125話 二人のサイコデュエリスト　作：紅瑠璃

「マスター・キー・ビートルっ！あそこっ！」
「あれは…ホープとホープレスだな。」
「ホープ…レス？」
「あぁ…確かホープの心の闇を具現化したものだな。ほれ、」

上空から黒羽姉妹とNo.66が見ると希望皇ホープと蜜柑が戦っているのが見えた。しかし一方的に攻撃は弾かれているようだ…だから蜜柑の方が疲れている。

「あれは持たないな…どうする。助けるか？」

No.66が提案したとき早百合は悩んだが梓は「助けにいこう」と言った。マスター・キー・ビートルが攻撃をする。ホープはそれに気づいてバリアーを張るが蜜柑はそれを見逃さなかった…攻撃をするとやはりだ。やっとダメージらしいものが入った。どうやら一度に張れるバリアーは1枚のみのよう。

「んにゃっ！梓と早百合さん…とNo.66！」
「ワイが最後か。まぁええ…。」
「蜜柑さんッ！助太刀します！」
「黒羽姉妹はタカミネ社長と居て！」

蜜柑の言葉を聞き、辺りを見回すとタカミネ社長がいた。確かに私たちが居ても邪魔なのだろう…残念そうにするが仕方がない。タカミネ社長と行動することにした。

「なぁ猫山…挟み撃ちをするしかないぞ…。」
「…にゃんで黒羽と行動してるの…」
「訳ありでな…力を貸してる。それより、やるぞっ！」

No.66は左から蜜柑は右から攻撃をする。No.66側にはバリアーを張った。これで攻撃が通るはずだ…蜜柑は早くけりをつけるためにzeroの体に返信して攻撃をする。これで決まる。そう感じていたが現実は甘くない。ホープの剣でその攻撃は防がれてしまった。それどころか反撃の一撃が蜜柑に当たった…zeroの体である今は体から砂が流れ出る。この砂が出すぎると消滅してしまう…人の姿に戻るしかなかった。

「うぅ…痛い。」
「はにゃっ…京子さん…大丈夫？」
「早く…終わらせなきゃ…真保が…。」

上空から落下してきた京子が本当に痛いのか痛くないのかわからない口調で言う。確かに地下には真保とカグラがいるはずだ…。

～地下、電力室付近～

「くぅ…う、うごかないで！」
「その銃じゃ僕には当たりはしない。まぁここの防衛を任されたからね…。元々、倒される気はないねっ！」

カグラが鈴菜さんばりの素早さで攻め込むと私の喉を目掛けてナイフを振ってくる…ただ「死にたくない」その思いで必死になる。

「がぁぁあぁぁっ！い、痛い…」
「そりゃぁ左腕で守るからだよ…おとなしく斬られてよ。」

カグラのナイフにより左腕に2ヵ所、両足に一ヶ所ずつ怪我をした。両足はそれほどではないが左腕が致命的だ…何せ上がらない、力がでない。それでも諦めたくない…でも死にたくない…なら、この手しかない。私は右腕に持っているデュエルディスクショットを操作する…。

〈デュエルディスクショット…デュエルモード…。オン！〉

「なら、デュエル…しましょ。」
「なるほどね…確かに一方的に攻撃するのは飽きていた。さぁ、デュエルと行こうか。」

デュエルが始まった。先行は私…宮野真保からだ…。初手は普通。モンスター１体を伏せ、カード1枚を伏せてエンド…。カグラのターン。

「デストラクション・サーベル召喚。サーベルの効果発動。フィールドのフィールドの魔法、罠を1枚破壊する。さらに、破壊したことにより手札のデストラクション・ナパームを特殊召喚！僕はデストラクション・サーベルにデストラクション・ナパームをチューニング！」
「シンクロっ！」
「そうさ…シンクロ召喚！デストラクション・ダーインスレイヴ。デストラクション・ダーインスレイヴで攻撃。」
「くぅ…破壊されたのはDNA－005…この子は破壊されると相手のモンスター１体のコントロールを得る。…ダーインスレイヴは貰うわ！」
「手札を３枚伏せてエンド。」

しかしダーインスレイヴのレベルは7…いや、出せる。

「私のターン。私はDNA－011を召喚し、ワン・フォー・ワンを使うわ。手札のモンスター１体を捨てて、デッキからDNA－004を守備表示で特殊召喚。これでレベルは10…。」
「そう慌てないの。罠オープン。デストラクション・バース。フィールドのカード1枚を破壊する…ダーインスレイヴを破壊するよ！」
「…しまった！ダーインスレイヴは破壊されたとき効果がある…。」
「そう。自分の墓地のデストラクションモンスター２体を特殊召喚する。さー、エンドか？」

エンドするしかなかった。DNA－004の攻守は500…DNA－011の攻守は1000…。

「ただでエンドさせるわけないよ！デストラクション・ダイナマイト。自分のデストラクションモンスターを任意の数まで破壊し、破壊した数までフィールドのカードを破壊できる。デストラクション・サーベル…デストラクション・ナパームを破壊し、２枚…DNA－004とDNA－011を破壊。」

本当ならDNA－011の効果でフィールドのカード1枚を破壊し、1枚ドローするのだが破壊されると効果を使う…見えている罠には落ちたくなかった。私はDNA－011の効果を使わなかった。相手のデストラクション・ナパームの効果…破壊されるとお互いに1000ポイントのダメージを受ける…お互いのライフは7000になった。

「カグラ…そういえばあなたもサイコデュエリストなのよね…サイコデュエリストとはなんなの！」
「そうだな…選ばれし人種それは神に近いものだ！今回の騒動も僕なしでは起きない…。」
「では、何でこんなことをするの！」
「平和のためさ…平和に必要なのは統合だよ。よく人は許し合い等と言う。それで本当に終わりかい？本当に許し合うことができたかい？それで平和になったい？ならない…何故ならお互いがバラバラだからだ。それを１つにする。僕がね！さぁドロー。ふふっデストラクション・ハンマー召喚…バトルッ！1700のダメージを受けな！」
「くっ！ドロー。…これじゃない…けど、これも必要…カード1枚を伏せてエンド。」
「ドロー。デストラクション・サイズを召喚…バトルといこうか。いけっサイズ。」

続けてハンマーの攻撃…私のライフは2400となった。

「ドロー。DNA－019を召喚！効果でフィールドのモンスター１体を指定し、そのモンスターと同じ名前、種族、属性、攻守になる。私はデストラクション・ハンマーを指定する。その攻守をDNA－019と同じにする。私はデストラクション・サイズに攻撃。」
「サイズが破壊されてしまった…。だが、これで効果を使える。自分のデストラクション・ハンマーを破壊。ハンマーが破壊されたことにより相手のモンスター全ての攻守は半分になる…。」
「は、850…。じょ、上等よ！」
「ドロー。魔法カード、デストラクション・ミサイルを発動。フィールドのカード1枚を破壊する。僕の伏せカードを破壊するよ！デストラクション・バーナー。…これが破壊されたとき、墓地のデストラクションモンスター１体を特殊召喚し、相手のカード1枚を破壊する。その伏せカード…それを破壊してくれるかな？」
「DNA－019の効果！自分のカード全ての破壊を一回だけ無効にする。」
「でも特殊召喚はできる。デストラクション・ダーインスレイヴッ！バトル！」
「DNA－019の効果でこのカードも一回だけ破壊されない…ぐはぁっ！…さすがにライフが750じゃどうしようもない…けどやつはフィールドのダーインスレイヴのみ。いけるはず。ドロー…。」
「ん？どうしたんだい？もうサレンダーか？」
「ふふっ…ふふふっ。全て…終わらしてあげる！」

まただ、トヨフミと戦ったときもそうだった。このコンボをしようとすると笑ってしまう。深くは考えたことはない…だって…相手をねじ伏せ、止め、倒すのが楽しくて仕方ない、楽しすぎて他のことが考えられないからだ。

～蜜柑の周囲～

「もう、怒った…蜜柑…10秒の間の内に三人をここにつれてきて…。宇佐美に使わないように言われたあれ、使うから。」
「わ、わかった。」

何が起きるのかは知らないが蜜柑はタカミネと黒羽姉妹を連れてきた。なぜ、京子さんが脳筋と言われ、見るなり会うなり怪異に逃げられるかはこれを見てからこれを見てからこれを見てから知ることになった。

「万物見通せしソロモンの柱…72の魂よ…集えっ！その狂いの眼見開けっ！…魔歹悪塞ノ柱。」
「にゃ、にゃにこれ…。」
「何てことだ…。」
「撃て。」

人の3倍はあるであろう拳の形をしたユニット…それらからミサイル、レーザー様々なものがホープとホープレスを攻める。これでもまだ本気を出していないのか「本当なら要塞も出るけどね…」と言っていた。しばらくの間爆撃が続いた。再び辺りを見回す時にはホープもホープレスも倒れていた。何でも力付くでねじ伏せる、勝てなければさらに、力付く。それが宮野京子のやり方。宮野京子はまた地下室に戻っていった。一人取り残した真保を助けるために。蜜柑…私はホープの所に行き。念じる…けど何も起きない…。実際、光に戻すといっても何をすればいいのかわからない。それでも念じる…ホープを助けたい…。

「猫山さんの辺りが…。」
「光だした？」

蜜柑の立っている回りが光だした。蜜柑はその手でホープを抱きしめる…。ホープの闇が浄化されるような…厳密にはわからないがそんな気分だった。

「ホープっ戻って！」

その言葉に反応するかのように希望皇ホープは立ち上がり、その足でホープレスに近づく。ホープは自身の持っている剣でホープレスを切り裂いた。

「ホープ…戻ったのね！」

No.39希望皇ホープはカードに戻ったが蜜柑にはわかる。ホープは光に戻ったのだと…。

～地下室の付近～

「おっと…上では何が…。それよりも何を見せてくれるのかな…。」
「私は墓地のDNA－020とDNA－アレルギー反応の効果発動。除外することでDNA－モンスター１体をデッキから手札に加える。それぞれの効果で２枚とも手札に加える。」
「そうか…アレルギー反応は最初に破壊された魔法罠カード。DNA－020はワン・フォー・ワンのコストに捨てたものか。」
「私はDNA－D・FアデニンとDNA－001を加えるわ。さぁ始めるわ！」