第4戦：不滅の決闘　作：名無しのゴーレム

「…………さぁ〜てさてさて、まさかの彦星組2連勝で、私たち織姫組は大ピンチ！ でもまだどっちが勝つかは分からない……というわけで！」



ﾃﾞﾝ、ﾃﾞｹﾃﾞｹﾃﾞｹﾃﾞｹ…………ﾃﾞﾝ!!



「第4戦は……バニシングDvs、クリム！」






〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜





「……どうやら、私の出番のようなのです」
「クリム、絶対勝ってね！ 3連敗とかシャレにならないから！」
「言われなくとも、元より勝つ気に決まっているのです」
「……あの、クリム……」
「フローラ……心配はいらないのです。……必ず、勝つのですよ」
「……ええ、そうね。……頑張って！」






〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜





「…………」


……まずは相手の挙動を観察する。癖などを見抜くことが出来れば、それはデュエルの際にも大きな武器となる……


「…………どうした、じっとこちらを見て……何か付いているのか？」
「……いえ、何も」


……しかし、今回の相手はアンドロイド。人間相手と同じようにはいかないことは明白……


「……なら、始めようか」
「……はい」


……相手の戦術が未知数な以上、一瞬も気を抜いてはいけない……！！






「「デュエル！！」」






バニシングD LP8000 手札5
クリム LP8000 手札5


「……先攻はもらう。『D-foil-Ant Black』を召喚。そして永続魔法、『次元の裂け目』を発動。……ターンエンドだ」


バニシングD LP8000 手札3 モンスターゾーン D-foil-Ant Black 魔法・罠ゾーン 次元の裂け目
クリム LP8000 手札5


次元の裂け目……多くのデッキにおいて、モンスターを墓地に送ることを封じられるのはかなり厳しい。それは私も例外ではない、が……


「私のターン、ドロー。手札の『紅蓮王の歩兵インファ』を捨てて、効果を発動。次元の裂け目を破壊するのです」
「……早いな。予測していたよりも……」
「これであなたのフィールドには下級モンスターが1体のみ……通常魔法、『おろかな埋葬』を発動。デッキから『紅蓮王の尖兵ヴァン』を墓地に送るのです。そして墓地に送ったヴァンの効果発動。デッキから『紅蓮王の旗手バーナード』を手札に。そして手札のバーナードを捨てて、効果発動。デッキから『紅蓮王の戦旗』を手札に加えるのですよ」
「…………」


……ここまで妨害が無い、その素振りすら見せないということは……手札からの妨害は無いか？


「……永続魔法、『紅蓮王の戦旗』を発動。このカードがフィールドに存在する限り、私の炎族モンスターの攻撃力は300アップするのです。『紅蓮王の騎兵ヴァリエール』を召喚。ヴァリエールの効果発動。私は1000のダメージを受ける」


クリム LP8000→7000


「っ……この瞬間、戦旗の効果発動。私が効果ダメージを受けた時、その数値以下の攻撃力を持つ紅蓮王モンスター1体を墓地から特殊召喚するのです。私はバーナードを蘇生。バトル、ヴァリエールでBlackを攻撃」
「……Blackの攻撃力は俺のフィールドの昆虫族モンスターの数×200アップする」
「しかし、あなたのフィールドには機械族のモンスターしかいないのですよ」
「……D-foil-Antは機械族でありながら昆虫族でもある。よってBlackの攻撃力は200アップ」
「……それでも、ヴァリエールの攻撃力には及ばないのですよ」


バニシングD LP8000→7700


「…………」
「……ターンエンドなのです」


バニシングD LP7700 手札3
クリム LP8000 手札3 モンスターゾーン 紅蓮王の騎兵ヴァリエール 紅蓮王の旗手バーナード（表側守備表示） 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗


ほぼ無抵抗のまま、彼は自らを守るカードを失った。これは彼にとって痛手なのか、それとも……


「……俺のターン。フィールド魔法、『D-foil Factory』を発動する。Factoryの効果発動。手札1枚を除外することで、デッキからD-foil-Ant1体を特殊召喚する。2枚目のBlackを特殊召喚。Blackをリリースして、『D-foil-Ant Emperor』をアドバンス召喚」


上級モンスター……しかし、1体だけならばこちらにダメージは入らない……


「……Emperorの効果発動。デッキからD-foil-Antと名の付いたカード2枚を手札に加える。……除外されているBlackの効果発動。このカードを特殊召喚する」
「！？ コスト無しで、特殊召喚なのですか……！？」
「ああ、だから……戻って来るBlackは、『3体』だ」
「……なるほど。Factoryの発動コストに、Blackを除外していたということですか……！！」


上級ライン以上の攻撃力を持つモンスターが4体。これは、マズいかもしれない……


「……まだだ。Black2体をリリースして、『D-foil-Ant Army』を融合召喚。Armyの効果発動。墓地のBlack2体を除外する」
「……そうして、再び……」
「ああ。……除外したBlack2体を特殊召喚する」


……これで、相手のフィールドにはモンスターが5体……


「……蟻が5匹も並ぶと、さすがに気持ち悪いものなのです」
「……！！ そう、なのか……！？」
「？ ……何を、そんなに驚いているのですか？」
「……いや。これでも、俺は町のヒーローとして造られているからな……子供に気味悪がられるのは問題だと認識している」


…………そ、そんなこと……？ …………って。


「子供扱いするななのです！！ 今のだって相手の注意をそらすための発言で、決して本当に気持ち悪いと思っていた訳では……」
「……そうか。なら、良かった……」


……くっ、やりにくいのです……


「……続ける。Emperor、Armyも昆虫族として扱い、フィールドの昆虫族の数だけ攻撃力を上げる」


D-foil-Ant Black×3 攻撃力1900→2900

D-foil-Ant Emperor 攻撃力2400→3400

D-foil-Ant Army 攻撃力2000→3000


「……こんなに攻撃力の高い蟻は、初めて見るのですよ」
「……そうか、……バトルだ。Blackでバーナードを攻撃」
「この瞬間、手札の『紅蓮王の愛娘クリム』の効果を発動。このカードを特殊召喚して、攻撃を終了させるのです」
「……2体目のBlackで再びバーナードを攻撃」
「……通すのですよ」
「……3体目のBlackでクリムを攻撃」
「…………」
「……Armyでヴァリエールを攻撃」


クリム LP8000→7400


「っ……」
「……Emperorで、ダイレクトアタック」
「！！」


クリム LP7400→4000


「くっ、ううっ……！！」
「……大丈夫か……？」
「敵の心配をするな、なのですよ……」
「……しかし、子供を傷つけるというのはヒーロー的にも……」
「だから、子供扱いはやめるのです！！」
「……失礼した。……カードを1枚セットして、ターンエンドだ」


バニシングD LP7700 手札2 モンスターゾーン D-foil-Ant Black×3 D-foil-Ant Army D-foil-Ant Emperor フィールド魔法 D-foil Factory 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚
クリム LP4000 手札2 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗


「私のターンなのです。通常魔法、『紅蓮王の戦術』を発動。手札の『紅蓮王ヴァーミリオン』を捨てて、2枚ドロー。その後、1000ダメージを受けるのです」


クリム LP4000→3000


「戦旗の効果発動。墓地のヴァンを特殊召喚。そして『紅蓮王の喇叭手トラン』を召喚。トランの効果発動。デッキから『紅蓮王の槍兵ファラ』を墓地に送って、500ダメージを受けるのです」


クリム LP3000→2500


「戦旗の効果発動。墓地のクリムを特殊召喚。墓地のヴァーミリオンの効果発動。ファラとヴァンをリリースすることで、このカードを特殊召喚するのです。……レベル7のヴァーミリオンに、レベル1のクリムをチューニング！ 不滅の軍勢を引き連れ出でよ、偉大なる伝説を受け継ぎし姫君！ シンクロ召喚、『紅蓮王の姫将軍クリム』！」
「シンクロ召喚……それが、お前のエースモンスターか？」
「さあ、好きに想像するといいのですよ……ヴァンの効果でデッキから紅蓮王モンスター1枚を手札に。そしてヴァーミリオンの効果発動。あなたのフィールドのセットカードを破壊するのです」
「…………」
「さらにシンクロ素材にしたクリムの効果発動。墓地の紅蓮王の戦術を手札に加えるのです。姫将軍クリムの効果発動！ Factoryを破壊して、お互いに1000のダメージを受けるのです！」


バニシングD LP7700→6700

クリム LP2500→1500


「……自分のライフを削り展開していくのか……しかし、それで自滅しては元も子もないぞ」
「ライフは投げ捨てるもの。あなたのライフが0になった時、私のライフが1ポイントでも残っていれば私の勝利なのですよ」
「……戦術の内、という訳か……」
「そうなのです。……再び戦旗の効果発動。墓地のファラを特殊召喚するのです。……バトル！ 姫将軍クリムでArmyを攻撃！」


バニシングD LP6700→6600


「っ……」
「カードを1枚セットして、ターンエンドなのです」


バニシングD LP6600 手札2 モンスターゾーン D-foil-Ant Black×3 D-foil-Ant Emperor
クリム LP1500 手札3 モンスターゾーン 紅蓮王の姫将軍クリム 紅蓮王の槍兵ファラ（表側守備表示） 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗 伏せカード1枚


「……俺のターン。Blackをリリースして、Emperorをアドバンス召喚。Emperorの効果で……」
「姫将軍クリムの効果発動！ 相手がモンスターを召喚・特殊召喚した時、そのモンスターの効果を無効にしてその攻撃力分私のライフを回復するのです！」


クリム LP1500→3900


「……Factoryを発動。Factoryの効果で墓地のBlackを除外する。除外したBlackを特殊召喚」
「…………」
「Black2体をリリースしてArmyを融合召喚。Armyの効果で墓地のBlack2体を除外、そしてBlack1体を特殊召喚する」
「……倒しても、すぐに湧いてくる……本当に、面倒な相手なのですよ」
「……やはり、子供受けは悪いか……まあ仕方ない。Emperorで姫将軍クリムを攻撃だ」
「リバースカードオープン。速攻魔法、『紅蓮王の撤退戦』。姫将軍クリムの攻撃力分私のライフを回復し、カードを1枚ドロー。その後、姫将軍クリムを除外するのです」


クリム LP3900→6700


「……Blackでファラを攻撃」
「ファラが破壊されたことにより、効果発動！ 除外されている姫将軍クリムを特殊召喚！」
「……バトル終了。カードを1枚セット、ターンエンドだ」


バニシングD LP6600 手札0 モンスターゾーン D-foil-Ant Black×2 D-foil-Ant Emperor×2 D-foil-Ant Army フィールド魔法 D-foil Factory
クリム LP6700 手札4 モンスターゾーン 紅蓮王の姫将軍クリム 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗


「私のターンなのです。姫将軍クリムの効果発動。あなたのセットカードを破壊して、お互いに1000ダメージを受けるのです」
「……リバースカードオープン。通常罠、『和睦の使者』。このターン、俺が受ける戦闘ダメージは0になる」
「でも、効果ダメージは防げないのですよ！」


バニシングD LP6600→5600

クリム LP6700→5700

「戦旗の効果発動。ヴァンを蘇生するのです。再び紅蓮王の戦術発動、『紅蓮王の砲兵アーティ』を捨てて2枚ドロー、そして1000のダメージを受けるのです……」


クリム LP5700→4700


「墓地に送ったアーティの効果発動。さらに800のダメージを受けるのです」


クリム LP4700→3700


「戦旗の効果で墓地のアーティ、クリムを蘇生。レベル4のヴァンにレベル1のクリムをチューニング。シンクロ召喚、『紅蓮王の特務長官カーマイン』！ シンクロ素材にしたクリムの効果で墓地の紅蓮王の戦術を回収。カーマインとアーティをリリースして墓地のヴァーミリオンを特殊召喚！ ……カーマインの効果でEmperorの攻撃力を0にするのです」


D-foil-Ant Emperor 攻撃力3400→0


「手札の『紅蓮王の軍師セピア』の効果発動。このカードを捨てて、墓地のヴァリエールを手札に加えるのです。ヴァリエールを召喚。ヴァリエールの効果で1000のダメージを受けるのです」


クリム LP3700→2700


「戦旗の効果でセピアを蘇生。セピアの効果で1枚ドロー。速攻魔法、『炎王炎環』を発動。セピアを破壊して、墓地のトランを蘇生。トランの効果発動。デッキから『紅蓮王の弓兵アーク』を墓地に送り、500ダメージを受けるのです」


クリム LP2700→2200


「戦旗の効果でバーナードを蘇生。……カードを2枚セットして、ターンエンドなのです」


バニシングD LP5600 手札0 モンスターゾーン D-foil-Ant Black×2 D-foil-Ant Emperor×2 D-foil-Ant Army フィールド魔法 D-foil Factory
クリム LP2200 手札3 モンスターゾーン 紅蓮王の姫将軍クリム 紅蓮王ヴァーミリオン 紅蓮王の旗手バーナード（表側守備表示） 紅蓮王の喇叭手トラン（表側守備表示） 紅蓮王の騎兵ヴァリエール 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗 伏せカード2枚


「……俺のターン。通常魔法、『天よりの宝札』発動。俺のフィールドのカードをすべて除外して、カードを2枚ドローする」


5体のモンスターを除外して、2枚ドロー……普通ならばあり得ない行動。しかし、彼のデッキでは……


「…………どうやら、俺の本気を見せる時が来たようだな……」


…………本気、？


「……ハッタリのつもりなのですか？ そんな言葉に、私が惑わされるはずが……」
「…………リミッター解除。ハアァァァ…………！！」
「！？ この、衝撃は……！？」


……まさか、本当に……！？


「ハアァァァ…………ハァ！！！」



ﾋﾞﾘﾋﾞﾘﾋﾞﾘｨｯｯ!!!



「…………待たせたな。これが……俺の全力だ」


……な、な…………


「……なんで上半身の服が破けてるのですか！！」
「……ん？ ああ……恐らく、内部エネルギーの急激な増幅に耐え切れなかったのだろう」
「いや、冷静に解析していないで服を着るのですよ！！」
「……？ 別に、このままでも構わないだろう。機械のボディなど、わざわざ隠すものでもない……」
「こっちが気にするのです！！」
「……しかし、替えの服がない」
「〜〜〜！！ ……なら、さっさとデュエルを続けるのです！」
「……分かった。除外したBlack3体を特殊召喚。速攻魔法、『マグネット・リバース』発動。墓地のArmyを特殊召喚。Armyの効果発動。墓地の『D-foil invasion』とFactoryを除外する。除外したinvasionの効果発動。このカードを墓地に戻して、デッキからFactoryを手札に加える。Factoryを発動。……Black3体とArmyをリリースする。密林に潜む最強の王者よ、今こそその脅威を世に知らしめよ。融合召喚、『D-foil-Ant Paraponera』！」


攻撃力、3500……でも！


「姫将軍クリムの効果発動！ Paraponeraの効果を無効にして、3500ライフを回復するのです！」


クリム LP2200→5700


「……除外されているEmperorの効果発動。このカードを墓地に戻して、墓地のBlack3体を除外する。……除外されているBlack3体とArmyを墓地に戻す。子供らの思いにより目覚めろ、すべての蟻の母よ！融合召喚、『D-foil-Ant Queen』！」
「……今度は、守備力3500……！！」
「Queenの効果発動。デッキから『D-foil-Ant Linepithema』を特殊召喚する。通常魔法、『魂の解放』発動。俺の墓地のBlack3体、Emperor、そしてお前の墓地のクリムを除外する」


……チューナーモンスターを取り除くことで、シンクロ召喚を防ぐつもりか……


「Black2体を特殊召喚。……バトル。Blackでバーナード、トランを攻撃」
「っ……」
「Linepithemaでヴァリエールを攻撃」


クリム LP5700→4600


「Paraponeraで姫将軍クリムを攻撃」
「リバースカードオープン。通常罠、『火霊術－紅』。姫将軍クリムをリリースして、その元々の攻撃力……2800のダメージを与えるのです！」


バニシングD LP5600→2800


「……ならば、Paraponeraでヴァーミリオンを攻撃する」


クリム LP4600→4100


「ヴァーミリオンの効果発動！ Paraponeraを……」
「無駄だ。……Paraponeraと戦闘を行ったモンスターは、効果を発動できない」
「なっ……！？」
「……Factoryの効果で墓地のEmperorを除外し、ターンエンド。これが、俺の全力だ……！」


バニシングD LP2800 手札0 モンスターゾーン D-foil-Ant Black×2 D-foil-Ant Paraponera D-foil-Ant Linepithema D-foil-Ant Queen（表側守備表示） フィールド魔法 D-foil Factory
クリム LP2200 手札3 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗 伏せカード1枚


「……私のターン！ リバースカードオープン。通常罠、『貪欲な瓶』！ 墓地の姫将軍クリム、カーマイン、ヴァン、セピア、バーナードをデッキに戻して1枚ドロー。紅蓮王の戦術発動。手札の『紅蓮王の工兵ミリィ』を捨てて2枚ドロー、そして1000のダメージを受けるのです」


クリム LP2200→1200


「戦旗の効果でアーティを蘇生。アーティの効果発動。Queenを破壊するのです……」
「Queenは相手の効果の対象とならない。よってアーティの効果は不発となる」
「っ、『紅蓮王の弓兵アーク』を召喚。通常魔法、『紅蓮王の契約』発動。アークを破壊して、デッキからヴァンを特殊召喚。レベル4のヴァンにレベル4のアーティをチューニング。戦場へ舞い戻れ、紅蓮王の姫将軍クリム！」
「……クリム以外にも、チューナーモンスターがいたのか……」
「ヴァンの効果でデッキからセピアを手札に加えるのです。姫将軍クリムの効果発動！ Paraponeraを破壊して、お互いに1000ダメージを受けるのです！」


バニシングD LP2800→1800

クリム LP1200→200


「戦旗の効果で墓地のアークを蘇生。アークが存在する限り、私の炎族モンスターの攻撃力は800アップするのです。バトル！ 姫将軍クリムでQueenを攻撃！」
「…………」
「カードを2枚セットして、ターンエンドなのです」


バニシングD LP1800 手札0 モンスターゾーン D-foil-Ant Black×2 D-foil-Ant Linepithema フィールド魔法 D-foil Factory
クリム LP200 手札2 モンスターゾーン 紅蓮王の姫将軍クリム 紅蓮王の弓兵アーク（表側守備表示） 魔法・罠ゾーン 紅蓮王の戦旗 伏せカード2枚


「……俺の、ターン……除外されているBlackを特殊召喚。Factoryの効果発動。手札の『D-foil-Ant Turtle』を除外して、デッキからTurtleを特殊召喚。……これで、Linepithemaの攻撃力は3500となる」


……姫将軍クリムの攻撃力は3900。でも……


「……バトル。Blackでアークを攻撃」
「……これで、クリムの攻撃力は3100に下がるのです……」
「……終わりだ。Linepithemaで、姫将軍クリムを攻撃！」




……この攻撃が通れば、私の負け…………




「…………リバースカードオープン！ 通常罠、『紅蓮王の祝福』！ 姫将軍クリムに、墓地のヴァーミリオンを装備するのです！」
「…………？」
「そして、この効果で装備したモンスターの攻撃力分、姫将軍クリムの攻撃力を上昇させるのです！」
「！？」


紅蓮王の姫将軍クリム 攻撃力3100→5800


「……これで、私の勝ちなのです！！」
「ッ、…………！！」









バニシングD LP1800→0








「…………ふぅ」
「…………負けた、か」
「ここまでの接戦になるとは、私も予想外だったのです……」
「……感謝する。このデュエルのおかげで、俺はまた強くなれる」
「それは、私も……っ」
「……！？ ……大丈夫か」
「……少し、疲れただけなのですよ……」
「……よし。……だっこしよう、ほら」


…………！！？


「いや、なんでそうなるのですか！？」
「……？ ……ヒーローなら、怪我した子供を抱き抱えるのは当然……」
「だから……子供扱いするなと、何回言えば分かるのですか！！」
「…………すまない。……難しいものだな、ヒーローというものは……」





……そう呟きながら、彼はデュエルフィールドを去って行った……









「…………結局何なのですか、あいつは〜〜〜！！！」