117話 この戦いの目的　作：紅瑠璃

蜜柑は家で探し物をしていた。そもそもなぜ、家に戻ってきているかも不思議であろう。それは数分前、宇佐美真奈子にデュエルデッキを持ってアストライアー本部に来るように言われてわざわざ戻ってきて探しているのだ。

「ふにゃ！？ど、どこ！てかにゃんでこんにゃときにデッキにゃんか…。スクールバッグのにゃかかにゃぁ…。あった！ミカの忍者デッキ…。やっぱりコレが使いやすいね…。はにょわぁ！い、急がにゃきゃ！」

蜜柑が外に出て走ること数分…宮野真保にあった。彼女はNo.カードの気配を追っていたところ連絡を受け、デッキを探して持っていくところのようだ…二人ともこの戦いを終わらせるかもしれない…しか聞かされてない。重要なとこはあえて言わない宇佐美の行動は慣れるしかない。蜜柑はzeroに変身し真保を抱え走る…アストライアー本部を目指して。

～朱音の周辺～

弧山朱音は他にも助けを求めてる人を探しに出ていた。これぐらいの被害だ渚町だけではすまないはずだ…隣の町も被害が拡大していてもおかしくはないと考えていた。

「ひどい…。たくさんの瓦礫…誰か居ませんか～！」

返答がない。朱音はさらに歩き、声をかける。何かの唸り声がする。朱音はさらに声をかける。

「誰ですか！こちらはアストライアー所属の者です！」
「たす…けてく…れ」
「っ！？」

助けを求めてきたのは大ケガをした男性だった。かなり出欠もしている。応急措置が必要なほどだ…それを見て朱音は足がすくんだ。助けてあげたいが何か、何かがそれを拒む記憶の奥底にしまい込んでいた記憶が流れる。

「血…血が…。あ、あれ。おかしいな…。助けなきゃいけない助けたい！なのに…。」

男性は目の前で倒れてしまった。耳を塞ぎ俯く視線に入る血だまりそれを見た瞬間記憶が強く蘇った。

「う、うぅ…。うがぁぁ！い、いやぁぁぁ！人が…血に染まる！」

何かが壊れた。あれは自分が幼稚園の時、町が炎に包まれ、人々が血に染まった時。あのとき自分の瞳に心にこびりつき根を張った。

「シユ！シユ！しっかりして！」
「血…血…。」
「私も来てみたけど…酷いな…シユ！しっかりして！…朱音のトラウマは血なのね。この男性はもう助からない…朱音を安全なとこに置いてくか。」

私…藍野鈴菜は朱音がここの近くを通ったのを見たので着いていくとこのような状況になっていた。自分としてはこのような事もあるからアストライアーになんか入ってほしくなった。けど朱音は昔から他人ばかり助けようとする…結果、止められなかった。私は安全そうな場所まで朱音を運ぶと先を急いだ。にしても朱音の胸が大きくて運びにくかったしこんな場所に安全何てないのだろう。

～黄蜂の周辺～

「帰ってくれば…何か楽しそうなことになってるじゃん。人がゴロゴロ倒れて、助けを求めて、何が起きてるのか理解せずに死ぬ。ほんっと…くだらないわ。」
「本当にそんなこと思ってる？」
「優衣…喋る度に胸は触んないで。」
「私、女の子だーい好きだし。男嫌いって言うか…トラウマでね。」

そんな話は聞いた。小さいときに誘拐されて男たちに…。さてと作業に取りかかるか。倒れている人の特徴は刺し傷…そして、

「みんな何処か凍ってる…優衣こっち来て。」
「ホントだこの人は腕、あの人は足首…。凍らせるモンスターで刺し傷を与えるモンスター…。」

どうやら優衣は答えを導きだしたのだろう。まぁ、私も答えがわかった。その犯人は私たちの背後から近づいてきた。そこを私はスタンド「ヘイル・ブリザード」で捕まえる。

「正解ね、No.21氷結のレディ・ジャスティス。」
「ふん！…私をとらえるなんてその行為…。罪に値する！」
「なんとでもほざきなさい。あなたの負けよ。」

私は懐から銃を取りだしNo.21の米神に銃口を当てる。もちろん何やらほざくNo.21。

「あなた達の目的、何かしら？」
「そんなこと言うわけないだろ！」

私はスタンドの能力で氷の杭を作り、No.21の腕に打ち込む。もちろん痛そうな顔をする。そんな相手に私はこう答える。

「おいおい…気が強いってのは良いことだけど止めておくことね…。これはもう拷問に変わってるのよ。次は…ここね！」
「うぐわぁ！」
「うわーいたそ。ほら、優衣写真撮って。この痛そうな顔…。こう言う系のマニアなら何万で買い取ってくれるかしら。さて、言う気になった？」
「い、言わない！」
「はぁ…優衣。これどうする？」

私は優衣に聞いてみた。そして恥じることなくこう答えた。

「服を脱がしてダブルピースさせてマニアに売り付けましょ。あ、もちろんこれをつかってね」
「まだ持ってるんだ…ハッピーシリンジー。そういえばあの女の人は？」
「ふふっおしえなーい。さ、らくーになるよ。」

私はスマホで動画を取り優衣はNo.21にハッピーシリンジーを射つ。こうやってさわれる時点で質量があること。自我があることがわかった。あとはどんな反応するかが楽しみだ。相手の意識がもうろうとし始めた…No.21は最後に「何で…。」そう答えてぐったりしてしまった。使えないやつだった。何で…。そんな言葉は大抵が目的を知らないやつの台詞だ。とするとこいつらの意識には破壊があるだけで目的はないことになる。

～アストライアー本部～

本部についた二人は宇佐美さんの元に行った。

「お疲れさん」
「ふにゃーふにゃー。にゃんでデュエルデッキにゃんか…。」
「それは私が説明する。」
「あ、あなたはタカミネ社長！」

真保もミカも驚いた。タカミネ社長が宇佐美さんの隣にいるからだ。タカミネ社長は説明をしていった。あの見たことあるようなモンスター達は「No.ネットワーク」と言う装置で質量をもったモンスターであること。それを止めるにはカグラとシゲミツを倒すこと…らしい。だからデッキを持ってきてほしかったのだろう。ってアニメかよ…。

「すまない…人々を楽しませるはずの遊戯王がこんな人々を悲しませることになってしまって。」
「タ、タカミネさんのせいじゃないし大丈夫ですよ。」

けど、なぜ、ミカと真保なのかはいまだに教えてくれなさそうだ。