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第16話:魂の衝突 作:湯
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【怜央】
LP8000 手札:3
①爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス) DEF2500 X素材:1
②爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード) ATK2600 X素材:1
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
①
□□②□□
フィールド魔法:1
永続罠:1
【遊次】
LP8000 手札:4
魔法罠:0
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
遊次がモンスターを展開していた最中、相手ターン中のX召喚によって、
怜央は切り札「爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)」をエクシーズ召喚した。
遊次のモンスターに「爆焔鉄甲(スチームアーミー)」モンスターを装備させ、
そのモンスターを破壊することで、隣のモンスターゾーンへ破壊を連鎖させ、
ついに遊次のフィールドのモンスターは全滅した。
遊次は俯き、依然何も言わないままだ。
しかし。
怜央「…テメェ、何くだらねえ芝居してやがる。
さっさと前を向きやがれ。
大見得切ってヒーロー気取りで俺に挑んできたんだ、
この程度で音を上げる根性無しじゃねえだろ」
怜央は一切の油断も慢心もなく、
戦いは始まったばかりだと言うように、遊次を睨みつけ、相手の動きを待つ。
遊次「…さすがだぜ。わかっちまうか、まだ終わりじゃねえって」
遊次は怜央の言葉に呼応するように前を向きなおす。
灯「…遊次…!」
遊次の言葉を聞き、灯の表情も少しずつ明るくなる。
怜央「油断を誘ったつもりか?くだらねえ。
そんな小手先でどうこうしようなんざ、小物のやることだ」
遊次「悪ぃな。でも小手先のテクニックで案外戦況は変わるもんだぜ。
俺の経験談だ」
遊次は手札のカードを1枚、表側に向ける。
遊次「俺は手札の『妖義賊-助太刀のサルバトーレ』の効果を発動!
自分フィールドのモンスターが破壊された時、手札から特殊召喚できる!」
遊次はカードを横向きにデュエルディスクに叩きつける。
■妖義賊-助太刀のサルバトーレ
効果モンスター
レベル4/地/獣/攻撃力1700 守備力1300
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
この方法で特殊召喚した場合、
相手の墓地のモンスター1体を選択し、自分フィールドに特殊召喚できる。
②:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在する場合に発動できる。
デッキから『予告状』魔法カード1枚を手札に加える。
フィールドに現れたのは胸のあいた毛皮の服を纏った猿のモンスターだ。
ニヒルな笑みを浮かべており、右手には短刀を携えている。
遊次「サルバトーレの効果!
この効果で特殊召喚した場合、相手の墓地からモンスターを1体奪う!
俺はお前の墓地から『爆焔鉄甲 灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』を奪う!」
怜央「チッ…また盗みか」
■爆焔鉄甲 灼狙撃兵(バーン・スナイパー)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1800 守備力900
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター以外の自分フィールドの「スチームアーミー」モンスター1体を選択し、
対象のモンスターに装備カード扱いとして装備する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「スチームアーミー」モンスター1体を手札に加える。
③:相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、相手に800ポイントのダメージを与える。
再び遊次のフィールドに「灼狙撃兵(バーン・スナイパー)」が特殊召喚される。
「脱出のシェパード」の効果で自分フィールドに特殊召喚した時は効果が無効化されていたが、今回は効果も攻守もそのままの形で遊次の場に現れる。
全体がくすんだ銅色で統一されたストイックな外装。
細長いフレームに組み込まれた複数のギアやパイプが見え隠れする。
肩から腕にかけては特殊なライフルが取り付けられており、精密な狙撃を可能にしている。
頭部はゴーグル型のセンサーが搭載され、冷ややかな光を放つ。
背中にはエネルギータンクが一体化されており、必要に応じて動力源を供給する。
遊次「『灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』の効果を発動。
お前の魔法・罠カードを1枚破壊して800のダメージを与える。
俺は永続罠『爆焔鉄甲地雷原(スチームアーミー・マインフィールド)』を破壊!」
『灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』がライフルを構え、
怜央の罠カードに対して銃弾を放つと、永続罠は一瞬にして破壊される。
怜央「ぐっ…!」
LP8000 → LP7200
遊次「更に『妖義賊-助太刀のサルバトーレ』の効果を発動!
俺のフィールドに相手から奪ったカードがある時、
デッキから『予告状』魔法カードを1枚手札に加える。
俺が手札に加えるのは『融合の予告状』だ」
遊次「そして俺は『融合の予告状』を発動!」
ダニエラ「融合…!」
ドモン「来やがるか、切り札が…」
…………
ダニエラとドモンが身構えるが、待てど暮らせど何も起きない。
ダニエラ「…なんだい!何も起きないじゃないか!」
遊次「焦んなよ。予告状って言ってんだろ。
このカードは発動後の2ターン後に墓地から除外されて、
除外された時に初めて融合できるカードだ」
■融合の予告状
通常魔法
①:このカードは発動後、墓地に送られる。
このカードの発動後2回目の自分メインフェイズに、このカードを墓地から除外できる。
②:このカードが墓地から除外された場合に発動できる。
自分の手札・フィールドから、「ミスティックラン」融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で融合召喚したモンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、
そのモンスターの攻撃力は、ダメージステップの間0となる。
ダニエラ「な~んだい、ビビらせんじゃないよ」
ドモン「融合召喚が2ターン後ってんなら恐れることはねえ。
それまでにあいつのフィールドを崩せばいいだけだ、怜央」
ダニエラとドモンのまわりに安堵の空気が漂う。
怜央「…いや、言葉の綾だ。騙されんな。
2ターン後に除外する効果と、除外された時に融合召喚をする効果は分かれてる。
つまり2ターン経たなくても予告状が墓地から除外されちまえば融合召喚を行えるってことだ」
怜央がデュエルディスクでカードの効果を確認しながら冷静に訂正する。
遊次「さすが、察しがいいな」
遊次は関心しながらデュエルディスクを掲げると、
左端と右端から遊次側に向かって2つのカードゾーンが飛び出す。
遊次「俺は手札から『妖義賊-雲龍のリヘイ』Pゾーンにセッティング!」
そしてその飛び出した左端のゾーンにカードをセッティングする。
新たに出現したゾーンはPゾーンだ。
デュエルディスクの魔法罠ゾーンの右端と左端の下には、
Pカードをセットする別のカードゾーンが用意されている。
そのゾーンを押し込むことで、
セットしたカードはデュエルディスクの中に入ってゆく。
すると、遊次の左側の頭上にモンスターが浮かび上がる。
■妖義賊-雲龍のリヘイ
ペンデュラムモンスター
レベル6/闇/幻竜/攻撃力2300 守備力1700 スケール2
【P効果】
このカード名の①②のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札を1枚捨て、自分の墓地の「予告状」魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
この効果を使用するターン、自分は除外した「予告状」魔法カード以外の「予告状」魔法カードの効果を発動できない。
②:自分メインフェイズに発動できる。
Pゾーンのこのカードをデッキに戻し、デッキから「ミスティックラン」Pカード1枚をPゾーンに置く。
【モンスター効果】
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:元々の持ち主が相手となるカード1枚を墓地に送って発動できる。
デッキから「ミスティックラン」罠カード1枚を手札に加える。
頭上に現れたのは、ひげの生えた紫色の龍の頭を持つ人型のモンスター。
黒を基調とし、薄い紫色の花柄の着物を纏い、槍を携えている。
怜央は静かに頭上のモンスターを見上げる。
遊次「『雲龍のリヘイ』のP効果を発動。
1ターンに1度、手札を1枚捨てて、墓地の予告状を除外できる」
遊次は手札の『爆炎の予告状』を捨てて効果の宣言をする。
遊次「俺は墓地の『融合の予告状』を除外!
そして除外された『融合の予告状』の効果を発動!融合召喚を行う!」
怜央「それのどこが予告状だ、インチキ野郎!」
リアム「そうだそうだ!約束を守れ!」
冷静に遊次のプレイングを見定めていた怜央もついに我慢の限界を迎える。
外野のリアムもあまりの反則ぶりについ口を出す。
遊次「なんだとぉ!?義賊にも都合があんだよ!」
灯「予告守らないのも、毎回責められてるね…」
灯はつい苦笑いを漏らす。
遊次「俺は『妖義賊-助太刀のサルバトーレ』と、
お前から奪った『爆焔鉄甲 灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』で融合!」
遊次「悪しきを挫く至高の剣士が、闇夜を斬り裂く一閃を放つ」
遊次「融合召喚!現れよ、『妖義賊-快傑ゾロ』!」
■妖義賊-快傑ゾロ
融合モンスター
レベル7/光/獣/攻撃力2800 守備力1800
「ミスティックラン」モンスター + 元々の持ち主が相手となるモンスター
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
②:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在し、相手が魔法・罠カードの効果を発動した場合に発動できる。
その発動を無効にして破壊する。
口上と共に現れたのは、青い二角帽子を被り、目に黒いマスクを着けた狐の戦士だ。
サーベルを携え、貴族のような青いジャケットに白いスカーフを巻き、高貴な姿をしている。
怜央はフィールドの状況やカードの効果から、これから起きる事の予測と対策を考えている。
遊次「こっからが反撃の始まりだぜ。『雲龍のリヘイ』のP効果発動!
Pゾーンのこいつをデッキに戻し、別の『ミスティックラン』PモンスターをPゾーンに置く。
『妖義賊-剛腕のナンゴウ』をPスケールに置くぜ」
■妖義賊-剛腕のナンゴウ
ペンデュラムモンスター
レベル6/地/獣戦士/攻撃力2400 守備力1900 スケール2
【P効果】
このカード名の①のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの「ミスティックラン」モンスター1体を選択して発動できる。
そのモンスターはこのターン、1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
【モンスター効果】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがフィールドに存在する限り、自分の「ミスティックラン」モンスターは戦闘で破壊されない。
②:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在し、
このカード以外の自分の「ミスティックラン」モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
このカードをリリースし、そのモンスターの攻撃力を2400アップする。
Pゾーンのリヘイがデッキへと戻り、頭上には新たなモンスターが浮かび上がる。
黒に赤いラインと白黒の渦模様が描かれた着物を纏い、
唐傘を持つ虎の姿をした筋骨隆々のモンスターだ。
遊次「『剛腕のナンゴウ』のP効果を発動!
このターン、選んだ「ミスティックラン」モンスターは2回攻撃が可能となる!
俺は『快傑ゾロ』を選択する!」
Pゾーンのナンゴウが畳んだ傘を振り下ろすと、フィールドの快傑ゾロは赤きオーラを纏う。
遊次「めちゃくちゃにぶっ壊されても、絶対に立ち上がってやる。
俺はその気持ちでNextを始めた。このデュエルでもそれは変わらねえ」
遊次は自分の目の前の怪傑ゾロを見上げる。
ゾロはそれに応えるように遊次の眼を見て頷いた。
ミオ「あの人、今モンスターとしゃべってたみたい…」
モンスターと心を通わせる遊次を見てミオが呟く。
リアム「モンスターとしゃべったぁ?んなわけねーだろ…。お前ほんとメルヘンな奴だな」
ミオ「そんなんじゃないもん!今、モンスターと目を合わせてたもん!」
ミオの発言を真に受けないリアムに対し、ミオは珍しく声を荒げる。
遊次「さあバトルだ!『妖義賊-快傑ゾロ』で、『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』を攻撃!」
遊次「お前もドミノタウンで育ったんだろ。
ならお前も根っこの想いは同じはずだぜ、怜央!
俺もこの町で、何もかも失ってもまた立ち上がる人たちを見てきた!
そんな人たちまで悪者扱いして、目の敵にしてどうすんだ!」
遊次が攻撃宣言と共に、自らの想いを怜央にぶつける。
それに応えるように、怪傑ゾロがサーベルを構え『炎機公子(エクスプロード)』へと向かってゆく。
怜央「想いが同じだ?ふざけんじゃねえ…!
テメェは何も"解らねえ"だろうが…!」
遊次「…!?」
怜央は遊次の言葉に更なる拒絶を示し、デュエルディスクに触れる。
遊次は怜央の言葉に今までとは違う敵意と少しの違和感を覚える。
怜央「…この瞬間、『爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス)』の効果を発動!
オーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールド・墓地から『スチームアーミー』モンスターを2体まで選び、
自分の他のXモンスターのオーバーレイユニットとすることができる!
俺は墓地の『灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』と
『時計炸弾(クロック・ダイナマイト)』を、
『炎機公子(エクスプロード)』の素材とする」
煙機関車(レイル・エクスプレス)が白煙を噴き上げると、
指定された2体のモンスターが列車から現れ光の球へと変化し、
炎機公子(エクスプロード)の周りを漂う。
炎機公子(エクスプロード)の素材が3つに増えたことにより、攻撃力は3000に変化する。
灯「『炎機公子(エクスプロード)』の攻撃力が上がった!
でも『融合の予告状』の効果で攻撃力はどうせ0になるはず…」
怜央が無意味な行動を取ったことに灯は首をかしげる。
しかし遊次は表情一つ崩さず怜央の出方を伺う。
怜央「更に、墓地の『爆焔鉄甲 堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』を除外して効果発動!
自分フィールドの『爆焔鉄甲』モンスター1体を選び、そのモンスターはこのターン、戦闘で破壊されない!
選択するのは『炎機公子(エクスプロード)』だ!」
怪傑ゾロがサーベルを炎機公子(エクスプロード)に向けて高速で何度もサーベルを振るうが、
半透明の『堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』が背後から現れ、鋼鉄の盾で『炎機公子(エクスプロード)』を守る。
遊次「…『炎機公子(エクスプロード)』はこのターン破壊できねえが『融合の予告状』の効果で攻撃力は0!
よって戦闘ダメージは受けてもらうぜ!」
ゾロの斬撃は弾かれ『炎機公子(エクスプロード)』は無事だが、その斬撃は怜央の方へと向かう。
怜央「ぐっ…!!」
LP7200 → 4400
ドモン「『炎機公子(エクスプロード)』は守れたが、P効果でゾロはあと1回の攻撃を残してやがる。
ちっとばかしマズいぜ、怜央…!」
ミオ「もしもう1回『炎機公子(エクスプロード)』に攻撃されちゃったら、怜央のライフがあぶない…!」
ミオはクマのぬいぐるみを抱きしめる力を更に強める。
遊次は少し考える素振りを見せた後、続けて攻撃を行う。
遊次「『剛腕のナンゴウ』のP効果により、『怪傑ゾロ』はもう1度攻撃を行える。
俺は『煙機関車(レイル・エクスプレス)』を攻撃!」
怜央「…そう来るか」
ゾロは遊次の指令を受け、攻撃の対象を変更する。
自分よりも二回り以上大きい漆黒の鉄塊に対し、サーベルを一突きする。
その後『煙機関車(レイル・エクスプレス)』はヒビ割れ、その姿を失う。
遊次「この瞬間『怪傑ゾロ』の効果発動!相手モンスターを戦闘で破壊した時、
そのモンスターを墓地から俺のフィールドに特殊召喚する!
『煙機関車(レイル・エクスプレス)』はいただくぜ!」
怪傑ゾロの隣に黒き鉄塊が白煙を巻き上げて現れる。
遊次「俺のフィールドに相手から奪ったモンスターがいる時、
『怪傑ゾロ』は相手の魔法・罠カードの効果を1ターンに1度無効化できる。
これで俺のバトルフェイズは終了だ」
イーサン「ダメージよりも盤面的有利を取ったか。妥当な判断だな」
手に汗握るバトルが一区切りついたところで、イーサンはフィールドを分析する。
灯「…そうだね。一見遊次が逆転したように見えるけど、
遊次の手札はたったの1枚。それに対して怜央の手札は4枚もあるもんね」
イーサン「あぁ。このターンで怜央のライフを削り切れない以上、
次のターンに備えてフィールドを盤石にしておいた方がいい」
灯「フィールドを全部破壊されたから、立て直すために手札を使わされたね…。
立て直せるかな、遊次…」
一見すると遊次の有利に見える場面でも、デュエリストとして実力のある2人は冷静に戦況を見定める。全く油断はできない状況だ。
遊次「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
遊次は今伏せたカードによって手札が0枚となる。
遊次「俺はお前に、俺の想いを全部ぶつける。だからスカすんじゃねえぞ。
自分が正しいって思うんなら、お前も全力でお前の想いをぶつけてデュエルしろよ」
怜央の猛攻を跳ね返し悠然と前を向く遊次。
怜央「…やってやるよ。
捲れてんだ、テメエが所詮"ニセモン"だってことはよ…!」
怜央も遊次のターンを経たことで、彼が生半可ではないことは理解した。
だが遊次が怜央に想いをぶつけたことで、怜央の怒りも更に火力を増している。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
【怜央】
LP4400 手札:4
フィールド魔法:1
①爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード) ATK2600 X素材:1
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□②□□
【遊次】
LP8000 手札:0
①妖義賊-快傑ゾロ ATK2800
②爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス) DEF2500
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□①②□
◆★□□□
★伏せカード:1
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
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怜央「俺のターン!ドロー!」
遊次のターン終了と共に、返す刀で怜央はすぐにカードをドローする。
引いたカードはある速攻魔法だった。
怜央「(…今コイツを使っても『怪傑ゾロ』の効果で無効にされちまう。
だがそれさえどうにかすれば…)」
怜央「(それに、アイツの墓地には『爆炎の予告状』とかいう俺のフィールドを全て破壊するカードがある。
何か仕掛けてくる可能性は高ぇ)」
怜央は怒りのボルテージを上げているものの、思考は至って冷静だ。
遊次「俺がニセモンってのはどういうことだ?言いてえことがあるならハッキリ言えよ」
遊次は前のターンで怜央が吐き捨てた言葉を拾い、その真意を問う。
怜央「そんなもん、お前が一番よくわかってんじゃねえのか?」
遊次「…わかんねえな。どういう意味だよ」
未だに言葉を濁す怜央に遊次が苛立ちを示す。
怜央「お前、記憶喪失なんだってな」
遊次「…!」
怜央の言葉に遊次が目を見開く。
イーサン「なぜそのことを…」
怜央「この町は今や俺らが牛耳ってる。お前らの噂も入ってきてんだよ。
お前、どうやらコラプスより前の記憶が完全に消えちまってるって話じゃねえか」
遊次が記憶喪失であることは、古くから遊次を知るドミノタウンの住人であれば知っていることだ。
どこからかUnchained Hound Dogsにその情報が入っていても不思議ではない。
遊次「…確かに、俺にはコラプスより後の記憶しかない」
怜央「ならよぉ…お前はあの"地獄"を知らねえだろうが!」
遊次「…!」
怜央「記憶がねえなら、見てねえのと同じだ!感じてねえのと同じだ!
ならテメェはどのツラ下げてこの町の代弁者気取ってんだ!
あぁ!?」
遊次「………」
怜央は鬼気迫る表情でその怒りを露わにする。
遊次は何も答えない。
ようやく怜央が自らの考えを遊次にぶつけ始めたのだ。
無差別的にこの町の大人へ向けられる憎悪の源を、遊次は純粋に知りたかった。
知る必要があった。
灯「感じてない…?そんなわけないでしょ!?
記憶はなくても、コラプスが起きた時に遊次はこの町に住んでたの!」
遊次が傷つくことを何よりも嫌う灯は、怜央に劣らぬ勢いで反論する。
灯「めちゃくちゃになった町が今日まで復興していく姿だってずっと見てきた!
必死に立ち上がるドミノタウンの人たちの姿も!そこに偽りはないでしょう!?」
怜央「んなもん、どっかの貧しい国の話を聞いて勝手に同情するのと何が違う!
味わってなきゃ、"解らねえ"んだ!
急に現れたバケモンに、目の前の人が踏み潰される恐怖も!
家族も、居場所も、何もかも…全部奪われる屈辱も!」
怜央は歯を食いしばり、左胸の服の布を右手で掴みながら怒りを叫ぶ。
灯「……ッ…!」
灯は更なる言葉を紡ごうと思いきり息を吸い込んだが、そのまま息を吐き出した。
彼の悲痛な叫びは誰に否定できるものでもなく、返す言葉を失う。
イーサン「……」
イーサンは俯き、顔に影を落とす。
遊次「お前、もしかして家族を…」
怜央「…」
怜央は何も答えない。
ドモン「…それだけで済んだらよかったがな」
ダニエラ「……」
ドモンは誰に聞かせるわけでもなく一言呟く。
ダニエラやリアム・ミオ達は、今まで聞いたことのない怜央の心の叫びに圧倒される。
怜央の過去は知っていても、ここまで内面を曝け出す怜央を見たことがなかったからだ。
突如の無音。暗く狭い戦場に静寂が訪れる。
怜央「俺は手札から、『爆焔鉄甲 機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』を召喚!」
怜央は今まで話していたことなど気にも留めずデュエルを続行する。
遊次は気持ちを切り替え、再びフィールドに集中する。
■爆焔鉄甲 機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1900 守備力500
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター以外の自分フィールドの「スチームアーミー」モンスター1体を選択し、
対象のモンスターに装備カード扱いとして装備する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが召喚に成功した場合に発動できる。
手札から「スチームアーミー」モンスター1体を特殊召喚する。
③:このカードが破壊され墓地に送られた場合に発動できる。
デッキから「爆焔鉄甲 機動歩兵」以外の
「スチームアーミー」モンスター1体を特殊召喚する。
現れたモンスターは古びた金属製の外装で覆われており、四肢の関節には無数のリベットが打ち込まれている。
頭部は角ばったデザインで、中央に単眼のゴーグルが光っている。
胸部には厚い鋼のプレートが重なり合い、背中には複雑なパイプが縦横に走っている。
両腕には大型のバレル状の部品が取り付けられ、その腕には小銃が掲げられている。
怜央「『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』の効果を発動。
召喚に成功した時、手札の『スチームアーミー』を特殊召喚できる。
来い、『爆焔鉄甲 明照夷弾(ランタン・ナパーム)』!」
■爆焔鉄甲 明照夷弾(ランタン・ナパーム)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1000 守備力1600
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
このカードは魔法・罠ゾーンに1枚しか存在できない。
①:このカードがフィールド・墓地に存在する場合、
自分フィールドの「スチームアーミー」Xモンスター1体を対象として発動できる。
このカードをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。
②:このカードの装備モンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。
③:装備モンスターが破壊される事によってこのカードが墓地へ送られた場合に発動する。
破壊された装備モンスターと同じ縦列・隣のカードを全て破壊する。
そのモンスターは、縦長の円筒形で作られており、上部には丈夫な金属製の持ち手が付いている。
中央部分にある格子窓からは、内部で揺らめく鮮やかな赤い液体が透けて見える。
古いランタンの外観だが、その内部には強力な破壊力を秘めている。
怜央「『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』の効果を発動。
フィールドの『爆焔鉄甲』を相手モンスターに装備する。
お前のフィールドの『 煙機関車(レイル・エクスプレス)』に『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』を装備する」
『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』が『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』を投げつけると、
遊次のフィールドの『 煙機関車(レイル・エクスプレス)』の煙突部分に絡まる。
怜央「『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』が装備されたモンスターは攻撃力・守備力が500ポイントダウンする」
レイル・エクスプレスにランタンから零れたゼリー状の油脂が降りかかる。
怜央「いくら綺麗事を並べても、あの日奪われた日常は戻ってこねえ。
ただ祈って助けてくれるのを待ってても、誰も助けてくれやしねえ。
みんな自分のことで精一杯だ。
自分のためなら、他人がどうなろうが構わねえ。
お前が元気にしたいとほざいてる町は、そんな町なんだよ!」
遊次「それは違ぇ!
コラプスで全部失っても、支え合いながら立ち上がって来た人たちを俺は知ってる!
本当は泣きたくてしょうがねえのに無理して笑って…どうにか前に進んで来たんだ!」
遊次の脳裏には幼い頃からよくしてくれたドミノタウンの人たちの顔が浮かぶ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「いいのかよ!こんなにコロッケもらっちまって!」
オレンジ色の髪をした7歳の少年は、大きな茶色い紙袋を抱え、そこから笑顔を覗かせる。
辺りは瓦礫がまだ片付かない荒れ果てた様子だ。
それでもぽつぽつと、机と椅子だけの急ごしらえの店が少しずつ増え始めていた。
「いいんだよ!全部持ってきな!」
汚れた白いエプロンを着けた恰幅のいい中年の女性は、笑顔で少年に応える。
「で、でも…いいのか?おばちゃんだって大変なのに…」
少年は申し訳なさそうに紙袋を胸元に抱きかかえ、目の前の女性を見上げる。
「アンタ、いっつも腹すかしてんだろ?
アンタら子供たちが立派に育たなきゃ、誰が将来この町を支えるんだい。遠慮せずに食いな!」
そう言う彼女の笑顔は、コラプス以前に町でみかけた快活な笑顔とは違った。
きっと、心では泣きたいに違いない。
それでも無理にでも明るく笑って、必死に前に進んでいこうとしてるんだ。
少年はそう思うと、ひどく胸に痛みをおぼえた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
遊次「俺はそんな人たちを心から笑えるようにしてえって、泣いてほしくねえって思った。
だからこの町でNextを始めた!」
遊次は左胸に右の手のひらを当て少し目を瞑った後、その手を握り前に突き出す。
イーサン「……遊次…」
彼の親代わりの存在として全てを見守ってきたイーサンは、堂々たる彼の姿にかつての幼い姿を重ねる。
怜央「ほらな、やっぱりただ恵まれてただけの甘ちゃんじゃねえか!
テメェはこの町の闇を知らずに来ただけのボンボンだろうが!
そんな奴に俺らの何がわかる!」
そう言うと怜央はデュエルディスク上の2枚重なったカードから、下の1枚のカードを抜きだす。
怜央「『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』のオーバーレイユニットを1つ使い、効果を発動!
相手フィールドのモンスターを1体破壊する。『煙機関車(レイル・エクスプレス)』を破壊だ!」
『炎機公子(エクスプロード)』が腕を振ることで自身の周囲を揺蕩う光球を弾き、
遊次のフィールドの『煙機関車(レイル・エクスプレス)』に向けて左腕のバーナーを向ける。
遊次は何も言わず、表情を変えない。
灯「これが通れば破壊が連鎖して遊次のフィールドはまたガラ空き…。どうするの、遊次…」
灯は不安と希望が入り混じった眼差しで遊次の後ろ姿を見つめる。
遊次「…お前の言う通り、自分のために他人を蹴落とす奴もいるだろうぜ。
俺はこの町のそういう部分だってどうにかしたいと思ってる。見て見ぬふりはしたくねえ」
遊次は前を見据えている。
すると『炎機公子(エクスプロード)』の左腕のバーナーから火炎が放射され『煙機関車(レイル・エクスプレス)』に向かう。
遊次「だからお前も、"手を差し伸べたい"って人の気持ちを、見て見ぬふりするんじゃねえ!」
遊次はそう叫ぶとデュエルディスクに手をかざす。
遊次「…罠カード発動!『妖義賊の見参』!
デッキから『ミスティックラン』を特殊召喚する!」
■妖義賊の見参
通常罠
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分・相手ターンに発動できる。
デッキから「ミスティックラン」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在する場合、
デッキから「ミスティックラン」カード1枚を手札に加えることができる。
②:墓地のこのカードを除外し、墓地の「ミスティックラン」モンスター1体を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
怜央「…爆弾が巻き付けられた『煙機関車(レイル・エクスプレス)』の隣じゃなくて、
『怪傑ゾロ』の横に特殊召喚すれば、これから呼ぶモンスターの破壊は免れるってわけか」
遊次「…俺はデッキから『妖義賊-士君子のブラックバード』を
『煙機関車(レイル・エクスプレス)』の隣に特殊召喚!」
怜央「バカか!?それじゃあ呼んだモンスターも巻き添えになるだけだ!」
遊次「…まぁ見とけよ」
カードの発動と共に、紳士服を纏った二足歩行の黒いカラスのモンスターがフィールドに現れる。
------------------------------------------
【遊次のフィールド】
①妖義賊-快傑ゾロ ATK2800
②爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス) DEF1300
③妖義賊-士君子のブラックバード ATK1500
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□①【②】③
◆□□□□
※【】は「スチームアーミー」が装備されているモンスター
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
------------------------------------------
遊次「さらに、自分フィールドに相手から奪ったカードがある時、
デッキから「ミスティックラン」カードを手札に加えることができる。
俺は『妖義賊の復活』を手札に加える」
遊次はデッキから1枚の魔法カードを手札に加える。
そしてその後、『炎機公子(エクスプロード)』の放つ炎は『煙機関車(レイル・エクスプレス)』を完全に焼き尽くし、
ついにその姿は砕け散る。
怜央「この時点で爆弾は起爆した。
『煙機関車(レイル・エクスプレス)』に装備されていた『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』の効果が発動し、
隣のモンスターゾーンの『怪傑ゾロ』と『士君子のブラックバード』も…」
特殊召喚されたブラックバードの効果に目を通しながら効果の説明を行っていた怜央は、
途中からあることに気づき、言葉を紡ぐのをやめた。
遊次「…『士君子のブラックバード』は、ミスティックランが破壊される代わりに、
墓地の『予告状』カードを除外することで、破壊を回避できる」
遊次は淡々と効果を告げる。
■妖義賊-士君子のブラックバード
効果モンスター
レベル4/地/鳥獣/攻撃力1500 守備力1400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象に発動できる。
そのカードを破壊する。その後、自分フィールドにセットする。
②:自分フィールドの「ミスティックラン」モンスターが戦闘・効果で破壊される場合に発動できる。
墓地の「予告状」カードを除外し、その破壊を無効にする。
ドモン「墓地の予告状だと…?んなもんいつ発動した?」
遊次が"発動"した予告状カードは『融合の予告状』のみだ。それはすでに除外されている。
後ろからデュエルを見ているだけで全てのカードを把握しているわけではないドモンは首を傾げる。
怜央「…発動はしてねえ。前のターンに手札からコストとして墓地に送ってやがったんだ…!」
怜央はこれから起きることに想像が及び、奥歯を噛みしめる。
遊次「お前の『爆焔鉄甲』の周りを巻き込む破壊効果は強制効果…つまり必ず発動しなきゃならねえもんだ。
すでに発動が確定してるから、今更止めることはできないぜ」
遊次「俺は墓地の『爆炎の予告状』を除外して、『ミスティックラン』モンスターの破壊を無効にする!」
『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』が爆発するも、
『士君子のブラックバード』が両腕を思い切り振るうと、黒い羽根が2体のミスティックランを包み込み、爆風から防ぐ。
------------------------------------------
【遊次のフィールド】
①妖義賊-快傑ゾロ ATK2800
②妖義賊-士君子のブラックバード: DEF1400
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□①□②
◆□□□□
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
------------------------------------------
遊次「そして『爆炎の予告状』が除外された時、効果発動!
相手フィールドのカードを全て破壊する!」
■爆炎の予告状
通常魔法
①:このカードは発動後、墓地に送られる。
このカードの発動後2回目の自分メインフェイズに、このカードを墓地から除外できる。
②:このカードが墓地から除外された場合に発動できる。
相手フィールドのカードを全て破壊する。
ダニエラ「な…なんだって……!!」
激しい炎が怜央のフィールドを包み込む。
怜央のフィールドの『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』と、
『炎機公子(エクスプロード)』はみるみる内に炎の渦へと消えていき、破壊される。
そして炎はフィールド全てを巻き込む巨大な炎の渦となり、
その渦はフィールドを支配している暗き戦場の全てを巻き込む。
やがてフィールド魔法は破壊され、デュエリストと観衆は再び空の下の廃工場へと戻る。
日はすでに暮れ夜が訪れているが、先ほどまでの狭苦しい戦場とは比べ物にならない解放感だった。
灯「遊次、すごいっ…!」
イーサン「怜央の破壊効果を利用して、相手ターンに相手フィールドを全て破壊するとは…流石と言わざるを得ないな」
怜央と遊次のシリアスな対話によって強張っていた2人の表情がようやく和らぐ。
ミオ「怜央…だいじょう…」
怜央「来んじゃねえ!!デュエルはこれからだ!」
ミオが思わず駆け寄ろうとした時、怜央が下を向いたまま声を張り上げ、それを制止する。
怜央はそのままデュエルディスクに指をかけ前を向く。
怜央「破壊された『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』の効果を発動!
こいつが破壊された時、デッキから『スチームアーミー』1体を特殊召喚できる!
デッキから2体目の『爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック)』を特殊召喚する!」
■爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1300 守備力1800
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター以外の自分フィールドの「スチームアーミー」モンスター1体を選択し、
対象のモンスターに装備カード扱いとして装備する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このターン墓地に送られた「爆焔鉄甲 炉衛生兵」以外の
自分の墓地の「スチームアーミー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
③:手札の「スチームアーミー」モンスター1体を捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローし、その後1枚選んでデッキの一番下に戻す。
オイルの入った注射を持つ機兵が現れる。
最初の怜央のターンに召喚されたモンスターだが、デッキに複数枚入れていたようだ。
怜央「『炉衛生兵(ファーネス・メディック)』の効果発動!
手札を1枚捨て、2枚ドロー!その後、1枚をデッキの下に戻す」
怜央は手札にあった『スチームアーミー』モンスターを1枚捨て、2枚ドローした後、その内の1枚をデッキに戻した。
ダニエラ「大丈夫さミオ。怜央の奴はまだ全く諦めちゃいない。アイツを信じるっきゃないよ」
ダニエラはミオの肩に手を置き声をかける。
手を止めることなく動き続ける怜央を見て、漂っていたマイナスの感情が少しずつ晴れていく。
ミオはそんな怜央の姿を見て、静かに頷く。
怜央「(コイツがあれば…)」
ドローしたカードを見つめる怜央の眼に更なる闘志が宿る。
怜央「更に『炉衛生兵(ファーネス・メディック)』の効果で手札から捨てた
『爆焔鉄甲 鍵発射弾(キー・ロケットボム)』の効果を発動!
こいつが手札から捨てられた場合、墓地の『スチームアーミー』カード1枚を手札に加える」
■爆焔鉄甲 鍵発射弾(キー・ロケットボム)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力900 守備力1800
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
このカードは魔法・罠ゾーンに1枚しか存在できない。
①:このカードが手札から墓地に送られた場合、
自分の墓地の「スチームアーミー」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
②:このカードの装備モンスターは自身と同じ縦列のモンスターしか攻撃対象に選択できない。
③:装備モンスターが破壊される事によってこのカードが墓地へ送られた場合に発動する。
破壊された装備モンスターと同じ縦列・隣のカードを全て破壊する。
怜央「俺はフィールド魔法『爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)』を手札に加えるぜ」
イーサン「あのカードは、他のモンスターの隣同士にしか召喚できなくなるフィールド魔法…」
灯「せっかく破壊できたのに、また…」
破壊を連鎖させる怜央のデッキのキーカードを崩したことが1つの安心材料だったが、すぐに回収されてしまう。
怜央「そしてフィールド魔法『爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)』を発動!」
■爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)
フィールド魔法
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードの発動時の処理として、「スチームアーミー」モンスター1体をデッキから手札に加えることができる。
②:お互いのプレイヤーは、自分のモンスターが1体以上存在する場合、
自分のモンスターと同じ縦列または隣のモンスターゾーンにしかモンスターを召喚・特殊召喚・セットできない。
③:相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その位置を他の相手のメインモンスターゾーンに移動する。
怜央「発動時、デッキから『スチームアーミー』モンスターを手札に加える。
俺は『爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード)』を手札に加える」
このモンスターも1度フィールドでお披露目されたモンスターだ。怜央は2枚目をデッキから手札に加える。
怜央「こいつは他の『スチームアーミー』がいる時、手札から特殊召喚できる」
■爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1500 守備力1000
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードは魔法・罠ゾーンに1枚しか存在できない。
①:自分フィールドに「スチームアーミー」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:このカードの装備モンスターはリリースできず、素材を必要とする特殊召喚のための素材にできない。
③:装備モンスターが破壊される事によってこのカードが墓地へ送られた場合に発動する。
破壊された装備モンスターと同じ縦列・隣のカードを全て破壊する。
怜央のフィールドに再び羅針盤型の手榴弾モンスターが現れる。
遊次「面白ぇじゃねえか。あんだけ全部ぶっ壊したのに、すぐ立て直しちまった」
怜央「言っただろ、デュエルはこれからだと。
手札が3枚もあれば這い上がるのに十分だ。
だが…手札1枚のお前はどうかな」
遊次「…何?」
怜央も落ち着きを取り戻し、相手を煽る余裕さえも出てきている。
怜央「『炉衛生兵(ファーネス・メディック)』のもう1つの効果を発動。
このターン墓地に送られた『スチームアーミー』を復活させることができる。
再び現れろ、『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』!」
先ほど「爆炎の予告状」によって破壊された怜央の切り札が、
機体のパイプから蒸気を噴き上げ、再び現れる。
リアム「よっしゃぁー!エースモンスター復活だ!」
怜央が一時ピンチに陥ってからほとんど口を開かなかったリアムが、
右手を高くつき上げ飛び跳ねる。
灯「でもあのモンスターにはオーバーレイユニットがないから、効果は発動できないはず…」
墓地から特殊召喚したエクシーズモンスターには、当然エクシーズ素材はない。
灯は押し寄せる不安を抑え、希望的な言葉を口にする。
怜央「永続魔法『爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)』を発動!
『スチームアーミー』モンスターが存在する限り、このカード以外の俺の魔法・罠カードは破壊されない」
■爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)
永続魔法
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在し、
自分フィールドに「スチームアーミー」モンスターが存在する限り、
このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードは相手のカードの効果で破壊されない。
②:自分フィールドのX素材の無い「スチームアーミー」Xモンスター1体を対象として発動できる。
墓地・除外状態のモンスターを2体まで選択し、そのモンスターの下に重ねてX素材とする。
③:装備モンスターが破壊された事で自分の「スチームアーミー」モンスターが墓地へ送られた場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
怜央「お前の『怪傑ゾロ』は魔法・罠の効果を無効にできるが、それは相手から奪ったカードがある時だけだ。
俺から奪った『煙機関車(レイル・エクスプレス)』が破壊されたことでその効果は失われてるぜ」
怜央「『爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)』の効果発動!
オーバーレイユニットを持たない『スチームアーミー』Xモンスターに、
墓地か除外されたモンスターを素材として供給できる。
墓地の『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』と
除外されている『堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』を素材とする」
「炎機公子(エクスプロード)」の周囲を2つの光球が回り始める。
怜央「『堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』が素材となったことで、
『炎機公子(エクスプロード)』は効果の対象にならねえ」
怜央「さらに、墓地の『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』の効果を発動。
1ターンに1度、こいつが墓地にいる時、
『スチームアーミー』Xモンスターのオーバーレイユニットとなることができる」
「明照夷弾(ランタン・ナパーム)」が光の球となり「炎機公子(エクスプロード)」の周囲を回る。
「炎機公子(エクスプロード)」のX素材が3つとなったことで自身の効果により攻撃力は600ポイント上がる。
怜央「『炎機公子(エクスプロード)』のオーバーレイユニットを1つ使い、効果発動!
1ターンに1度、取り除いたオーバーレイユニットの数分、
フィールド・墓地から『スチームアーミー』を相手モンスターに装備する!
墓地の『鍵発射弾(キー・ロケットボム)』を『士君子のブラックバード』に装備する」
ロケット弾型のモンスターが勢いよく炎を噴射して高速でブラックバードへと向かい、鎖を巻き付ける。
ダニエラ「フィールドを破壊された時はどうなるかと思ったけど、心配はいらなかったねぇ」
ドモン「あぁ。むしろ破壊される前よりフィールドが盤石になってやがる」
Unchained Hound Dogsの面々は勝利が確定したかのような余裕の表情をしている。
先ほど一瞬頭を掠めた敗北の2文字は、すでに彼らの脳裏から消えているようだ。
遊次「…こりゃマジでやべえかもな…」
自分のモンスターに巻き付けられた爆弾を見て、遊次は苦笑いを浮かべる。
灯「でも…今遊次の2体のモンスターは隣同士にいないから、破壊は連鎖しないんじゃ…」
「怪傑ゾロ」と「士君子のブラックバード」の間にはモンスターゾーンが1つ空いている状態だ。
しかしそれを指摘した灯本人も、怜央がそのことを知らずに爆弾を装備させているはずがないことは理解していた。
怜央「フィールド魔法『爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)』の効果発動。
1ターンに1度、相手フィールドのモンスターの位置を変更できる。
『士君子のブラックバード』位置を『怪傑ゾロ』の隣に変更だ」
これにより再び破壊の連鎖の条件が満たされる。
怜央「舞台は整った。俺の炎は誰にも消せやしねえ」
怜央の言葉を体現するように、怜央のモンスター達は炎を滾らせる。
遊次「…」
遊次は怜央のモンスターを見つめ、その意思を感じ取る。
遊次「デュエルは這い上がるための力…か。
でもお前のモンスターは今、お前の心に応えようとしてるぜ」
怜央「…あぁ?何が言いてえ」
遊次「お前のモンスターは本気でお前の力になりたいと思ってんだよ。
それは、お前がモンスターをただの道具とは思ってねえってことだ。
自分を道具扱いする奴には、モンスター達だって応える気は起きねえだろ」
怜央「ハッ!笑わせんなよ!
モンスターの気持ちがわかるってのか?とんだ電波野郎だぜ」
怜央は呆れた様子でため息交じりに嘲笑の言葉を投げかける。
遊次「わかるぜ。
そのモンスター達がこれまでずっとお前と一緒に戦ってきたこと。
それと…お前がこの町を許せない理由は、もっと奥深くにあるってことも」
怜央「…!」
芯を刺すような遊次の言葉に怜央は思わず目を見開く。
ドモンとダニエラも互いに一瞬目を合わせる。
遊次「お前のモンスターから感じる怒りや憎しみは尋常じゃねえ。
お前の心と同調してるんだ。
悲しさを通り越してここまで怒りに支配される理由は、
きっと俺が知らないお前の心の奥底にある」
怜央「…フン、当てずっぽうなら誰にでも言える。
占い師にでもなった方がいいぜ。この町を出たらな」
怜央「まさか忘れてねえよな?今お前は大ピンチだってこと。
…バトルフェイズだ」
怜央は戦いの始まりを宣言するように右手を高く掲げる。
怜央「『爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード)』で、
『妖義賊-士君子のブラックバード』を攻撃!」
「羅針榴弾(コンパス・グレネード)」の羅針盤の針が攻撃対象を指し示し、
その方向へと勢いよく突進していく。対象に激突した瞬間、爆発が起きる。
ブラックバードは翼で防ごうとするも、耐えきれずに破壊される。
ブラックバードは守備表示だったため戦闘ダメージは発生しない。
怜央「この瞬間、ブラックバードに装備されていた『鍵発射弾(キー・ロケットボム)』の効果発動!
隣のモンスターゾーンの『怪傑ゾロ』を破壊する!」
怜央「更に、永続魔法『爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)』の効果発動!
『スチームアーミー』モンスターが装備されている相手モンスターが破壊された時、
カードを1枚ドローする!」
遊次「くそっ…全然あいつのリソースを削れねえ…!」
フィールドを全て破壊した後にモンスターを展開しても、未だ怜央の手札は3枚残っている。
この戦線維持能力こそ怜央のデッキの本領といえる。
怜央「そしてチェーン1の『鍵発射弾(キー・ロケットボム)』の効果で『怪傑ゾロ』は破壊される!」
怜央の効果宣言と共にロケット弾が怪傑ゾロを目掛けて発射され、高速でゾロに迫る。
1秒も経たない内にゾロに被弾し、爆発する。
怜央「これでお前のフィールドはガラ空きだ。
『爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック)』でダイレクトアタック!」
「炉衛生兵(ファーネス・メディック)」が右手に持つ巨大な注射針で遊次を突き刺す。
遊次「ぐああぁっ!!」
LP8000 → 6700
怜央「そして『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』でダイレクトアタック!」
「炎機公子(エクスプロード)」の背中のブースターから勢いよく炎が噴射される。
その勢いによって加速した「炎機公子(エクスプロード)」が高速で遊次に迫り、炎を纏った拳をぶつける。
遊次「ぐあああぁああっ!!!」
LP6700 → 3900
遊次は炎の拳を両腕で防ごうとするが、その衝撃によって後ろへ仰け反り、よろめく。
「遊次っ!」
灯とイーサンが後ろから遊次を支え、遊次の体が地面へ倒れることはなかった。
怜央「(…このカードを今使ってもアイツのライフは削りきれねえ。
なら、"あの効果"を使うために、今は温存しておいた方がいい)」
怜央が手札の魔法カードに目をやるも、コンマ数秒の思考の後に目を離す。
怜央「バトルフェイズを終了し、カードを1枚伏せてターンエンドだ。
せいぜい足掻いてみろ」
灯「大丈夫?遊次」
遊次「あぁ。すまねえな」
灯とイーサンに支えられていた遊次が立ち上がる。
イーサン「怜央のフィールドは万全の状態だ。策はあるんだろうな?遊次」
遊次「へへ…今回はマジでヤバいかもしれねえ。悪いが、絶対に勝てるとは言い切れないぜ」
いつもの強気な返答を期待していたイーサンだったが、遊次の答えは想像と違っていた。
しかしその台詞とは裏腹に、遊次の口角は上がっていた。
灯「でも、笑ってるよ。遊次」
遊次「あれ、そうか?気づかなかった。
でも楽しいのは間違いねえ。やっぱデュエルはこうでなくちゃな」
イーサン「お前が楽しんでる内は大丈夫そうだ。
行ってこいよ遊次、お前のターンだ」
遊次「あぁ!」
灯とイーサンに背中を押された遊次は、再びデュエルフィールドの中心へと向かう。
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【怜央】
LP4400 手札:2
①爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック) ATK1300
②爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード) ATK1500
③爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード) ATK2800 X素材:2
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□①②③□
フィールド魔法:1
永続魔法:1
伏せカード:1
【遊次】
LP3900 手札:1
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□□□□
◆□□□□
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
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第16話「魂の衝突」 完
【怜央】
LP8000 手札:3
①爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス) DEF2500 X素材:1
②爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード) ATK2600 X素材:1
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
①
□□②□□
フィールド魔法:1
永続罠:1
【遊次】
LP8000 手札:4
魔法罠:0
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遊次がモンスターを展開していた最中、相手ターン中のX召喚によって、
怜央は切り札「爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)」をエクシーズ召喚した。
遊次のモンスターに「爆焔鉄甲(スチームアーミー)」モンスターを装備させ、
そのモンスターを破壊することで、隣のモンスターゾーンへ破壊を連鎖させ、
ついに遊次のフィールドのモンスターは全滅した。
遊次は俯き、依然何も言わないままだ。
しかし。
怜央「…テメェ、何くだらねえ芝居してやがる。
さっさと前を向きやがれ。
大見得切ってヒーロー気取りで俺に挑んできたんだ、
この程度で音を上げる根性無しじゃねえだろ」
怜央は一切の油断も慢心もなく、
戦いは始まったばかりだと言うように、遊次を睨みつけ、相手の動きを待つ。
遊次「…さすがだぜ。わかっちまうか、まだ終わりじゃねえって」
遊次は怜央の言葉に呼応するように前を向きなおす。
灯「…遊次…!」
遊次の言葉を聞き、灯の表情も少しずつ明るくなる。
怜央「油断を誘ったつもりか?くだらねえ。
そんな小手先でどうこうしようなんざ、小物のやることだ」
遊次「悪ぃな。でも小手先のテクニックで案外戦況は変わるもんだぜ。
俺の経験談だ」
遊次は手札のカードを1枚、表側に向ける。
遊次「俺は手札の『妖義賊-助太刀のサルバトーレ』の効果を発動!
自分フィールドのモンスターが破壊された時、手札から特殊召喚できる!」
遊次はカードを横向きにデュエルディスクに叩きつける。
■妖義賊-助太刀のサルバトーレ
効果モンスター
レベル4/地/獣/攻撃力1700 守備力1300
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドのモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
この方法で特殊召喚した場合、
相手の墓地のモンスター1体を選択し、自分フィールドに特殊召喚できる。
②:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在する場合に発動できる。
デッキから『予告状』魔法カード1枚を手札に加える。
フィールドに現れたのは胸のあいた毛皮の服を纏った猿のモンスターだ。
ニヒルな笑みを浮かべており、右手には短刀を携えている。
遊次「サルバトーレの効果!
この効果で特殊召喚した場合、相手の墓地からモンスターを1体奪う!
俺はお前の墓地から『爆焔鉄甲 灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』を奪う!」
怜央「チッ…また盗みか」
■爆焔鉄甲 灼狙撃兵(バーン・スナイパー)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1800 守備力900
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター以外の自分フィールドの「スチームアーミー」モンスター1体を選択し、
対象のモンスターに装備カード扱いとして装備する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「スチームアーミー」モンスター1体を手札に加える。
③:相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、相手に800ポイントのダメージを与える。
再び遊次のフィールドに「灼狙撃兵(バーン・スナイパー)」が特殊召喚される。
「脱出のシェパード」の効果で自分フィールドに特殊召喚した時は効果が無効化されていたが、今回は効果も攻守もそのままの形で遊次の場に現れる。
全体がくすんだ銅色で統一されたストイックな外装。
細長いフレームに組み込まれた複数のギアやパイプが見え隠れする。
肩から腕にかけては特殊なライフルが取り付けられており、精密な狙撃を可能にしている。
頭部はゴーグル型のセンサーが搭載され、冷ややかな光を放つ。
背中にはエネルギータンクが一体化されており、必要に応じて動力源を供給する。
遊次「『灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』の効果を発動。
お前の魔法・罠カードを1枚破壊して800のダメージを与える。
俺は永続罠『爆焔鉄甲地雷原(スチームアーミー・マインフィールド)』を破壊!」
『灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』がライフルを構え、
怜央の罠カードに対して銃弾を放つと、永続罠は一瞬にして破壊される。
怜央「ぐっ…!」
LP8000 → LP7200
遊次「更に『妖義賊-助太刀のサルバトーレ』の効果を発動!
俺のフィールドに相手から奪ったカードがある時、
デッキから『予告状』魔法カードを1枚手札に加える。
俺が手札に加えるのは『融合の予告状』だ」
遊次「そして俺は『融合の予告状』を発動!」
ダニエラ「融合…!」
ドモン「来やがるか、切り札が…」
…………
ダニエラとドモンが身構えるが、待てど暮らせど何も起きない。
ダニエラ「…なんだい!何も起きないじゃないか!」
遊次「焦んなよ。予告状って言ってんだろ。
このカードは発動後の2ターン後に墓地から除外されて、
除外された時に初めて融合できるカードだ」
■融合の予告状
通常魔法
①:このカードは発動後、墓地に送られる。
このカードの発動後2回目の自分メインフェイズに、このカードを墓地から除外できる。
②:このカードが墓地から除外された場合に発動できる。
自分の手札・フィールドから、「ミスティックラン」融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
この効果で融合召喚したモンスターが相手モンスターと戦闘を行う場合、
そのモンスターの攻撃力は、ダメージステップの間0となる。
ダニエラ「な~んだい、ビビらせんじゃないよ」
ドモン「融合召喚が2ターン後ってんなら恐れることはねえ。
それまでにあいつのフィールドを崩せばいいだけだ、怜央」
ダニエラとドモンのまわりに安堵の空気が漂う。
怜央「…いや、言葉の綾だ。騙されんな。
2ターン後に除外する効果と、除外された時に融合召喚をする効果は分かれてる。
つまり2ターン経たなくても予告状が墓地から除外されちまえば融合召喚を行えるってことだ」
怜央がデュエルディスクでカードの効果を確認しながら冷静に訂正する。
遊次「さすが、察しがいいな」
遊次は関心しながらデュエルディスクを掲げると、
左端と右端から遊次側に向かって2つのカードゾーンが飛び出す。
遊次「俺は手札から『妖義賊-雲龍のリヘイ』Pゾーンにセッティング!」
そしてその飛び出した左端のゾーンにカードをセッティングする。
新たに出現したゾーンはPゾーンだ。
デュエルディスクの魔法罠ゾーンの右端と左端の下には、
Pカードをセットする別のカードゾーンが用意されている。
そのゾーンを押し込むことで、
セットしたカードはデュエルディスクの中に入ってゆく。
すると、遊次の左側の頭上にモンスターが浮かび上がる。
■妖義賊-雲龍のリヘイ
ペンデュラムモンスター
レベル6/闇/幻竜/攻撃力2300 守備力1700 スケール2
【P効果】
このカード名の①②のP効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札を1枚捨て、自分の墓地の「予告状」魔法カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
この効果を使用するターン、自分は除外した「予告状」魔法カード以外の「予告状」魔法カードの効果を発動できない。
②:自分メインフェイズに発動できる。
Pゾーンのこのカードをデッキに戻し、デッキから「ミスティックラン」Pカード1枚をPゾーンに置く。
【モンスター効果】
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:元々の持ち主が相手となるカード1枚を墓地に送って発動できる。
デッキから「ミスティックラン」罠カード1枚を手札に加える。
頭上に現れたのは、ひげの生えた紫色の龍の頭を持つ人型のモンスター。
黒を基調とし、薄い紫色の花柄の着物を纏い、槍を携えている。
怜央は静かに頭上のモンスターを見上げる。
遊次「『雲龍のリヘイ』のP効果を発動。
1ターンに1度、手札を1枚捨てて、墓地の予告状を除外できる」
遊次は手札の『爆炎の予告状』を捨てて効果の宣言をする。
遊次「俺は墓地の『融合の予告状』を除外!
そして除外された『融合の予告状』の効果を発動!融合召喚を行う!」
怜央「それのどこが予告状だ、インチキ野郎!」
リアム「そうだそうだ!約束を守れ!」
冷静に遊次のプレイングを見定めていた怜央もついに我慢の限界を迎える。
外野のリアムもあまりの反則ぶりについ口を出す。
遊次「なんだとぉ!?義賊にも都合があんだよ!」
灯「予告守らないのも、毎回責められてるね…」
灯はつい苦笑いを漏らす。
遊次「俺は『妖義賊-助太刀のサルバトーレ』と、
お前から奪った『爆焔鉄甲 灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』で融合!」
遊次「悪しきを挫く至高の剣士が、闇夜を斬り裂く一閃を放つ」
遊次「融合召喚!現れよ、『妖義賊-快傑ゾロ』!」
■妖義賊-快傑ゾロ
融合モンスター
レベル7/光/獣/攻撃力2800 守備力1800
「ミスティックラン」モンスター + 元々の持ち主が相手となるモンスター
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
②:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在し、相手が魔法・罠カードの効果を発動した場合に発動できる。
その発動を無効にして破壊する。
口上と共に現れたのは、青い二角帽子を被り、目に黒いマスクを着けた狐の戦士だ。
サーベルを携え、貴族のような青いジャケットに白いスカーフを巻き、高貴な姿をしている。
怜央はフィールドの状況やカードの効果から、これから起きる事の予測と対策を考えている。
遊次「こっからが反撃の始まりだぜ。『雲龍のリヘイ』のP効果発動!
Pゾーンのこいつをデッキに戻し、別の『ミスティックラン』PモンスターをPゾーンに置く。
『妖義賊-剛腕のナンゴウ』をPスケールに置くぜ」
■妖義賊-剛腕のナンゴウ
ペンデュラムモンスター
レベル6/地/獣戦士/攻撃力2400 守備力1900 スケール2
【P効果】
このカード名の①のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの「ミスティックラン」モンスター1体を選択して発動できる。
そのモンスターはこのターン、1度のバトルフェイズで2回攻撃できる。
【モンスター効果】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがフィールドに存在する限り、自分の「ミスティックラン」モンスターは戦闘で破壊されない。
②:自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在し、
このカード以外の自分の「ミスティックラン」モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。
このカードをリリースし、そのモンスターの攻撃力を2400アップする。
Pゾーンのリヘイがデッキへと戻り、頭上には新たなモンスターが浮かび上がる。
黒に赤いラインと白黒の渦模様が描かれた着物を纏い、
唐傘を持つ虎の姿をした筋骨隆々のモンスターだ。
遊次「『剛腕のナンゴウ』のP効果を発動!
このターン、選んだ「ミスティックラン」モンスターは2回攻撃が可能となる!
俺は『快傑ゾロ』を選択する!」
Pゾーンのナンゴウが畳んだ傘を振り下ろすと、フィールドの快傑ゾロは赤きオーラを纏う。
遊次「めちゃくちゃにぶっ壊されても、絶対に立ち上がってやる。
俺はその気持ちでNextを始めた。このデュエルでもそれは変わらねえ」
遊次は自分の目の前の怪傑ゾロを見上げる。
ゾロはそれに応えるように遊次の眼を見て頷いた。
ミオ「あの人、今モンスターとしゃべってたみたい…」
モンスターと心を通わせる遊次を見てミオが呟く。
リアム「モンスターとしゃべったぁ?んなわけねーだろ…。お前ほんとメルヘンな奴だな」
ミオ「そんなんじゃないもん!今、モンスターと目を合わせてたもん!」
ミオの発言を真に受けないリアムに対し、ミオは珍しく声を荒げる。
遊次「さあバトルだ!『妖義賊-快傑ゾロ』で、『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』を攻撃!」
遊次「お前もドミノタウンで育ったんだろ。
ならお前も根っこの想いは同じはずだぜ、怜央!
俺もこの町で、何もかも失ってもまた立ち上がる人たちを見てきた!
そんな人たちまで悪者扱いして、目の敵にしてどうすんだ!」
遊次が攻撃宣言と共に、自らの想いを怜央にぶつける。
それに応えるように、怪傑ゾロがサーベルを構え『炎機公子(エクスプロード)』へと向かってゆく。
怜央「想いが同じだ?ふざけんじゃねえ…!
テメェは何も"解らねえ"だろうが…!」
遊次「…!?」
怜央は遊次の言葉に更なる拒絶を示し、デュエルディスクに触れる。
遊次は怜央の言葉に今までとは違う敵意と少しの違和感を覚える。
怜央「…この瞬間、『爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス)』の効果を発動!
オーバーレイユニットを1つ取り除き、フィールド・墓地から『スチームアーミー』モンスターを2体まで選び、
自分の他のXモンスターのオーバーレイユニットとすることができる!
俺は墓地の『灼狙撃兵(バーン・スナイパー)』と
『時計炸弾(クロック・ダイナマイト)』を、
『炎機公子(エクスプロード)』の素材とする」
煙機関車(レイル・エクスプレス)が白煙を噴き上げると、
指定された2体のモンスターが列車から現れ光の球へと変化し、
炎機公子(エクスプロード)の周りを漂う。
炎機公子(エクスプロード)の素材が3つに増えたことにより、攻撃力は3000に変化する。
灯「『炎機公子(エクスプロード)』の攻撃力が上がった!
でも『融合の予告状』の効果で攻撃力はどうせ0になるはず…」
怜央が無意味な行動を取ったことに灯は首をかしげる。
しかし遊次は表情一つ崩さず怜央の出方を伺う。
怜央「更に、墓地の『爆焔鉄甲 堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』を除外して効果発動!
自分フィールドの『爆焔鉄甲』モンスター1体を選び、そのモンスターはこのターン、戦闘で破壊されない!
選択するのは『炎機公子(エクスプロード)』だ!」
怪傑ゾロがサーベルを炎機公子(エクスプロード)に向けて高速で何度もサーベルを振るうが、
半透明の『堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』が背後から現れ、鋼鉄の盾で『炎機公子(エクスプロード)』を守る。
遊次「…『炎機公子(エクスプロード)』はこのターン破壊できねえが『融合の予告状』の効果で攻撃力は0!
よって戦闘ダメージは受けてもらうぜ!」
ゾロの斬撃は弾かれ『炎機公子(エクスプロード)』は無事だが、その斬撃は怜央の方へと向かう。
怜央「ぐっ…!!」
LP7200 → 4400
ドモン「『炎機公子(エクスプロード)』は守れたが、P効果でゾロはあと1回の攻撃を残してやがる。
ちっとばかしマズいぜ、怜央…!」
ミオ「もしもう1回『炎機公子(エクスプロード)』に攻撃されちゃったら、怜央のライフがあぶない…!」
ミオはクマのぬいぐるみを抱きしめる力を更に強める。
遊次は少し考える素振りを見せた後、続けて攻撃を行う。
遊次「『剛腕のナンゴウ』のP効果により、『怪傑ゾロ』はもう1度攻撃を行える。
俺は『煙機関車(レイル・エクスプレス)』を攻撃!」
怜央「…そう来るか」
ゾロは遊次の指令を受け、攻撃の対象を変更する。
自分よりも二回り以上大きい漆黒の鉄塊に対し、サーベルを一突きする。
その後『煙機関車(レイル・エクスプレス)』はヒビ割れ、その姿を失う。
遊次「この瞬間『怪傑ゾロ』の効果発動!相手モンスターを戦闘で破壊した時、
そのモンスターを墓地から俺のフィールドに特殊召喚する!
『煙機関車(レイル・エクスプレス)』はいただくぜ!」
怪傑ゾロの隣に黒き鉄塊が白煙を巻き上げて現れる。
遊次「俺のフィールドに相手から奪ったモンスターがいる時、
『怪傑ゾロ』は相手の魔法・罠カードの効果を1ターンに1度無効化できる。
これで俺のバトルフェイズは終了だ」
イーサン「ダメージよりも盤面的有利を取ったか。妥当な判断だな」
手に汗握るバトルが一区切りついたところで、イーサンはフィールドを分析する。
灯「…そうだね。一見遊次が逆転したように見えるけど、
遊次の手札はたったの1枚。それに対して怜央の手札は4枚もあるもんね」
イーサン「あぁ。このターンで怜央のライフを削り切れない以上、
次のターンに備えてフィールドを盤石にしておいた方がいい」
灯「フィールドを全部破壊されたから、立て直すために手札を使わされたね…。
立て直せるかな、遊次…」
一見すると遊次の有利に見える場面でも、デュエリストとして実力のある2人は冷静に戦況を見定める。全く油断はできない状況だ。
遊次「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
遊次は今伏せたカードによって手札が0枚となる。
遊次「俺はお前に、俺の想いを全部ぶつける。だからスカすんじゃねえぞ。
自分が正しいって思うんなら、お前も全力でお前の想いをぶつけてデュエルしろよ」
怜央の猛攻を跳ね返し悠然と前を向く遊次。
怜央「…やってやるよ。
捲れてんだ、テメエが所詮"ニセモン"だってことはよ…!」
怜央も遊次のターンを経たことで、彼が生半可ではないことは理解した。
だが遊次が怜央に想いをぶつけたことで、怜央の怒りも更に火力を増している。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
【怜央】
LP4400 手札:4
フィールド魔法:1
①爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード) ATK2600 X素材:1
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□②□□
【遊次】
LP8000 手札:0
①妖義賊-快傑ゾロ ATK2800
②爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス) DEF2500
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□①②□
◆★□□□
★伏せカード:1
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
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怜央「俺のターン!ドロー!」
遊次のターン終了と共に、返す刀で怜央はすぐにカードをドローする。
引いたカードはある速攻魔法だった。
怜央「(…今コイツを使っても『怪傑ゾロ』の効果で無効にされちまう。
だがそれさえどうにかすれば…)」
怜央「(それに、アイツの墓地には『爆炎の予告状』とかいう俺のフィールドを全て破壊するカードがある。
何か仕掛けてくる可能性は高ぇ)」
怜央は怒りのボルテージを上げているものの、思考は至って冷静だ。
遊次「俺がニセモンってのはどういうことだ?言いてえことがあるならハッキリ言えよ」
遊次は前のターンで怜央が吐き捨てた言葉を拾い、その真意を問う。
怜央「そんなもん、お前が一番よくわかってんじゃねえのか?」
遊次「…わかんねえな。どういう意味だよ」
未だに言葉を濁す怜央に遊次が苛立ちを示す。
怜央「お前、記憶喪失なんだってな」
遊次「…!」
怜央の言葉に遊次が目を見開く。
イーサン「なぜそのことを…」
怜央「この町は今や俺らが牛耳ってる。お前らの噂も入ってきてんだよ。
お前、どうやらコラプスより前の記憶が完全に消えちまってるって話じゃねえか」
遊次が記憶喪失であることは、古くから遊次を知るドミノタウンの住人であれば知っていることだ。
どこからかUnchained Hound Dogsにその情報が入っていても不思議ではない。
遊次「…確かに、俺にはコラプスより後の記憶しかない」
怜央「ならよぉ…お前はあの"地獄"を知らねえだろうが!」
遊次「…!」
怜央「記憶がねえなら、見てねえのと同じだ!感じてねえのと同じだ!
ならテメェはどのツラ下げてこの町の代弁者気取ってんだ!
あぁ!?」
遊次「………」
怜央は鬼気迫る表情でその怒りを露わにする。
遊次は何も答えない。
ようやく怜央が自らの考えを遊次にぶつけ始めたのだ。
無差別的にこの町の大人へ向けられる憎悪の源を、遊次は純粋に知りたかった。
知る必要があった。
灯「感じてない…?そんなわけないでしょ!?
記憶はなくても、コラプスが起きた時に遊次はこの町に住んでたの!」
遊次が傷つくことを何よりも嫌う灯は、怜央に劣らぬ勢いで反論する。
灯「めちゃくちゃになった町が今日まで復興していく姿だってずっと見てきた!
必死に立ち上がるドミノタウンの人たちの姿も!そこに偽りはないでしょう!?」
怜央「んなもん、どっかの貧しい国の話を聞いて勝手に同情するのと何が違う!
味わってなきゃ、"解らねえ"んだ!
急に現れたバケモンに、目の前の人が踏み潰される恐怖も!
家族も、居場所も、何もかも…全部奪われる屈辱も!」
怜央は歯を食いしばり、左胸の服の布を右手で掴みながら怒りを叫ぶ。
灯「……ッ…!」
灯は更なる言葉を紡ごうと思いきり息を吸い込んだが、そのまま息を吐き出した。
彼の悲痛な叫びは誰に否定できるものでもなく、返す言葉を失う。
イーサン「……」
イーサンは俯き、顔に影を落とす。
遊次「お前、もしかして家族を…」
怜央「…」
怜央は何も答えない。
ドモン「…それだけで済んだらよかったがな」
ダニエラ「……」
ドモンは誰に聞かせるわけでもなく一言呟く。
ダニエラやリアム・ミオ達は、今まで聞いたことのない怜央の心の叫びに圧倒される。
怜央の過去は知っていても、ここまで内面を曝け出す怜央を見たことがなかったからだ。
突如の無音。暗く狭い戦場に静寂が訪れる。
怜央「俺は手札から、『爆焔鉄甲 機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』を召喚!」
怜央は今まで話していたことなど気にも留めずデュエルを続行する。
遊次は気持ちを切り替え、再びフィールドに集中する。
■爆焔鉄甲 機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1900 守備力500
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター以外の自分フィールドの「スチームアーミー」モンスター1体を選択し、
対象のモンスターに装備カード扱いとして装備する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このカードが召喚に成功した場合に発動できる。
手札から「スチームアーミー」モンスター1体を特殊召喚する。
③:このカードが破壊され墓地に送られた場合に発動できる。
デッキから「爆焔鉄甲 機動歩兵」以外の
「スチームアーミー」モンスター1体を特殊召喚する。
現れたモンスターは古びた金属製の外装で覆われており、四肢の関節には無数のリベットが打ち込まれている。
頭部は角ばったデザインで、中央に単眼のゴーグルが光っている。
胸部には厚い鋼のプレートが重なり合い、背中には複雑なパイプが縦横に走っている。
両腕には大型のバレル状の部品が取り付けられ、その腕には小銃が掲げられている。
怜央「『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』の効果を発動。
召喚に成功した時、手札の『スチームアーミー』を特殊召喚できる。
来い、『爆焔鉄甲 明照夷弾(ランタン・ナパーム)』!」
■爆焔鉄甲 明照夷弾(ランタン・ナパーム)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1000 守備力1600
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
このカードは魔法・罠ゾーンに1枚しか存在できない。
①:このカードがフィールド・墓地に存在する場合、
自分フィールドの「スチームアーミー」Xモンスター1体を対象として発動できる。
このカードをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。
②:このカードの装備モンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。
③:装備モンスターが破壊される事によってこのカードが墓地へ送られた場合に発動する。
破壊された装備モンスターと同じ縦列・隣のカードを全て破壊する。
そのモンスターは、縦長の円筒形で作られており、上部には丈夫な金属製の持ち手が付いている。
中央部分にある格子窓からは、内部で揺らめく鮮やかな赤い液体が透けて見える。
古いランタンの外観だが、その内部には強力な破壊力を秘めている。
怜央「『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』の効果を発動。
フィールドの『爆焔鉄甲』を相手モンスターに装備する。
お前のフィールドの『 煙機関車(レイル・エクスプレス)』に『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』を装備する」
『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』が『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』を投げつけると、
遊次のフィールドの『 煙機関車(レイル・エクスプレス)』の煙突部分に絡まる。
怜央「『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』が装備されたモンスターは攻撃力・守備力が500ポイントダウンする」
レイル・エクスプレスにランタンから零れたゼリー状の油脂が降りかかる。
怜央「いくら綺麗事を並べても、あの日奪われた日常は戻ってこねえ。
ただ祈って助けてくれるのを待ってても、誰も助けてくれやしねえ。
みんな自分のことで精一杯だ。
自分のためなら、他人がどうなろうが構わねえ。
お前が元気にしたいとほざいてる町は、そんな町なんだよ!」
遊次「それは違ぇ!
コラプスで全部失っても、支え合いながら立ち上がって来た人たちを俺は知ってる!
本当は泣きたくてしょうがねえのに無理して笑って…どうにか前に進んで来たんだ!」
遊次の脳裏には幼い頃からよくしてくれたドミノタウンの人たちの顔が浮かぶ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「いいのかよ!こんなにコロッケもらっちまって!」
オレンジ色の髪をした7歳の少年は、大きな茶色い紙袋を抱え、そこから笑顔を覗かせる。
辺りは瓦礫がまだ片付かない荒れ果てた様子だ。
それでもぽつぽつと、机と椅子だけの急ごしらえの店が少しずつ増え始めていた。
「いいんだよ!全部持ってきな!」
汚れた白いエプロンを着けた恰幅のいい中年の女性は、笑顔で少年に応える。
「で、でも…いいのか?おばちゃんだって大変なのに…」
少年は申し訳なさそうに紙袋を胸元に抱きかかえ、目の前の女性を見上げる。
「アンタ、いっつも腹すかしてんだろ?
アンタら子供たちが立派に育たなきゃ、誰が将来この町を支えるんだい。遠慮せずに食いな!」
そう言う彼女の笑顔は、コラプス以前に町でみかけた快活な笑顔とは違った。
きっと、心では泣きたいに違いない。
それでも無理にでも明るく笑って、必死に前に進んでいこうとしてるんだ。
少年はそう思うと、ひどく胸に痛みをおぼえた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
遊次「俺はそんな人たちを心から笑えるようにしてえって、泣いてほしくねえって思った。
だからこの町でNextを始めた!」
遊次は左胸に右の手のひらを当て少し目を瞑った後、その手を握り前に突き出す。
イーサン「……遊次…」
彼の親代わりの存在として全てを見守ってきたイーサンは、堂々たる彼の姿にかつての幼い姿を重ねる。
怜央「ほらな、やっぱりただ恵まれてただけの甘ちゃんじゃねえか!
テメェはこの町の闇を知らずに来ただけのボンボンだろうが!
そんな奴に俺らの何がわかる!」
そう言うと怜央はデュエルディスク上の2枚重なったカードから、下の1枚のカードを抜きだす。
怜央「『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』のオーバーレイユニットを1つ使い、効果を発動!
相手フィールドのモンスターを1体破壊する。『煙機関車(レイル・エクスプレス)』を破壊だ!」
『炎機公子(エクスプロード)』が腕を振ることで自身の周囲を揺蕩う光球を弾き、
遊次のフィールドの『煙機関車(レイル・エクスプレス)』に向けて左腕のバーナーを向ける。
遊次は何も言わず、表情を変えない。
灯「これが通れば破壊が連鎖して遊次のフィールドはまたガラ空き…。どうするの、遊次…」
灯は不安と希望が入り混じった眼差しで遊次の後ろ姿を見つめる。
遊次「…お前の言う通り、自分のために他人を蹴落とす奴もいるだろうぜ。
俺はこの町のそういう部分だってどうにかしたいと思ってる。見て見ぬふりはしたくねえ」
遊次は前を見据えている。
すると『炎機公子(エクスプロード)』の左腕のバーナーから火炎が放射され『煙機関車(レイル・エクスプレス)』に向かう。
遊次「だからお前も、"手を差し伸べたい"って人の気持ちを、見て見ぬふりするんじゃねえ!」
遊次はそう叫ぶとデュエルディスクに手をかざす。
遊次「…罠カード発動!『妖義賊の見参』!
デッキから『ミスティックラン』を特殊召喚する!」
■妖義賊の見参
通常罠
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分・相手ターンに発動できる。
デッキから「ミスティックラン」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、自分フィールドに元々の持ち主が相手となるカードが存在する場合、
デッキから「ミスティックラン」カード1枚を手札に加えることができる。
②:墓地のこのカードを除外し、墓地の「ミスティックラン」モンスター1体を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
怜央「…爆弾が巻き付けられた『煙機関車(レイル・エクスプレス)』の隣じゃなくて、
『怪傑ゾロ』の横に特殊召喚すれば、これから呼ぶモンスターの破壊は免れるってわけか」
遊次「…俺はデッキから『妖義賊-士君子のブラックバード』を
『煙機関車(レイル・エクスプレス)』の隣に特殊召喚!」
怜央「バカか!?それじゃあ呼んだモンスターも巻き添えになるだけだ!」
遊次「…まぁ見とけよ」
カードの発動と共に、紳士服を纏った二足歩行の黒いカラスのモンスターがフィールドに現れる。
------------------------------------------
【遊次のフィールド】
①妖義賊-快傑ゾロ ATK2800
②爆焔鉄甲 煙機関車(レイル・エクスプレス) DEF1300
③妖義賊-士君子のブラックバード ATK1500
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□①【②】③
◆□□□□
※【】は「スチームアーミー」が装備されているモンスター
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
------------------------------------------
遊次「さらに、自分フィールドに相手から奪ったカードがある時、
デッキから「ミスティックラン」カードを手札に加えることができる。
俺は『妖義賊の復活』を手札に加える」
遊次はデッキから1枚の魔法カードを手札に加える。
そしてその後、『炎機公子(エクスプロード)』の放つ炎は『煙機関車(レイル・エクスプレス)』を完全に焼き尽くし、
ついにその姿は砕け散る。
怜央「この時点で爆弾は起爆した。
『煙機関車(レイル・エクスプレス)』に装備されていた『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』の効果が発動し、
隣のモンスターゾーンの『怪傑ゾロ』と『士君子のブラックバード』も…」
特殊召喚されたブラックバードの効果に目を通しながら効果の説明を行っていた怜央は、
途中からあることに気づき、言葉を紡ぐのをやめた。
遊次「…『士君子のブラックバード』は、ミスティックランが破壊される代わりに、
墓地の『予告状』カードを除外することで、破壊を回避できる」
遊次は淡々と効果を告げる。
■妖義賊-士君子のブラックバード
効果モンスター
レベル4/地/鳥獣/攻撃力1500 守備力1400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象に発動できる。
そのカードを破壊する。その後、自分フィールドにセットする。
②:自分フィールドの「ミスティックラン」モンスターが戦闘・効果で破壊される場合に発動できる。
墓地の「予告状」カードを除外し、その破壊を無効にする。
ドモン「墓地の予告状だと…?んなもんいつ発動した?」
遊次が"発動"した予告状カードは『融合の予告状』のみだ。それはすでに除外されている。
後ろからデュエルを見ているだけで全てのカードを把握しているわけではないドモンは首を傾げる。
怜央「…発動はしてねえ。前のターンに手札からコストとして墓地に送ってやがったんだ…!」
怜央はこれから起きることに想像が及び、奥歯を噛みしめる。
遊次「お前の『爆焔鉄甲』の周りを巻き込む破壊効果は強制効果…つまり必ず発動しなきゃならねえもんだ。
すでに発動が確定してるから、今更止めることはできないぜ」
遊次「俺は墓地の『爆炎の予告状』を除外して、『ミスティックラン』モンスターの破壊を無効にする!」
『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』が爆発するも、
『士君子のブラックバード』が両腕を思い切り振るうと、黒い羽根が2体のミスティックランを包み込み、爆風から防ぐ。
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【遊次のフィールド】
①妖義賊-快傑ゾロ ATK2800
②妖義賊-士君子のブラックバード: DEF1400
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□①□②
◆□□□□
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
------------------------------------------
遊次「そして『爆炎の予告状』が除外された時、効果発動!
相手フィールドのカードを全て破壊する!」
■爆炎の予告状
通常魔法
①:このカードは発動後、墓地に送られる。
このカードの発動後2回目の自分メインフェイズに、このカードを墓地から除外できる。
②:このカードが墓地から除外された場合に発動できる。
相手フィールドのカードを全て破壊する。
ダニエラ「な…なんだって……!!」
激しい炎が怜央のフィールドを包み込む。
怜央のフィールドの『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』と、
『炎機公子(エクスプロード)』はみるみる内に炎の渦へと消えていき、破壊される。
そして炎はフィールド全てを巻き込む巨大な炎の渦となり、
その渦はフィールドを支配している暗き戦場の全てを巻き込む。
やがてフィールド魔法は破壊され、デュエリストと観衆は再び空の下の廃工場へと戻る。
日はすでに暮れ夜が訪れているが、先ほどまでの狭苦しい戦場とは比べ物にならない解放感だった。
灯「遊次、すごいっ…!」
イーサン「怜央の破壊効果を利用して、相手ターンに相手フィールドを全て破壊するとは…流石と言わざるを得ないな」
怜央と遊次のシリアスな対話によって強張っていた2人の表情がようやく和らぐ。
ミオ「怜央…だいじょう…」
怜央「来んじゃねえ!!デュエルはこれからだ!」
ミオが思わず駆け寄ろうとした時、怜央が下を向いたまま声を張り上げ、それを制止する。
怜央はそのままデュエルディスクに指をかけ前を向く。
怜央「破壊された『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』の効果を発動!
こいつが破壊された時、デッキから『スチームアーミー』1体を特殊召喚できる!
デッキから2体目の『爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック)』を特殊召喚する!」
■爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1300 守備力1800
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター以外の自分フィールドの「スチームアーミー」モンスター1体を選択し、
対象のモンスターに装備カード扱いとして装備する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
②:このターン墓地に送られた「爆焔鉄甲 炉衛生兵」以外の
自分の墓地の「スチームアーミー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
③:手札の「スチームアーミー」モンスター1体を捨てて発動できる。
自分はデッキから2枚ドローし、その後1枚選んでデッキの一番下に戻す。
オイルの入った注射を持つ機兵が現れる。
最初の怜央のターンに召喚されたモンスターだが、デッキに複数枚入れていたようだ。
怜央「『炉衛生兵(ファーネス・メディック)』の効果発動!
手札を1枚捨て、2枚ドロー!その後、1枚をデッキの下に戻す」
怜央は手札にあった『スチームアーミー』モンスターを1枚捨て、2枚ドローした後、その内の1枚をデッキに戻した。
ダニエラ「大丈夫さミオ。怜央の奴はまだ全く諦めちゃいない。アイツを信じるっきゃないよ」
ダニエラはミオの肩に手を置き声をかける。
手を止めることなく動き続ける怜央を見て、漂っていたマイナスの感情が少しずつ晴れていく。
ミオはそんな怜央の姿を見て、静かに頷く。
怜央「(コイツがあれば…)」
ドローしたカードを見つめる怜央の眼に更なる闘志が宿る。
怜央「更に『炉衛生兵(ファーネス・メディック)』の効果で手札から捨てた
『爆焔鉄甲 鍵発射弾(キー・ロケットボム)』の効果を発動!
こいつが手札から捨てられた場合、墓地の『スチームアーミー』カード1枚を手札に加える」
■爆焔鉄甲 鍵発射弾(キー・ロケットボム)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力900 守備力1800
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
このカードは魔法・罠ゾーンに1枚しか存在できない。
①:このカードが手札から墓地に送られた場合、
自分の墓地の「スチームアーミー」カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
②:このカードの装備モンスターは自身と同じ縦列のモンスターしか攻撃対象に選択できない。
③:装備モンスターが破壊される事によってこのカードが墓地へ送られた場合に発動する。
破壊された装備モンスターと同じ縦列・隣のカードを全て破壊する。
怜央「俺はフィールド魔法『爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)』を手札に加えるぜ」
イーサン「あのカードは、他のモンスターの隣同士にしか召喚できなくなるフィールド魔法…」
灯「せっかく破壊できたのに、また…」
破壊を連鎖させる怜央のデッキのキーカードを崩したことが1つの安心材料だったが、すぐに回収されてしまう。
怜央「そしてフィールド魔法『爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)』を発動!」
■爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)
フィールド魔法
このカード名の①③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードの発動時の処理として、「スチームアーミー」モンスター1体をデッキから手札に加えることができる。
②:お互いのプレイヤーは、自分のモンスターが1体以上存在する場合、
自分のモンスターと同じ縦列または隣のモンスターゾーンにしかモンスターを召喚・特殊召喚・セットできない。
③:相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その位置を他の相手のメインモンスターゾーンに移動する。
怜央「発動時、デッキから『スチームアーミー』モンスターを手札に加える。
俺は『爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード)』を手札に加える」
このモンスターも1度フィールドでお披露目されたモンスターだ。怜央は2枚目をデッキから手札に加える。
怜央「こいつは他の『スチームアーミー』がいる時、手札から特殊召喚できる」
■爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード)
効果モンスター
レベル4/炎/機械/攻撃力1500 守備力1000
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードは魔法・罠ゾーンに1枚しか存在できない。
①:自分フィールドに「スチームアーミー」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:このカードの装備モンスターはリリースできず、素材を必要とする特殊召喚のための素材にできない。
③:装備モンスターが破壊される事によってこのカードが墓地へ送られた場合に発動する。
破壊された装備モンスターと同じ縦列・隣のカードを全て破壊する。
怜央のフィールドに再び羅針盤型の手榴弾モンスターが現れる。
遊次「面白ぇじゃねえか。あんだけ全部ぶっ壊したのに、すぐ立て直しちまった」
怜央「言っただろ、デュエルはこれからだと。
手札が3枚もあれば這い上がるのに十分だ。
だが…手札1枚のお前はどうかな」
遊次「…何?」
怜央も落ち着きを取り戻し、相手を煽る余裕さえも出てきている。
怜央「『炉衛生兵(ファーネス・メディック)』のもう1つの効果を発動。
このターン墓地に送られた『スチームアーミー』を復活させることができる。
再び現れろ、『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』!」
先ほど「爆炎の予告状」によって破壊された怜央の切り札が、
機体のパイプから蒸気を噴き上げ、再び現れる。
リアム「よっしゃぁー!エースモンスター復活だ!」
怜央が一時ピンチに陥ってからほとんど口を開かなかったリアムが、
右手を高くつき上げ飛び跳ねる。
灯「でもあのモンスターにはオーバーレイユニットがないから、効果は発動できないはず…」
墓地から特殊召喚したエクシーズモンスターには、当然エクシーズ素材はない。
灯は押し寄せる不安を抑え、希望的な言葉を口にする。
怜央「永続魔法『爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)』を発動!
『スチームアーミー』モンスターが存在する限り、このカード以外の俺の魔法・罠カードは破壊されない」
■爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)
永続魔法
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在し、
自分フィールドに「スチームアーミー」モンスターが存在する限り、
このカード以外の自分フィールドの魔法・罠カードは相手のカードの効果で破壊されない。
②:自分フィールドのX素材の無い「スチームアーミー」Xモンスター1体を対象として発動できる。
墓地・除外状態のモンスターを2体まで選択し、そのモンスターの下に重ねてX素材とする。
③:装備モンスターが破壊された事で自分の「スチームアーミー」モンスターが墓地へ送られた場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
怜央「お前の『怪傑ゾロ』は魔法・罠の効果を無効にできるが、それは相手から奪ったカードがある時だけだ。
俺から奪った『煙機関車(レイル・エクスプレス)』が破壊されたことでその効果は失われてるぜ」
怜央「『爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)』の効果発動!
オーバーレイユニットを持たない『スチームアーミー』Xモンスターに、
墓地か除外されたモンスターを素材として供給できる。
墓地の『機動歩兵(マヌーヴァー・インファントリー)』と
除外されている『堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』を素材とする」
「炎機公子(エクスプロード)」の周囲を2つの光球が回り始める。
怜央「『堅鉄建兵(バリケイド・ビルダー)』が素材となったことで、
『炎機公子(エクスプロード)』は効果の対象にならねえ」
怜央「さらに、墓地の『明照夷弾(ランタン・ナパーム)』の効果を発動。
1ターンに1度、こいつが墓地にいる時、
『スチームアーミー』Xモンスターのオーバーレイユニットとなることができる」
「明照夷弾(ランタン・ナパーム)」が光の球となり「炎機公子(エクスプロード)」の周囲を回る。
「炎機公子(エクスプロード)」のX素材が3つとなったことで自身の効果により攻撃力は600ポイント上がる。
怜央「『炎機公子(エクスプロード)』のオーバーレイユニットを1つ使い、効果発動!
1ターンに1度、取り除いたオーバーレイユニットの数分、
フィールド・墓地から『スチームアーミー』を相手モンスターに装備する!
墓地の『鍵発射弾(キー・ロケットボム)』を『士君子のブラックバード』に装備する」
ロケット弾型のモンスターが勢いよく炎を噴射して高速でブラックバードへと向かい、鎖を巻き付ける。
ダニエラ「フィールドを破壊された時はどうなるかと思ったけど、心配はいらなかったねぇ」
ドモン「あぁ。むしろ破壊される前よりフィールドが盤石になってやがる」
Unchained Hound Dogsの面々は勝利が確定したかのような余裕の表情をしている。
先ほど一瞬頭を掠めた敗北の2文字は、すでに彼らの脳裏から消えているようだ。
遊次「…こりゃマジでやべえかもな…」
自分のモンスターに巻き付けられた爆弾を見て、遊次は苦笑いを浮かべる。
灯「でも…今遊次の2体のモンスターは隣同士にいないから、破壊は連鎖しないんじゃ…」
「怪傑ゾロ」と「士君子のブラックバード」の間にはモンスターゾーンが1つ空いている状態だ。
しかしそれを指摘した灯本人も、怜央がそのことを知らずに爆弾を装備させているはずがないことは理解していた。
怜央「フィールド魔法『爆焔鉄甲閉鎖密集地帯(スチームアーミー・デッドゾーン)』の効果発動。
1ターンに1度、相手フィールドのモンスターの位置を変更できる。
『士君子のブラックバード』位置を『怪傑ゾロ』の隣に変更だ」
これにより再び破壊の連鎖の条件が満たされる。
怜央「舞台は整った。俺の炎は誰にも消せやしねえ」
怜央の言葉を体現するように、怜央のモンスター達は炎を滾らせる。
遊次「…」
遊次は怜央のモンスターを見つめ、その意思を感じ取る。
遊次「デュエルは這い上がるための力…か。
でもお前のモンスターは今、お前の心に応えようとしてるぜ」
怜央「…あぁ?何が言いてえ」
遊次「お前のモンスターは本気でお前の力になりたいと思ってんだよ。
それは、お前がモンスターをただの道具とは思ってねえってことだ。
自分を道具扱いする奴には、モンスター達だって応える気は起きねえだろ」
怜央「ハッ!笑わせんなよ!
モンスターの気持ちがわかるってのか?とんだ電波野郎だぜ」
怜央は呆れた様子でため息交じりに嘲笑の言葉を投げかける。
遊次「わかるぜ。
そのモンスター達がこれまでずっとお前と一緒に戦ってきたこと。
それと…お前がこの町を許せない理由は、もっと奥深くにあるってことも」
怜央「…!」
芯を刺すような遊次の言葉に怜央は思わず目を見開く。
ドモンとダニエラも互いに一瞬目を合わせる。
遊次「お前のモンスターから感じる怒りや憎しみは尋常じゃねえ。
お前の心と同調してるんだ。
悲しさを通り越してここまで怒りに支配される理由は、
きっと俺が知らないお前の心の奥底にある」
怜央「…フン、当てずっぽうなら誰にでも言える。
占い師にでもなった方がいいぜ。この町を出たらな」
怜央「まさか忘れてねえよな?今お前は大ピンチだってこと。
…バトルフェイズだ」
怜央は戦いの始まりを宣言するように右手を高く掲げる。
怜央「『爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード)』で、
『妖義賊-士君子のブラックバード』を攻撃!」
「羅針榴弾(コンパス・グレネード)」の羅針盤の針が攻撃対象を指し示し、
その方向へと勢いよく突進していく。対象に激突した瞬間、爆発が起きる。
ブラックバードは翼で防ごうとするも、耐えきれずに破壊される。
ブラックバードは守備表示だったため戦闘ダメージは発生しない。
怜央「この瞬間、ブラックバードに装備されていた『鍵発射弾(キー・ロケットボム)』の効果発動!
隣のモンスターゾーンの『怪傑ゾロ』を破壊する!」
怜央「更に、永続魔法『爆焔鉄甲補給戦線(スチームアーミー・サプリングバトルライン)』の効果発動!
『スチームアーミー』モンスターが装備されている相手モンスターが破壊された時、
カードを1枚ドローする!」
遊次「くそっ…全然あいつのリソースを削れねえ…!」
フィールドを全て破壊した後にモンスターを展開しても、未だ怜央の手札は3枚残っている。
この戦線維持能力こそ怜央のデッキの本領といえる。
怜央「そしてチェーン1の『鍵発射弾(キー・ロケットボム)』の効果で『怪傑ゾロ』は破壊される!」
怜央の効果宣言と共にロケット弾が怪傑ゾロを目掛けて発射され、高速でゾロに迫る。
1秒も経たない内にゾロに被弾し、爆発する。
怜央「これでお前のフィールドはガラ空きだ。
『爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック)』でダイレクトアタック!」
「炉衛生兵(ファーネス・メディック)」が右手に持つ巨大な注射針で遊次を突き刺す。
遊次「ぐああぁっ!!」
LP8000 → 6700
怜央「そして『爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード)』でダイレクトアタック!」
「炎機公子(エクスプロード)」の背中のブースターから勢いよく炎が噴射される。
その勢いによって加速した「炎機公子(エクスプロード)」が高速で遊次に迫り、炎を纏った拳をぶつける。
遊次「ぐあああぁああっ!!!」
LP6700 → 3900
遊次は炎の拳を両腕で防ごうとするが、その衝撃によって後ろへ仰け反り、よろめく。
「遊次っ!」
灯とイーサンが後ろから遊次を支え、遊次の体が地面へ倒れることはなかった。
怜央「(…このカードを今使ってもアイツのライフは削りきれねえ。
なら、"あの効果"を使うために、今は温存しておいた方がいい)」
怜央が手札の魔法カードに目をやるも、コンマ数秒の思考の後に目を離す。
怜央「バトルフェイズを終了し、カードを1枚伏せてターンエンドだ。
せいぜい足掻いてみろ」
灯「大丈夫?遊次」
遊次「あぁ。すまねえな」
灯とイーサンに支えられていた遊次が立ち上がる。
イーサン「怜央のフィールドは万全の状態だ。策はあるんだろうな?遊次」
遊次「へへ…今回はマジでヤバいかもしれねえ。悪いが、絶対に勝てるとは言い切れないぜ」
いつもの強気な返答を期待していたイーサンだったが、遊次の答えは想像と違っていた。
しかしその台詞とは裏腹に、遊次の口角は上がっていた。
灯「でも、笑ってるよ。遊次」
遊次「あれ、そうか?気づかなかった。
でも楽しいのは間違いねえ。やっぱデュエルはこうでなくちゃな」
イーサン「お前が楽しんでる内は大丈夫そうだ。
行ってこいよ遊次、お前のターンだ」
遊次「あぁ!」
灯とイーサンに背中を押された遊次は、再びデュエルフィールドの中心へと向かう。
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【怜央】
LP4400 手札:2
①爆焔鉄甲 炉衛生兵(ファーネス・メディック) ATK1300
②爆焔鉄甲 羅針榴弾(コンパス・グレネード) ATK1500
③爆焔鉄甲 炎機公子(エクスプロード) ATK2800 X素材:2
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□①②③□
フィールド魔法:1
永続魔法:1
伏せカード:1
【遊次】
LP3900 手札:1
カードの位置(□はカードが置かれていない場所):
□
□□□□□
◆□□□□
◆Pゾーン:妖義賊-剛腕のナンゴウ
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第16話「魂の衝突」 完
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