいオーラを放つ一本の剣を、ゆっくりと引き抜いた。映し出された剣と暗色の空は音を立てて砕け散り、手に握られたそれだけが残っていた。
日暮「《ドラゴニックP》が破壊された時、デッキから《竜剣士》カード、または《竜魔王》カードを手札に加える。
…ぼくは《虚竜魔王アモルファクターP》を手札に加えるよ…!!」
手に握られた禍々しい一本の刃。それは黒い稲妻を放ちながら一枚のカードへと姿を変える。まるで《ドラゴニックP》によってフィールドに突き立てられた幾つもの剣が、そのカードを示しているかのようだった。
遊大(また儀式モンスター…!)
日暮「ぼくは《爆竜剣士イグニスターP》の、もう一つの効果を発動。
…デッキから現れろ!《竜剣士マスターP》!」
《竜剣士マスターP》(守)
☆4 光属性・ドラゴン族/ペンデュラム/通常
ATK:1950/DEF:0[◆3◇]
日暮に残された手札は3枚。しかしそこにあるのは公開情報のみ。防ぎようなどなくともその異様なオーラを放つそのカードに気づかないはずなどなかった。そのカードを握っているだけで、空気さえ震える。今までの遊大ならば、今までの自分であれば、その存在の恐怖に震え、腰を抜かしへこたれていたかもしれない。
遊大「…こえーよ!こえーけど…見せてくれ!!」
日暮「これが《オッドアイズ》、そして《竜剣士》を繋ぐ力。
今こそ重なり交わり、魔の竜王さえ従えて魅せろ。
儀式魔法…《オッドアイズ・アドベント》!!」
《天空の虹彩》の力。すなわち《オッドアイズ》の力によって彼の手に加えられたそのカードがゆっくりと胎動する。上空に聳える巨大な振り子は揺らぎ、モノクロの黒色の輝きを放ちながらその門を映し出す。
日暮「禍々しくも美しきその瞳輝かせ…時すら…世界すら、塗り変えろ!!
…儀式召喚!《虚竜魔王アモルファクターP》!!!」
黒い稲妻が、二人を色のない輝きで照らし出す。そこに光があるのかすらわからないほどに黒く、それが闇なのかすらわからないほどに白い稲光。轟音と共に世界が色彩を消し、目に映る全てがモノクロへと染まっていく。
轟く雷光の中で、重く苦しい咆哮が彼らの鼓膜を貫いた。色のない世界の中で、赤黒く輝くその二つの目だけが光った。真っ直ぐに睨みつけるそれは、その光は、じわじわとそのモンスターの全貌を明らかにしていく。
今までに対峙したどのモンスターよりも強大で、邪悪で、そして虚しさすら覚えるほどに飢えた瞳。
《虚竜魔王アモルファクターP》(攻)
☆8 闇属性・ドラゴン族/儀式/効果
ATK:2950/DEF:2500
遊大「…虚竜…魔王!!」
そのモノクロの世界の中にある日暮の表情が、目についた。
優しい微笑みを見せながらも、その瞳に映るのは自分の姿のみで、しかしどこか悲しそうなその瞳。竜の魔王と同じように、虚に見えながらも何かを求めるその瞳。
日暮「さっき…言いかけたことがあったよね。」
ぽつ、とモノクロの世界の中で日暮は口を開いた。
日暮「迷っているキミに…ぼくができることは、選択を急がせることだけだ。」
遊大「おれの…選択。」
日暮「…キミが理解しようと拒もうと、ぼくはキミのエンターテイメントを、輝きを見れればそれでいい…だからこれは利己なんだよ。
でも理解が…キミのその選択がこのデュエルに色彩を与えるなら…ぼくは「勝ちに行く」ってキミの言葉で、キミに選択を迫る……。」
その瞳とその言葉を、胸に焼き付けた。
迷っているのは、自分だけではない。理解か否定か、その狭間で思いを巡らせる内に、自分のデュエルに「魅せられたい」という理由とはいえ、日暮自身にも迷いを伝播させていた。それでも自分がガムシャラに戦うと豪語したから、今こうして彼は選択を迫っている。今こうして、不器用に背中を押している。
遊大「ありがとう…じゃあもう、やることは決まったよ…!」
このデュエルが始まった時に理解できていなかった彼の言葉は、彼自身が遊大の「勝利する」という言葉を使って訴えかけたからこそ、今、遊大の中で迷いの霧が晴れた。
諦めないことだけが、それだけが自分の取り柄だった。デュエルも、そして理解も、最初に投げ出したその選択に今一度手を伸ばし、そしてその胸の中で、このデュエルでなさねばならないことがはっきりとわかった。
日暮「バトル…!」
お互いを真っ直ぐに見つめ、その瞳の中に炎を宿す彼らを、その一言がデュエルへと引き戻す。色を失った世界の中で、同じ炎の剣を携えた2人の剣士がその刃を交える。《フェニックス・ギア・フリード》と《爆竜剣士イグニスターP》、2つの剣は、幾度となく重い金属音を放ちながらぶつかり合う。
《爆竜剣士イグニスターP》(ATK:2950)
《フェニックス・ギア・フリード》(ATK:2800)
樋本 遊大 LP:6000→5850
バキン…!と、鈍い音を立てて砕け散ったのは、《フェニックス・ギア・フリード》の方であった。ディスクから敗北の足音のように、その電子音は鳴り響く。これでフィールドのモンスターはゼロ。そのLPを噛みちぎろうとばかりに、巨大なその大顎を開けドス黒い声をフィールドに轟かせた。
日暮「《虚竜魔王アモルファクターP》の直接攻撃…!
…殲滅のプリズムファクター!!」
その大顎に黒い雷撃が迸り、それを吐き出すでもなく地面を破りながら遊大の元へと飛びつく。目の前に轟くモノクロの閃光と太く鋭利な牙。相手に殺意すら覚えているほどに惨たらしい攻撃が、遊大のライフを、文字通り噛みちぎった。
《虚竜魔王アモルファクターP》(ATK:2950)
樋本 遊大 LP:5850→2900
遊大「うぉああぁああああーーーっ!!!」
遊大の体が大きく背後へ吹っされた。しかしその顔にはさっきまでの迷いはなく、デュエリストとして向き合おうとする真っ直ぐな目があった。
遊大「いってェじゃねえか…LPが!!」
日暮は最後の手札となるカードを1枚、フィールドにセットした。虚な目の中に、遊大という小さな灯火があった。日暮ですら知っている、その小さくも燃ゆる強い炎。小さく、確かにそこにあるからこそ、その目には哀しみが芽生えていた。これから起こることを、知っているから。
日暮「ぼくはこれで…ターンエンド。」
TURN:4
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP :2900
手札 :1→2
モンスター:
魔法罠 :《工作箱》
フィールド:《化合電界》
日暮 振士
LP :5400
手札 :0
モンスター:《爆竜剣士イグニスターP》《虚竜魔王アモルファクターP》
魔法罠 :セット×1
Pゾーン :◆ ◇
フィールド:
遊大「おれのターン!」
デッキからカードの刃を引き抜く。
パキ…!
その瞬間にその異常に否応なく気付かされることとなる。
遊大「なっ…!!」
ひび割れるモノクロの視界の中で、日暮の悲しそうな目だけが映っていた。消えゆく音のと光の中で、小さな言葉だけが自分の胸に刻まれていく。
日暮「…ありがとう…ぼくの全力、受け止めてね。」
それは声援か、後悔か、哀愁か、同情か。彼の全力が、立ち上がった遊大をモノクロの世界へと引き込む。
続く
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75 | 0話 プロローグ | 1019 | 1 | 2020-10-25 | - | |
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110 | 3話 黒き刺客たち | 932 | 3 | 2020-11-14 | - | |
90 | 4話 暗く冷たく | 728 | 0 | 2020-11-23 | - | |
78 | 5話 己の意思で | 715 | 0 | 2020-12-24 | - | |
84 | 6話 廃材の竜/炎の戦士たち | 729 | 0 | 2020-12-30 | - | |
65 | 7話 スタート地点 | 692 | 0 | 2021-01-15 | - | |
79 | 8話 タッグデュエル-その0- | 699 | 0 | 2021-01-21 | - | |
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74 | 9話 タッグデュエルー①ー 竜呼相打つ | 590 | 0 | 2021-02-09 | - | |
74 | 10話 タッグデュエル-②- 重撃 | 659 | 0 | 2021-02-09 | - | |
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70 | 13話 死の領域を突破せよ! | 672 | 0 | 2021-04-13 | - | |
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65 | 23話 原初の雄叫び その② | 599 | 2 | 2022-05-04 | - | |
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41 | 29話 黒い暴虐 | 297 | 0 | 2023-07-20 | - | |
61 | 30話 決闘の導火線 | 500 | 2 | 2023-07-30 | - | |
36 | 登場人物紹介 〜光妖中編〜 | 363 | 0 | 2023-08-03 | - | |
34 | 31話 開幕!決闘王杯! | 272 | 0 | 2023-08-12 | - | |
36 | 32話 ガムシャラ | 418 | 2 | 2023-08-25 | - | |
28 | 33話 目覚める龍血 その① | 285 | 2 | 2023-09-02 | - | |
36 | 34話 目覚める龍血 その② | 312 | 2 | 2023-09-06 | - | |
58 | 35話 雨中の戎 その① | 430 | 4 | 2023-09-19 | - | |
26 | 36話 雨中の戎 その② | 261 | 2 | 2023-09-23 | - | |
30 | 37話 チャレンジャー | 389 | 2 | 2023-09-30 | - | |
52 | 38話 心に傘を | 394 | 2 | 2023-10-07 | - | |
28 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 349 | 3 | 2023-10-22 | - | |
31 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 322 | 2 | 2023-10-26 | - | |
46 | 41話 花と薄暮 | 399 | 2 | 2023-10-30 | - | |
34 | 42話 燃ゆる轍 その① | 368 | 2 | 2023-11-07 | - | |
29 | 43話 燃ゆる轍 その② | 274 | 1 | 2023-11-09 | - | |
30 | 44話 襷 | 268 | 1 | 2023-11-14 | - | |
25 | 45話 星を賭けた戦い | 362 | 3 | 2023-11-17 | - | |
29 | 46話 可能性、繋いで その① | 317 | 2 | 2023-11-28 | - | |
36 | 47話 可能性、繋いで その② | 302 | 2 | 2023-12-07 | - | |
29 | 48話 揺れろ。魂の… | 247 | 2 | 2023-12-28 | - | |
29 | 49話 エンタメデュエル | 272 | 2 | 2024-01-07 | - | |
38 | 50話 乗り越えろ! | 316 | 3 | 2024-01-26 | - | |
61 | 51話 Show Me!! | 324 | 0 | 2024-02-01 | - | |
31 | 52話 モノクロの虹彩 | 374 | 1 | 2024-02-08 | - | |
34 | 53話 激昂 | 272 | 2 | 2024-02-22 | - | |
28 | 54話 火の暮れる場所 その① | 228 | 0 | 2024-03-02 | - | |
53 | 55話 火の暮れる場所 その② | 340 | 2 | 2024-03-07 | - | |
31 | 56話 赫灼の剣皇 | 337 | 2 | 2024-03-11 | - | |
45 | 57話 金の卵たち | 246 | 2 | 2024-03-18 | - | |
31 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 217 | 0 | 2024-03-20 | - | |
44 | 58話 一生向き合うカード | 318 | 2 | 2024-03-24 | - | |
32 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 271 | 0 | 2024-03-31 | - | |
40 | 59話 強くならなきゃ | 303 | 2 | 2024-04-03 | - | |
33 | 60話 竜を駆るもの | 174 | 0 | 2024-04-20 | - | |
55 | 61話 竜を狩るもの | 310 | 2 | 2024-04-22 | - | |
38 | 62話 反逆の剣 | 202 | 2 | 2024-04-26 | - | |
35 | 63話 血の鎖 | 276 | 1 | 2024-05-01 | - | |
48 | 64話 気高き瞳 | 344 | 2 | 2024-06-02 | - | |
25 | 65話 使命、確信、脈動 | 315 | 2 | 2024-06-16 | - | |
33 | 66話 夜帷 | 225 | 0 | 2024-07-14 | - | |
30 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 259 | 2 | 2024-07-18 | - | |
28 | 68話 陽は何処で輝く | 216 | 2 | 2024-07-30 | - | |
27 | 69話 血みどろの歯車 | 263 | 2 | 2024-08-16 | - | |
25 | 70話 災禍 その① | 220 | 2 | 2024-08-28 | - | |
28 | 71話 災禍 その② | 226 | 2 | 2024-09-01 | - | |
24 | 72話 親と子 | 153 | 2 | 2024-09-09 | - | |
27 | 73話 血断の刃 | 149 | 2 | 2024-10-10 | - | |
30 | 74話 血威の弾丸 | 184 | 2 | 2024-10-17 | - | |
24 | 75話 炉心 | 124 | 0 | 2024-11-01 | - | |
22 | 76話 ひとりじゃない | 139 | 2 | 2024-11-03 | - | |
22 | 77話 春風が運ぶもの | 131 | 2 | 2024-11-06 | - | |
14 | 78話 天道虫 その① | 109 | 2 | 2024-11-19 | - | |
7 | 79話 天道虫 その② | 52 | 0 | 2024-11-21 | - |
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- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 11/24 09:38 評価 2点 《ドングリス》「検索してはいけない言葉では無くドングリ+リスの…
- 11/24 08:28 評価 7点 《未来への思い》「《星に願いを》との併用前提。一匹高レベルを入…
- 11/24 08:05 評価 7点 《星に願いを》「このカード、どうも《未来への思い》との併用を狙…
- 11/24 07:53 SS 第26話:無謀で楽観的な思考
- 11/24 07:27 評価 5点 《星に願いを》「ゼアル時代にわんさか出てきたレベル変動魔法の中…
- 11/24 07:13 評価 10点 《CNo.62 超銀河眼の光子龍皇》「最高のフィニッシャーカー…
- 11/24 06:37 デッキ 裂け目の上でソリティアする里ヴァルモニカ
- 11/24 03:22 評価 2点 《燃えさかる大地》「可愛い効果しやがって...(バーン)やっちゃ…
- 11/24 01:29 評価 8点 《大翼のバフォメット》「強いバフォメット。 効果の方も本家《バ…
- 11/24 00:45 評価 10点 《幻惑の見習い魔術師》「「皆さん、ご無沙汰しております。キマ…
- 11/24 00:40 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 11/24 00:16 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 11/24 00:16 評価 9点 《ジェット・ウォリアー》「露払いやランク5の展開もできる無難に…
- 11/23 21:49 評価 6点 《モロコシーナ》「《ドットスケーパー 》でも似たようなことはで…
- 11/23 20:05 評価 4点 《暗遷士 カンゴルゴーム》「場で対象に取る効果を他の場のカード…
- 11/23 20:00 ボケ スキヤナーの新規ボケ。好きやなー …(大寒波)
- 11/23 19:57 評価 9点 《城壁》「《妖精伝姫-カグヤ》《妖精伝姫-シラユキ》を《大霊術…
- 11/23 18:46 評価 5点 《拡散する波動》「最上級の《魔法使い族》に全体攻撃を付与できる…
- 11/23 17:30 評価 10点 《ブラック・ガーデン》「 もはや悪用される為に存在するまであ…
- 11/23 16:59 デッキ トマホークべエルゼftk
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儀式を織り交ぜ、オッドアイズに竜剣士が組み込まれたまさしくPの難しさが詰まったようなデッキを操る日暮の実力の高さが伺えますね。日暮の狂気のいまだ理解の及ばない遊大ですが、理解できない相手を拒絶する事への抵抗も見えていました。デュエルへまっすぐな想いを持つ遊大だからこそ、歪んだ想いを持つ日暮とのデュエルが少し苦しくもあるのかもしれませんね…。
迷いを振り払った遊大が巻き返すべくカードを引いたターン4。それに対し悲し気な日暮の呟く彼の全力…。
遊大はモノクロな日暮の世界に、真っ向から色彩を与えてくれそうな気もしていまね。まだまだ一波乱ありそうな彼らのデュエル…次回が気になる所です! (2024-03-07 22:26)
唯一の《EM》であるクラシックリボー…実に作品映えする効果なんですよね。墓地からの発動で意表をつけてかつ、何よりも彼の大切なカードであるという事実。
そしてお気づきになられたようですが、やっぱり彼のデッキは他の人のそれと比べてもかなり難易度とデッキパワーが上のものになっています。書いてるこちらの知識も試されている気さえしてきます…!
真っ直ぐな遊大と歪み切った日暮。彼が見出すのは否定か理解か、その先に彼らが取る行動は…!そしてアモルファクターPと1枚のセットカード、モノクロの世界とは!
いつも読んでいただいてありがとうございます!モチベに繋がっております!
次回もお楽しみに! (2024-03-10 04:25)