67話 5番目の憤怒　作：紅瑠璃

これは真保の話の少し前…夢月の通う学校も夏休み。宿題はすでに終えた。しかしやることと言えば我が身の心と技の修業のみ。遊ぶことは…ない。スマートフォンは…ない。夢月の部屋は女の子らしくない。夢月を保護している蕪木は女の子らしくお洒落したり友達と遊んでほしいと感じている。と感じているときに夢月が家にある電話に出た。あの感じだと友達であろう。

夢月「なっ！？29日にキャンプだと…そして今日は鈴木殿の家でゲーム…だと？」
朱音「今、私と蜜柑と鈴菜がいるの」
夢月「し、しかし私はゲームは出来ないし…と言うかキャンプもまことにすまないが行けない。本当にすまない！」
朱音「ちゃんと修業が出来るように滝もあるの！宿も良いらしいの」
夢月「ん？宿…止まるのか！…夜風殿たちが居るのか。(そもそも私の修業は滝…か。)」
朱音「うん。キャンプには私と蜜柑と鈴菜と千聖とネアと黄蜂と優衣と夜風 萌羅さんがいるの♪」
夢月「…す、すまない！皆だけで楽しんでくれ！今日もすまない！キャンプとやらもすまない！」

受話器をｶﾞﾀﾝ!と置いてしまった…間違ったことをしてしまったと置いた後で気がついた…。

蕪木「キャンプ…行かないのかい？」
夢月「蕪木様…私にはこの身のために力をつけなくてはなりませぬ…いつまでも守ってもらうのでは恩を仇で返してしまうので…では！」
蕪木「夢月！どこに？」
夢月「修業でございます」

夢月の修業場は歩いて30分の山奥だ。初めに瞑想から始まるのだが今日は違った…。先程友達を避けるかのように電話を切ってしまったからだ。嫌われたらどうしよ…頬に一粒滴が垂れる。同時に怒りも込み上げてくる…自分に対する怒りだ。その怒りに反応したのか木陰から黒いモヤが近づいてきたのだ。しかも良く見ると夢月の姿をしていた。黒いモヤが夢月に攻撃を仕掛けてきた…

夢月「何者かは知らぬ…と言うか答えないようだが…これでおしまいだ！一閃…重ノ刀！…倒したか…はぁ…はぁ…このままでは…ん？宮野殿？」
真保「夢月…さん？」

宮野真保が現れた。別に先程の光景については聞いてこない。それよりも何故ゆえこのような場に居るのかが知りたい。

夢月「何故ゆえこのような場に？」

話を聞くに宮野真保の姉… 宮野京子についての事だと言う。アストライアーの仕事が多くて家族との時間をとってくれないらしい。確かにアストライアーには休みが…あるように見えない。普段は一般人であり世間には伏せている。怪異が現れると速やかに退治する。怪異退治のスペシャリストだ…世間ではどんな人物が倒しているのか噂話で小耳に聞いたが…うむ。高校生が倒していると言ってみたらどんな反応をするのか…少々試してみたくなるのもまた事実。

夢月「宮野殿…何故ゆえ姉がアストライアーに入ったか知っているのか？」

いつの時だか話していた事を思い出した。宮野京子がアストライアーに入った理由…家族を守りたいから…。夢月暦…私自身が守りたい物…蕪木様と友人…。私に家族は居ない…幼いときに皆…私以外皆一人の女に殺された。殺されたと言うよりは食べられた。悪食の悪魔の契約者…マプタエ・ベルゼによって…そこの部分は話していないが姉の事を話終えると、宮野真保はお辞儀をすると帰っていった。私はそれを見送る。この時私の体は乗っ取られかけている事を悟られないように…。そしてそこからの事は覚えてない…。

蕪木「気になって見てみれば…乗っ取られてる…怒りに…君は何者だい？」
夢月(No.105)「怒りそのものだ！」

抜刀して蕪木に襲いかかるもひらりと交わし押さえつけた。

黄蜂「…うへー。こわいこわい。」
蕪木「黄蜂か…この子の事…頼んでいいかな？力で負けそう…」
黄蜂「どんな修業したんだよ…」
蕪木「怒りってやつに乗っ取られたらしくてね…それよりも何でこんなとこに？」
黄蜂「優衣から逃げてきた。今日こそヤバそうだった…2度と戻らなくなるかと思うほどの快感を♪って…厳つい電動式の棒持ってきて…怖い…。その棒からは悪意しか感じないほどの巨大さ、太さ、黒さ…」
蕪木「ちょっと待て…それ以上は確かに危ない。ってか二つ目でアウトだ。…さて、黄蜂…あとは頼んだ！」
夢月(No.105)「黄蜂…亜人…」
黄蜂「だったらどうする？見た感じ聞いた感じ…リアルNo.ってやつかな？ならデュエルしないと取り除けないってわけね！」

黄蜂はNo.24を取りだし、デュエルディスクを作った。夢月はNo.105の能力で同じくデュエルディスクを作った。

夢月(No.105)「私のターン…手札からバッドセブン・ベルゼブル召喚…エンド…」
黄蜂「ドロー。ランク6軸に近づけたからなぁ～。聖刻竜-トフェニドラゴンを特殊…こいつをリリース！聖刻竜-シユウドラゴンを特殊！もうテンプレ感があるけどラブラドライドラゴンを特殊！２体をリリース！アルティマヤ・ツォルキン！一枚伏せて…来い！クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン！やりたくないけど…バトル！」
夢月(No.105)「バッドセブン・ベルゼブルが攻撃対象にしてされたとき…手札からバッドセブン・ベルフェゴールの効果を発動。」
黄蜂「クリスタルウィングの効果で無効にする。そのモンスターの攻撃力…1000…4000になり、3000のダメージ！」
・夢月:ライフ5000
・黄蜂:ライフ8000
黄蜂「エンド…来なさい。」
夢月(No.105)「ドロー。バッドセブン・ホールを発動。あなたの…クリスタルウィングを除外」
黄蜂「そこまで読んでる！セットオープン…テクニカル・ドラゴン発動。フィールドのモンスターをリリースしてこのターンそのモンスターは戦闘で破壊されず効果でも破壊されない！クリスタルウィングをリリースしてアルティマヤ・ツォルキンを対象にとる。」
夢月(No.105)「…自分フィールドにモンスターが居ないときバッドセブン・マモンを特殊召喚。バッドセブン・ルシファーを召喚。効果でバッドセブン・ベルゼブルを特殊召喚。エクシーズ！怒りのすべて！No.105！BK 流星のセスタス！バトル！」
黄蜂「言ったはず…アルティマヤ・ツォルキンは戦闘、効果で破壊されない！」
夢月(No.105)「バッドセブン・ルシファーを素材としているモンスターは貫通効果を得る！」
・夢月:ライフ5000
・黄蜂:ライフ5500
夢月(No.105)「この怒りは止められぬ！ターンエンド！」
黄蜂「やれる…はず…やらなきゃな…はぁ。」