74話 空に咲く大輪　作：紅瑠璃

今日は夏祭りだ…。夏祭りといったら彼氏と屋台を見ていきたかった…。なんて彼氏のいない自分が妄想しても仕方ない。祭りは夜開始のはずだ。今は蜜柑さん達が退治した怪異の実験をしなくては。と、カレンダーに背を向けたとき、一階から何かが破壊されるような音が聞こえた。急いでかけ降りる。

・真保「おねーちゃん！何してるの！」
・京子「また、ブルーアイズが入賞。大会でもブルーアイズ…。」
・真保「だからってテーブル破壊しないでよ。」
・京子「それは…ごめん。もういい。ブルーアイズを狩る。」
・真保「え？何するの？」
・京子「フリーでブルーアイズを使ってる不届きものを一人残らず狩下ろす。祭りまでには間に合わせる！」
・真保「おねーちゃん！…確かにギャラクシー…入賞してないね。サイファードラゴンもブルーアイズに使われ、ブルーアイズの融合も強い。シンクロも強い。」
・空「ただい…なにこれ。」
・真保「おかえりおねーちゃんが遊戯王のブルーアイズデッキってやつに怒って荒らしたのよ。そう言う空こそどこ行ってたのよ？」
・空「飛真君のとこ…」
・真保「ま、まさか…」
・空「デート♪」
・真保「ぎぃぃぃやぁぁぁ！私にも、私にも彼氏がほしぃ！」

いきなり真保ねーちゃんが階段をかけあがり自分の部屋にこもった。鍵をかけてこもってしまった。

～夢月サイド～

・夢月「そういえば、今夜は祭りだな。うむ。実は、蕪木様が行ってきなさいと仰ってくれてな。行けるようになった！」
・鈴菜「そう。それよりもさ、何よ。このカード。」
・夢月「うむ。藍野殿に渡してとヴァルルが…。」
・鈴菜「私はこんなのやらないって…しかも使い方知らないし、興味ないし。」
・夢月「まぁそう言わずほれ。」
・鈴菜「んー。月光…ね。色欲と憤怒。つまり、後5人操られるってわけね。」
・夢月「うむ。一人は猫山殿とすると…残りは…。」
・鈴菜「さぁね。さて、私は帰らないと…。」
・夢月「そう…だな。」
・鈴菜「夢遊病は馴れないわ。」

鈴菜はパジャマの姿で夢月の家の前に倒れていた。鈴菜は貧血とたまに起きる夢遊病に悩まされている。その夢遊病はいつ起きるか本人もわからないため対処ができないと言う。あるときは砂浜に、あるときは山に、あるときはゴミを入れるコンテナの中…嫌になるほどだ。

・鈴菜「じゃぁまた、夜に…。」
・夢月「うむ。また、夜に！」

～祭り開場～

・真保「おねーちゃん！どうだった？」
・京子「14人と戦って…11回狩った。」
・真保「スゴいね！」
・京子「光波干渉と銀河眼の光波惑星竜が良かった。後は…」
・真保「ん？」
・京子「ギャラクシーアイズ・コズミック・ブラスター・ドラゴン。あれも良かった。…空は？」
・真保「飛真君と祭開場でデートなんだって…私も彼氏ほしい…。」
・京子「真保には無理だよ。薬臭い。薬臭い彼女って…引くわ。」
・真保「そんなっ！」

そんなとき、鈴菜さんと言われるがままの加奈人君が手を繋いでるとかを見かけた…というか、鈴菜さんが一方的に繋いでるようにしか…加奈人君は断れない男の子。あれこそ犯罪者だな。食べ物を食べながら歩くと夢月さんと朱音さんと一匹の猫がシートの上で座っていたから私とおねーちゃんもそこに交ざった。

・夢月「むふぉぉ！猫ちゃん♪猫ちゃん♪むふぉ！」
・真保「あ、相変わらずですね。」
・朱音「そうね。鈴菜を見かけた？」
・真保「先程…加奈人君を連れて歩いてましたよ？」
・朱音「そう…。さてと、何か買ってくるわね♪」
・藤崎「おやおやぁ？どこかに行くきっすか？」
・黄蜂「射的の景品あるのに…。」

藤崎さんと黄蜂さんが帰って来た途端に夢月さんの表情が変わった。夢月さんは猫を抱えながら藍野殿を探すと言い、出た。あの猫は…蜜柑さんだ。それよりも黄蜂さんが取ってきた景品の数だ。とても多い、さすが射撃主。

・藤崎「もう少しで上がるよ！」

もう少しで上がるよ…花火が上がるのだ。夏の終わりが近いのだな。と感じる。この祭で上がる花火は100発。少ないがそれでも花火に代わりはない。そして今上がった。夜に咲く大輪が…。