118話 桜華氷結　作：紅瑠璃

「うぅ…ここは？」

弧山朱音…私は気がついた場所は先程いた場所じゃない…。歩き始め、数分たった時だ…上空から戦闘機に似た物体がこちらに向かってくるのが見えた。数は…３機倒せる範囲だ。

「はぁ…行くよっ！」

私の両手に炎をまとわせ３機に立ち向かう。

～鈴菜の付近～

「もうこの辺は大丈夫ね。」

鈴菜は近くにいた人を助け伊月の近くまで連れていった。「鈴菜の胸には１つの命を救った」と言う気持ちが感じるかがどうにも心がスッとしない。その時直感で感じたことを考えると突然鈴菜は走り出した。

～黄蜂の周辺～

「優衣…早くそいつ連れて本部に行こうよ…。」
「そうね…こんな感じじゃ喋れそうにないしね…」

と、優衣は言っているがどう見たって優衣がしたことだ。見せられないような顔…良い子が見ちゃいけない…そんな動画に出てきそうな顔…私は優衣にNo.21氷結のレディ・ジャスティスを担がせ歩き始めた。その時だった…上空から何が白いものが落ちてくる。それは優衣の真上に目掛けている。私は急いで優衣とNo.21を引き剥がし避けた。もし仮に落ちてきたものがNo.21の仲間なら秘密がバレそうになったら戦略的にやることは１つ。そいつを殺すこと。

「ホッホッホ…。ワシの攻撃を交わすとはな…。あの暦の仲間かの？」
「肩に10の文字あんたがNo.10…白騎士イルミネーター。」
「フォッフォ…お喋りはこの辺で終わりじゃよ！」
「うっ…早い…。」

守るのが精いっぱいだ。あいつはこんなのと戦ったのか…。銃弾を何発か撃つが全て一刀両断。私は手も足もでない…ヘイル・ブリザードを出しても逆にやられる。こんな相手にハザードスティンガーなんか放てば即死だ…。

「う～む。暦よりも骨がない…。」
「うっ…。ま、まだよ！」
「そのようだな…。はて、あの連れのおなごを斬れば多少は本気を出すかの。」
「っ！？そ、それだけはやめて！優衣は私の生きる力！」

No.10は全身に鎧をつけているようなので顔の表情は見えなかったがこの状況…あいつはやる気だ。私はこいつとの戦闘で立ち上がることが出来ない…今から死んで生き返るまでに時間がかかる。ヘイル・ブリザードやハザードスティンガーを出せば確実に私は死ぬ。凍らす事は出きるが白騎士イルミネーターと言うことは馬のようなのもいるだろうから無謀だ。イルミネーターは目に捕らえることが出来ないスピードで優衣に近づき刀をふりおろす。

「優衣ぃぃっ！」

もうダメ…私が珍しく諦めた。しかし私の耳に届いたのは人が斬られる音ではなく、刃と刃がぶつかる音だった。目を開けると優衣は尻餅をつき、イルミネーターと誰かがつばぜり合いをしていた。

「フォッフォ…久しいのぉ…。暦。」
「下の名だが…覚えてもらえて光栄だ。白騎士殿っ！」
「む、夢月…暦。」

見ると左肩に少し剣が入っている。血が流れているのを見えた。私は優衣が安全だったことに安心感を感じている。

「勘違いするな…お前の生きる力を守ったわけではない…一人の人間を守っただけだ！」
「フォッフォ…相変わらず仲が悪いのぉ…。お前さんに取りついてお前さんの記憶を見させてもらったが本当に仲が悪い。」
「わたしとあいつは友人ではない…だが仲間だ。」

私はその隙に銃弾を装填し撃つ。当たり前だが避けられてしまう。夢月の場所に行くと優衣を逃がした。優衣の足元にはNo.21のカードが落ちている…。

「怪我…平気？」
「ふん。何を言うか…。」
「その…さっきは…あ…。」

黄蜂がなにかを言おうとしているのはわかったが「あ」と行ったままつづきを言わない。「どうした。何かあるのなら言え。」と言ってみた。すると黄蜂は一瞬口元がにやついたが次に言ったのは…

「あともう少しで倒せたのに…。ほんと使えないわね！」
「なっ何を言うか！そもそもお主が狙いを定めておれば良かったものを！」
「フォッフォ…両者とも素直になればよいものを…。」
「ジジイは引っ込んでな！」

夢月が刀を構えボロボロの私は銃弾を装填する。本当に伝えたかったのは…「ありがとう。」その５文字が私の口からは言えなくつっかかる。お詫びにこれをしよう。

「夢月…私のキメ台詞言える？」
「いきなり何を…さぁ、凍てつきなさい…だったか？」
「ふふっ…この鋼の前に？」

黄蜂が何をしようとしているかはわかった。レイシユコンビが良くやるお便りのキメ台詞を合わせる奴だ。鈴菜は「スピーディーに、行きますか。」朱音は「かなり、燃え上がるわ。」…コンビで「スピーディーに、燃え上がるわ。」私は「この鋼の前に、屈しろ。」黄蜂は先程言った通り。なるほど気が合わないコンビ…コヨミサと言うわけか。私は答える。

「凍てつきなさい！」

私が前線で黄蜂が援護。それでも白騎士は倒せない…しかし負ける気はしない。今ここに桜華氷結…コヨミサ…生まれし。「この鋼の前に、凍てつきなさい」か。

「うぐっなんのこれしき！」
「まだだ！」

黄蜂の援護もあってなんとか追い詰めたがまだ馬が現れてないのがおかしい。

「今じゃよ！」
「なっ！」

いきなり現れた馬に蹴り飛ばされてしまった。自分としても恥ずかしい…手を緩めたがゆえの不幸。

「フォッフォ…本当は分かり合えるのじゃろ？さて、戦はまだまだこれからじゃよ…」

白騎士が馬に乗った。コレが皆の知っている白騎士イルミネーターの姿だ。夢月と黄蜂は再度武器を構えた。