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37話 チャレンジャー 作:コングの施し
全国決闘王杯・市内予選。県大会出場とベスト16を賭けた決闘は、《忍者》デッキの使い手「斬隠 輝久」の勝利と、《デュアル》デッキの使い手「樋本 遊大」の敗北で幕を下ろした。先に進んだ輝久は「待っているよ。」と言い残し、残された遊大は目に涙を浮かべた。己が愚かさを呪い、居ても立ってもいられなくなった遊大は、雨の中会場を飛び出す。しかし、現実に彼を励ます慈悲などなく、大会はベスト8を決める戦いに突入する。
~
『全国決闘王杯・アオメ市予選、ベスト16進出者の名前を発表致します。』
澄んだ女性のアナウンスが、遊大がいない会場に響き渡る。周知の強豪、そして期待の新星。さまざまな名前が連ねられる中、彼らの名前もまた、そこにあった。
『…そして東雲中より、花海律歌さん。阿原克也くん。龍剛院嬢さん。大石龍平くん。』
ベスト16に進出し、県大会への出場を揺るがないものにした者たち。しかし決闘部を率いるましろにも、もちろん部員たちにも、その顔に笑顔はなかった。遊大が飛び出していったそこにはずっと重苦しい沈黙が流れていた。
ましろ「…正直言って、5人中4人が県大会出場は異例だ。これ以上ないほどの結果だが、残念な気持ちがあるのはわかる。ただ、お前たちはこれから先の決闘に…」
集中してほしい。そうましろが言いかけた時、被せるようにして阿原が口を挟んだ。
阿原「当たり前だろ。」
その一言に、彼らの視線が一斉に集まる。
阿原「敗者復活の権利があって、32からでも4人は県に行けたはずだ。それを蹴って飛び出したやつに足引っ張られるとか、オレは御免なんだよ。」
誰も肯定も否定もしなかった。沈黙の中、ただ雨音だけが零れたインクのようにじわじわと染み渡る。
〜
5回戦、ベスト8決定戦が始まる。
抜け出した遊大を置いて、大会は大詰めへと向かっていた。残った16人が8人、4人、そして決勝へと進んでいく。勝利を重ねれば重ねるほど、対戦は厳しく、熾烈を極める。
律歌「まさかキミと当たるとはね~。」
ブレザーの下に着込んだパーカーのフードをスッと下ろす。会場のライトに照らされ、茶色みがかった髪がきらきらと輝く。その視線の先、構えるのは同じく東雲中、1年「大石龍平」。プロデュエリスト「大石竜也」の息子、そして破竹の勢いで数々の強豪を討ち破ってきた新星。
静かに、龍平も口を開く。
龍平「…優勝しますよ。オレ。」
律歌「私もそのつもりだよ?」
普段から口数が多い遊大や阿原とは違って、ぼんやりと過ごすことが多い律歌、そしてクールで寡黙な印象の龍平。2人に共通するのはその静けさだけではない。確かにそこにある、どっかりと構えた圧倒的な『強さ』。ベスト8を決めるその戦いで彼らが衝突しているこの状況こそが、何よりもその証明となっていた。
「「デュエル!」」
掛け声とともにソリッドヴィジョンが足元より広がる。変わりゆく色彩の中、律歌の先攻で決闘の幕が開く。
花海 律歌 (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
大石 龍平
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
律歌「私が先攻だね。ほんとは後攻が得意なデッキなんだけどな。
じゃあ行くよ!《魔境のパラディオン》を召喚!」
《魔境のパラディオン》(攻)
☆3 炎・魔法使い族/効果
400/2000
篝火がぼうっと巻き起こり、その炎に照らされてローブがなびく。帽子を目深にかぶった魔法使いがソリッドヴィジョンで浮かび上がる。
龍平(攻撃力400の攻撃表示…来るか。《パラディオン》の連続リンク召喚…。少なくとも『このデッキ』で対応したことはない。後攻で押し通すためにも弱点を見極める!)
律歌(《パラディオン》の先攻展開。決して堅牢な盤面じゃないけど、この大会で『そのデッキ』は見てきた。手を抜けばきっと次のターンがなくなる。最初から全力でいくよ!)
まごう事なき強者同士のデュエル。その先に待ち受けるのは互いの腹の読みあいか、骨が軋むほどの殴り合いか…。
~
初めてだった。ベスト16というステージに立ち、県大会への切符を手にするなど。ずっと、自分より強い決闘者たちをその眼で見てきた。拳斗に始まり、律歌、龍平、遊大、嬢…東雲中に限った話ではない。光妖中の斬隠輝久、そして目の前に構えるツァン・ディレ…。
阿原は立ち向かう。かつて自分を破った彼女に。チャレンジャーとして。
TURN:2(バトルフェイズ)
ツァン・ディレ (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:2
モンスター:《六武衆の影-紫炎》(攻) 《真六武衆-シエン》(攻) 《真六武衆-カゲキ》(攻)
魔法罠:
フィールドゾーン:
阿原 克也
LP:8000
手札:1
モンスター:《スクラップ・ドラゴン》(攻)
魔法罠:《補給部隊》 セット×2
フィールドゾーン:《スクラップ・ファクトリー》
阿原「Xモンスターの《紫炎》…!!」
阿原がにらみつけるその先、赤い色の畳胴に身を包み、白銀の刀をきらめかせる。それに呼応するようにして、4束の刃をもった武人の攻撃力が上がっていく。
ツァン「ボクは《六武衆の影-紫炎》の効果を発動!フィールドの攻撃力2000未満の《六武衆》モンスターの元々の攻撃力を2000にする!」
《真六武衆-カゲキ》ATK:1700→3500
阿原「攻撃力3500!?」
ツァン「そう!《真六武衆-カゲキ》の効果は攻撃力を1500アップさせるもの!元々の攻撃力が上がれば、当然その数値が加算される!
いくよ!《真六武衆-カゲキ》で、《スクラップ・ドラゴン》に攻撃!」
4つの刃は雷をまとい、廃材の竜の懐へと飛び込んでいく。文字通り雷鳴が響き渡り、瞬く間にその姿はなます切りにされてしまった。
阿原「くっ…!!
だがオレは、《スクラップ・ドラゴン》と《補給部隊》の効果を発動ッ!!」
LP:8000→7500
廃材の竜が大破したその場所から、黒い油がどくどくと湧き上がる。混濁した泉となったフィールドから、さびれた金属の鮫が勢いよく飛び出す。
《スクラップ・シャーク》 (守)
☆4 地・魚族/効果
2100/0
ツァン「…フン。ボクも侮られたもんだよね。いくら壁を増やしても、無駄!
《六武衆の影-紫炎》で、《スクラップ・シャーク》に攻撃!!
焦熱の太刀・影の番!」
赤紫色に染まった刀を鋭く構え、無駄のない動作で素早く斜めに振りかざす。その足元は動いてはいない。瞬間、ソリッドヴィジョンで浮かび上がった《スクラップ・シャーク》のカードが燃え上がった切り口をもって真っ二つになっていた。
ツァン「まだまだ!ボクは《真六武衆-シエン》で、阿原克也にダイレクトアタック!
真・焦熱の太刀!」
甲冑に身を包んだ武将。異様な殺気すら孕んだ刀は、懐から抜き出されると同時に阿原の目に追いつけないほどの速度でその身に飛び込んでくる。目の前の空気が蜃気楼となってじわじわと歪むほどの熱を帯びたその刃。それが自分の身を切り裂こうとした刹那、目の前の光景がゆっくりと止まり始めるのを感じた。
阿原「…前にもあったよなァ…この状況はッ!!」
阿原は、周囲の者達の強さをすでに身体の全てをもって感じ取っていた。今まで戦ってきて、報われてこなかったからこそ、自分の弱さを知っていた。
彼らみな兎みたいで、自分は地を這う亀とか虫なんじゃないかとすら思えた。『うさぎとかめ』の童話のように、サボってくれたらどれほど楽だったか。彼らはサボらない。手を抜かない。だから自分がどれほど努力しても、強者達の背中には届かないと、ずっと思っていた。
しかし、同時に思う。「追いつけないこと」は、「進まない理由」には決してならない。
阿原「…言ったはずだぜ!反省したオレは負けねえ!
罠カード《リジェクト・リボーン》発動!
相手のダイレクトアタック時、バトルを終了させ、墓地からSモンスターとチューナーを1体ずつ特殊召喚する!」
目の前に迫った刃、阿原が握りこんだ1枚がそれと衝突する。オレンジ色の火花が舞い散り、両者の顔が明るく照らされる。
橙に照らされた阿原の顔には笑顔が灯っている。しかし、笑みを浮かべているのはツァンも同じであった。
ツァン「ボクも言ったはずだよ…!悪く思わないでね!
《真六武衆-シエン》の効果を発動!1ターンに1度、魔法罠の発動を無効にして、破壊する!」
競り合った刀とカード。《リジェクト・リボーン》にゆっくりと切れ目が入る。
阿原「2度も同じ失敗はしねえんだよ!カウンター罠《威風堂々》を発動!!
バトルフェイズ中に相手が発動したモンスター効果を無効にして、そのモンスターを破壊する!
《真六武衆-シエン》にはここで倒れてもらうぜッ!!」
ガキンッ…
白銀の刃が鈍い音を立てて弾かれる。吹き飛ばされて彼女の元まで《真六武衆-シエン》が戻っていく。
ツァン「…!!
ボクは墓地の《影六武衆-ゲンバ》の効果を使用!《六武衆》モンスターの破壊を、ゲンバの除外に置き換える!」
阿原「だがこれで、《リジェクト・リボーン》の効果は有効になった!
バトルフェイズを強制終了させ、墓地から2体のモンスターを効果を無効にして呼び出す!
来い!《スクラップ・マインドリーダー》!そして、《スクラップ・ドラゴン》!!」
重苦しい咆哮がフィールドに鳴り響く。金属がこすれるような、軋むような轟音。そして赤い瞳をギラギラと輝かせ、そのモンスターは再び姿を見せた。
《スクラップ・ドラゴン》(守)
☆8 地・ドラゴン族/シンクロ/効果
3000/2200(2800/2000)
《スクラップ・マインドリーダー》
☆1 地・機械族/チューナー/効果
200/200(0/0)
ツァン(…あの練習試合の時の続きってことだね。)
「ボクはカードを2枚セットし、ターンエンド!」
先刻、ましろに放った言葉は嘘ではない。彼の本音であった。自分が強くないからこそ、ここまで背中を追いかけて突っ走ってきた。それが敗者復活を蹴って逃げ出した遊大を見て、どうしようもなく腹が立ってしまった。
相手の背中が離れていたら、もっとガムシャラに、自他を分析して前に進めばいい。追いつけない場所に突き放されることは、逃げていい理由にはならない。
そんな男を見ていたら、自分まで女々しくなる。嫌だった。それだけは。
TURN:3
阿原 克也(ターンプレイヤー)
LP:7500
手札:2→3
モンスター:《スクラップ・ドラゴン》(守) 《スクラップ・マインドリーダー》(守)
魔法罠:《補給部隊》
フィールドゾーン:《スクラップ・ファクトリー》
ツァン・ディレ (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:0
モンスター:《六武衆の影-紫炎》(攻) 《真六武衆-シエン》(攻) 《真六武衆-カゲキ》(攻)
魔法罠:セット×2
フィールドゾーン:
阿原「さァ…!この前の続きだ!オレのターン!!」
ツァン「…くるね!」
フィールドに残された2体のモンスターからにじみ出る殺気。ツァンもそれを感じ取ったようで、半歩だけ退いた。
阿原「オレは、レベル8の《スクラップ・ドラゴン》に、レベル1の《スクラップ・マインドリーダー》をチューニング!
執念秘めたる破砕の竜、その魂を切り分け、理さえも歪めろ!」
裂かれ、軋み、擦れ、歪み、あらゆる破壊をぐちゃぐちゃに混ぜたような禍々しい音がフィールドに鳴り響く。混濁したその場から打ち上げられた星は翠玉色の輪を描き、連ねる光は波打ちながらフィールドに降り注いだ。
「シンクロ召喚!《スクラップ・ツイン・ドラゴン》!」
宙を舞い、ゆっくりと脈打つ幾千もの廃材の波。その奥より、蒼色の瞳を4つ、ぼんやりと輝かせる。そして次の瞬間、甲高い咆哮がフィールドを貫いた。弾けるように波打つ鉄屑が飛び散り、錆色の体躯をうねらせる双頭の竜が姿を見せる。
《スクラップ・ツイン・ドラゴン》(攻)
☆9 地・ドラゴン族/シンクロ/効果
3200/2400(3000/2200)
その轟音はビリビリとフィールドを震わせ、ツァンも思わず片手を耳に押し当てた。
ツァン「うるさっ…!
これが、アンタの真のエースモンスター…!」
阿原「《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の効果を発動!オレのフィールドのカードを1枚破壊し、相手のカード2枚を手札に戻す!
《スクラップ・ファクトリー》を破壊し、お前のセットカードと、《真六武衆-シエン》を手札に戻す!」
青白い光が、2つの口元に集約する。まばゆい光弾が放たれようとした刹那、ツァンもすかさず次のカードを宣言する。
ツァン「そうはいかないよ!
カウンター罠《六尺瓊勾玉》!カードを破壊する効果を無効にし、破壊する!」
阿原「だが《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の効果は手札に戻す『バウンス』だ!」
ツァン「なにも《六尺瓊勾玉》の効果のトリガーはボクのカードだけじゃない。バウンス効果とアンタの《スクラップ・ファクトリー》を破壊する効果は、一つのタイミングで処理されるはずよ!」
身を翻した双頭の竜。しかしその身に電光が走り、電子音と破裂音を振りまきながら動きをピタッと止める。
阿原(しまった…!《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の『破壊』は、コストじゃねえ!初見でそこを見極めるとか…バケモンか!?)
鋼の身体が、熱を帯びて赤い色に染まる。そして次の瞬間、会場を震わせるほどの衝撃をもってそのモンスターは爆発し、四散した。灰が混じった煙の中から、ぼろぼろの阿原が姿を見せる。
阿原「はぁッ…はぁッ…!
オレは《スクラップ・ツイン・ドラゴン》が効果で破壊されたことで、《補給部隊》、《スクラップ・ファクトリー》、そして破壊された《スクラップ・ツイン・ドラゴン》自身の効果を発動ッ!」
ツァン(さすが《スクラップ》デッキ…!効果による破壊がトリガーとなる効果が多い!
ボクに残されたのは《真六武衆-シエン》とセット状態の《六武衆の荒行》…!どこで使うべき!?)
3つの異なるカードの効果。ドロー、そしてデッキと墓地からの1体ずつのモンスターの特殊召喚。これにより、デッキから《スクラップ・ゴーレム》、墓地から《スクラップ・キマイラ》を呼び出した。
《スクラップ・ゴーレム》(守)
☆5 地・岩石族/効果
2500/1600(2300/1400)
《スクラップ・キマイラ》(守)
☆4 地・獣族/効果
1900/700(1700/500)
阿原「さらにオレは、通常召喚権を使用して《スクラップ・ゴブリン》を召喚!」
《スクラップ・ゴブリン》(攻)
☆3 地・獣戦士族/チューナー/効果
200/700(0/500)
どろどろとした油の溜まり。そこから生み出された3体の廃材の獣たち。ボロボロになりながらも戦い続けるその姿は、まさに阿原の写し見のようであった。
ツァン「次から次へとキリがない…!」
(でも呼び出したのはチューナーの《スクラップ・ゴブリン》。S召喚するのが《スクラップ・ドラゴン》であったとしても、《真六武衆-シエン》は自身の破壊置換と墓地の《影六武衆》たちで2重に守られている…!)
そんな考えを頭の中で巡らせるツァンに、衝撃が走る。
阿原「オレは、《スクラップ・ゴブリン》と《スクラップ・キマイラ》をリンクマーカーにセット!!」
ツァン「…!?」
宙に浮かぶ、藍色の升。そこに2体のモンスターが吸い込まれていく。まばゆい閃光が走り、黒い竜の影が勢いよくフィールドに落下する。
阿原「サーキットコンバイン!来い!厄災呼ぶ廃材の翼竜!
リンク2!《スクラップ・ワイバーン》!」
ギチギチと音を立て、いびつな身体を震わせてゆっくりと翼を広げる。阿原が初めて繰り出すリンクモンスター。
あくまでS召喚への対応を想定していたツァンの読みが、外れた。
ツァン「リンク召喚…!?
この大会でも使ってなかったでしょ…!!」
すかさず、その効果をデュエルディスクの液晶を通じて確認する。想定が外れたことに重ねてもう1度、驚愕の表情を見せた。
《スクラップ・ワイバーン》(攻)
LINK‐2 地・ドラゴン族/リンク/効果
「スクラップ」モンスターを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の「スクラップ」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、フィールドの表側表示の「スクラップ」モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「スクラップ」モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
1900・←↓
ツァン「…墓地蘇生に自分の破壊、それにデッキからのリクルートに除去効果…って!!
そいつの効果、いかつすぎ!
ボクは速攻魔法《六武衆の荒行》を発動!!」
ツァンは素早い動作で、シャッフルされたデッキより1枚のカードを抜き出し、デュエルディスクに叩きつける。
ツァン「攻撃力が1700となった《真六武衆-カゲキ》を対象とし、デッキから同じ攻撃力の《真六武衆-エニシ》を守備表示で特殊召喚!」
《真六武衆-エニシ》(守)
☆4 光・戦士族/効果
2200/1200(1700/700)
緑色の鎧に身を包み、抜刀するのが困難なほどに思えるほどの大太刀。それをいともたやすく振り構え、《スクラップ・ワイバーン》の元へと飛び込んでいく。
ツァン「《真六武衆-エニシ》の効果!
墓地から《六武衆》モンスターを2枚除外し、相手の表側表示のモンスター1体を手札に戻す!ボクは、《スクラップ・ワイバーン》を対象に、これを発動!
猪武者の太刀!」
廃材の翼竜の眼前まで迫り、大きく飛び上がる。空中で大太刀を逆手に構え、その脳天に一閃を叩きこむ。
阿原「相手ターンにバウンス…!まだ1手あったか!!
オレは速攻魔法《禁じられた聖杯》を、《真六武衆-エニシ》に発動!その効果を無効に…」
阿原がプレイし、ソリッドヴィジョンにて映し出された1枚のカード。しかしそのカードにうっすらと切れ目が浮かび上がる。
阿原「…!!?」
阿原が気づいた時にはすでに、真っ二つにされた《禁じられた聖杯》のカードがずり落ちていた。そしてその先、納刀の構えを取る《真六武衆-シエン》の姿。
ツァン「ボクは《真六武衆-シエン》の効果を発動させてもらったわよ!
《禁じられた聖杯》の発動を無効にして破壊する!さらにこれで…!!」
阿原「…《スクラップ・ワイバーン》はEXデッキに戻るッ…!」
阿原のフィールドに残されたモンスターは《スクラップ・ゴーレム》の1体のみ。召喚権も使用済み。その状況が、ツァンに勝利を確信させた。嵐のような攻防が終了し、フン、と得意げに腕を組む。
ツァン「…ガンバリ賞ってとこね。
《スクラップ・ゴーレム》を守備表示で特殊召喚したのもミスだったんじゃない?」
4人の荒武者が、一斉に阿原に刀を構える。まさしく背水。
そんな中、阿原はゆっくりと顔をあげる。そこにある、不屈の笑み。まっすぐにツァンを捕え、しかしわずかに上がった口角。
阿原「…ばぁーか。油断するのが早すぎだぜ。
オレは《星屑のきらめき》を発動!!」
フィールドにいくつもの星々が浮かぶ。はっきりしたもの、ぼんやりとにじんだように光るもの、それぞれが2人を照らし、次第にその光は竜の輪郭を象る。
ツァン「これは…!?」
阿原「オレは墓地から、《スクラップ・マインドリーダー》と《スクラップ・ドラゴン》を除外し、合計レベルを持つドラゴン族Sモンスターを墓地から特殊召喚する!」
先ほど破ったはずの双頭の竜。錆色の鱗を鈍く星々に輝かせ、今再びフィールドに降り立つ。
「蘇れッ!!《スクラップ・ツイン・ドラゴン》!」
《スクラップ・ツイン・ドラゴン》(攻)
☆9 地・ドラゴン族/シンクロ/効果
3200/2400(3000/2200)
ツァン「ボクのモンスターを手札に戻すつもり!?」
阿原「いいやッ!もうその必要はねぇよ!」
その叫びと同時に様々な家電を繋ぎ合わせた巨人がガタガタと振動を始める。
阿原「《スクラップ・ゴーレム》の効果を発動ッ!オレは墓地から《スクラップ・ゴブリン》を、お前のフィールドに特殊召喚する!」
腹部の扉がバカっと開く。内より飛び出したのはか細いくず鉄を繋ぎ合わせた獣人。
《スクラップ・ゴブリン》(攻)
☆3 地・獣戦士族/チューナー/効果
200/700(0/500)
ツァン「ボクのフィールドに特殊召喚…?いったい何のつもり!?」
阿原はその答えを口にしない。代わりに大きく「バトルだ!!」と叫んだ。ツァンは身構える。しかし彼女の中に「このターンでの敗北」はなかった。だからこそ、阿原がその時にプレイしたカードにより、度肝を抜かれることとなる。
阿原「バトルフェイズ開始時!速攻魔法《竜の闘志》を発動!!」
その声と同時に《スクラップ・ツイン・ドラゴン》を青白いオーラが包み込む。
ツァン「これは…!?」
阿原「オレのフィールドのドラゴン族モンスターは、このターンに特殊召喚された相手のモンスターの数まで、追加で攻撃できる!
これで、《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の攻撃回数は3回となる!」
ツァン「なっ…!
でもボクの場にいるモンスターは5体!次のターンさえくれば…」
そう言いかけたとき、自分のフィールドで異質な雰囲気を漂わせる1枚のカードに気づいた。なぜ自分の場にモンスターを?そしてこのターンに連続での攻撃を?
全てが繋がってしまう可能性。そのテキストを確認しようと、おそるおそる手を伸ばす。
ツァン「…まさか!」
阿原「そのまさかだ!!」
ツァン「《スクラップ・ゴブリン》は、戦闘で破壊されない…!!」
廃材を繋ぎ合わせた双頭の竜、その身体が赤色に輝き、翻って口元が青白く輝く。
阿原「《スクラップ・ツイン・ドラゴン》で、《スクラップ・ゴブリン》に攻撃ィ!
バニシング・ツイン・ブラスト!!3連打ァ!!」
放たれた6つの光弾はゆっくりと彼女のもとに迫り、フィールドの全てがあまりに強すぎるその光の中に消えていく。
ツァン「一本取られたね…。ボクの負けだよ!しょうがないけど、天晴れって感じ!」
LP:8000→5000→0
ピピピピ…。
デュエルの終了を告げる電子音。デュエルが終わり、ソリッドヴィジョンで塗られた世界が現実色に変わっていく。嵐のような攻防が続いたその激戦を前に、観客席からの歓声と拍手は雨音をかき消すほどに大きく、激しく、会場に響いていた。
黙って拳を突き上げる。固く握ったその拳。もう彼の者の前で立ち止まることは許されない。
東雲中2年、《スクラップ》デッキの使い手にして不屈のデュエリスト、阿原 克也の勝利である。
WINNER:阿原 克也
全国決闘王杯、市内予選のベスト8に名を連ねるその1人が、ここに決まった。先に待つのは旧知の友か、目覚めた龍の血を引く怪物か。
敗れ去った決闘者を置いて、戦いは佳境を迎えようとしていた。
続く
~
『全国決闘王杯・アオメ市予選、ベスト16進出者の名前を発表致します。』
澄んだ女性のアナウンスが、遊大がいない会場に響き渡る。周知の強豪、そして期待の新星。さまざまな名前が連ねられる中、彼らの名前もまた、そこにあった。
『…そして東雲中より、花海律歌さん。阿原克也くん。龍剛院嬢さん。大石龍平くん。』
ベスト16に進出し、県大会への出場を揺るがないものにした者たち。しかし決闘部を率いるましろにも、もちろん部員たちにも、その顔に笑顔はなかった。遊大が飛び出していったそこにはずっと重苦しい沈黙が流れていた。
ましろ「…正直言って、5人中4人が県大会出場は異例だ。これ以上ないほどの結果だが、残念な気持ちがあるのはわかる。ただ、お前たちはこれから先の決闘に…」
集中してほしい。そうましろが言いかけた時、被せるようにして阿原が口を挟んだ。
阿原「当たり前だろ。」
その一言に、彼らの視線が一斉に集まる。
阿原「敗者復活の権利があって、32からでも4人は県に行けたはずだ。それを蹴って飛び出したやつに足引っ張られるとか、オレは御免なんだよ。」
誰も肯定も否定もしなかった。沈黙の中、ただ雨音だけが零れたインクのようにじわじわと染み渡る。
〜
5回戦、ベスト8決定戦が始まる。
抜け出した遊大を置いて、大会は大詰めへと向かっていた。残った16人が8人、4人、そして決勝へと進んでいく。勝利を重ねれば重ねるほど、対戦は厳しく、熾烈を極める。
律歌「まさかキミと当たるとはね~。」
ブレザーの下に着込んだパーカーのフードをスッと下ろす。会場のライトに照らされ、茶色みがかった髪がきらきらと輝く。その視線の先、構えるのは同じく東雲中、1年「大石龍平」。プロデュエリスト「大石竜也」の息子、そして破竹の勢いで数々の強豪を討ち破ってきた新星。
静かに、龍平も口を開く。
龍平「…優勝しますよ。オレ。」
律歌「私もそのつもりだよ?」
普段から口数が多い遊大や阿原とは違って、ぼんやりと過ごすことが多い律歌、そしてクールで寡黙な印象の龍平。2人に共通するのはその静けさだけではない。確かにそこにある、どっかりと構えた圧倒的な『強さ』。ベスト8を決めるその戦いで彼らが衝突しているこの状況こそが、何よりもその証明となっていた。
「「デュエル!」」
掛け声とともにソリッドヴィジョンが足元より広がる。変わりゆく色彩の中、律歌の先攻で決闘の幕が開く。
花海 律歌 (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
大石 龍平
LP:8000
手札:5
モンスター:
魔法罠:
フィールドゾーン:
律歌「私が先攻だね。ほんとは後攻が得意なデッキなんだけどな。
じゃあ行くよ!《魔境のパラディオン》を召喚!」
《魔境のパラディオン》(攻)
☆3 炎・魔法使い族/効果
400/2000
篝火がぼうっと巻き起こり、その炎に照らされてローブがなびく。帽子を目深にかぶった魔法使いがソリッドヴィジョンで浮かび上がる。
龍平(攻撃力400の攻撃表示…来るか。《パラディオン》の連続リンク召喚…。少なくとも『このデッキ』で対応したことはない。後攻で押し通すためにも弱点を見極める!)
律歌(《パラディオン》の先攻展開。決して堅牢な盤面じゃないけど、この大会で『そのデッキ』は見てきた。手を抜けばきっと次のターンがなくなる。最初から全力でいくよ!)
まごう事なき強者同士のデュエル。その先に待ち受けるのは互いの腹の読みあいか、骨が軋むほどの殴り合いか…。
~
初めてだった。ベスト16というステージに立ち、県大会への切符を手にするなど。ずっと、自分より強い決闘者たちをその眼で見てきた。拳斗に始まり、律歌、龍平、遊大、嬢…東雲中に限った話ではない。光妖中の斬隠輝久、そして目の前に構えるツァン・ディレ…。
阿原は立ち向かう。かつて自分を破った彼女に。チャレンジャーとして。
TURN:2(バトルフェイズ)
ツァン・ディレ (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:2
モンスター:《六武衆の影-紫炎》(攻) 《真六武衆-シエン》(攻) 《真六武衆-カゲキ》(攻)
魔法罠:
フィールドゾーン:
阿原 克也
LP:8000
手札:1
モンスター:《スクラップ・ドラゴン》(攻)
魔法罠:《補給部隊》 セット×2
フィールドゾーン:《スクラップ・ファクトリー》
阿原「Xモンスターの《紫炎》…!!」
阿原がにらみつけるその先、赤い色の畳胴に身を包み、白銀の刀をきらめかせる。それに呼応するようにして、4束の刃をもった武人の攻撃力が上がっていく。
ツァン「ボクは《六武衆の影-紫炎》の効果を発動!フィールドの攻撃力2000未満の《六武衆》モンスターの元々の攻撃力を2000にする!」
《真六武衆-カゲキ》ATK:1700→3500
阿原「攻撃力3500!?」
ツァン「そう!《真六武衆-カゲキ》の効果は攻撃力を1500アップさせるもの!元々の攻撃力が上がれば、当然その数値が加算される!
いくよ!《真六武衆-カゲキ》で、《スクラップ・ドラゴン》に攻撃!」
4つの刃は雷をまとい、廃材の竜の懐へと飛び込んでいく。文字通り雷鳴が響き渡り、瞬く間にその姿はなます切りにされてしまった。
阿原「くっ…!!
だがオレは、《スクラップ・ドラゴン》と《補給部隊》の効果を発動ッ!!」
LP:8000→7500
廃材の竜が大破したその場所から、黒い油がどくどくと湧き上がる。混濁した泉となったフィールドから、さびれた金属の鮫が勢いよく飛び出す。
《スクラップ・シャーク》 (守)
☆4 地・魚族/効果
2100/0
ツァン「…フン。ボクも侮られたもんだよね。いくら壁を増やしても、無駄!
《六武衆の影-紫炎》で、《スクラップ・シャーク》に攻撃!!
焦熱の太刀・影の番!」
赤紫色に染まった刀を鋭く構え、無駄のない動作で素早く斜めに振りかざす。その足元は動いてはいない。瞬間、ソリッドヴィジョンで浮かび上がった《スクラップ・シャーク》のカードが燃え上がった切り口をもって真っ二つになっていた。
ツァン「まだまだ!ボクは《真六武衆-シエン》で、阿原克也にダイレクトアタック!
真・焦熱の太刀!」
甲冑に身を包んだ武将。異様な殺気すら孕んだ刀は、懐から抜き出されると同時に阿原の目に追いつけないほどの速度でその身に飛び込んでくる。目の前の空気が蜃気楼となってじわじわと歪むほどの熱を帯びたその刃。それが自分の身を切り裂こうとした刹那、目の前の光景がゆっくりと止まり始めるのを感じた。
阿原「…前にもあったよなァ…この状況はッ!!」
阿原は、周囲の者達の強さをすでに身体の全てをもって感じ取っていた。今まで戦ってきて、報われてこなかったからこそ、自分の弱さを知っていた。
彼らみな兎みたいで、自分は地を這う亀とか虫なんじゃないかとすら思えた。『うさぎとかめ』の童話のように、サボってくれたらどれほど楽だったか。彼らはサボらない。手を抜かない。だから自分がどれほど努力しても、強者達の背中には届かないと、ずっと思っていた。
しかし、同時に思う。「追いつけないこと」は、「進まない理由」には決してならない。
阿原「…言ったはずだぜ!反省したオレは負けねえ!
罠カード《リジェクト・リボーン》発動!
相手のダイレクトアタック時、バトルを終了させ、墓地からSモンスターとチューナーを1体ずつ特殊召喚する!」
目の前に迫った刃、阿原が握りこんだ1枚がそれと衝突する。オレンジ色の火花が舞い散り、両者の顔が明るく照らされる。
橙に照らされた阿原の顔には笑顔が灯っている。しかし、笑みを浮かべているのはツァンも同じであった。
ツァン「ボクも言ったはずだよ…!悪く思わないでね!
《真六武衆-シエン》の効果を発動!1ターンに1度、魔法罠の発動を無効にして、破壊する!」
競り合った刀とカード。《リジェクト・リボーン》にゆっくりと切れ目が入る。
阿原「2度も同じ失敗はしねえんだよ!カウンター罠《威風堂々》を発動!!
バトルフェイズ中に相手が発動したモンスター効果を無効にして、そのモンスターを破壊する!
《真六武衆-シエン》にはここで倒れてもらうぜッ!!」
ガキンッ…
白銀の刃が鈍い音を立てて弾かれる。吹き飛ばされて彼女の元まで《真六武衆-シエン》が戻っていく。
ツァン「…!!
ボクは墓地の《影六武衆-ゲンバ》の効果を使用!《六武衆》モンスターの破壊を、ゲンバの除外に置き換える!」
阿原「だがこれで、《リジェクト・リボーン》の効果は有効になった!
バトルフェイズを強制終了させ、墓地から2体のモンスターを効果を無効にして呼び出す!
来い!《スクラップ・マインドリーダー》!そして、《スクラップ・ドラゴン》!!」
重苦しい咆哮がフィールドに鳴り響く。金属がこすれるような、軋むような轟音。そして赤い瞳をギラギラと輝かせ、そのモンスターは再び姿を見せた。
《スクラップ・ドラゴン》(守)
☆8 地・ドラゴン族/シンクロ/効果
3000/2200(2800/2000)
《スクラップ・マインドリーダー》
☆1 地・機械族/チューナー/効果
200/200(0/0)
ツァン(…あの練習試合の時の続きってことだね。)
「ボクはカードを2枚セットし、ターンエンド!」
先刻、ましろに放った言葉は嘘ではない。彼の本音であった。自分が強くないからこそ、ここまで背中を追いかけて突っ走ってきた。それが敗者復活を蹴って逃げ出した遊大を見て、どうしようもなく腹が立ってしまった。
相手の背中が離れていたら、もっとガムシャラに、自他を分析して前に進めばいい。追いつけない場所に突き放されることは、逃げていい理由にはならない。
そんな男を見ていたら、自分まで女々しくなる。嫌だった。それだけは。
TURN:3
阿原 克也(ターンプレイヤー)
LP:7500
手札:2→3
モンスター:《スクラップ・ドラゴン》(守) 《スクラップ・マインドリーダー》(守)
魔法罠:《補給部隊》
フィールドゾーン:《スクラップ・ファクトリー》
ツァン・ディレ (ターンプレイヤー)
LP:8000
手札:0
モンスター:《六武衆の影-紫炎》(攻) 《真六武衆-シエン》(攻) 《真六武衆-カゲキ》(攻)
魔法罠:セット×2
フィールドゾーン:
阿原「さァ…!この前の続きだ!オレのターン!!」
ツァン「…くるね!」
フィールドに残された2体のモンスターからにじみ出る殺気。ツァンもそれを感じ取ったようで、半歩だけ退いた。
阿原「オレは、レベル8の《スクラップ・ドラゴン》に、レベル1の《スクラップ・マインドリーダー》をチューニング!
執念秘めたる破砕の竜、その魂を切り分け、理さえも歪めろ!」
裂かれ、軋み、擦れ、歪み、あらゆる破壊をぐちゃぐちゃに混ぜたような禍々しい音がフィールドに鳴り響く。混濁したその場から打ち上げられた星は翠玉色の輪を描き、連ねる光は波打ちながらフィールドに降り注いだ。
「シンクロ召喚!《スクラップ・ツイン・ドラゴン》!」
宙を舞い、ゆっくりと脈打つ幾千もの廃材の波。その奥より、蒼色の瞳を4つ、ぼんやりと輝かせる。そして次の瞬間、甲高い咆哮がフィールドを貫いた。弾けるように波打つ鉄屑が飛び散り、錆色の体躯をうねらせる双頭の竜が姿を見せる。
《スクラップ・ツイン・ドラゴン》(攻)
☆9 地・ドラゴン族/シンクロ/効果
3200/2400(3000/2200)
その轟音はビリビリとフィールドを震わせ、ツァンも思わず片手を耳に押し当てた。
ツァン「うるさっ…!
これが、アンタの真のエースモンスター…!」
阿原「《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の効果を発動!オレのフィールドのカードを1枚破壊し、相手のカード2枚を手札に戻す!
《スクラップ・ファクトリー》を破壊し、お前のセットカードと、《真六武衆-シエン》を手札に戻す!」
青白い光が、2つの口元に集約する。まばゆい光弾が放たれようとした刹那、ツァンもすかさず次のカードを宣言する。
ツァン「そうはいかないよ!
カウンター罠《六尺瓊勾玉》!カードを破壊する効果を無効にし、破壊する!」
阿原「だが《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の効果は手札に戻す『バウンス』だ!」
ツァン「なにも《六尺瓊勾玉》の効果のトリガーはボクのカードだけじゃない。バウンス効果とアンタの《スクラップ・ファクトリー》を破壊する効果は、一つのタイミングで処理されるはずよ!」
身を翻した双頭の竜。しかしその身に電光が走り、電子音と破裂音を振りまきながら動きをピタッと止める。
阿原(しまった…!《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の『破壊』は、コストじゃねえ!初見でそこを見極めるとか…バケモンか!?)
鋼の身体が、熱を帯びて赤い色に染まる。そして次の瞬間、会場を震わせるほどの衝撃をもってそのモンスターは爆発し、四散した。灰が混じった煙の中から、ぼろぼろの阿原が姿を見せる。
阿原「はぁッ…はぁッ…!
オレは《スクラップ・ツイン・ドラゴン》が効果で破壊されたことで、《補給部隊》、《スクラップ・ファクトリー》、そして破壊された《スクラップ・ツイン・ドラゴン》自身の効果を発動ッ!」
ツァン(さすが《スクラップ》デッキ…!効果による破壊がトリガーとなる効果が多い!
ボクに残されたのは《真六武衆-シエン》とセット状態の《六武衆の荒行》…!どこで使うべき!?)
3つの異なるカードの効果。ドロー、そしてデッキと墓地からの1体ずつのモンスターの特殊召喚。これにより、デッキから《スクラップ・ゴーレム》、墓地から《スクラップ・キマイラ》を呼び出した。
《スクラップ・ゴーレム》(守)
☆5 地・岩石族/効果
2500/1600(2300/1400)
《スクラップ・キマイラ》(守)
☆4 地・獣族/効果
1900/700(1700/500)
阿原「さらにオレは、通常召喚権を使用して《スクラップ・ゴブリン》を召喚!」
《スクラップ・ゴブリン》(攻)
☆3 地・獣戦士族/チューナー/効果
200/700(0/500)
どろどろとした油の溜まり。そこから生み出された3体の廃材の獣たち。ボロボロになりながらも戦い続けるその姿は、まさに阿原の写し見のようであった。
ツァン「次から次へとキリがない…!」
(でも呼び出したのはチューナーの《スクラップ・ゴブリン》。S召喚するのが《スクラップ・ドラゴン》であったとしても、《真六武衆-シエン》は自身の破壊置換と墓地の《影六武衆》たちで2重に守られている…!)
そんな考えを頭の中で巡らせるツァンに、衝撃が走る。
阿原「オレは、《スクラップ・ゴブリン》と《スクラップ・キマイラ》をリンクマーカーにセット!!」
ツァン「…!?」
宙に浮かぶ、藍色の升。そこに2体のモンスターが吸い込まれていく。まばゆい閃光が走り、黒い竜の影が勢いよくフィールドに落下する。
阿原「サーキットコンバイン!来い!厄災呼ぶ廃材の翼竜!
リンク2!《スクラップ・ワイバーン》!」
ギチギチと音を立て、いびつな身体を震わせてゆっくりと翼を広げる。阿原が初めて繰り出すリンクモンスター。
あくまでS召喚への対応を想定していたツァンの読みが、外れた。
ツァン「リンク召喚…!?
この大会でも使ってなかったでしょ…!!」
すかさず、その効果をデュエルディスクの液晶を通じて確認する。想定が外れたことに重ねてもう1度、驚愕の表情を見せた。
《スクラップ・ワイバーン》(攻)
LINK‐2 地・ドラゴン族/リンク/効果
「スクラップ」モンスターを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地の「スクラップ」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。その後、自分フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、フィールドの表側表示の「スクラップ」モンスターが効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「スクラップ」モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
1900・←↓
ツァン「…墓地蘇生に自分の破壊、それにデッキからのリクルートに除去効果…って!!
そいつの効果、いかつすぎ!
ボクは速攻魔法《六武衆の荒行》を発動!!」
ツァンは素早い動作で、シャッフルされたデッキより1枚のカードを抜き出し、デュエルディスクに叩きつける。
ツァン「攻撃力が1700となった《真六武衆-カゲキ》を対象とし、デッキから同じ攻撃力の《真六武衆-エニシ》を守備表示で特殊召喚!」
《真六武衆-エニシ》(守)
☆4 光・戦士族/効果
2200/1200(1700/700)
緑色の鎧に身を包み、抜刀するのが困難なほどに思えるほどの大太刀。それをいともたやすく振り構え、《スクラップ・ワイバーン》の元へと飛び込んでいく。
ツァン「《真六武衆-エニシ》の効果!
墓地から《六武衆》モンスターを2枚除外し、相手の表側表示のモンスター1体を手札に戻す!ボクは、《スクラップ・ワイバーン》を対象に、これを発動!
猪武者の太刀!」
廃材の翼竜の眼前まで迫り、大きく飛び上がる。空中で大太刀を逆手に構え、その脳天に一閃を叩きこむ。
阿原「相手ターンにバウンス…!まだ1手あったか!!
オレは速攻魔法《禁じられた聖杯》を、《真六武衆-エニシ》に発動!その効果を無効に…」
阿原がプレイし、ソリッドヴィジョンにて映し出された1枚のカード。しかしそのカードにうっすらと切れ目が浮かび上がる。
阿原「…!!?」
阿原が気づいた時にはすでに、真っ二つにされた《禁じられた聖杯》のカードがずり落ちていた。そしてその先、納刀の構えを取る《真六武衆-シエン》の姿。
ツァン「ボクは《真六武衆-シエン》の効果を発動させてもらったわよ!
《禁じられた聖杯》の発動を無効にして破壊する!さらにこれで…!!」
阿原「…《スクラップ・ワイバーン》はEXデッキに戻るッ…!」
阿原のフィールドに残されたモンスターは《スクラップ・ゴーレム》の1体のみ。召喚権も使用済み。その状況が、ツァンに勝利を確信させた。嵐のような攻防が終了し、フン、と得意げに腕を組む。
ツァン「…ガンバリ賞ってとこね。
《スクラップ・ゴーレム》を守備表示で特殊召喚したのもミスだったんじゃない?」
4人の荒武者が、一斉に阿原に刀を構える。まさしく背水。
そんな中、阿原はゆっくりと顔をあげる。そこにある、不屈の笑み。まっすぐにツァンを捕え、しかしわずかに上がった口角。
阿原「…ばぁーか。油断するのが早すぎだぜ。
オレは《星屑のきらめき》を発動!!」
フィールドにいくつもの星々が浮かぶ。はっきりしたもの、ぼんやりとにじんだように光るもの、それぞれが2人を照らし、次第にその光は竜の輪郭を象る。
ツァン「これは…!?」
阿原「オレは墓地から、《スクラップ・マインドリーダー》と《スクラップ・ドラゴン》を除外し、合計レベルを持つドラゴン族Sモンスターを墓地から特殊召喚する!」
先ほど破ったはずの双頭の竜。錆色の鱗を鈍く星々に輝かせ、今再びフィールドに降り立つ。
「蘇れッ!!《スクラップ・ツイン・ドラゴン》!」
《スクラップ・ツイン・ドラゴン》(攻)
☆9 地・ドラゴン族/シンクロ/効果
3200/2400(3000/2200)
ツァン「ボクのモンスターを手札に戻すつもり!?」
阿原「いいやッ!もうその必要はねぇよ!」
その叫びと同時に様々な家電を繋ぎ合わせた巨人がガタガタと振動を始める。
阿原「《スクラップ・ゴーレム》の効果を発動ッ!オレは墓地から《スクラップ・ゴブリン》を、お前のフィールドに特殊召喚する!」
腹部の扉がバカっと開く。内より飛び出したのはか細いくず鉄を繋ぎ合わせた獣人。
《スクラップ・ゴブリン》(攻)
☆3 地・獣戦士族/チューナー/効果
200/700(0/500)
ツァン「ボクのフィールドに特殊召喚…?いったい何のつもり!?」
阿原はその答えを口にしない。代わりに大きく「バトルだ!!」と叫んだ。ツァンは身構える。しかし彼女の中に「このターンでの敗北」はなかった。だからこそ、阿原がその時にプレイしたカードにより、度肝を抜かれることとなる。
阿原「バトルフェイズ開始時!速攻魔法《竜の闘志》を発動!!」
その声と同時に《スクラップ・ツイン・ドラゴン》を青白いオーラが包み込む。
ツァン「これは…!?」
阿原「オレのフィールドのドラゴン族モンスターは、このターンに特殊召喚された相手のモンスターの数まで、追加で攻撃できる!
これで、《スクラップ・ツイン・ドラゴン》の攻撃回数は3回となる!」
ツァン「なっ…!
でもボクの場にいるモンスターは5体!次のターンさえくれば…」
そう言いかけたとき、自分のフィールドで異質な雰囲気を漂わせる1枚のカードに気づいた。なぜ自分の場にモンスターを?そしてこのターンに連続での攻撃を?
全てが繋がってしまう可能性。そのテキストを確認しようと、おそるおそる手を伸ばす。
ツァン「…まさか!」
阿原「そのまさかだ!!」
ツァン「《スクラップ・ゴブリン》は、戦闘で破壊されない…!!」
廃材を繋ぎ合わせた双頭の竜、その身体が赤色に輝き、翻って口元が青白く輝く。
阿原「《スクラップ・ツイン・ドラゴン》で、《スクラップ・ゴブリン》に攻撃ィ!
バニシング・ツイン・ブラスト!!3連打ァ!!」
放たれた6つの光弾はゆっくりと彼女のもとに迫り、フィールドの全てがあまりに強すぎるその光の中に消えていく。
ツァン「一本取られたね…。ボクの負けだよ!しょうがないけど、天晴れって感じ!」
LP:8000→5000→0
ピピピピ…。
デュエルの終了を告げる電子音。デュエルが終わり、ソリッドヴィジョンで塗られた世界が現実色に変わっていく。嵐のような攻防が続いたその激戦を前に、観客席からの歓声と拍手は雨音をかき消すほどに大きく、激しく、会場に響いていた。
黙って拳を突き上げる。固く握ったその拳。もう彼の者の前で立ち止まることは許されない。
東雲中2年、《スクラップ》デッキの使い手にして不屈のデュエリスト、阿原 克也の勝利である。
WINNER:阿原 克也
全国決闘王杯、市内予選のベスト8に名を連ねるその1人が、ここに決まった。先に待つのは旧知の友か、目覚めた龍の血を引く怪物か。
敗れ去った決闘者を置いて、戦いは佳境を迎えようとしていた。
続く
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64 | 35話 雨中の戎 その① | 450 | 4 | 2023-09-19 | - | |
30 | 36話 雨中の戎 その② | 276 | 2 | 2023-09-23 | - | |
36 | 37話 チャレンジャー | 409 | 2 | 2023-09-30 | - | |
53 | 38話 心に傘を | 400 | 2 | 2023-10-07 | - | |
32 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 364 | 3 | 2023-10-22 | - | |
36 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 341 | 2 | 2023-10-26 | - | |
50 | 41話 花と薄暮 | 412 | 2 | 2023-10-30 | - | |
35 | 42話 燃ゆる轍 その① | 380 | 2 | 2023-11-07 | - | |
32 | 43話 燃ゆる轍 その② | 282 | 1 | 2023-11-09 | - | |
32 | 44話 襷 | 279 | 1 | 2023-11-14 | - | |
29 | 45話 星を賭けた戦い | 378 | 3 | 2023-11-17 | - | |
32 | 46話 可能性、繋いで その① | 330 | 2 | 2023-11-28 | - | |
39 | 47話 可能性、繋いで その② | 316 | 2 | 2023-12-07 | - | |
33 | 48話 揺れろ。魂の… | 262 | 2 | 2023-12-28 | - | |
30 | 49話 エンタメデュエル | 281 | 2 | 2024-01-07 | - | |
40 | 50話 乗り越えろ! | 325 | 3 | 2024-01-26 | - | |
66 | 51話 Show Me!! | 346 | 0 | 2024-02-01 | - | |
35 | 52話 モノクロの虹彩 | 391 | 1 | 2024-02-08 | - | |
36 | 53話 激昂 | 280 | 2 | 2024-02-22 | - | |
33 | 54話 火の暮れる場所 その① | 243 | 0 | 2024-03-02 | - | |
62 | 55話 火の暮れる場所 その② | 366 | 2 | 2024-03-07 | - | |
35 | 56話 赫灼の剣皇 | 358 | 2 | 2024-03-11 | - | |
49 | 57話 金の卵たち | 260 | 2 | 2024-03-18 | - | |
33 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 229 | 0 | 2024-03-20 | - | |
45 | 58話 一生向き合うカード | 323 | 2 | 2024-03-24 | - | |
35 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 285 | 0 | 2024-03-31 | - | |
41 | 59話 強くならなきゃ | 311 | 2 | 2024-04-03 | - | |
40 | 60話 竜を駆るもの | 195 | 0 | 2024-04-20 | - | |
61 | 61話 竜を狩るもの | 331 | 2 | 2024-04-22 | - | |
41 | 62話 反逆の剣 | 214 | 2 | 2024-04-26 | - | |
39 | 63話 血の鎖 | 292 | 1 | 2024-05-01 | - | |
51 | 64話 気高き瞳 | 358 | 2 | 2024-06-02 | - | |
28 | 65話 使命、確信、脈動 | 346 | 2 | 2024-06-16 | - | |
36 | 66話 夜帷 | 238 | 0 | 2024-07-14 | - | |
33 | 67話 闇に舞い降りた天才 | 279 | 2 | 2024-07-18 | - | |
32 | 68話 陽は何処で輝く | 231 | 2 | 2024-07-30 | - | |
30 | 69話 血みどろの歯車 | 299 | 2 | 2024-08-16 | - | |
26 | 70話 災禍 その① | 259 | 2 | 2024-08-28 | - | |
31 | 71話 災禍 その② | 270 | 2 | 2024-09-01 | - | |
25 | 72話 親と子 | 164 | 2 | 2024-09-09 | - | |
36 | 73話 血断の刃 | 181 | 2 | 2024-10-10 | - | |
38 | 74話 血威の弾丸 | 215 | 2 | 2024-10-17 | - | |
25 | 75話 炉心 | 147 | 0 | 2024-11-01 | - | |
25 | 76話 ひとりじゃない | 186 | 2 | 2024-11-03 | - | |
30 | 77話 春風が運ぶもの | 188 | 2 | 2024-11-06 | - | |
20 | 78話 天道虫 その① | 160 | 2 | 2024-11-19 | - | |
21 | 79話 天道虫 その② | 169 | 2 | 2024-11-21 | - | |
36 | 80話 花の海 | 220 | 2 | 2024-12-03 | - | |
5 | 81話 寂しい生き方 | 54 | 0 | 2024-12-16 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 12/18 12:20 デッキ 宮沢洋一の悪意?輝く天気!
- 12/18 11:34 デッキ 新規入り征竜
- 12/18 08:47 評価 7点 《パワー・ツール・ドラゴン》「《工作箱》でお手軽に似たことが可…
- 12/18 08:23 評価 10点 《シャルル大帝》「どこかで名前だけは聞いたことあるんじゃない…
- 12/18 07:59 評価 10点 《ホールティアの蟲惑魔》「1ターン目から展開を伸ばすためには《…
- 12/18 07:58 評価 8点 《極炎の剣士》「ムッキムキの炎の剣士 破壊とちょっとしたバーン…
- 12/18 01:45 評価 7点 《D・ビデオン》「戦うか 戦えるか 怯える心よ 迫りくる悪の力…
- 12/18 01:43 評価 1点 《ハンプティ・ダンディ》「総合評価:サイクルリバース故遅く、攻…
- 12/18 01:31 評価 5点 《驚天動地》「総合評価:墓地メタとしてはあまり使いやすくはなく…
- 12/18 01:21 評価 2点 《ハーピィ・レディ -鳳凰の陣-》「総合評価:発動条件、リスクが…
- 12/18 00:07 評価 10点 《星刻の魔術師》「サーチできるのはPモンスターに限らず「魔法…
- 12/18 00:01 コンプリート評価 ねこーらさん ⭐NEXT CHALLENGERS⭐
- 12/17 22:40 評価 8点 《レッドアイズ・スピリッツ》「 《レッドアイズ》カテゴリ名指し…
- 12/17 22:17 SS 第二十二話・2
- 12/17 22:15 評価 7点 《ジーナの蟲惑魔》「当時のカードプールを鑑みても、(1)(2)の効果…
- 12/17 21:55 評価 6点 《目醒める罪宝》「(2)の墓地からフリチェでセットできる効果は《…
- 12/17 19:36 評価 10点 《マジシャンズ・ソウルズ》「強い点が3つ ・《イリュージョン・…
- 12/17 19:03 評価 10点 《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》「対話拒否の権化 …
- 12/17 19:00 評価 10点 《No.23 冥界の霊騎士ランスロット》「今のプールやらを考え…
- 12/17 19:00 評価 9点 《コーンフィールド コアトル》「テーマモンスターのサーチ役だけ…
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輝久の待っているとの言葉も空しく、大敗を期した遊大は会場から飛び出してしまう。遊大を残した東雲中の4人がベスト16へと進出し、敗者復活の択も残っていたにも関わらず大会から離脱した遊大に対して、憤りを感じる阿原。
敗北から改めてチャレンジャーとしてツァンディレへと挑む阿原。竜の闘志とスクラップ・ゴブリンのコンボによる3連攻撃により強敵を打ち破ることに成功した不屈のデュエリスト。己と逃げた遊大に対して、歩みを止める理由のなさをデュエルにて証明して見せましたね。
遊大が歩みを止めるどころか、逃げ出してしまっても他の方々は着実に歩みを進め成長して行く…。どんどんと取り残されてしまっている感じの彼にも、またチャレンジャーとして再起して欲しい所ですが…どうなるっていくのかですねぇ…。 (2023-10-03 17:58)
いつも読んでいただけているようで本当に嬉しいです!
いよいよ佳境に突入する戦いの中、主人公が退いてしまう展開となりました。そして、いままで報われなかったからこそ、逃げ出したことに対して憤りを覚えている阿原。彼のデュエルはほんとに久々でしたけど、新しいカードを出すことでちゃんと強くなっている感を出したかったんですよね。
逃げ出したものを置いて、ライバルたちはどんどん強くなっていく。現実と同じで、手を抜いている暇なないということです。競技や勝負では尚更ね。彼の今後は?大会の結末は?こうご期待です!
(2023-10-07 00:52)