89話 悪食の果て　作：紅瑠璃

空の様子がおかしい…。いくらお腹が減っていても人は食べないってか食べたらダメなのだが…。

「蜜柑さん！それにNo.101がついてる！いっ…」
「わかった。あとは喋らにゃいで」

しびれを切らしたのか、空が先攻をとった。空は「バッド・セブン」モンスター２体を並べ、エクシーズをしてNo.101…S・H・Ark Knightを出してエンドした。蜜柑のターン。…あれはリアルNo.なのか違うのか…全くわからない。こんな時…ホープがいれば。現在の対抗手段はカステルだろう。

「私は忍法 朧分身の術を発動し、手札の機甲忍者フレイムを特殊召喚。成金忍者を召喚し、手札の罠を捨て、デッキから忍者マスターHANZOを特殊召喚する。効果で機甲忍者アースを手札に加えて、成金忍者とフレイムでエクシーズ…鳥銃士カステルを出す。カステルの効果を使う。素材を二つ使い、No.101をデッキに戻してもらう。バトル！」
「たす…けて」
「にゃ！？」

No.101が体の持ち主、宮野 空の人格を出し、盾をとった。

「良いのか？もし、ダイレクトアタックすればこの女に傷を負わせる…もう一人の人格には眠ってもらっているよ」
「な、なんなの…もう一人の人格って何…。訳がわからないよ…助けてよ！」
「そうだなぁ～。どんな風な傷だが教えてやろう！」
「ぎあぁぁぁ！い、痛い…ち、血が！いや…いやぁぁ！」

No.101は宮野空の腕に傷を負わせ、見せつける。空の目には大粒の涙。蜜柑は攻撃しようにも攻撃ができない…エンドの宣言をした。

「ドォォロォォー！ブラックホールを発動し、貴様のモンスターを全て破壊する！…また体を借りるぞ」
「いや！来ないで…来ないでぇ！…やはり、気分が良いものだな。こいつの体は！バッド・セブンルシファーを召喚し、手札のバッド・セブンベルフェゴールを特殊召喚。こいっ！ランク4！」

No.101は無理矢理に空の体を乗っとり、No.101を出そうとしていた。

「深海により生まれし、怪物よ！その姿現し、地上の生命を大海に引きずり込め！喰らえ！No.101S・H・Ark knight！バァトル！」

2100のライフを削られ、残り5900。エンドされた。ドロー。

「どうする。カステルは墓地…。…やってみるか。私は機甲忍者アースを特殊召喚し、これをリリースし、ゲツガをアドバンス召喚。ゲツガの効果で守備表示ににゃることで墓地の忍者マスターHANZOと機甲忍者フレイムを特殊召喚し、HANZOの効果で伝説の忍者猿飛を手札に加える。忍者マスターHANZOと機甲忍者フレイムでエクシーズをする。ランク4！その輝き、その剣は他者を葬り去る。妬め！No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ。」
「ほぉ…103か。」
「ダイレクトアタックじゃにゃければあんたに攻撃できる。バトル！…エンド。」

空はドローする。空が引いたのはRUM－七皇の剣。

「深海の悪魔よ深き眠りから目覚め、地上の光を喰らい、大海の闇を生み出せ！CNo.101S・H・Dark knight！効果でゲツガを吸収。バトル」

2500のダメージ。3400しかない。空はエンドをし、蜜柑がドロー。

「手札から忍法 宵闇手裏剣の術を発動し、墓地の忍法カードと忍者カード１枚ずつを除外し、相手のモンスター１体を除外する。私はCNo.101を除外する。私は…忍法 朧桜の術を発動し、墓地の忍者を特殊召喚！こいっ！ゲツガ。忍者を召喚もしくは特殊召喚したことにより、手札の伝説の忍者猿飛を特殊召喚。ゲツガの効果で守備表示ににゃることで、墓地の忍者２体を特殊召喚。フレイムとHANZO。HANZOの効果でシンゲツをサーチし、エクシーズ！機甲忍者ブレード・ハート。手札から忍者マスターHANZOを召喚し、デッキから忍法 朧分身の術をサーチし、猿飛の効果でゲツガを対象にし、このターンフィールドの忍者のレベルはゲツガとおにゃじににゃる！猿飛とHANZOはレベル8…エクシーズ！森羅の守神アルセイ。アルセイの効果でデッキトップを宣言…クリボーと宣言をする。」

もちろんクリボーなど入ってない。なのでデッキトップは宣言したものではない。これによりアルセイの効果が適応する。素材を１つ使い、No.101をデッキの上か、下に戻す。もっとも、エクストラデッキなので関係ない。

「私は朧分身の術を使い、手札の黄昏の忍者－シンゲツを特殊召喚。」
「おいおい。忘れた訳じゃないだろ？俺にダイレクトアタックすればこの女が傷むってっ！？なんだ！」

蜜柑の目には見えないがきっと十六夜 空なのだろう。No.101に気絶させられていたのだろう。

「その手を離しな…離せ！」
「やめろっ私を体から追い出すな！」
「よし戻った！蜜柑！早く今のうちに！」

見事空の体を取り返した十六夜は蜜柑に攻撃を急がせた。

「私は…ブレード・ハートの甲かを使い、自身の攻撃回数を2回にする。バトル！アルセイ、シンゲツ、ブレード・ハート！」

ライフを削りきった。十六夜 空の近くに黒いモヤが現れる。

「私がその子の記憶を食べてあげよう…」
「ふざけるな。誰もお前に守ってもらうとは言わない。」

両親からプレゼントされた、最後にプレゼントされたキーホルダー。それぞれトランプの記号を模したキーホルダーのスペードを手に取る。すると大きな武器になった。その武器を肩に担ぎ、近づく。

「あいつを…守るのは、私だ。」

力強い降りとともに黒いモヤが真っ二つに割けた。空は元の裏の人格…優しい人格の宮野 空に戻ったのと同時に腕の痛みを訴えた。真保も動けなさそうだ。

「待って！この薬を試さない？」
「にゃにそれ？」
「超回復薬よ。飲み込めば体の傷程度ならすぐ治るわ…ただし、数分後どっと疲れが重く感じるわ。」
「や、やめとくよ」

二人とも蜜柑に担がれ、宮野家に連れてかれた。現在、No.105、No.102、No.104、No.103、No.101が見つかっているそれぞれ七つの大罪…憤怒、色欲、強欲、嫉妬、悪食が模されている。ということは残りNo.106とNo.107…傲慢と怠惰が眠るのだろう。蜜柑と真保はそう感じた。