66話 家族との時間　作：紅瑠璃

真保は今夏休み。宿題はすぐ終わる…それよりも行きたいとこが真保にはあった…家族と行きたいとこに…。抹茶ラテを飲み干し、姉である京子に提案しにいった。

真保「おねーちゃん！もし…良かったら29日に科学博物館に家族一緒に行こ♪」
京子「ごめん…アストライアーの仕事とか…色々とやることがあるの…私は行けないな」
真保「休みは…あるの？」
京子「…町にいる悪い怪異を倒すため、休みは…ない…けど、連絡があるまで動かなくていいんだ。」
真保「なら…」
京子「いつ呼ばれるかわからないから…いつでも出撃出来るように」

一緒に行きたいのに…家族みんなで行きたいのに。

真保「そうやっておねーちゃんだけ仕事仕事って…たまには家族との時間も過ごしてよ！」
京子「っ！？真保！」

真保は急に飛び出してしまった。すぐに追いかけたかったが…追いかけることが出来なかった…

～アストライアー本部～
京子「…」
永村「どうした？いつものお前らしくないな…宇佐美も気にしてたぞ。そういえばここ最近怪異の組織がいるらしいな」
京子「それは聞いたことある…確か…夜に夜に活動するから高校生の子達に頼んでないんでしょ？」
永村「ははっ…そうだな。たまには家族と時間を過ごしたらどうだ？俺には家族なんて居ないからな…」
京子「…。」

京子はその部屋を出た。宇佐美に会うために会うために

～山奥～
真保「おねーちゃん…」
夢月「はぁ…はぁ…こんな状態では皆に会えぬ…ん？宮野殿…どうしたのだ？」
真保「夢月さんこそ…汗が…？」
夢月「うむ。熱いからな…して、何故ゆえこのような場に？」

全てを話した。家族と時間を過ごしたいのに京子だけ仕事だと言い家族との時間を過ごせない悲しみ。しかし、話終えたあと気がついた…夢月に親はもういないと。空と同様にある街でたった一人…生き残った。犯人は悪食の悪魔の契約者…マプタエ・ベルゼ…。

真保「あ…その…ごめんなさい。夢月さんに家族のこと…」
夢月「気にするな…にしても羨ましい限りだ。久しく私も会いたい。まぁ会えればの話だがなw…。確かにアストライアーは休みが無いように見えるな…。宮野殿はお主の姉上がなぜアストライアーに入ったか知っておるか？」
真保「…。」
夢月「家族を守りたいから…特に宮野殿…お主を守るために。だからあの人は守るための強さを得た。」
真保「あれほど…物を破壊してるのに…」
夢月「…ふっ。うむ。ここには強い怪異がいるらしい…生憎京子殿は別の任務だとか…宮野殿帰るが良い」
真保「ありがとうございました。」

手を振り真保は帰る…それを見送る夢月。今にも何かに乗っ取られそうな右手で…。

夢月「くっ…もう、ダメだ…いっそうのことこの刀で自害してしまおうか…」

刀を抜き取ったまでは覚えてる。そのあとは…覚えてない…。

～アストライアー本部～
京子「あ、こわれた…宇佐美？」
宇佐美「あのさ…ドアを壊すの止めてくれない？」
京子「壊れるドアが悪い。」
宇佐美「こりゃ酷いわ。丁度伝えたいことがあったのよ」
京子「…？」
宇佐美「監視カメラと繋げて見てたのよ…」
京子「あれは…真保…」
宇佐美「どこ見てんの？下の方…こんな夜遅いものあんなかれんな眼鏡っ子が歩いてれば狙われるわな」

京子は今まで見せたことがない顔をし、飛び出していった。何故なら監視カメラに写っていた真保の近くに怪しい人陰が数人。彼らは隙を見て真保を路地裏に連れてったからだ。

宇佐美「あいつ…あそこがどこだかわかってるのかな…？」

～路地裏～
真保「くっ…」
蜘蛛人間「へへっ可愛い子ちゃんじゃねぇか」
真保「止めて…放して！」
蜘蛛人間「威勢はいいなぁ～。」

周囲は見ることが出来ないが声からすると10人はいるであろう。カードも家に忘れてきた…もう助からない…そう思ったときだ。彼らの仲間の一人が吹き飛ばされてきた。まるで弾丸のように…

京子「…私の…妹を返しなさい。」
蜘蛛人間「たったの一人…ましてや女だ…かかれ！」
京子「…(明らかに怪異…そして、組織のよう…体長が言っていた奴等か…)」

蜘蛛の糸、鉄の棒等で攻撃されても怯むことなくなぎ倒し、真保に近づく。

蜘蛛人間「化け物かよ…」
京子「私は…とてもか弱い女…」

メリケンサックを装備した拳でボスらしき男に攻撃した…殴られたボスはデュエルカードを見せて、デュエルディスクを作った…今の真保にはカードが１枚もない…いや、定期があった。しかし、そんなものでは倒すことが出来ないしもしもの時自分が帰れない。

京子「崩れろ…狂目の柱…」

ポケットから小刀を取りだし、解放…10個のナックルユニットになり、それで攻撃…ではなくナックルユニットに搭載されているコンテナを開けるとデッキがあった…京子の愛するギャラクシーアイズ…確か京子は「青目は許さない」と言いながら作ったギャラクシーアイズデッキ。その強さからこのデュエルはすぐに片付いた。

京子「銀河眼の光波惑星竜の効果！ユニット一つ取り除いてこのターン自分フィールドのモンスターと同じ名前にする。私はNo.62をこのカードと同じ銀河眼の光波惑星竜にする。そして、銀河眼の光波惑星竜となったNo.62銀河眼の光子竜皇の効果！ユニット一つ取り除いてフィールドのランクの数×200の攻撃力で敵にアタック！」
蜘蛛人間「フィールドにはランク6、8が3体…9が２体…13600！？」
京子「同名モンスターが２体…銀河眼の光子竜皇は現在銀河眼の光波惑星竜となっているため光波干渉の効果を適用できる！さらに攻撃力は倍となる！…いけ。」
蜘蛛人間「ぐはぁぁ！」
京子「リアルNo.6とリアルNo.55…だよね…とった。…ん？まだやるのか！」
蜘蛛人間「俺だってな…怪異なんだよぉ！」
京子「…」
蜘蛛人間「な、なんだ…なんなんだその武器はぁあ！？」
京子「ブラスト…」

京子の狂目の柱が右腕に9本合わさり、蜘蛛人間に強烈な一撃を浴びせた。その威力は高層ビルを一発で3つ破壊した。山を軽く消すほど。言葉だけではわからないだろうが威力はアストライアーの中でも一番で自信を持てるほどだ。蜘蛛人間は当然とても…とても遠い所まで吹き飛ばされ生きているはずもない。取り巻きどもはボスを探すため急いであとを追った。

京子「…」
真保「その…ごめんなさい！夢月さんから聞いたんだ。おねーちゃんがアストライアーにいる理由」
京子「私も…ごめんね…もう少し家族といるべきだよ…少し頭冷やしたら理解して…。その29日だっけ？お父さんとお母さんは行くって？」
真保「うん…空も行くって」
京子「…私も行く。良いかな？」
真保「うん！じゃぁ帰ろっか♪」
京子「…。」

いつぶりだろうか妹の手を握ったのは妹が中学に上がってから握らなくなった…。いや、自分のアストライアーとしての仕事が多くなった気がしたからだ。そのときから年々家族との時間がない気がしていた。懐かしい。そんな思うが京子の脳に浮かんだ…。