交流(共通)
メインメニュー
クリエイトメニュー
- 遊戯王デッキメーカー
- 遊戯王オリカメーカー
- 遊戯王オリカ掲示板
- 遊戯王オリカカテゴリ一覧
- 遊戯王SS投稿
- 遊戯王SS一覧
- 遊戯王川柳メーカー
- 遊戯王川柳一覧
- 遊戯王ボケメーカー
- 遊戯王ボケ一覧
- 遊戯王イラスト・漫画
その他
遊戯王ランキング
注目カードランクング
カード種類 最強カードランキング
● 通常モンスター
● 効果モンスター
● 融合モンスター
● 儀式モンスター
● シンクロモンスター
● エクシーズモンスター
● スピリットモンスター
● ユニオンモンスター
● デュアルモンスター
● チューナーモンスター
● トゥーンモンスター
● ペンデュラムモンスター
● リンクモンスター
● リバースモンスター
● 通常魔法
永続魔法
装備魔法
速攻魔法
フィールド魔法
儀式魔法
● 通常罠
永続罠
カウンター罠
種族 最強モンスターランキング
● 悪魔族
● アンデット族
● 雷族
● 海竜族
● 岩石族
● 機械族
● 恐竜族
● 獣族
● 幻神獣族
● 昆虫族
● サイキック族
● 魚族
● 植物族
● 獣戦士族
● 戦士族
● 天使族
● 鳥獣族
● ドラゴン族
● 爬虫類族
● 炎族
● 魔法使い族
● 水族
● 創造神族
● 幻竜族
● サイバース族
● 幻想魔族
属性 最強モンスターランキング
レベル別最強モンスターランキング
レベル1最強モンスター
レベル2最強モンスター
レベル3最強モンスター
レベル4最強モンスター
レベル5最強モンスター
レベル6最強モンスター
レベル7最強モンスター
レベル8最強モンスター
レベル9最強モンスター
レベル10最強モンスター
レベル11最強モンスター
レベル12最強モンスター
デッキランキング
45話 星を賭けた戦い 作:コングの施し
決闘王杯・チバ県予選。遊大を除く東雲中の律歌、阿原、嬢、龍平の4人が戦ったその舞台。そしてその優勝を収め、全国への切符を手にしたのは龍平であった。
同時に彼らが手にしたのは『アカデミア合宿』の権利。早朝から走り出したバスが彼らを童実野市へと運ぶ。
~
『ああ。それなら大丈夫。どうせ減るから。』
ましろが発したその言葉、その意味が今、否応なく事実として突き付けられることで明るみになる。
東雲中の決闘部生徒、遊大、嬢、阿原、律歌。そして県予選を優勝し、決闘王杯・全国大会への切符を手にした龍平が、バスに揺られて『アカデミア合宿』の舞台となる童実野市へと向かっていた。
遊大「改めて、県予選優勝おめでとな、龍平。
お前が全国行くからって置いて行かれたりしないからな、おれ。」
朝早かったからなのか、龍平は眠い目を擦りながらゆっくりと答える。
龍平「ああ。どうも。そのために合宿についてきたんだろ。
…しかしまあ決闘連盟も太っ腹だよな。一校に一台送迎バス用意だなんて。」
そんなことを話していると、時計の針が午前の9時を指した。それと同時に、童実野市内の路上でバスが止まる。
阿原「…あぁ?バスが路駐?」
なんの予兆もなく止まったバスに一同は困惑を隠せない。そんな彼らのデュエルディスク、そしてバスに備え付けてあった液晶テレビが一斉に起動し、ある1つの映像を流し始める。
『おはよう。
決闘王杯・都道府県予選を通過し、全国本戦への切符を手にした猛者たち。それと、そのお仲間の君たち。ようこそ、童実野市へ。』
液晶の奥で話す1人の老人。白髪に眼鏡をかけ、和装の彼を見て、遊大と龍平は戦慄した。
「「御子柴 皇一!!」」
御子柴 皇一(みこしば こういち)。
現在プラチナ2級のプロデュエリストの1人にして62歳という現役最年長の記録を持った決闘者。その実力の高さから、テレビや雑誌では『ダイヤ級に住まう物の怪』の異名を持ち、実力の切磋と移り変わりが激しいプロの世界で15年以上もの間、降級することも無くダイヤ級に留まり続けている。
遊大と龍平はもちろん、その場にいる全員が、その存在を当然のように認知していた。その生ける伝説とも言える決闘者が、液晶の奥から自分たちを見つめている。
『えーっと、現在時刻は9時。
バスが止まっちまってるわけだが、それは他の参加者も同じなんだ。というかこの放送は全部のバスに流しているからね。』
阿原「なるほどな。一校に一台送迎バスを出してたのはそういうワケかよ。で、何をおっぱじめるつもりだ?」
『担当直入に言わせてもらうと、今からサバイバル形式でデュエルをしてもう。
今からバスを降りて童実野市中心にある「アカデミア本校」を目指してもらうんだが、その過程で900人強の君たちはスターチップを賭けて争ってもらうワケだ。
まあ所謂アカデミア合宿予選、名付けて「王国の記憶・スターチップ争奪戦」ってやつだねぇ。』
ましろは腕を組みうっすらと笑みを浮かべながら動揺する生徒たちを見つめている。そしてその彼女に冷ややかな視線を送る律歌。
律歌「先生、知ってましたね。コレ。」
『最初に全員に与えられるスターチップは3つ。そしてアカデミア校門をくぐるのに必要なチップは10個。勝者は敗者から1つチップを奪う。つまり最短でも7連勝。
そして制限時間は13時までの4時間だ。突破できなかった人は、悪いが今年の合宿はお引き取り願おうかな。』
つまり4時間の間に童実野市内を駆け、アカデミア本校を900人以上のデュエリストが目指す。
そしてその中で10個のスターチップを集めた者だけが合宿への参加を許される。
ましろ「ふふっ、相も変わらず鬼畜だな。
都市伝説の王国編は48時間だろうが。4時間で同じことやらすか?」
ましろの『どうせ減るから』の意味を、その場にいる全員が理解した。明らかに厳しいルールであった。そしてこの場所に来ているということは、参加者の5人に1人は、龍平のように都道府県予選を突破し、全国への道に立っているデュエリスト。
『最短ストレート7連勝』ということが、本当にその中の一握りの者しか達成しえないことだということも、彼らは暗に理解した。
『そうだなあ。補足事項として伝えといたほうがいいのは、「同じ人と複数回、またはチップの差が3つ以上の人とはデュエルできないこと」。あと「スターチップが10個になっても普通に決闘を挑まれること」。
あとは~、「お昼ご飯は13時にアカデミアの校門をくぐった人にしかないこと」、かねぇ。』
嬢「厳しい条件ですね…。多分1割も突破できない。」
阿原「だがこの状況だ。全国大会を控えている選手にスターチップを譲る、ってのがどこの学校も考えそうなことだよな。オレはもしそうなっても抵抗するけどな。」
そう言うと、阿原は横目で龍平を見つめた。東雲中における全国進出者は龍平。この合宿自体が、彼の戦績によって参加できているもので、それは他の学校でも例外ではない。「全国大会出場者、およびその選手と同じ学校から4名まで」の参加条件であれば、彼の考えは当然の帰結であった。
龍平「別に、俺だってそんなのいらないです。自力で行きますよ。」
『あ~。そうだ。
おれ、全国に進む選手だからって優遇するのとか嫌いなんだよね。だから、同校での潰し合いとかはあんまりおススメしない。だってこれ、正式名称は「決闘連盟主催・全国決闘者発掘育成キャンプ」だからねえ。
優秀だとわかってる人材を優遇しちゃあ、発掘も育成もあったもんじゃあ無いわけよ。』
ましろ「…あたしも同感だね。龍平には悪いが、同校で争うのはやめよう。」
律歌「そうだね。私も賛成。というより、多少バラけた方がいいと思うよ。タッグやチームでのデュエルじゃないなら、本当に個人でアカデミアを目指すほうがいいんじゃない?」
作戦会議の間も、時間は待ってくれない。御子柴の『それじゃあ始めようか。13時に、アカデミア本校で会おう。』という言葉と共に、映像はぷつっと途切れた。
遊大「…始まった。って、良くわかってないんだけど、どういうこと?」
遊大は自分のデュエルディスクを見つめ、首を傾げる。そんな彼の横におしりをずらして移動する律歌。彼女はディスクの液晶、その右上に表示された3つの星を指さした。
律歌「多分、これがスターチップ。
今からアカデミア本校を目指しながら道行く参加者とデュエルをして、勝つと一個増えて、負けると一個減るんだよ。で、13時までに、10個スターチップを持ってアカデミア校門をくぐることがこの合宿の参加条件…て、わかった?遊大。」
遊大「た、たぶん。とにかく、この星が10個になるように戦えばいいんですよね!」
阿原「まァ、それでいいだろ。」
ざっとルールのおさらいを終えると、ましろがパチンと手を叩いた。
ましろ「あたしは生徒じゃない。だから争いも助けもしないが、そろそろバスを降りたほうがいいぞ。時間は待っちゃくれない。」
龍平「…そうですね。」
その言葉に、みながぞろぞろとバスを降りていく。そして街の中を見回しても、普通の住人はいないようだった。朝日が差し込み、いかにも普段は忙しく動きそうな街だというのに、困惑するほどに人がいない。
しかしそんな中、ビルの内窓から見える『がんばれデュエリストたち!』のポスターや、垂れる応援メッセージの垂れ幕が目に入った。
律歌「…やっぱ昔からデュエルを中心に回っている街ってだけあるね。これだけ大きなイベントがあると、ほんとに街自体が協力的なんだ。」
阿原「じゃあ尚更、ここを抜けねえわけにはいかないよな。」
話している内に、ぞろぞろと同年代くらいの者達が、デュエルディスクを手に現れる。
そう。自分たちと同じく、10個のスターチップを手にアカデミアに行くことを目標とする参加者たちであった。
遊大「出てきましたね…。今からアイツらを倒さなきゃいけない。」
阿原「…ああ。負けんなよ。」
律歌「そうだね。みんな、お昼はアカデミアで食べよーね!」
嬢「はい!絶対負けないですっ!」
龍平「じゃあ、行きましょうか。また、13時にアカデミアで…!」
そう言って、彼らはお互いを背にして走り出す。4時間の激闘、「王国の記憶・スターチップ争奪戦」が幕を開けた…!
~
時刻 9:04
『樋本 遊大 アオメ市立東雲中学校1年 決闘王杯・アオメ市予選ベスト32 ☆:3』
走り出して数刻。「待ちなさいキミ。」という声で、遊大の足が止まった。いや、止めてしまった。
その一瞬の隙に、遊大のデュエルディスクが甲高い電子音と共に起動する。
『デュエルを開始します。』という音声メッセージと共に、画面が自動的に切り替わり、対戦相手の名前、そして決闘王杯での最終戦績が表示される。
『蜂谷 加奈子 私立蟻原中学校3年 決闘王杯・グンマ県予選2位 ☆:3』
振り返った先にいる、1人の女子。黒緑色のセーラー服におかっぱの髪型、そして蜂蜜色のデュエルディスクをまっすぐに遊大の方へと構えている。
蜂谷「キミ、市内予選までしか戦えていないね。悪いけどウチも必死なんだ。」
遊大「なぁーるほどな!あんま強そうじゃないやつを狙ったほうが効率的だもんな!」
そう言うと、遊大は勢いよくデッキをデュエルディスクに差し込む。勢いよくシャッフルされるデッキから5枚のカードが飛び出し、同時に2人を囲む世界が色を変えていく。
「「デュエル!!」」
TURN:1
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
蜂谷 加奈子
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
遊大「おれの先攻!フィールド魔法《化合電界》を発動!!」
赤と青、閃光と稲妻が駆け、流れ、塗り替わっていく世界。そして始まる新しいデュアルと共に奏でる彼のデュエル。
続く
同時に彼らが手にしたのは『アカデミア合宿』の権利。早朝から走り出したバスが彼らを童実野市へと運ぶ。
~
『ああ。それなら大丈夫。どうせ減るから。』
ましろが発したその言葉、その意味が今、否応なく事実として突き付けられることで明るみになる。
東雲中の決闘部生徒、遊大、嬢、阿原、律歌。そして県予選を優勝し、決闘王杯・全国大会への切符を手にした龍平が、バスに揺られて『アカデミア合宿』の舞台となる童実野市へと向かっていた。
遊大「改めて、県予選優勝おめでとな、龍平。
お前が全国行くからって置いて行かれたりしないからな、おれ。」
朝早かったからなのか、龍平は眠い目を擦りながらゆっくりと答える。
龍平「ああ。どうも。そのために合宿についてきたんだろ。
…しかしまあ決闘連盟も太っ腹だよな。一校に一台送迎バス用意だなんて。」
そんなことを話していると、時計の針が午前の9時を指した。それと同時に、童実野市内の路上でバスが止まる。
阿原「…あぁ?バスが路駐?」
なんの予兆もなく止まったバスに一同は困惑を隠せない。そんな彼らのデュエルディスク、そしてバスに備え付けてあった液晶テレビが一斉に起動し、ある1つの映像を流し始める。
『おはよう。
決闘王杯・都道府県予選を通過し、全国本戦への切符を手にした猛者たち。それと、そのお仲間の君たち。ようこそ、童実野市へ。』
液晶の奥で話す1人の老人。白髪に眼鏡をかけ、和装の彼を見て、遊大と龍平は戦慄した。
「「御子柴 皇一!!」」
御子柴 皇一(みこしば こういち)。
現在プラチナ2級のプロデュエリストの1人にして62歳という現役最年長の記録を持った決闘者。その実力の高さから、テレビや雑誌では『ダイヤ級に住まう物の怪』の異名を持ち、実力の切磋と移り変わりが激しいプロの世界で15年以上もの間、降級することも無くダイヤ級に留まり続けている。
遊大と龍平はもちろん、その場にいる全員が、その存在を当然のように認知していた。その生ける伝説とも言える決闘者が、液晶の奥から自分たちを見つめている。
『えーっと、現在時刻は9時。
バスが止まっちまってるわけだが、それは他の参加者も同じなんだ。というかこの放送は全部のバスに流しているからね。』
阿原「なるほどな。一校に一台送迎バスを出してたのはそういうワケかよ。で、何をおっぱじめるつもりだ?」
『担当直入に言わせてもらうと、今からサバイバル形式でデュエルをしてもう。
今からバスを降りて童実野市中心にある「アカデミア本校」を目指してもらうんだが、その過程で900人強の君たちはスターチップを賭けて争ってもらうワケだ。
まあ所謂アカデミア合宿予選、名付けて「王国の記憶・スターチップ争奪戦」ってやつだねぇ。』
ましろは腕を組みうっすらと笑みを浮かべながら動揺する生徒たちを見つめている。そしてその彼女に冷ややかな視線を送る律歌。
律歌「先生、知ってましたね。コレ。」
『最初に全員に与えられるスターチップは3つ。そしてアカデミア校門をくぐるのに必要なチップは10個。勝者は敗者から1つチップを奪う。つまり最短でも7連勝。
そして制限時間は13時までの4時間だ。突破できなかった人は、悪いが今年の合宿はお引き取り願おうかな。』
つまり4時間の間に童実野市内を駆け、アカデミア本校を900人以上のデュエリストが目指す。
そしてその中で10個のスターチップを集めた者だけが合宿への参加を許される。
ましろ「ふふっ、相も変わらず鬼畜だな。
都市伝説の王国編は48時間だろうが。4時間で同じことやらすか?」
ましろの『どうせ減るから』の意味を、その場にいる全員が理解した。明らかに厳しいルールであった。そしてこの場所に来ているということは、参加者の5人に1人は、龍平のように都道府県予選を突破し、全国への道に立っているデュエリスト。
『最短ストレート7連勝』ということが、本当にその中の一握りの者しか達成しえないことだということも、彼らは暗に理解した。
『そうだなあ。補足事項として伝えといたほうがいいのは、「同じ人と複数回、またはチップの差が3つ以上の人とはデュエルできないこと」。あと「スターチップが10個になっても普通に決闘を挑まれること」。
あとは~、「お昼ご飯は13時にアカデミアの校門をくぐった人にしかないこと」、かねぇ。』
嬢「厳しい条件ですね…。多分1割も突破できない。」
阿原「だがこの状況だ。全国大会を控えている選手にスターチップを譲る、ってのがどこの学校も考えそうなことだよな。オレはもしそうなっても抵抗するけどな。」
そう言うと、阿原は横目で龍平を見つめた。東雲中における全国進出者は龍平。この合宿自体が、彼の戦績によって参加できているもので、それは他の学校でも例外ではない。「全国大会出場者、およびその選手と同じ学校から4名まで」の参加条件であれば、彼の考えは当然の帰結であった。
龍平「別に、俺だってそんなのいらないです。自力で行きますよ。」
『あ~。そうだ。
おれ、全国に進む選手だからって優遇するのとか嫌いなんだよね。だから、同校での潰し合いとかはあんまりおススメしない。だってこれ、正式名称は「決闘連盟主催・全国決闘者発掘育成キャンプ」だからねえ。
優秀だとわかってる人材を優遇しちゃあ、発掘も育成もあったもんじゃあ無いわけよ。』
ましろ「…あたしも同感だね。龍平には悪いが、同校で争うのはやめよう。」
律歌「そうだね。私も賛成。というより、多少バラけた方がいいと思うよ。タッグやチームでのデュエルじゃないなら、本当に個人でアカデミアを目指すほうがいいんじゃない?」
作戦会議の間も、時間は待ってくれない。御子柴の『それじゃあ始めようか。13時に、アカデミア本校で会おう。』という言葉と共に、映像はぷつっと途切れた。
遊大「…始まった。って、良くわかってないんだけど、どういうこと?」
遊大は自分のデュエルディスクを見つめ、首を傾げる。そんな彼の横におしりをずらして移動する律歌。彼女はディスクの液晶、その右上に表示された3つの星を指さした。
律歌「多分、これがスターチップ。
今からアカデミア本校を目指しながら道行く参加者とデュエルをして、勝つと一個増えて、負けると一個減るんだよ。で、13時までに、10個スターチップを持ってアカデミア校門をくぐることがこの合宿の参加条件…て、わかった?遊大。」
遊大「た、たぶん。とにかく、この星が10個になるように戦えばいいんですよね!」
阿原「まァ、それでいいだろ。」
ざっとルールのおさらいを終えると、ましろがパチンと手を叩いた。
ましろ「あたしは生徒じゃない。だから争いも助けもしないが、そろそろバスを降りたほうがいいぞ。時間は待っちゃくれない。」
龍平「…そうですね。」
その言葉に、みながぞろぞろとバスを降りていく。そして街の中を見回しても、普通の住人はいないようだった。朝日が差し込み、いかにも普段は忙しく動きそうな街だというのに、困惑するほどに人がいない。
しかしそんな中、ビルの内窓から見える『がんばれデュエリストたち!』のポスターや、垂れる応援メッセージの垂れ幕が目に入った。
律歌「…やっぱ昔からデュエルを中心に回っている街ってだけあるね。これだけ大きなイベントがあると、ほんとに街自体が協力的なんだ。」
阿原「じゃあ尚更、ここを抜けねえわけにはいかないよな。」
話している内に、ぞろぞろと同年代くらいの者達が、デュエルディスクを手に現れる。
そう。自分たちと同じく、10個のスターチップを手にアカデミアに行くことを目標とする参加者たちであった。
遊大「出てきましたね…。今からアイツらを倒さなきゃいけない。」
阿原「…ああ。負けんなよ。」
律歌「そうだね。みんな、お昼はアカデミアで食べよーね!」
嬢「はい!絶対負けないですっ!」
龍平「じゃあ、行きましょうか。また、13時にアカデミアで…!」
そう言って、彼らはお互いを背にして走り出す。4時間の激闘、「王国の記憶・スターチップ争奪戦」が幕を開けた…!
~
時刻 9:04
『樋本 遊大 アオメ市立東雲中学校1年 決闘王杯・アオメ市予選ベスト32 ☆:3』
走り出して数刻。「待ちなさいキミ。」という声で、遊大の足が止まった。いや、止めてしまった。
その一瞬の隙に、遊大のデュエルディスクが甲高い電子音と共に起動する。
『デュエルを開始します。』という音声メッセージと共に、画面が自動的に切り替わり、対戦相手の名前、そして決闘王杯での最終戦績が表示される。
『蜂谷 加奈子 私立蟻原中学校3年 決闘王杯・グンマ県予選2位 ☆:3』
振り返った先にいる、1人の女子。黒緑色のセーラー服におかっぱの髪型、そして蜂蜜色のデュエルディスクをまっすぐに遊大の方へと構えている。
蜂谷「キミ、市内予選までしか戦えていないね。悪いけどウチも必死なんだ。」
遊大「なぁーるほどな!あんま強そうじゃないやつを狙ったほうが効率的だもんな!」
そう言うと、遊大は勢いよくデッキをデュエルディスクに差し込む。勢いよくシャッフルされるデッキから5枚のカードが飛び出し、同時に2人を囲む世界が色を変えていく。
「「デュエル!!」」
TURN:1
樋本 遊大(ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
蜂谷 加奈子
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
遊大「おれの先攻!フィールド魔法《化合電界》を発動!!」
赤と青、閃光と稲妻が駆け、流れ、塗り替わっていく世界。そして始まる新しいデュアルと共に奏でる彼のデュエル。
続く
現在のイイネ数 | 27 |
---|
↑ 作品をイイネと思ったらクリックしよう(1話につき1日1回イイネできます)
同シリーズ作品
イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
---|---|---|---|---|---|---|
77 | 0話 プロローグ | 1030 | 1 | 2020-10-25 | - | |
66 | 1話 転入生 | 824 | 0 | 2020-10-25 | - | |
82 | 2話 巨竜の使い手 | 840 | 0 | 2020-10-31 | - | |
79 | 登場人物紹介 〜東雲中編〜 | 893 | 0 | 2020-11-04 | - | |
111 | 3話 黒き刺客たち | 937 | 3 | 2020-11-14 | - | |
91 | 4話 暗く冷たく | 731 | 0 | 2020-11-23 | - | |
80 | 5話 己の意思で | 722 | 0 | 2020-12-24 | - | |
87 | 6話 廃材の竜/炎の戦士たち | 739 | 0 | 2020-12-30 | - | |
68 | 7話 スタート地点 | 703 | 0 | 2021-01-15 | - | |
80 | 8話 タッグデュエル-その0- | 704 | 0 | 2021-01-21 | - | |
73 | タッグデュエル・チームデュエルについて | 642 | 0 | 2021-02-07 | - | |
75 | 9話 タッグデュエルー①ー 竜呼相打つ | 596 | 0 | 2021-02-09 | - | |
76 | 10話 タッグデュエル-②- 重撃 | 665 | 0 | 2021-02-09 | - | |
63 | 11話 託す者 | 617 | 0 | 2021-03-15 | - | |
74 | 12話 紫色の猛者 | 755 | 2 | 2021-04-10 | - | |
71 | 13話 死の領域を突破せよ! | 676 | 0 | 2021-04-13 | - | |
77 | 14話 協奏のデュエル | 672 | 0 | 2021-05-01 | - | |
90 | 15話 刹那の決闘 | 662 | 0 | 2021-05-29 | - | |
106 | 16話 リベリオス・ソウル | 661 | 0 | 2021-06-08 | - | |
80 | 17話 リトル・ファイター | 578 | 0 | 2021-07-22 | - | |
77 | 18話 強者への道、煌めいて | 533 | 0 | 2021-10-30 | - | |
76 | 19話 黒い霧 | 752 | 0 | 2022-01-02 | - | |
63 | 20話 大丈夫! | 523 | 0 | 2022-03-08 | - | |
94 | 21話 魂を繋ぐ龍 | 664 | 0 | 2022-04-03 | - | |
82 | 22話 原初の雄叫び その① | 611 | 2 | 2022-05-02 | - | |
66 | 23話 原初の雄叫び その② | 604 | 2 | 2022-05-04 | - | |
52 | 24話 焼け野原 その① | 446 | 2 | 2022-11-10 | - | |
51 | 25話 焼け野原 その② | 501 | 0 | 2022-11-11 | - | |
42 | 26話 蒼の衝突 その① | 422 | 0 | 2023-02-28 | - | |
45 | 27話 蒼の衝突 その② | 401 | 0 | 2023-03-24 | - | |
51 | 28話 憧れゆえの | 545 | 2 | 2023-04-15 | - | |
42 | 29話 黒い暴虐 | 304 | 0 | 2023-07-20 | - | |
66 | 30話 決闘の導火線 | 515 | 2 | 2023-07-30 | - | |
39 | 登場人物紹介 〜光妖中編〜 | 376 | 0 | 2023-08-03 | - | |
36 | 31話 開幕!決闘王杯! | 278 | 0 | 2023-08-12 | - | |
38 | 32話 ガムシャラ | 425 | 2 | 2023-08-25 | - | |
30 | 33話 目覚める龍血 その① | 295 | 2 | 2023-09-02 | - | |
38 | 34話 目覚める龍血 その② | 322 | 2 | 2023-09-06 | - | |
61 | 35話 雨中の戎 その① | 440 | 4 | 2023-09-19 | - | |
27 | 36話 雨中の戎 その② | 265 | 2 | 2023-09-23 | - | |
32 | 37話 チャレンジャー | 397 | 2 | 2023-09-30 | - | |
53 | 38話 心に傘を | 399 | 2 | 2023-10-07 | - | |
29 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 355 | 3 | 2023-10-22 | - | |
33 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 332 | 2 | 2023-10-26 | - | |
47 | 41話 花と薄暮 | 403 | 2 | 2023-10-30 | - | |
35 | 42話 燃ゆる轍 その① | 378 | 2 | 2023-11-07 | - | |
32 | 43話 燃ゆる轍 その② | 281 | 1 | 2023-11-09 | - | |
32 | 44話 襷 | 276 | 1 | 2023-11-14 | - | |
27 | 45話 星を賭けた戦い | 370 | 3 | 2023-11-17 | - | |
30 | 46話 可能性、繋いで その① | 323 | 2 | 2023-11-28 | - | |
38 | 47話 可能性、繋いで その② | 311 | 2 | 2023-12-07 | - | |
31 | 48話 揺れろ。魂の… | 255 | 2 | 2023-12-28 | - | |
30 | 49話 エンタメデュエル | 278 | 2 | 2024-01-07 | - | |
40 | 50話 乗り越えろ! | 322 | 3 | 2024-01-26 | - | |
64 | 51話 Show Me!! | 337 | 0 | 2024-02-01 | - | |
33 | 52話 モノクロの虹彩 | 383 | 1 | 2024-02-08 | - | |
36 | 53話 激昂 | 278 | 2 | 2024-02-22 | - | |
29 | 54話 火の暮れる場所 その① | 232 | 0 | 2024-03-02 | - | |
58 | 55話 火の暮れる場所 その② | 356 | 2 | 2024-03-07 | - | |
33 | 56話 赫灼の剣皇 | 351 | 2 | 2024-03-11 | - | |
46 | 57話 金の卵たち | 251 | 2 | 2024-03-18 | - | |
33 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 226 | 0 | 2024-03-20 | - | |
45 | 58話 一生向き合うカード | 322 | 2 | 2024-03-24 | - | |
33 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 277 | 0 | 2024-03-31 | - | |
41 | 59話 強くならなきゃ | 307 | 2 | 2024-04-03 | - | |
39 | 60話 竜を駆るもの | 190 | 0 | 2024-04-20 | - | |
59 | 61話 竜を狩るもの | 323 | 2 | 2024-04-22 | - | |
39 | 62話 反逆の剣 | 207 | 2 | 2024-04-26 | - | |
37 | 63話 血の鎖 | 283 | 1 | 2024-05-01 | - | |
50 | 64話 気高き瞳 | 355 | 2 | 2024-06-02 | - | |
26 | 65話 使命、確信、脈動 | 332 | 2 | 2024-06-16 | - | |
34 | 66話 夜帷 | 230 | 0 | 2024-07-14 | - | |
33 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 273 | 2 | 2024-07-18 | - | |
29 | 68話 陽は何処で輝く | 221 | 2 | 2024-07-30 | - | |
28 | 69話 血みどろの歯車 | 286 | 2 | 2024-08-16 | - | |
26 | 70話 災禍 その① | 245 | 2 | 2024-08-28 | - | |
31 | 71話 災禍 その② | 261 | 2 | 2024-09-01 | - | |
25 | 72話 親と子 | 159 | 2 | 2024-09-09 | - | |
31 | 73話 血断の刃 | 166 | 2 | 2024-10-10 | - | |
32 | 74話 血威の弾丸 | 196 | 2 | 2024-10-17 | - | |
25 | 75話 炉心 | 141 | 0 | 2024-11-01 | - | |
24 | 76話 ひとりじゃない | 172 | 2 | 2024-11-03 | - | |
30 | 77話 春風が運ぶもの | 183 | 2 | 2024-11-06 | - | |
20 | 78話 天道虫 その① | 154 | 2 | 2024-11-19 | - | |
19 | 79話 天道虫 その② | 161 | 2 | 2024-11-21 | - | |
33 | 80話 花の海 | 190 | 1 | 2024-12-03 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 12/12 06:25 評価 1点 《牛魔人》「ヤリあるならちっせぇ角攻撃するんじゃなくてそれ使え…
- 12/12 06:13 評価 1点 《コマンダー》「”漢”本田・魂のカード。「コマンドー」じゃないの…
- 12/12 06:02 評価 1点 《魔界植物》「このイラストでいちいち酸とか出さなくていいよ 魔…
- 12/12 05:58 評価 1点 《B・プラント》「実験の被害者なのに大失敗して生まれたばけもの…
- 12/12 05:49 評価 1点 《ホワイト・ホール》「ブラックホールメタ。一応ホール罠なんで蟲…
- 12/12 05:47 評価 1点 《墓場からの呼び声》「墓場からの呼び声なら「蘇生してくれー」っ…
- 12/12 05:41 評価 1点 《誕生の天使》「散々遊んだ後にこいつ出てくるんでしょ...ひどい …
- 12/11 23:41 ボケ 強奪の新規ボケ。ラグビー部のパス練習。
- 12/11 22:00 デッキ ジュラック2024
- 12/11 21:56 SS 23話 掲示板回Ⅱ
- 12/11 20:52 評価 10点 《ドラゴンメイド・チェイム》「魔法罠サーチャー。 自身を蘇生…
- 12/11 18:52 評価 1点 《ドローバ》「テキスト通り気持ち悪いと思う 名前とテキストでド…
- 12/11 14:44 デッキ 宮本卓司容疑者のあおり?激怒のXーセイバー
- 12/11 14:21 評価 5点 《異次元の生還者》「場から除外されるとEF時に帰還するモンスター…
- 12/11 13:21 デッキ 無限メテオ
- 12/11 08:41 評価 7点 《プティカの蟲惑魔》「強いと言えば強いが、蟲惑魔の強化としては…
- 12/11 08:08 評価 5点 《アンブラル・ウィル・オ・ザ・ウィスプ》「レベル変動効果を持つ…
- 12/11 03:32 評価 10点 《竜輝巧-νII》「墓地からも動けるのが良き」
- 12/11 00:19 デッキ 想海のキマイラ号
- 12/11 00:13 評価 6点 《ドロー・マッスル》「総合評価:単に1ドローしても良いし、壁と…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
アカデミアへの参加権を賭ける幕開けの決闘の行末はどうなるのか⁈非常に楽しみにしています。 (2023-11-19 19:47)
そりゃ自然と数が減らざるを得ませんねぇ…。そして、他学校の戦略として挙げられた全国大会へと進むものへの同陣営からの援助…。なんかデュエル強豪校とかが逆にそう言う事よくしてそうなイメージが勝手にあります(偏見。
しかしながら、制限時間4時間に対してクリアまでに最短で7連勝となかなかに高いノルマ設定ですねぇ…。これはかなりの人数が振るいにかけられそうです。
そんなサバイバルに挑む遊大の前に立ちはだかる蜂谷。グンマ予選2位まで進んでいた彼女は遊大が市内予選落ちしていることを把握した上でデュエルを挑んできているとのことで、蟻原中は事前にサバイバルの情報と他校の参加者をリストアップしている可能性もありますねぇ…。
果たして遊大は、部のみんなは合宿まで辿り着けるのか!突如としてデュエルを挑まれるこのサバイバルな感じとかが、自作品とも近く今後がより気になって来る展開です! (2023-11-20 21:46)
>金目鯛融合さん
まさにデス(デュエル)ゲーム!大会とか少年少女の気持ちを書くのも楽しいのですが、やっぱりこういうハラハラできるものも書きたい!って感じですね。東雲中のみんなはしっかりと4時間でチップを集めきれるのか!こうご期待です!
>ランペルさん
やっぱり強い学校ともあれば強い選手の育成に走るのは常ですからね…。そして蜂谷についての考察もしていただいているとは…、しかし情報量は強さ。それを痛感することもこの先あるかもしれませんね…。
いつも読んでいただきありがとうございます!これからもゆったりと楽しんでいただけたら幸いです! (2023-11-28 02:32)