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第11話:番犬の尾を踏んだ日 作:柊柚子大好きおじさん
灯とダニエラのオースデュエルは、灯の勝利で幕を閉じた。
イーサン「遊次!灯!」
事務所で作業をしていたイーサンが繁華街へと現れる。
遊次「お、来たかイーサン!」
イーサン「…灯は?」
遊次「見ての通りさ」
遊次が親指で灯の方を差す。
灯「さあ、契約通り、さっき奪った時計は返してもらいますよ」
ダニエラ「ッ…」
ダニエラは膝をついたまま爪を噛む。
リク「ダニエラ姉ちゃん!」
リクが金の時計を持ったままダニエラに駆け寄る。
リク「ダニエラ姉ちゃんをいじめるな!僕が許さないぞ!」
リクはビクビクしながらも灯に険を飛ばす。
灯「…」
灯が複雑な表情を浮かべる。
灯「リク君。それ、ダニエラさんがこの人から奪ったものなの。わかる?」
灯は隣にいる時計を奪われた身なりのいい男性を指す。
リク「で、でも…その人は悪い人で…」
灯「ううん。違うよ。この人は何も悪いことはしてないの。
どうして悪い人だと思ったの?」
リク「そ、それは…」
ダニエラ「もういい!!やめろ!約束通り時計は返す!それでいいだろ!
…リク、悪いけどその時計、このオッサンに返してやんな」
リク「う…うん」
リクはまだ状況を理解していないが、ダニエラに言われたとおりに時計を持ち主に返す。
身なりのいい男「すみません…私がデュエルで負けたのが悪いのに…本当にありがとうございます!」
男は灯に感謝を告げる。
灯「いえ…私がやりたくてやったことですから」
遊次とイーサンも灯の方へと駆け寄る。
灯「遊次!イーサンも来てたんだね」
遊次がダニエラに向かって言葉を発する。
遊次「おいお前!もうこんなくだらねえことすんじゃ…」
すると遊次の言葉を遮るように、ダニエラの後ろから男の声が響く。
???「おいダニエラ。負けちまったんだってなぁ」
ダニエラは後ろを振り向く。
ダニエラ「ドモン…それに…怜央」
ダニエラの後ろからドモンと怜央が歩いてくる。
その更に後ろには数人の子供達も付いてきている。
ドモンは遊次達の方をまじまじと見ている。
ドモン「ダニエラが負けるなんて、どんな相手かと思いきや…
なんだ?俺らと大して変わらねえぐらいの歳じゃねえか。
あぁいや、1人オッサンがいるみてえだが」
イーサン「お、俺…!?」
遊次「どう考えてもそうだろ」
怜央「こいつら…。こいつらだ、俺が言ってたなんでも屋って連中」
ドモン「ほぉ~、こりゃぁえらい偶然だ!噂をすればって奴だな!」
遊次「なんだ?もうそんな噂になっちゃってんの?俺ら」
怜央「…ダニエラ。なんでこいつらとデュエルしてるんだ?そして何故負けた?」
ダニエラ「アタイがそこの金持ちをぶっ倒してたら、こいつらがいきなり絡んできやがったんだ。
そしたらそこの小娘がやたら強くて…それで…」
怜央「…そうか。お前ら、なんでも屋とかいう連中だよな」
遊次「あぁ!なんでも屋Nextだ!それがどうした!」
遊次「…お前ら、ダニエラの言ってたマスタードホットドッグとか言う連中だよな!?」
怜央「マスタード…」
ダニエラ「"Unchained Hound Dogs"だよ!そんなマヌケなチームじゃない!!」
怜央「お前らは何故俺らの邪魔をする?お前らには関係ないだろ」
遊次「この街で困ってる人がいたら助ける、ただそれだけだ!
この街のことは全て俺らに関係のあることなんだよ!」
ドモン「…あぁ?何お前らごときがこの街の代表ヅラしてんだ?」
ドモンが睨みつける。
ドモン「なんでも屋とかいうわけわかんねえもんを最近始めただけの新参だろうが。
俺らを無視して勝手にこの街仕切ろうとしてんじゃねえ!」
イーサン「…そういうお前達はなんなんだ。
俺達はずっとこの街で暮らしてるが、なんとかホットドッグなんて聞いたことないぞ」
ドモン「ハウンドドッグスだっつってんだろうが!
聞いたことねえとしたら情報に疎すぎだぜ、オッサン。
今やこの街は俺らの支配下になろうとしてる」
怜央「この間までこの街の裏を仕切ってたような大人共も俺らが叩きのめした。
俺らが汚い大人から奪い取ったんだ、実力でな」
遊次「その結果やってることが何も悪いことしてねえ大人から金品を奪うことか?
くっだらねえ!しょせん不良ごっこのクソガキじゃねえか」
怜央「てめえ…!!上等じゃねえか、俺が直接ぶっ潰して…」
カッとなった怜央をドモンが制止する。
ドモン「…俺らの邪魔をすることは許さねぇ。今度邪魔しやがったら次こそ徹底的に叩きのめす」
怜央「お前らはこの瞬間から完全に俺らの"ターゲット"だ。1度振りぬいた拳はもう下げられねえぞ」
遊次「あぁ、上等だ!てめえらこそ、今度同じようなことしやがったらタダじゃおかねえ!」
灯「あなた達だけが勝手にやってるならまだしも、子供達にまで悪影響を及ぼすようなことは許さない。
善悪の判断もまだできない子供が、あなた達の行為を見て育ったらどうなるか…」
怜央「…何もわかってねえくせに、上から目線で高説垂れんじゃねえ!
そもそもなんでガキ共も俺らについてきてるかって話だ」
怜央「この街じゃ貧しい人間はとことん貧しい。
それなのに誰にも手も差し伸べられず、迫害され続けて居場所をなくした奴らがいっぱいいる。
俺ら"Unchained Hound Dogs"はそういう奴らが集まってできたチームだ」
遊次「だからって、人様から物巻き上げていいことになんねえだろ!」
怜央「なら指咥えてただ奪われ続けろってか!?冗談じゃねえ!
お前らは恵まれてる側だからそんな無神経なことを平気で垂れ流せるだけだ!」
灯「恵まれてる…?あ、あなたこそ何もわかってない癖に…!」
お互いの口論はヒートアップしていく。
イーサン「もういい灯、遊次。ここで言いあっていても埒が明かない。
…とにかく、これ以上悪事を働くようなら我々も黙っていない」
ドモン「いいぜ、そっちがそのつもりなら真正面からぶっ潰すだけだ。
ダニエラの仇も取ってやらねえといけねえしなぁ」
怜央「俺らがお前らごときに怯むと思うな。
クソみたいな大人共も、その大人に味方するお前らみたいな連中も、まとめてぶっ潰す」
怜央が背を向けて去っていく。
ドモンとダニエラ、子供達も怜央についていく。
イーサン「…何やら俺が見てない間に、とんだ番犬の尻尾を踏んじまったようだな、2人とも」
灯「完全に目つけられちゃったね」
遊次「へっ、むしろラッキーさ。
ここで出会ってなけりゃ俺らが知らない間に、今日と同じようなこと繰り返してたかもしれねえんだ」
遊次「凶暴な犬は、俺がちゃんとしつけてやらねえと」
今日、この日を境にNextとUnchained Hound Dogsの本格的な対立が始まった。
~~~~~3週間前 政府官邸~~~~~
今から3週間前の政府官邸。
大統領マキシムが椅子に腰かけ背を向けている。
その背後には側近の蒼月・アリシアが綺麗な姿勢で立ち並んでいる。
アリシア「大統領のお耳に入れておかなければならない情報があります」
マキシム「ほう?なんだね」
アリシア「はい。我々の計画には隠密性が伴います。絶対に外部に漏れることはあってはなりません。
そのため、これらの機密情報に対するセキュリティはより万全を期すべきであると判断しました」
アリシアが蒼月の方へ視線を送る。
蒼月「…まぁそう判断したのはこの私なのですが…。
セキュリティを強化するにあたり、まずはこれらの機密情報に対して綿密にチェックを行いました」
蒼月「そうしたら…なんと政府の機密情報が外部に持ち出された痕跡が見つかりまして。
アクセスは1年10か月前に2度行われたのみです。
主に衛星情報とパラドックス・ブリッジの情報に対してアクセスが行われています」
マキシムが眉をぴくりと動かす。
マキシム「ほぉ。それは大問題ではないか。
それも1年10か月前?ずいぶん前じゃあないか。
とてもじゃないが見逃せるレベルではない」
アリシア「申し訳ございません。我々がいながらこのような体たらく…。
現在、何者によるアクセスなのかは未だ特定できておりません。」
蒼月「ただ、外部の者がアクセスしたにしては、あまりにクリティカルな情報だけを抜き取っています」
マキシム「あぁ、その通りだ。
衛星情報にパラドックス・ブリッジの情報…まるで"全て知っている人間"の犯行にしか見えん」
アリシア「はい…。我々も内部犯を疑っております。
ただ、アクセスは外部からとなっているため、内部の人間が重大な情報を外部へ漏らし、
その情報を得た者が政府の機密情報にアクセスした線もあります。
いずれにしても、内部に通じている者が関係していることは間違いないと思われます。
一刻も早く特定に尽力します」
全てを聞いたマキシムは不審げに官邸を見渡す。
マキシム「……おかしいのぉ。とてもおかしい。
ただ、そっちの調査も大事だが、計画の本筋も忘れてはならんぞ」
蒼月「えぇ、心得ております。すでにDr.オクトーの方には
具体的な実現方法を検証して頂いております」
マキシム「あぁ。頼んだぞ。
…どうやら、一筋縄ではいかぬかもしれんな。
もしかすると、いずれ我々の前に思わぬ障壁が現れるかもしれん」
マキシム「我々がこの計画に失敗すれば、世界は終焉を迎える。
我々の持つ全てを賭けて実行せねばならん」
第11話 完
----------------------------------------------------------------------------------------------------------
~あとがき~
NextとUnchained Hound Dogsの本格的な対立が始まりました。
また、ニーズヘッグと政府も水面下で着々と動いています。
何を言っているかは現状全くわからないと思いますが、いずれわかります。
次回は初のイーサンのデュエル回になる予定です。
イーサン「遊次!灯!」
事務所で作業をしていたイーサンが繁華街へと現れる。
遊次「お、来たかイーサン!」
イーサン「…灯は?」
遊次「見ての通りさ」
遊次が親指で灯の方を差す。
灯「さあ、契約通り、さっき奪った時計は返してもらいますよ」
ダニエラ「ッ…」
ダニエラは膝をついたまま爪を噛む。
リク「ダニエラ姉ちゃん!」
リクが金の時計を持ったままダニエラに駆け寄る。
リク「ダニエラ姉ちゃんをいじめるな!僕が許さないぞ!」
リクはビクビクしながらも灯に険を飛ばす。
灯「…」
灯が複雑な表情を浮かべる。
灯「リク君。それ、ダニエラさんがこの人から奪ったものなの。わかる?」
灯は隣にいる時計を奪われた身なりのいい男性を指す。
リク「で、でも…その人は悪い人で…」
灯「ううん。違うよ。この人は何も悪いことはしてないの。
どうして悪い人だと思ったの?」
リク「そ、それは…」
ダニエラ「もういい!!やめろ!約束通り時計は返す!それでいいだろ!
…リク、悪いけどその時計、このオッサンに返してやんな」
リク「う…うん」
リクはまだ状況を理解していないが、ダニエラに言われたとおりに時計を持ち主に返す。
身なりのいい男「すみません…私がデュエルで負けたのが悪いのに…本当にありがとうございます!」
男は灯に感謝を告げる。
灯「いえ…私がやりたくてやったことですから」
遊次とイーサンも灯の方へと駆け寄る。
灯「遊次!イーサンも来てたんだね」
遊次がダニエラに向かって言葉を発する。
遊次「おいお前!もうこんなくだらねえことすんじゃ…」
すると遊次の言葉を遮るように、ダニエラの後ろから男の声が響く。
???「おいダニエラ。負けちまったんだってなぁ」
ダニエラは後ろを振り向く。
ダニエラ「ドモン…それに…怜央」
ダニエラの後ろからドモンと怜央が歩いてくる。
その更に後ろには数人の子供達も付いてきている。
ドモンは遊次達の方をまじまじと見ている。
ドモン「ダニエラが負けるなんて、どんな相手かと思いきや…
なんだ?俺らと大して変わらねえぐらいの歳じゃねえか。
あぁいや、1人オッサンがいるみてえだが」
イーサン「お、俺…!?」
遊次「どう考えてもそうだろ」
怜央「こいつら…。こいつらだ、俺が言ってたなんでも屋って連中」
ドモン「ほぉ~、こりゃぁえらい偶然だ!噂をすればって奴だな!」
遊次「なんだ?もうそんな噂になっちゃってんの?俺ら」
怜央「…ダニエラ。なんでこいつらとデュエルしてるんだ?そして何故負けた?」
ダニエラ「アタイがそこの金持ちをぶっ倒してたら、こいつらがいきなり絡んできやがったんだ。
そしたらそこの小娘がやたら強くて…それで…」
怜央「…そうか。お前ら、なんでも屋とかいう連中だよな」
遊次「あぁ!なんでも屋Nextだ!それがどうした!」
遊次「…お前ら、ダニエラの言ってたマスタードホットドッグとか言う連中だよな!?」
怜央「マスタード…」
ダニエラ「"Unchained Hound Dogs"だよ!そんなマヌケなチームじゃない!!」
怜央「お前らは何故俺らの邪魔をする?お前らには関係ないだろ」
遊次「この街で困ってる人がいたら助ける、ただそれだけだ!
この街のことは全て俺らに関係のあることなんだよ!」
ドモン「…あぁ?何お前らごときがこの街の代表ヅラしてんだ?」
ドモンが睨みつける。
ドモン「なんでも屋とかいうわけわかんねえもんを最近始めただけの新参だろうが。
俺らを無視して勝手にこの街仕切ろうとしてんじゃねえ!」
イーサン「…そういうお前達はなんなんだ。
俺達はずっとこの街で暮らしてるが、なんとかホットドッグなんて聞いたことないぞ」
ドモン「ハウンドドッグスだっつってんだろうが!
聞いたことねえとしたら情報に疎すぎだぜ、オッサン。
今やこの街は俺らの支配下になろうとしてる」
怜央「この間までこの街の裏を仕切ってたような大人共も俺らが叩きのめした。
俺らが汚い大人から奪い取ったんだ、実力でな」
遊次「その結果やってることが何も悪いことしてねえ大人から金品を奪うことか?
くっだらねえ!しょせん不良ごっこのクソガキじゃねえか」
怜央「てめえ…!!上等じゃねえか、俺が直接ぶっ潰して…」
カッとなった怜央をドモンが制止する。
ドモン「…俺らの邪魔をすることは許さねぇ。今度邪魔しやがったら次こそ徹底的に叩きのめす」
怜央「お前らはこの瞬間から完全に俺らの"ターゲット"だ。1度振りぬいた拳はもう下げられねえぞ」
遊次「あぁ、上等だ!てめえらこそ、今度同じようなことしやがったらタダじゃおかねえ!」
灯「あなた達だけが勝手にやってるならまだしも、子供達にまで悪影響を及ぼすようなことは許さない。
善悪の判断もまだできない子供が、あなた達の行為を見て育ったらどうなるか…」
怜央「…何もわかってねえくせに、上から目線で高説垂れんじゃねえ!
そもそもなんでガキ共も俺らについてきてるかって話だ」
怜央「この街じゃ貧しい人間はとことん貧しい。
それなのに誰にも手も差し伸べられず、迫害され続けて居場所をなくした奴らがいっぱいいる。
俺ら"Unchained Hound Dogs"はそういう奴らが集まってできたチームだ」
遊次「だからって、人様から物巻き上げていいことになんねえだろ!」
怜央「なら指咥えてただ奪われ続けろってか!?冗談じゃねえ!
お前らは恵まれてる側だからそんな無神経なことを平気で垂れ流せるだけだ!」
灯「恵まれてる…?あ、あなたこそ何もわかってない癖に…!」
お互いの口論はヒートアップしていく。
イーサン「もういい灯、遊次。ここで言いあっていても埒が明かない。
…とにかく、これ以上悪事を働くようなら我々も黙っていない」
ドモン「いいぜ、そっちがそのつもりなら真正面からぶっ潰すだけだ。
ダニエラの仇も取ってやらねえといけねえしなぁ」
怜央「俺らがお前らごときに怯むと思うな。
クソみたいな大人共も、その大人に味方するお前らみたいな連中も、まとめてぶっ潰す」
怜央が背を向けて去っていく。
ドモンとダニエラ、子供達も怜央についていく。
イーサン「…何やら俺が見てない間に、とんだ番犬の尻尾を踏んじまったようだな、2人とも」
灯「完全に目つけられちゃったね」
遊次「へっ、むしろラッキーさ。
ここで出会ってなけりゃ俺らが知らない間に、今日と同じようなこと繰り返してたかもしれねえんだ」
遊次「凶暴な犬は、俺がちゃんとしつけてやらねえと」
今日、この日を境にNextとUnchained Hound Dogsの本格的な対立が始まった。
~~~~~3週間前 政府官邸~~~~~
今から3週間前の政府官邸。
大統領マキシムが椅子に腰かけ背を向けている。
その背後には側近の蒼月・アリシアが綺麗な姿勢で立ち並んでいる。
アリシア「大統領のお耳に入れておかなければならない情報があります」
マキシム「ほう?なんだね」
アリシア「はい。我々の計画には隠密性が伴います。絶対に外部に漏れることはあってはなりません。
そのため、これらの機密情報に対するセキュリティはより万全を期すべきであると判断しました」
アリシアが蒼月の方へ視線を送る。
蒼月「…まぁそう判断したのはこの私なのですが…。
セキュリティを強化するにあたり、まずはこれらの機密情報に対して綿密にチェックを行いました」
蒼月「そうしたら…なんと政府の機密情報が外部に持ち出された痕跡が見つかりまして。
アクセスは1年10か月前に2度行われたのみです。
主に衛星情報とパラドックス・ブリッジの情報に対してアクセスが行われています」
マキシムが眉をぴくりと動かす。
マキシム「ほぉ。それは大問題ではないか。
それも1年10か月前?ずいぶん前じゃあないか。
とてもじゃないが見逃せるレベルではない」
アリシア「申し訳ございません。我々がいながらこのような体たらく…。
現在、何者によるアクセスなのかは未だ特定できておりません。」
蒼月「ただ、外部の者がアクセスしたにしては、あまりにクリティカルな情報だけを抜き取っています」
マキシム「あぁ、その通りだ。
衛星情報にパラドックス・ブリッジの情報…まるで"全て知っている人間"の犯行にしか見えん」
アリシア「はい…。我々も内部犯を疑っております。
ただ、アクセスは外部からとなっているため、内部の人間が重大な情報を外部へ漏らし、
その情報を得た者が政府の機密情報にアクセスした線もあります。
いずれにしても、内部に通じている者が関係していることは間違いないと思われます。
一刻も早く特定に尽力します」
全てを聞いたマキシムは不審げに官邸を見渡す。
マキシム「……おかしいのぉ。とてもおかしい。
ただ、そっちの調査も大事だが、計画の本筋も忘れてはならんぞ」
蒼月「えぇ、心得ております。すでにDr.オクトーの方には
具体的な実現方法を検証して頂いております」
マキシム「あぁ。頼んだぞ。
…どうやら、一筋縄ではいかぬかもしれんな。
もしかすると、いずれ我々の前に思わぬ障壁が現れるかもしれん」
マキシム「我々がこの計画に失敗すれば、世界は終焉を迎える。
我々の持つ全てを賭けて実行せねばならん」
第11話 完
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~あとがき~
NextとUnchained Hound Dogsの本格的な対立が始まりました。
また、ニーズヘッグと政府も水面下で着々と動いています。
何を言っているかは現状全くわからないと思いますが、いずれわかります。
次回は初のイーサンのデュエル回になる予定です。
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