40話 乱れる想い　作：紅瑠璃

～白梅海岸～
伊月「ここか…鈴菜が居るとこは…。」
蜜柑「珍しいね。イヅが人の事を心配するにゃんて…。」
伊月「…あいつは…俺の命の恩人だからな。当然だろ。にしても、お前寒くないのか？冬の海だし…。」
蜜柑「ここに来る前ね！シユに暖かくしてもらったの！」
伊月「あぁ(あいつの数珠…。稲荷か。)それなら良いのだが…ん？なんだ？」
そこにはたくさんの人が集まっていた。人と人の間から見えたのは今人気の人。夜風萌羅だった。
蜜柑「あれは、夜風さん。撮影してるのかにゃ？」
伊月「だろうな。マイクがある。ぉ…海璃…。」
萌羅「お疲れ様でした♪あら？ミカちゃん！うわっ！…。」
撮影が終わったのか蜜柑に気づいたがあっという間にファンに囲まれてしまった。それをも一人一人対応するのが夜風萌羅。
蜜柑「お疲れ様です…。」
伊月「海璃…さん。鈴菜を見てないか？」
海璃「見てないが…。何か、あったのか？」
伊月「いや、何もない…。」
萌羅「今日はもう仕事ないから四人で食事にしましょ♪私がおごるから♪」
蜜柑「え、いや…。私たちは……」
伊月「…。おいばか野郎超有名人におごって貰えるんだぞ！断るわけねぇだろ！……行きます。お願いします」
蜜柑「お、お願い…します…。(ごめんね。レイ…。)」
～食事後～
萌羅「美味しかったね♪」
海璃「そうだな…。」
伊月「それじゃ俺たちは用があるのでこの辺で…。」(挨拶をし、立ち去る)
萌羅「良いねぇ青春は…。お兄ちゃん？ねぇお兄ちゃんってば！」
海璃「め…ろ。逃げろ！今すぐ！」(右手には刀を持っている)
すかさず萌羅は悲鳴をあげた。その声を聞いて駆けつけたのは伊月と蜜柑だった。
伊月「海璃！」
蜜柑「にゃにかに乗っ取られている？」
伊月「かもな！」(海璃が刀を振り上げるのを見て海璃に向かってく)
海璃「はぁっ！」(刀を降り下ろす。しかし伊月がzeroに変身し、身を犠牲にして守った)
伊月(zero)「ぐはっ！…に、逃げろ！」(斬られた箇所からは大量の砂が噴き出す)
蜜柑(zero)「やめろ！海璃」(蜜柑もzeroに変身し海璃の動きを止めようとする)
海璃「俺じゃない！でも止められない！二人とも…頼んだ…。……さぁて。狩りの時間だ」
二人は感じた。危ない事を、何せ二人の弱点。zeroの弱点は魂あるものからの攻撃だからだ。海璃の…ある特定の人が所持している刀には魂が宿っている。その魂と力を、心を合わせることで強力な力を出せる。しかしzeroの場合力を合わせなくても大ダメージを受けるのだ。魂が宿っていない物からの攻撃には全くダメージがない。しかも、今の海璃には何かが取りついていると言うとこがまた怖いとこである。
海璃(zero)「いくぞ！轟け…深淵の牙王！」(体をzeroにかえ、刀の形が変わり、大剣になる。)
伊月「マジか…。」(まだ砂が出てる)
蜜柑「グッと…。あ、あれは！レイ！」
伊月「なに？藍野が？……お前はそっち行け！ここは俺と…」
黒伊月「なぁに俺も力貸すことになってんだよ…まぁ俺とで止めるから行けって事だ。」
蜜柑「で、でも！イヅ消えそうだよ！」
黒伊月「主は俺が守る。それでいいだろ？わかったら行けよ。っ！」(海璃の攻撃を受け止める)
蜜柑「う、うん！」(変身を解き、鈴菜を追いかける)
～白梅海岸の近くの白梅の森にて～
蜜柑「レイ～！レイー！」
突然、後ろからナイフが飛んでくるが、蜜柑はそれに気付き避ける。
鈴菜「さすが、猫ね。」
蜜柑「レイ！こんにゃとこでにゃにしてるの？家は？学校は？みんにゃ心配してるよ？」
鈴菜「心配？心配してるやつならどこにいるのさ！蜜柑。あんたの皆が心配している。は綺麗事。心配しているならあんた見たいにここに来るはずよね？」
蜜柑「そ、それは…。」
鈴菜「まぁ大量にこられても困るけど…。にしても真保が私の居場所を見つけたときは驚いたよ。でもまぁこうやって取ってやったけどね」
鈴菜の手には３枚のカード、No.25、No.19、No.61がある。
蜜柑「返せ！」
鈴菜「そうがっつくな…。こうしようあなたの持ってるNo.全てをくれたらなにもしない。けど、くれないなら…わかるよね？１０秒後には血まみれになるけど…」
蜜柑「待ってよ…誰かに頼まれたの？あにゃたの事だから頼まれても動かないよね…人質がいるとか？レイの事だから小さい男の子だよね？」
鈴菜「！？……そんなのは…ない。…さて、カードをくれる？それとも渡さない？」
蜜柑「(…渡したら…良いことはおきにゃいだろう…だったら。)嫌だ。」
鈴菜「…そう…スピーディに行きますか。」
鈴菜の口癖。スピーディに行きますかの言葉を吐き捨てると着ていたコートの前を開ける。中には52本のナイフがしまってあった。その後、蜜柑の目には鈴菜が見えなかった。しかし攻撃相手は蜜柑ではなかった別の人へ攻撃していることがわかった。 10秒後、その相手が誰なのか蜜柑はわかった
夢月「…。藍野殿。何の真似か…。」
鈴菜「夢月…暦…。何でここに…って修行でしょ？」
夢月「私の質問に無視するな！何ゆえこのような事をしているのかと問っている。」
鈴菜「教えるかよ…。」(夢月の背後を突く)
夢月「そのような動き。見えている。とは言え私が背を付かれるなど…また修行が足らぬな…。」
鈴菜「蜜柑…。さっきあんたが言った通り。私は加奈人君を人質に取られている。それだけは教えといてあげよう。私は可愛い男の子の為なら…そっからはわかるよね？」
と言うと煙幕玉で煙幕を起こし逃げる。
蜜柑「ぁ…夢月。ありがとね♪」
夢月「それはよい。猫山殿。して、可愛い男の子の為なら何をするのだ？」
蜜柑「レイはショタのためにゃら自分が死ぬことも怖れず、友達も平気で裏切れる。」
夢月「それは…強敵そうだな…。」
蜜柑「はっ！イヅ！」
～白梅海岸～
萌羅「伊月君！お兄ちゃん！しっかり！」
海璃「す、すまない…。萌羅。げほっ。」
伊月「おぉ…蜜柑…。藍野は？」(まだzeroの姿で傷口からは砂が流れてる)
蜜柑「…逃げられた…。」
黒伊月「あっそ。では皆さんこいつの身柄は俺が預かるので…」(伊月と黒伊月は影の中に入る)
海璃「俺は…萌羅に何て事を…。」
萌羅「お兄ちゃん…。大丈夫だよ…。私は大丈夫。」(やさしく抱き締める)
蜜柑「…。夢月…帰ろ…。」
夢月「だな。では夜風殿。これにて…。」