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Episode82:姫君のバイブル 作:カズ
紅葉が葵とのデュエルを終わらせていた同時刻、カレンと胡桃はソフィアに関連する情報を可能な限り収集し終えていたが、彼女の扱う【創世姫(ジェネシックプリンセス)】のキーカードに腰を抜かしていた。
「これが、ソフィアさんの扱う【創世姫】の全容ですか」
「そして専用の儀式魔法『創世の儀式』……こんな効果、どの儀式魔法にもないわよ!」
〇創世の儀式(ジェネシック・リチューアル)(儀式魔法)
「創世姫」儀式モンスターの降臨に必要。このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのPモンスターをリリースし、自分の手札・墓地から「創世姫」儀式モンスター1体を儀式召喚する。②:このカードが墓地に存在する場合、自分スタンバイフェイズ開始時に発動できる。自分の墓地かEXデッキの表側表示の「創世姫」Pモンスターを5体まで選んでデッキの一番下に置く。このターン、自分はこの効果で選んだPモンスター1体につき、自分の手札・墓地のレベル8以下の「創世姫」儀式モンスター1体をリリース無しで儀式召喚できる。
元来、儀式召喚を行なうためには「儀式魔法を手札から発動」し、「手札・フィールドからモンスターをリリース」することで、「手札から儀式モンスターを儀式召喚する」必要がある。中には『オッドアイズ・アドベント』のように墓地からの儀式召喚が可能なカードも存在するが、このカードはそれ以外にも特別な効果がある。
胡桃が「どの儀式魔法にもない」と言っていたのは②の効果のことだ。よく言えば「革命的」、悪く言えば「反則」とも取れるこの効果によって、儀式召喚をリリース無しで行えるどころか、手札からカードを一切発動せずに、ペンデュラム召喚と同等のレベルで儀式モンスターを大量展開できるのだ。
「ねえカレン。紅葉先輩、勝てると思う?」
「大丈夫…って言いたい所だけど、やってみないと分からないわね」
葵とのデュエルを終え、紅葉はしばしの休息を取っていた。その間にアブソリュート・デモンは紅葉に新たな情報を提供していた。
(それ、本当?!)
───間違いない。黒羽凛が、覚醒竜降臨に近づいた。
(覚醒竜って、封印竜の遠い未来の姿なのよね?そして凛ちゃんが判明させたカード名を基準に考えると、6体全てが『メサイア』の名を冠している)
───そうだ。そして、覚醒竜が『ビヨンドモンスター』であることもノーブル・フェザーから伝わっている。
(待って。何でそんなに先の未来でもビヨンド召喚が残されているの?)
───……『ビヨンド』は、本来の時間軸での呪縛竜決戦で初めて誕生した、呪縛竜だけの召喚法だ。
(え?!それがなんで、私達も使えるようになってるの?)
───間違いなく、エースの仕業だ。この時代でビヨンド召喚を普及させ、呪縛竜の力をより強力なものに仕上げるためにな。
(要するに、未来で起こったゴタゴタをこっちの時代に奴等が持ち込んだってこと?)
───そういうことだ。余計なことをしてくれたものだ、エースという男は。
ビヨンド召喚はペンデュラム召喚の次に普及した新しい召喚法だが、そのルーツは3000年後の未来にあった。エース達は20年前に起こした第一次アストラル大戦の記録を「なかったこと」にし、世界中の人間の記憶を操作した。その間に未来へ通じる「アナザー・ディメンションゲート」をこじ開け、総勢12体のドラゴンが戦う様を目撃した。それこそ、アブソリュート・デモンの言う「本来の呪縛竜決戦」だったのだ。
その大戦ではすんでのところで封印竜陣営が勝利し、呪縛竜はカードの石盤となって封印されたが、その好機を彼らは逃さなかった。第一次アストラル大戦で集まったエネルギーを使い、6体の呪縛竜をこちらの時代に持ち込んだのだ。そうして20年の年月と共に、ビヨンド召喚が世界中に流通したのだった。
(まさかビヨンド召喚までもが、命慈先輩の言っていた『歴史改変』の産物だったなんてね……)
「さてと、急いで戻らなきゃ。胡桃ちゃん達がソフィアさんの情報を入手しているはずだし」
6体の覚醒竜、ビヨンド召喚誕生の背景、生前のソフィアの歴史。極端な超常現象が起こっても何ら不思議ではなくなったこの世界に「日常」が戻ってくるのはいつになるのか。
そのまま真っ直ぐにメルクーリ家に戻った紅葉は、扉の前で待っていてくれたカレンと胡桃に軽く手を振った。
「あっ、紅葉先輩」
「お帰りなさい!」
「ただいま。それで、ソフィアさんの情報は集められた?」
まずはソフィアの使用デッキ【創世姫】についてだ。このカテゴリに該当するモンスターは全てサイキック族で、儀式モンスターとペンデュラムモンスターがそれぞれ5種類ずつ。そしてどのカードも、「旧約聖書-創世記」で実際に登場する女性の名前が用いられている。儀式魔法カードはほぼ『創世の儀式』一択だが、それ以外の魔法・罠カードの割合はカウンター罠が多く、『神の宣告』や『神の通告』などの強力なものに加え5種類の『創世聖書(ジェネシックバイブル)』と名の付くカウンター罠を駆使する。彼女のデッキは総じて【カウンタービート】だといえよう。
しかし紅葉が本当に聞きたかったことは、ソフィアの生涯についてだ。メルクーリ家の跡継ぎとして生まれてきた彼女がどうしてデュエルを始めたのか、そして彼女の大会記録や、敗北した後のメルクーリ家についてなど、彼女に関係した情報を得ることで、彼女の心を動かす切っ掛けを掴めるかもしれないと思ったからだ。
「メルクーリ家は代々、デュエルで権限を決めているそうです」
「そして当代最強と謳われたのがソフィアさんでした……」
メルクーリ家のしきたりとして、生まれてきた子供は10歳になるとデッキを授けられる。ソフィアがその時に使用していたデッキは初心者でも扱いやすいように改良されていたものだったが、「一度見たものを絶対に忘れない」という類い希な記憶力の高さから、彼女のデュエルタクティクスは瞬く間に上達し、13歳になる頃には当時発売されていたカードの名前と効果・攻守・属性を全て脳内にインプットするまでに成長した。しかしソフィアがこれ程の超人的記憶力を持っているのも、彼女が「サヴァン症候群」という障害を抱えていたからだ。
知的障害や発達障害を持っている人間の中には、ある特定の分野に於いて人並み以上の能力を発揮する者がいる。1887年、イギリスの医師ジョン・ランドン・ダウンが膨大な量の本を一度読んだだけで記憶し、その内容を全て逆から読み上げるという常人では有り得ない記憶力を発揮した。あまりに特異な記憶力だが学習能力は普通、そんな彼を「イディオ・サヴァン(賢い白痴)」と読んだことからこの症候群の名前が付いたのだ。
「ソフィアさんは完全記憶能力者だった……。奴等が目を付けるには充分な理由ね」
「でもソフィアさん、5歳の頃に起こった交通事故が原因で、3年間は昏睡状態だったみたいです。そのせいで学校にもあまり行けなかったうえに、中学生になるといじめも受けていたそうです」
ソフィアは交通事故の影響で、世界でも30~40人しか存在しない「後天性サヴァン症候群」を患った。それを知った同級生の男子からは日常的に暴力行為を受けていて、性行為にまで発展しかけたこともあった。しかしどんな時でも家族が、そしてデュエルが、折れそうになった彼女の心を何度も繕ってくれた。そしてある日、ソフィアはいじめ側に回っていた男子全員を相手にデュエルを申し込んだのだ。「自分が全員に勝利したら金輪際私に関わらない」という条件のもと、数時間にも及ぶ激闘の末、彼女は全員に勝利した。その際に、ソフィアはこう言い残したそうだ。
「貴方達は所詮塵。塵は塵らしく、塵に帰りなさい」と。
「塵だから、塵に帰る……聖書にも実際に書いてある言葉です」
「カレンの言うとおり、ソフィアさんはその日から聖書を貪るように読み出したんです」
デュエルでいじめを終わらせたソフィアだったが、いじめられた過去を書き換えることは出来ない。人々に対する不信感を募らせていたソフィアは、自分の人生を変えるために高校生活の全てを聖書の暗記に注ぎ込んだ。友人と呼べる存在は指折りで数えられるほどだったが、それでも彼女は幸せだった。聖書には自分の進むべき道、世の理など全てが記されていたからだ。
高校を無事に卒業したソフィアは聖書で学んだことを活かし、デュエルと家の跡継ぎの両方に精を尽くした。彼女が跡取りとなってからはメルクーリ家の運営は以前よりも安定し、デュエルでも数多くの大会で優勝を果たし、ギリシャでは彼女の名を知らない者はいないほどにまで有名人となったのだ。
「正に順風満帆。ですが、ある転機が訪れたんです」
「それが……大会での敗北、そして失踪ね。実を言うと私も断片的な事実しか知らないから、真実を知りたかったの」
19歳になり、何もかもが円滑に進んでいたソフィアは世界大会本戦に出場すべく予選会へと参加していた。その決勝戦で、当時環境トップだったデッキに敗北を喫した。それだけなら彼女が失踪する理由にしては薄いが、その対戦相手が度重なるイカサマ行為を、それも審判が見ている前で堂々としていたのだ。当然強く抗議したソフィアだったが、その審判及び対戦相手が彼女に強い恨みを持った人物だったため、判定が覆ることなく彼女の敗北が決定した。
その時の彼女の絶望感がどれ程深く彼女の心に傷を負わせたのか、この場にいる3人には想像もつかなかった。
「デュエルに私怨を持ち込むなんて……悪質極まれりじゃない!今すぐソイツの住所特定してボッコボコにしてやりたいんだけど!」
「紅葉先輩、落ち着いてください!その審判なら悪事がバレて、とっくに永久追放されています!」
「……そ、そうよね。ごめん、取り乱しちゃって」
因みに決勝で戦った相手も世界大会前に大会参加資格を5年間剥奪されたので、もう表舞台に顔を出すことはなくなったに等しい。しかし大会敗北から1週間後、ソフィアは完全に人間不信へと陥り、忽然と姿を消してしまったのだ。
イカサマがあろうとなかろうと、メルクーリ家の人間にとってデュエルでの敗北は、家の権威が失墜したのと同じ。しばらくの間、メルクーリ家は世間から冷ややかな目で見られ続け、ほぼ毎日のようにソフィアに恨みを持つ者達からの苦情電話・迷惑メール・デモ等の反感運動が続いていたそうだ。しかしある日を境に、それらは収束した。
「その原因って……」
「紅葉先輩が考えている通り、彼女が亡くなった日です」
昨年の2月頃、ソフィアの訃報はギリシャ中に広まった。その時までの約半年間、彼女がどこにいるのか、そもそも生きているのかさえも分からなかった状態からの急転直下、死亡にまで事が運ばれたのだから国中で大騒動が起こったそうだ。
行方不明だった彼女は何とパルテノン神殿に、それも四肢が引きちぎられたかのようにバラバラの状態で発見されたのだ。想像するだけで嘔吐してしまうような光景だが、昨年の今頃までパルテノン神殿には至る所に血飛沫が付着していたという。
「…うっぷ。ちょっと御手洗い行ってきていい?あ、でももう間に合わないかも……」
「え、エチケット袋ならありますから、使ってください!」
「ごめん……」
凄惨たる光景を脳内に浮かべてしまった紅葉は、その場で嘔吐してしまった。彼女たちが訪れた時には綺麗になっていたパルテノン神殿も、血痕が完全に拭き取られるまで1ヶ月間は立ち入り禁止だったのだ。
ソフィアの件は1年以上経った今でも、未だ犯人逮捕には至っていない。当時の現場には凶器も犯人の指紋も残されていなかったのだから、捜査は現在も難航している。
「もし精一先輩がメールで報告していた通りだとしたら、オーバーハンドレッド・ナンバーズを使ってソフィアさんを殺したってことになるわね。すぐにでも報告したい所だけど、証拠がない上に信憑性も皆無」
「きっと警察には『カードで人殺しが出来るわけない』って笑われるのがオチですよね…」
まだユート達3人が仲間に加わる前に精一が掴んだ情報によって、エース達が第一次アストラル大戦で用いたオーバーハンドレッド・ナンバーズを凶器にソフィアを含む5人の呪縛竜使いを殺したとほぼ確定させた。どのナンバーズを利用したかまでは彼らの記憶を覗けない限り分からないが、その情報は間違いなくこちら側に大きく働いてくれることだろう。
気付けばもう日が暮れており、そろそろ夕飯の時刻になっていた。紅葉もワンショットキルで葵を倒したとはいえ、相応に疲れが溜まっていたため早く眠りたかった。
「そろそろ部屋に戻ろ。約束通り、明日からビシバシ特訓してあげるから、覚悟しなさい!」
「「はい!」」
~某所にて~
「エース様!私に、最後のチャンスをください!」
「見苦しいわ、喜多村葵。オーバーハンドレッド・ナンバーズを所持しておきながらそれを召喚せず、あまつさえ赤城紅葉に封印竜を使わせなかった状態で負けたのだから、もう貴女が彼女に勝てる確率などゼロよ」
ワープでエースの居場所まで戻ってきてからすぐに命乞いした葵を蔑んだのは、旧約聖書を片手にしたソフィアだった。ソフィアも紅葉と戦う運命にある決闘者だが、その覚悟は葵のそれを軽く凌駕していた。
この時はまだソフィアの呪縛竜「Leviathan(レヴィアタン)」は復活していなかったが、奏多の「Zmey」が遊弥を討ち、アレックスの「Eingana」がエレンを連れ攫ってきた。ルーナはデュエルの勝敗を持ち越したが、あのまま続けていれば負けていたという。
現時点で勝利した2人には「世界のリセット」が約束されているが、その全容は呪縛竜使いでさえも知らないままだ。
(もし世界のリセットが本当に果たされるのならば、もう一度メルクーリ家を……)
「エース様。私ソフィアは、必ずや赤城紅葉を討ち取り、世界のリセットを成就させてみせましょう」
「期待している。だが気を付けろ。赤城紅葉にもまた、藤堂遊弥とは別の力が眠っている」
「……『E(エーテル)オーラ』のことですね?彼女自身は気付いていないようですが、我々にとって最上級に厄介な力であることは間違いありません」
遊弥がZオーラという特別な力を持っていたように、紅葉にもそれが秘められていた。元々あったカードを書き換え新たな力とするZオーラとは違い、紅葉のEオーラは「無からカードを創造する」ことが可能になっている。花奈との戦いで発現した『紅蓮魔竜ビッグバーン・デモン』が正にその例だが、紅葉はそれ以降一度もこの力の片鱗を見せていない。
そしてEオーラはZオーラと真逆の関係にあり、Zオーラによる影響を全く受けないのだ。呪縛竜使いとの決闘で敗北した場合、ほぼ確実に敗者の命は奪われるが、Eオーラを所持している紅葉が同じ立場になったとしても、それを奪われることはない。
「ソフィア、貴様には赤城紅葉に勝利することだけ考えればいい。Eオーラを持っている以上、奴を殺すことは出来ないのだからな」
「御意」
紅葉はエース達にとってこの戦いの意義を完全に破綻される要因になったのだが、紅葉に勝利すれば覚醒竜降臨も果たされることなく、世界のリセットというトリガーを万全の状態で引くことができる。これから先のソフィアの役目は、最も重大だ。
~~~
時は流れ8月13日。紅葉はカレン・胡桃との修行に付き合っていた。2人とも20回以上は相手しているのだが、まだ紅葉には一度も勝利していない。ギリギリのところまで追い詰めることはあっても、攻撃力を大幅に下げる罠カード『パンドラーズ・ボックス』や必殺級の切り札『魔神デモンズ・レイ・グレート』を召喚されてしまい、あと一歩が届かないのだ。
「ふぅ……私のライフが残り500までやられるなんて、2人とも強くなってるわね」
「特に胡桃なんか、ビッグ・スターをフル活用できる【魔界劇団】理想の展開を完璧にマスターしたじゃない。これで希に恩返し出来るわね」
「ええ!小町とうららにも、いい報告ができそうね」
しかし成長していないわけではなく、それどころか紅葉を超える勢いで急速に成長している。元々カレンと胡桃のデュエルの腕は確かなものであり、そこにドロー運が味方すれば向かうところ敵はほとんどいないレベルにまで到達したのだ。
丁度その時、紅葉のディスクにレインからのメールが届いた。そこには遊弥の容態と、ソフィアとのデュエル後の戦力確認の2つの旨が記されていた(Episode80参照)。
「……は?遊弥が、昏睡状態?」
彼が昏睡状態に陥ってから既に12日が経過しているが、このタイミングになって何故、という考えより先に「皆には伝えてあるが」という文面に目が行ってしまった。問い詰めるような真似はしたくなかったのだが、事態が事態だったためどうしても圧をかけるような口調になってしまった。
「ねえ、カレンちゃん、胡桃ちゃん。2人はこの事、知ってたの?」
「「……」」
「……そう。知ってたんだ」
悲しみの籠った紅葉の声を聴くのが辛くなったカレンと胡桃は、何も言えずにただ視線を落とすことしかできなかった。「遊弥の容態は絶対に紅葉には伝えてはならない」という了見をレイン自らが破った形になったが、日本に集まる時点で誰が戦線離脱したのかが判別してしまう以上、必ずどこかで言わなければならない時が来てしまう。
「ごめん、ちょっと外の空気に触れてくるね。2人はデッキの見直しとか、色々やってて」
そそくさとこの場を離れようとした紅葉の肩は小刻みに震えており、2人を心配させまいと声を上げずに咽び泣いていた。その様子を見守っていた胡桃は耐えきれずに紅葉に声をかけようとしたが、カレンに強く止められた。
「あのっ…!……カレン?」
「胡桃。私達が行っても、紅葉先輩に出来ることは何もないわ」
「そうかもしれないけど…」
紅葉だけに遊弥の情報を伏せていたことは彼女に疎外感を与えてしまった。仲間の危機こそ率先して報告すべき内容だったのだが、レインとトワが「紅葉が遊弥に好意を抱いているからこそ、余計な心配はかけさせたくない」と彼女を気遣い、この日まで引き延ばした結果、却って彼女を苦しませるに至った。
2人の視界から外れる頃になると、紅葉は門前に向かって一目散に駆け出した。途中で仕えているメイドや執事とすれ違い彼らに制止されることもあったが、この場から逃げ出すようにそれらを全て振り切った。
(私以外、皆知ってた!それなのに黙っていたなんて……!)
玄関前の巨大な扉を開けた刹那、紅葉は誰かと激しく正面衝突した。そのはずみで彼女は後ろに倒れることとなったが、自分がぶつかった相手を見て、紅葉は大きく目を見開いた。その人こそ自分が戦うべき相手、ソフィア・メルクーリだったのだから。
「……赤城紅葉。何故貴方がメルクーリ家にいるのかしら?」
「そんなこと、今はどうだっていいでしょ!遊弥が古城奏多に負けたっていうのは本当なの?!」
「ええ。彼は奏多に体内のZオーラを全て抜かれ、意識は永遠の闇に堕ちた。奇跡でも起こらない限り、目覚めることはないわ」
「そ…んな……」
送られてきたメールが真実だと改めて突きつけられた紅葉は、堪えきれずに大粒の涙を流し、悲鳴ともとれるほどの大声で泣き叫んだ。まだ鼓動が脈打っているといえど、昏睡状態は事実上の死亡。出会ってから半年も経たずしてこのような結末を迎えてしまったのだから、今の彼女が泣くことでしか感情を外に出せないのは当然だ。
紅葉が泣き続けている間、ソフィアは何故彼女がここまで他人を想っているのか理解できていなかった。他人のために涙を流すということ自体、生前のソフィアが経験してこなかったからというのもあるのだが、彼女は他人の心情を読み取ることが不得手だというのもある。悪いことを言ってしまったかもしれないと思った束の間、紅葉は涙声で決闘を挑んできた。
「もし私が勝ったら、遊弥を元に戻して!」
「いいわ。ただし貴方が負ければ…」
「この命をくれてやるわ!遊弥のためなら、私は命を投げ捨てられる覚悟がある!」
「…!」
紅葉が勝てば奏多の功績が無駄になり、エースの悲願「呪縛神龍復活」も叶わなくなる。一方でソフィアが勝てば覚醒竜降臨は成されず、紅葉の短い生涯に終止符が打たれる。自分より若い命を自分の手で絶つことになるかもしれないという迷いがソフィアの中で生まれたが、ここで非情になりきらなければ世界のリセットを果たせない。
紅葉も自分の命を軽んじているつもりは一切なく、それ程の覚悟を持てるほど彼を愛していた。未だ覚醒竜は応えていないが、今の紅葉にはその資格を有しているのか。
複雑な想いが絡み合う中、6番目の呪縛竜決戦が始まった。
(簡単な話。ここでソフィアさんに勝って、遊弥を取り戻す!)
(難しい話ね。絶対に殺せないと分かっているのに、殺さなきゃいけなくなった。そして、それを躊躇っている私が此処にいる。それでも今は、この家のために……)
「「デュエル!!」」
KUREHA→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0
V S
SOPHIA→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0
「これが、ソフィアさんの扱う【創世姫】の全容ですか」
「そして専用の儀式魔法『創世の儀式』……こんな効果、どの儀式魔法にもないわよ!」
〇創世の儀式(ジェネシック・リチューアル)(儀式魔法)
「創世姫」儀式モンスターの降臨に必要。このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのPモンスターをリリースし、自分の手札・墓地から「創世姫」儀式モンスター1体を儀式召喚する。②:このカードが墓地に存在する場合、自分スタンバイフェイズ開始時に発動できる。自分の墓地かEXデッキの表側表示の「創世姫」Pモンスターを5体まで選んでデッキの一番下に置く。このターン、自分はこの効果で選んだPモンスター1体につき、自分の手札・墓地のレベル8以下の「創世姫」儀式モンスター1体をリリース無しで儀式召喚できる。
元来、儀式召喚を行なうためには「儀式魔法を手札から発動」し、「手札・フィールドからモンスターをリリース」することで、「手札から儀式モンスターを儀式召喚する」必要がある。中には『オッドアイズ・アドベント』のように墓地からの儀式召喚が可能なカードも存在するが、このカードはそれ以外にも特別な効果がある。
胡桃が「どの儀式魔法にもない」と言っていたのは②の効果のことだ。よく言えば「革命的」、悪く言えば「反則」とも取れるこの効果によって、儀式召喚をリリース無しで行えるどころか、手札からカードを一切発動せずに、ペンデュラム召喚と同等のレベルで儀式モンスターを大量展開できるのだ。
「ねえカレン。紅葉先輩、勝てると思う?」
「大丈夫…って言いたい所だけど、やってみないと分からないわね」
葵とのデュエルを終え、紅葉はしばしの休息を取っていた。その間にアブソリュート・デモンは紅葉に新たな情報を提供していた。
(それ、本当?!)
───間違いない。黒羽凛が、覚醒竜降臨に近づいた。
(覚醒竜って、封印竜の遠い未来の姿なのよね?そして凛ちゃんが判明させたカード名を基準に考えると、6体全てが『メサイア』の名を冠している)
───そうだ。そして、覚醒竜が『ビヨンドモンスター』であることもノーブル・フェザーから伝わっている。
(待って。何でそんなに先の未来でもビヨンド召喚が残されているの?)
───……『ビヨンド』は、本来の時間軸での呪縛竜決戦で初めて誕生した、呪縛竜だけの召喚法だ。
(え?!それがなんで、私達も使えるようになってるの?)
───間違いなく、エースの仕業だ。この時代でビヨンド召喚を普及させ、呪縛竜の力をより強力なものに仕上げるためにな。
(要するに、未来で起こったゴタゴタをこっちの時代に奴等が持ち込んだってこと?)
───そういうことだ。余計なことをしてくれたものだ、エースという男は。
ビヨンド召喚はペンデュラム召喚の次に普及した新しい召喚法だが、そのルーツは3000年後の未来にあった。エース達は20年前に起こした第一次アストラル大戦の記録を「なかったこと」にし、世界中の人間の記憶を操作した。その間に未来へ通じる「アナザー・ディメンションゲート」をこじ開け、総勢12体のドラゴンが戦う様を目撃した。それこそ、アブソリュート・デモンの言う「本来の呪縛竜決戦」だったのだ。
その大戦ではすんでのところで封印竜陣営が勝利し、呪縛竜はカードの石盤となって封印されたが、その好機を彼らは逃さなかった。第一次アストラル大戦で集まったエネルギーを使い、6体の呪縛竜をこちらの時代に持ち込んだのだ。そうして20年の年月と共に、ビヨンド召喚が世界中に流通したのだった。
(まさかビヨンド召喚までもが、命慈先輩の言っていた『歴史改変』の産物だったなんてね……)
「さてと、急いで戻らなきゃ。胡桃ちゃん達がソフィアさんの情報を入手しているはずだし」
6体の覚醒竜、ビヨンド召喚誕生の背景、生前のソフィアの歴史。極端な超常現象が起こっても何ら不思議ではなくなったこの世界に「日常」が戻ってくるのはいつになるのか。
そのまま真っ直ぐにメルクーリ家に戻った紅葉は、扉の前で待っていてくれたカレンと胡桃に軽く手を振った。
「あっ、紅葉先輩」
「お帰りなさい!」
「ただいま。それで、ソフィアさんの情報は集められた?」
まずはソフィアの使用デッキ【創世姫】についてだ。このカテゴリに該当するモンスターは全てサイキック族で、儀式モンスターとペンデュラムモンスターがそれぞれ5種類ずつ。そしてどのカードも、「旧約聖書-創世記」で実際に登場する女性の名前が用いられている。儀式魔法カードはほぼ『創世の儀式』一択だが、それ以外の魔法・罠カードの割合はカウンター罠が多く、『神の宣告』や『神の通告』などの強力なものに加え5種類の『創世聖書(ジェネシックバイブル)』と名の付くカウンター罠を駆使する。彼女のデッキは総じて【カウンタービート】だといえよう。
しかし紅葉が本当に聞きたかったことは、ソフィアの生涯についてだ。メルクーリ家の跡継ぎとして生まれてきた彼女がどうしてデュエルを始めたのか、そして彼女の大会記録や、敗北した後のメルクーリ家についてなど、彼女に関係した情報を得ることで、彼女の心を動かす切っ掛けを掴めるかもしれないと思ったからだ。
「メルクーリ家は代々、デュエルで権限を決めているそうです」
「そして当代最強と謳われたのがソフィアさんでした……」
メルクーリ家のしきたりとして、生まれてきた子供は10歳になるとデッキを授けられる。ソフィアがその時に使用していたデッキは初心者でも扱いやすいように改良されていたものだったが、「一度見たものを絶対に忘れない」という類い希な記憶力の高さから、彼女のデュエルタクティクスは瞬く間に上達し、13歳になる頃には当時発売されていたカードの名前と効果・攻守・属性を全て脳内にインプットするまでに成長した。しかしソフィアがこれ程の超人的記憶力を持っているのも、彼女が「サヴァン症候群」という障害を抱えていたからだ。
知的障害や発達障害を持っている人間の中には、ある特定の分野に於いて人並み以上の能力を発揮する者がいる。1887年、イギリスの医師ジョン・ランドン・ダウンが膨大な量の本を一度読んだだけで記憶し、その内容を全て逆から読み上げるという常人では有り得ない記憶力を発揮した。あまりに特異な記憶力だが学習能力は普通、そんな彼を「イディオ・サヴァン(賢い白痴)」と読んだことからこの症候群の名前が付いたのだ。
「ソフィアさんは完全記憶能力者だった……。奴等が目を付けるには充分な理由ね」
「でもソフィアさん、5歳の頃に起こった交通事故が原因で、3年間は昏睡状態だったみたいです。そのせいで学校にもあまり行けなかったうえに、中学生になるといじめも受けていたそうです」
ソフィアは交通事故の影響で、世界でも30~40人しか存在しない「後天性サヴァン症候群」を患った。それを知った同級生の男子からは日常的に暴力行為を受けていて、性行為にまで発展しかけたこともあった。しかしどんな時でも家族が、そしてデュエルが、折れそうになった彼女の心を何度も繕ってくれた。そしてある日、ソフィアはいじめ側に回っていた男子全員を相手にデュエルを申し込んだのだ。「自分が全員に勝利したら金輪際私に関わらない」という条件のもと、数時間にも及ぶ激闘の末、彼女は全員に勝利した。その際に、ソフィアはこう言い残したそうだ。
「貴方達は所詮塵。塵は塵らしく、塵に帰りなさい」と。
「塵だから、塵に帰る……聖書にも実際に書いてある言葉です」
「カレンの言うとおり、ソフィアさんはその日から聖書を貪るように読み出したんです」
デュエルでいじめを終わらせたソフィアだったが、いじめられた過去を書き換えることは出来ない。人々に対する不信感を募らせていたソフィアは、自分の人生を変えるために高校生活の全てを聖書の暗記に注ぎ込んだ。友人と呼べる存在は指折りで数えられるほどだったが、それでも彼女は幸せだった。聖書には自分の進むべき道、世の理など全てが記されていたからだ。
高校を無事に卒業したソフィアは聖書で学んだことを活かし、デュエルと家の跡継ぎの両方に精を尽くした。彼女が跡取りとなってからはメルクーリ家の運営は以前よりも安定し、デュエルでも数多くの大会で優勝を果たし、ギリシャでは彼女の名を知らない者はいないほどにまで有名人となったのだ。
「正に順風満帆。ですが、ある転機が訪れたんです」
「それが……大会での敗北、そして失踪ね。実を言うと私も断片的な事実しか知らないから、真実を知りたかったの」
19歳になり、何もかもが円滑に進んでいたソフィアは世界大会本戦に出場すべく予選会へと参加していた。その決勝戦で、当時環境トップだったデッキに敗北を喫した。それだけなら彼女が失踪する理由にしては薄いが、その対戦相手が度重なるイカサマ行為を、それも審判が見ている前で堂々としていたのだ。当然強く抗議したソフィアだったが、その審判及び対戦相手が彼女に強い恨みを持った人物だったため、判定が覆ることなく彼女の敗北が決定した。
その時の彼女の絶望感がどれ程深く彼女の心に傷を負わせたのか、この場にいる3人には想像もつかなかった。
「デュエルに私怨を持ち込むなんて……悪質極まれりじゃない!今すぐソイツの住所特定してボッコボコにしてやりたいんだけど!」
「紅葉先輩、落ち着いてください!その審判なら悪事がバレて、とっくに永久追放されています!」
「……そ、そうよね。ごめん、取り乱しちゃって」
因みに決勝で戦った相手も世界大会前に大会参加資格を5年間剥奪されたので、もう表舞台に顔を出すことはなくなったに等しい。しかし大会敗北から1週間後、ソフィアは完全に人間不信へと陥り、忽然と姿を消してしまったのだ。
イカサマがあろうとなかろうと、メルクーリ家の人間にとってデュエルでの敗北は、家の権威が失墜したのと同じ。しばらくの間、メルクーリ家は世間から冷ややかな目で見られ続け、ほぼ毎日のようにソフィアに恨みを持つ者達からの苦情電話・迷惑メール・デモ等の反感運動が続いていたそうだ。しかしある日を境に、それらは収束した。
「その原因って……」
「紅葉先輩が考えている通り、彼女が亡くなった日です」
昨年の2月頃、ソフィアの訃報はギリシャ中に広まった。その時までの約半年間、彼女がどこにいるのか、そもそも生きているのかさえも分からなかった状態からの急転直下、死亡にまで事が運ばれたのだから国中で大騒動が起こったそうだ。
行方不明だった彼女は何とパルテノン神殿に、それも四肢が引きちぎられたかのようにバラバラの状態で発見されたのだ。想像するだけで嘔吐してしまうような光景だが、昨年の今頃までパルテノン神殿には至る所に血飛沫が付着していたという。
「…うっぷ。ちょっと御手洗い行ってきていい?あ、でももう間に合わないかも……」
「え、エチケット袋ならありますから、使ってください!」
「ごめん……」
凄惨たる光景を脳内に浮かべてしまった紅葉は、その場で嘔吐してしまった。彼女たちが訪れた時には綺麗になっていたパルテノン神殿も、血痕が完全に拭き取られるまで1ヶ月間は立ち入り禁止だったのだ。
ソフィアの件は1年以上経った今でも、未だ犯人逮捕には至っていない。当時の現場には凶器も犯人の指紋も残されていなかったのだから、捜査は現在も難航している。
「もし精一先輩がメールで報告していた通りだとしたら、オーバーハンドレッド・ナンバーズを使ってソフィアさんを殺したってことになるわね。すぐにでも報告したい所だけど、証拠がない上に信憑性も皆無」
「きっと警察には『カードで人殺しが出来るわけない』って笑われるのがオチですよね…」
まだユート達3人が仲間に加わる前に精一が掴んだ情報によって、エース達が第一次アストラル大戦で用いたオーバーハンドレッド・ナンバーズを凶器にソフィアを含む5人の呪縛竜使いを殺したとほぼ確定させた。どのナンバーズを利用したかまでは彼らの記憶を覗けない限り分からないが、その情報は間違いなくこちら側に大きく働いてくれることだろう。
気付けばもう日が暮れており、そろそろ夕飯の時刻になっていた。紅葉もワンショットキルで葵を倒したとはいえ、相応に疲れが溜まっていたため早く眠りたかった。
「そろそろ部屋に戻ろ。約束通り、明日からビシバシ特訓してあげるから、覚悟しなさい!」
「「はい!」」
~某所にて~
「エース様!私に、最後のチャンスをください!」
「見苦しいわ、喜多村葵。オーバーハンドレッド・ナンバーズを所持しておきながらそれを召喚せず、あまつさえ赤城紅葉に封印竜を使わせなかった状態で負けたのだから、もう貴女が彼女に勝てる確率などゼロよ」
ワープでエースの居場所まで戻ってきてからすぐに命乞いした葵を蔑んだのは、旧約聖書を片手にしたソフィアだった。ソフィアも紅葉と戦う運命にある決闘者だが、その覚悟は葵のそれを軽く凌駕していた。
この時はまだソフィアの呪縛竜「Leviathan(レヴィアタン)」は復活していなかったが、奏多の「Zmey」が遊弥を討ち、アレックスの「Eingana」がエレンを連れ攫ってきた。ルーナはデュエルの勝敗を持ち越したが、あのまま続けていれば負けていたという。
現時点で勝利した2人には「世界のリセット」が約束されているが、その全容は呪縛竜使いでさえも知らないままだ。
(もし世界のリセットが本当に果たされるのならば、もう一度メルクーリ家を……)
「エース様。私ソフィアは、必ずや赤城紅葉を討ち取り、世界のリセットを成就させてみせましょう」
「期待している。だが気を付けろ。赤城紅葉にもまた、藤堂遊弥とは別の力が眠っている」
「……『E(エーテル)オーラ』のことですね?彼女自身は気付いていないようですが、我々にとって最上級に厄介な力であることは間違いありません」
遊弥がZオーラという特別な力を持っていたように、紅葉にもそれが秘められていた。元々あったカードを書き換え新たな力とするZオーラとは違い、紅葉のEオーラは「無からカードを創造する」ことが可能になっている。花奈との戦いで発現した『紅蓮魔竜ビッグバーン・デモン』が正にその例だが、紅葉はそれ以降一度もこの力の片鱗を見せていない。
そしてEオーラはZオーラと真逆の関係にあり、Zオーラによる影響を全く受けないのだ。呪縛竜使いとの決闘で敗北した場合、ほぼ確実に敗者の命は奪われるが、Eオーラを所持している紅葉が同じ立場になったとしても、それを奪われることはない。
「ソフィア、貴様には赤城紅葉に勝利することだけ考えればいい。Eオーラを持っている以上、奴を殺すことは出来ないのだからな」
「御意」
紅葉はエース達にとってこの戦いの意義を完全に破綻される要因になったのだが、紅葉に勝利すれば覚醒竜降臨も果たされることなく、世界のリセットというトリガーを万全の状態で引くことができる。これから先のソフィアの役目は、最も重大だ。
~~~
時は流れ8月13日。紅葉はカレン・胡桃との修行に付き合っていた。2人とも20回以上は相手しているのだが、まだ紅葉には一度も勝利していない。ギリギリのところまで追い詰めることはあっても、攻撃力を大幅に下げる罠カード『パンドラーズ・ボックス』や必殺級の切り札『魔神デモンズ・レイ・グレート』を召喚されてしまい、あと一歩が届かないのだ。
「ふぅ……私のライフが残り500までやられるなんて、2人とも強くなってるわね」
「特に胡桃なんか、ビッグ・スターをフル活用できる【魔界劇団】理想の展開を完璧にマスターしたじゃない。これで希に恩返し出来るわね」
「ええ!小町とうららにも、いい報告ができそうね」
しかし成長していないわけではなく、それどころか紅葉を超える勢いで急速に成長している。元々カレンと胡桃のデュエルの腕は確かなものであり、そこにドロー運が味方すれば向かうところ敵はほとんどいないレベルにまで到達したのだ。
丁度その時、紅葉のディスクにレインからのメールが届いた。そこには遊弥の容態と、ソフィアとのデュエル後の戦力確認の2つの旨が記されていた(Episode80参照)。
「……は?遊弥が、昏睡状態?」
彼が昏睡状態に陥ってから既に12日が経過しているが、このタイミングになって何故、という考えより先に「皆には伝えてあるが」という文面に目が行ってしまった。問い詰めるような真似はしたくなかったのだが、事態が事態だったためどうしても圧をかけるような口調になってしまった。
「ねえ、カレンちゃん、胡桃ちゃん。2人はこの事、知ってたの?」
「「……」」
「……そう。知ってたんだ」
悲しみの籠った紅葉の声を聴くのが辛くなったカレンと胡桃は、何も言えずにただ視線を落とすことしかできなかった。「遊弥の容態は絶対に紅葉には伝えてはならない」という了見をレイン自らが破った形になったが、日本に集まる時点で誰が戦線離脱したのかが判別してしまう以上、必ずどこかで言わなければならない時が来てしまう。
「ごめん、ちょっと外の空気に触れてくるね。2人はデッキの見直しとか、色々やってて」
そそくさとこの場を離れようとした紅葉の肩は小刻みに震えており、2人を心配させまいと声を上げずに咽び泣いていた。その様子を見守っていた胡桃は耐えきれずに紅葉に声をかけようとしたが、カレンに強く止められた。
「あのっ…!……カレン?」
「胡桃。私達が行っても、紅葉先輩に出来ることは何もないわ」
「そうかもしれないけど…」
紅葉だけに遊弥の情報を伏せていたことは彼女に疎外感を与えてしまった。仲間の危機こそ率先して報告すべき内容だったのだが、レインとトワが「紅葉が遊弥に好意を抱いているからこそ、余計な心配はかけさせたくない」と彼女を気遣い、この日まで引き延ばした結果、却って彼女を苦しませるに至った。
2人の視界から外れる頃になると、紅葉は門前に向かって一目散に駆け出した。途中で仕えているメイドや執事とすれ違い彼らに制止されることもあったが、この場から逃げ出すようにそれらを全て振り切った。
(私以外、皆知ってた!それなのに黙っていたなんて……!)
玄関前の巨大な扉を開けた刹那、紅葉は誰かと激しく正面衝突した。そのはずみで彼女は後ろに倒れることとなったが、自分がぶつかった相手を見て、紅葉は大きく目を見開いた。その人こそ自分が戦うべき相手、ソフィア・メルクーリだったのだから。
「……赤城紅葉。何故貴方がメルクーリ家にいるのかしら?」
「そんなこと、今はどうだっていいでしょ!遊弥が古城奏多に負けたっていうのは本当なの?!」
「ええ。彼は奏多に体内のZオーラを全て抜かれ、意識は永遠の闇に堕ちた。奇跡でも起こらない限り、目覚めることはないわ」
「そ…んな……」
送られてきたメールが真実だと改めて突きつけられた紅葉は、堪えきれずに大粒の涙を流し、悲鳴ともとれるほどの大声で泣き叫んだ。まだ鼓動が脈打っているといえど、昏睡状態は事実上の死亡。出会ってから半年も経たずしてこのような結末を迎えてしまったのだから、今の彼女が泣くことでしか感情を外に出せないのは当然だ。
紅葉が泣き続けている間、ソフィアは何故彼女がここまで他人を想っているのか理解できていなかった。他人のために涙を流すということ自体、生前のソフィアが経験してこなかったからというのもあるのだが、彼女は他人の心情を読み取ることが不得手だというのもある。悪いことを言ってしまったかもしれないと思った束の間、紅葉は涙声で決闘を挑んできた。
「もし私が勝ったら、遊弥を元に戻して!」
「いいわ。ただし貴方が負ければ…」
「この命をくれてやるわ!遊弥のためなら、私は命を投げ捨てられる覚悟がある!」
「…!」
紅葉が勝てば奏多の功績が無駄になり、エースの悲願「呪縛神龍復活」も叶わなくなる。一方でソフィアが勝てば覚醒竜降臨は成されず、紅葉の短い生涯に終止符が打たれる。自分より若い命を自分の手で絶つことになるかもしれないという迷いがソフィアの中で生まれたが、ここで非情になりきらなければ世界のリセットを果たせない。
紅葉も自分の命を軽んじているつもりは一切なく、それ程の覚悟を持てるほど彼を愛していた。未だ覚醒竜は応えていないが、今の紅葉にはその資格を有しているのか。
複雑な想いが絡み合う中、6番目の呪縛竜決戦が始まった。
(簡単な話。ここでソフィアさんに勝って、遊弥を取り戻す!)
(難しい話ね。絶対に殺せないと分かっているのに、殺さなきゃいけなくなった。そして、それを躊躇っている私が此処にいる。それでも今は、この家のために……)
「「デュエル!!」」
KUREHA→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0
V S
SOPHIA→LP:8000 手札:5 デッキ:35 Mゾーン:0 M&Tゾーン:0 Fゾーン:0 Pゾーン:0
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とうかいりん
キャラ設定に「4体のアンドロイド(遊矢、ユート、ユーゴ、ユーリ)」を追加しました。 (2018-05-10 00:19)
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イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
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121 | Episode01:危ないスタート | 2430 | 1 | 2015-06-21 | - | |
125 | Episode02:悪魔のドラゴン | 1976 | 2 | 2015-06-22 | - | |
93 | Episode03:切り札 | 1499 | 2 | 2015-06-23 | - | |
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94 | Episode05:終止符 | 1458 | 2 | 2015-06-25 | - | |
80 | Episode06の前に(更新済) | 1284 | 2 | 2015-06-25 | - | |
102 | Episode06:黒羽 凛 | 1435 | 1 | 2015-06-27 | - | |
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151 | Episode09:2人の絆 | 1465 | 2 | 2015-07-05 | - | |
75 | Episode10:覚醒 | 1332 | 1 | 2015-07-09 | - | |
94 | Episode11:解放 | 1347 | 2 | 2015-07-13 | - | |
154 | Episode12:最後の封印竜 | 1337 | 0 | 2015-07-14 | - | |
80 | Episode13:ダイヤの煌めき | 1136 | 0 | 2015-07-25 | - | |
102 | Episode14:友のために | 1207 | 0 | 2015-08-12 | - | |
90 | ビヨンドモンスター・ビヨンド召喚について | 1730 | 2 | 2015-08-13 | - | |
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95 | Episode16:ライセンス | 1297 | 2 | 2015-08-24 | - | |
176 | 少し遅めのキャラ設定(随時更新) | 2187 | 5 | 2015-08-29 | - | |
100 | Episode17:地獄の猛特訓 | 1281 | 1 | 2015-09-06 | - | |
146 | Episode18:関門 | 1435 | 1 | 2015-09-13 | - | |
93 | Episode19:スピードの中で | 1279 | 2 | 2015-09-18 | - | |
124 | Episode20:初の対外試合 | 1295 | 2 | 2015-09-20 | - | |
93 | Episode21:シンクロ封印 | 1236 | 1 | 2015-09-22 | - | |
81 | Episode22:1つの答え | 1235 | 2 | 2015-09-24 | - | |
80 | Episode23:黒羽の誇り | 1275 | 2 | 2015-10-01 | - | |
103 | Episode24:ハイスピードバトル | 1333 | 3 | 2015-10-06 | - | |
74 | Episode25:超越する力 | 1219 | 2 | 2015-10-11 | - | |
85 | Episode26:運命の決戦 | 1205 | 3 | 2015-10-20 | - | |
97 | Episode27:来訪者、天導レイン | 1309 | 2 | 2015-11-03 | - | |
96 | Episode28:遊弥vsレイン | 1403 | 2 | 2015-11-09 | - | |
87 | Episode29:舞い降りた天使 | 1304 | 2 | 2015-12-05 | - | |
80 | Episode30:天使と悪魔 | 1407 | 3 | 2015-12-09 | - | |
105 | Episode31:禁断の無限暗黒竜 | 1469 | 2 | 2015-12-12 | - | |
80 | 番外編02:凛と紅葉が… | 1265 | 0 | 2016-01-05 | - | |
89 | Episode32:パワー・ツール | 1241 | 3 | 2016-01-29 | - | |
85 | Episode33:死した希望の使者 | 1184 | 2 | 2016-01-31 | - | |
115 | Episode34:高貴の翼 | 1457 | 3 | 2016-02-04 | - | |
91 | Epi35:戦慄のリバースビヨンド | 1300 | 1 | 2016-02-13 | - | |
84 | Epi36:加速するカウントダウン | 1255 | 2 | 2016-02-20 | - | |
84 | Epi37:希望のカード『V☆S』 | 1229 | 3 | 2016-03-25 | - | |
76 | Episode38:朱色の夜 | 1238 | 0 | 2016-04-11 | - | |
152 | Episode39:並び立つ盟友 | 1439 | 2 | 2016-04-22 | - | |
85 | Episode40:精一と彩 | 1316 | 2 | 2016-05-30 | - | |
84 | Episode41:漆黒の鎮魂歌 | 1305 | 4 | 2016-06-22 | - | |
129 | Episode42:涅槃の境地へ | 1330 | 4 | 2016-07-02 | - | |
81 | Episode43:トワノキズナ | 1263 | 3 | 2016-07-23 | - | |
144 | Episode44:銀河と宇宙 | 1456 | 3 | 2016-08-09 | - | |
127 | Episode45:銀河眼vs宇宙眼 | 1543 | 0 | 2016-08-20 | - | |
65 | Episode46:絶望の凱旋 | 1139 | 0 | 2016-08-24 | - | |
91 | Episode47:刻まれた記憶の欠片 | 1165 | 1 | 2016-09-06 | - | |
123 | Episode48:希望の行方 | 1520 | 0 | 2016-09-13 | - | |
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179 | ルール改訂と今後の進行について | 1394 | 2 | 2017-02-18 | - | |
67 | Episode61:想いの証 | 1052 | 5 | 2017-02-21 | - | |
91 | Episode62:茨の道標 | 1244 | 5 | 2017-02-27 | - | |
136 | Episode63:光と闇の花 | 1100 | 3 | 2017-03-20 | - | |
90 | Episode64:渇望と葛藤 | 1141 | 2 | 2017-03-23 | - | |
85 | Episode65:麗しき孤月 | 1083 | 2 | 2017-03-29 | - | |
149 | Episode66:月夜のイリュージョン | 1418 | 2 | 2017-04-21 | - | |
164 | Episode67:常闇に消える月華 | 1417 | 1 | 2017-05-05 | - | |
109 | Episode68:模索者たち | 1146 | 4 | 2017-07-22 | - | |
123 | Episode69:純黒の反逆者 | 1252 | 0 | 2017-07-27 | - | |
138 | Episode70:紅と黒の禁呪 | 1156 | 2 | 2017-08-07 | - | |
101 | Episode71:希望は往く | 1291 | 3 | 2017-08-17 | - | |
152 | Episode72:リリーの過去 | 1291 | 2 | 2017-08-24 | - | |
84 | Episode73:異次元の亡霊 | 1221 | 2 | 2017-09-13 | - | |
122 | Episode74:覚醒の鼓動 | 1390 | 3 | 2017-09-22 | - | |
138 | Episode75:挑戦者の儀 | 1140 | 0 | 2017-10-05 | - | |
143 | Episode76:神速の決闘 | 1230 | 2 | 2017-11-14 | - | |
66 | Episode77:動き出す陰謀 | 938 | 2 | 2018-01-23 | - | |
85 | Episode78:最期の兄弟喧嘩 | 929 | 2 | 2018-03-03 | - | |
151 | Episode79:黄龍の手向け | 987 | 2 | 2018-03-28 | - | |
117 | Episode80:堕天使の罠 | 962 | 0 | 2018-04-14 | - | |
113 | Episode81:断罪する魔神 | 961 | 0 | 2018-04-19 | - | |
128 | Episode82:姫君のバイブル | 1065 | 1 | 2018-05-07 | - | |
130 | Episode83:開かれたページ | 1096 | 0 | 2018-05-11 | - | |
171 | Episode84:望まぬ決戦 | 1129 | 2 | 2018-05-29 | - | |
84 | 未投稿オリカ紹介⑥(使用者:古城奏多) | 1014 | 0 | 2018-05-31 | - | |
147 | 未投稿オリカ紹介⑦(使用者:清水ルーナ) | 1202 | 0 | 2018-06-02 | - | |
150 | 未投稿オリカ紹介⑧(使用者:アレックス) | 1074 | 0 | 2018-06-04 | - | |
69 | 未投稿オリカ紹介⑨(使用者:リリー) | 902 | 0 | 2018-06-06 | - | |
202 | 未投稿オリカ紹介⑩(使用者:ソフィア) | 1297 | 0 | 2018-06-06 | - | |
129 | 呪縛竜のおさらい | 907 | 0 | 2018-06-06 | - | |
117 | IF02:星 遊未 | 896 | 0 | 2018-06-09 | - | |
88 | Episode85:新たなる激闘へ | 1086 | 0 | 2018-07-10 | - | |
119 | Episode86:愛するもの | 985 | 0 | 2018-07-27 | - | |
83 | Episode87:涅槃を超えた先 | 947 | 0 | 2018-08-10 | - | |
134 | Episode88:終焉の弧光 | 1364 | 0 | 2018-09-12 | - | |
73 | 【重要】投稿再開のお知らせ | 837 | 3 | 2022-06-04 | - | |
55 | Episode89:四竜が紡いだ奇跡 | 530 | 3 | 2022-06-25 | - | |
59 | Episode90:光臨者、天導レイン | 522 | 2 | 2022-07-07 | - | |
58 | Episode91:舞い堕ちた天使 | 503 | 2 | 2022-09-03 | - | |
60 | Episode92:紅の決意 | 549 | 0 | 2022-09-19 | - | |
54 | Episode93:凛々しい黒羽 | 593 | 0 | 2022-10-04 | - | |
66 | Episode94:最強の双子 | 553 | 0 | 2022-10-24 | - | |
47 | Episode95:最凶の龍 | 557 | 0 | 2022-12-29 | - | |
53 | Episode96:神の恵 | 535 | 0 | 2023-01-18 | - | |
77 | Episode97:先導者vs時空竜 | 640 | 0 | 2023-01-22 | - | |
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53 | Episode99:遊弥、復活 | 550 | 0 | 2023-03-12 | - | |
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40 | Episode102:最弱の意地 | 467 | 0 | 2023-06-28 | - | |
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48 | Episode104:うららの運命 | 225 | 0 | 2024-04-29 | - | |
30 | Episode105:胡桃の最終演目 | 224 | 0 | 2024-05-06 | - | |
28 | Episode106:希望の少女たち | 241 | 1 | 2024-05-16 | - | |
44 | Episode107:輝く希望 | 335 | 0 | 2024-08-11 | - | |
29 | 第4章完結記念外伝&重大発表 | 339 | 0 | 2024-08-13 | - | |
36 | 第4章初登場オリカまとめ | 292 | 0 | 2024-08-17 | - | |
21 | IF03:愛の形 | 133 | 0 | 2024-10-24 | - | |
18 | Episode108:最期の戦い | 123 | 0 | 2024-11-16 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/12/21 新商品 PREMIUM PACK 2025 カードリスト追加。
- 01/15 18:51 デッキ トリシュトリシュエンプラ…
- 01/15 18:43 評価 10点 《封印の黄金櫃》「墓堀りグール「自分からデュエルで使えなくす…
- 01/15 18:35 評価 8点 《金色の魅惑の女王》「ライゼオルのデッドネーターみたいな効果を…
- 01/15 18:20 評価 9点 《闇と消滅の竜》「SINモンスターみたいな条件でポンと出てきて、…
- 01/15 18:13 評価 8点 《サイコウィールダー》「LV3が場に居ると手札から出せるモンスタ…
- 01/15 17:30 評価 3点 《スーパービークロイド-ジャンボドリル》「このあたりの時代にや…
- 01/15 16:00 評価 3点 《竜の影光》「ぶっちゃけ弱いです。 3つ効果が全てのパワーが…
- 01/15 15:53 評価 5点 《鎧騎士竜-ナイト・アームド・ドラゴン-》「漫画版万丈目のリメ…
- 01/15 15:48 評価 8点 《光と昇華の竜》「メインデッキのモンスターに戻れた《闇と消滅の…
- 01/15 15:46 評価 9点 《闇と消滅の竜》「メインデッキのモンスターに戻れた《光と昇華の…
- 01/15 15:42 評価 9点 《光と闇の竜王》「融合版《光と闇の竜》の割と評価が難しいカード…
- 01/15 15:06 評価 3点 《ヴェノム・サーペント》「《ヴェノム》の下級モンスターの一体。…
- 01/15 15:00 評価 2点 《ヴェノム・スネーク》「今見ると《捕食植物》の元になったと思わ…
- 01/15 13:10 デッキ テラナイト
- 01/15 12:39 デッキ ファンカスノーレ
- 01/15 10:59 SS 26話 共同戦線Ⅰ
- 01/15 10:51 評価 1点 《シールドスピア》「何となく強そうな名前とイラストにやる気の無…
- 01/15 10:50 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 01/15 09:50 評価 3点 《ヴェノム・コブラ》「メインデッキに入る《ヴェノム》では唯一の…
- 01/15 09:22 評価 5点 《百鬼羅刹 グリアーレ三傑》「《百鬼羅刹 巨魁ガボンガ》に続く新…
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