86話 嫉妬の果て　作：紅瑠璃

朱音の場にはモンスター１体。伏せ２枚。リアルNo.は1～2枚だろう。未だにホープがない。が、もし仮に相手がリアルNo.を出してきても対処はできる。蜜柑がカードをドローする。

「私は！バッド・セブン・フォースを発動！手札のバッド・セブンモンスター２体を相手に見せ、エクストラデッキからNo.101～107のどれか１枚をフィールドに出し見せたモンスター２体を出したモンスターの下に重ねエクシーズ素材とする。私はNo.103を出す！」

いきなりそのデッキのエースであろうモンスターが来た。そして、バトルをしてきた。ここで2択…伏せカード変化の術を使うか、もうひとつの伏せカードを使うか…。私は…。

「私は忍法 変化の術を発動！忍者マスターHANZOを生け贄に、デッキから聖鳥クレインを守備表示で特殊召喚。特殊召喚したので、一枚ドロー！…これで私へのダメージはないわ。」
「…。エンド」

伏せない…誘っているのか？手札が悪いのか？それでもやる。助ける。自分を犠牲にしても…。カードを引く。そのカードはゴールド・コンバージョンだった。手札とフィールドを確認する「行くわよ」その言葉と共に動いた。機甲忍者アースを特殊召喚し、忍法分身の術を発動して、デッキから黄昏の忍法－シンゲツを攻撃表示で特殊召喚。同じモンスターを手札から召喚してシンゲツロックをする。といっても分身の術を破壊されたら終わる。だから手札にあったカード１枚を伏せてエンドをした。蜜柑のターンだ。

「ドロー。そのデッキの弱点はミカが知ってる！私はバッド・セブンサイクルを発動し、分身の術を破壊。これにより、その効果で出されたシンゲツも破壊してもシンゲツが破壊されたのは自分のカードの効果にゃため、サーチできにゃい。さらに！手札からバッド・セブン・レヴィアタンを墓地に送り、フィールドのモンスターを１体指定する。自分のモンスターなら攻撃力1000ポイントアップ。相手のにゃら攻撃力1000ポイント下げる。私は朱音のシンゲツを指定する！これによりNo.103の射程圏にゃい…。No.103効果発動！ユニット一つ使って攻撃力が変化されたシンゲツを破壊。私は１枚ドロー。」
「私はシンゲツの効果でアースを手札に加える。」
「バトル！No.103で攻撃。１枚伏せてエンド。」

ライフが5600…中々大きい。私が伏せていたカード…フリーズ・ロックは自分の場に忍者がいないと発動できない。カードを引く…。ゲツガ…。

「私はアースを特殊召喚。」
「甘い！私は伏せていたバッド・セブン・クラッシュを発動し、アースを墓地に送る！」

流石持ち主。ここからの流れをわかっている…。落ち着け、焦っちゃダメ…。忍者マスターHANZOを召喚し、忍法分身の術を手札に加えて、伏せる。エンドをする。

「ドロー。バトル！」
「機甲忍法フリーズ・ロックを発動。」
「手札からカウンター罠、バッド・セブン・ロール発動！」
「手札から…カウンター罠！？」
「このカードはフィールドにNo.101～107が存在するとき手札から打てる。相手が使用した魔法、罠を無効にし、破壊する！」
「忍法分身の術を使うわ！HANZOをリリースし、デッキのシンゲツを攻撃表示で特殊召喚。」
「にゃら！そのままいけ！」

700のダメージ…4900か。シンゲツの効果でアースを手札に加えながら思った。ドロー。

「アースを特殊召喚。生け贄にして、ゲツガを召喚。ゴールド・コンバージョンを発動し、分身の術を破壊して、２枚ドロー。ゲツガの効果で守備表示になることで、墓地の忍者２体を特殊召喚する！HANZO２体…それぞれの効果で伝説の忍者猿飛と伝説の忍者半蔵を手札に加える。…なっ！蜜柑…こんなの買ってたのね…。私は忍者マスターHANZO２体でエクシーズ召喚する！鳥銃士カステル。素材二つ使って、No.103を手札に戻す。カステルで攻撃。エンド。」

蜜柑のライフが6000朱音は4900。まだ、勝ち目はない。

「ミカのターン！ドロー。！？私が引いたのはRUM－七皇の剣！さぁこい！CNo.103！私はカステルに攻撃！エンド。」
「4100…。ドロー。伝説の忍者猿飛を召喚。召喚に成功したことで、伝説の忍者半蔵を特殊召喚。くっ…私は猿飛のモンスター効果でゲツガを対象。フィールドの忍者モンスターはゲツガと同じレベルになる。私は猿飛と半蔵がレベル8なのでエクシーズ召喚をする！…森羅の守神アルセイ！攻撃表示。アルセイ効果発動。デッキトップ…森羅の守神アルセイと宣言！めくる！機甲忍者フレイムなので宣言したのと違う。違うため、アルセイの効果発動して、ユニット一つ使ってフィールドのカード１枚を相手のデッキの一番上か、一番下にする。まぁ、私はCNo.103を対象にするけどね…。」
「く、くそぉ！」
「ゲツガを攻撃表示…そして、効果で守備表示にすることで、フレイムとシンゲツを特殊召喚。エクシーズ！機甲忍者ブレード・ハート！効果…ユニット一つ使ってブレード・ハートを対象。このターンブレード・ハートは２回攻撃ができる！行け！ブレード・ハート！アルセイ！合計ダメージは蜜柑のライフを上回る！」
「ぐぁぁ！」

勝った。すると蜜柑は立ち上がった…後ろには黒いモヤが…。黒いモヤが話す。

「君は…回りの人が羨ましかったのだろ？回りの人は楽しそう…だけど自分は違う。猫だから、怪物だから、悪魔の契約者だから！」
「はぁ…はぁ…。確かに…そうだよ…でも！ミカには！」
「友達がいる…。みんな違うから人間？はっ！笑わせる…君は忘れたのか？アネルスに裏切られたのを！」
「にゃぅ！？」

アネルス…この町で四つの秘宝を集め、何かをしようとしていた奴の事だ。アストライアーによって倒されたが、蜜柑は最初、そいつらの仲間だった…しかし、朱音との戦闘時にアネルスによって斬られ、死にかけのところを保護したのだ。その事から最初は人は信用できない…回りの人に敵意だけを向けて自分の心を守った。時間と勇気、回りの優しさで今はなんの問題もないが、黒いモヤはそこをついてきた。

「また、いつ裏切られても良いのか？優しさなんて顔だけだ…」

蜜柑の様子がおかしくなってきた。完全にペースを取られてる。

「シユは…シユは…」
「お前は朱音の何を知ってる？」
「蜜柑…大丈夫よ。」
「シ…ユ。」
「安心して…私はあなたの味方よ。そりゃ喧嘩して、きつく言っちゃう事もあるよ。けど、あなたが大事なの。それでもあなたが必要なの。私だけじゃないわ、鈴菜も黄蜂も夢月もあなたが必要なの、私たちは仲間よ。」

その言葉に安心したのか落ち着きを取り戻す。レヴィアタンも蜜柑に近づく。

「初めて契約したときの事覚えてるか？雨の中一人ぼっちのお前、孤独の私…偶然出会ってた。安心したのだぞ？一人ぼっちが集まればそれは仲間になる。さぁ、わが主よ。我が名を呼んでくれ…」

レヴィアタンが蜜柑の中に取り込まれる。蜜柑は静かに瞳を閉じその名を呼ぶ。確かに妬ましい事、嫌なことはある。だけど仲間に囲まれている。その事を再確認した蜜柑には何かに嫉妬する意味はない。

「…レヴィアタン。」

本来の姿をしたレヴィアタンが現れ、黒いモヤを攻撃。その姿は大きな翼…大きな爪…蛇のような姿だ。

「さぁ、我が主。とどめを…。」
「くそっ…」
「私は…一人じゃにゃい。仲間がいる！妬む必要はにゃい！」

拳で殴る。猫パンチを応用した攻撃で黒いモヤを殴る。黒いモヤは消えた。

「一件落着ね…ふぁ～…。眠いわ。」

朱音の目は半開き状態だ。かなり面白い顔をしている。沈みかけの月を背に、レヴィアタンに朱音を担がせさぁ、帰ろう。