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3話 黒き刺客たち 作:コングの施し
「ってな感じで、ましろ先生にデュエルを頼めたんだけどさ、嬢もどうだ?」
嬢はいつも目をキラキラさせているが、どこか控えめなところがあり、一応笑顔をのままで言った。
「うーん、私はいいかな、あはは…。」
「…?
そうか。まあやりたかったら俺から伝えとくからさ、いつでも言ってくれな!」
「あ、ありがとう!じゃあ、私はこれで失礼するね…!」
そう言って、嬢は足早に教室を後にした。
と、いうのも、遊大が知らないだけであり、ましろ自体はかなりの実力者だという噂は、校内では有名であった。
それに、ましろの面倒臭がり屋でいい加減な性格も相まって、ましろとデュエルをしようとする生徒など、前例がないものであるので、嬢は終始苦笑いのままだったのである。
「(…まだ時間があるな…。よし、こういうときにデッキの調節を…!)」
そう思い立った遊大は、早速、机の上にカードを広げる。
「(俺のデッキは、戦士族、そして装備カードを中心としたデュアルモンスターのデッキ。エースモンスターが《フェニックス・ギア・フリード》。デュアルモンスターは、墓地、フィールドで通常モンスターの扱いになっていて、再度召喚することで初めて効果を得る。
そうなると、《正当なる血統》や《黙する死者》なんかの蘇生カードと相性がいい。
上級のデュアルは、通常召喚をするよりかは、蘇生や踏み倒しのほうがいいかな…。
よし、そうなれば、《フェデライザー》!このカードで墓地を貯めていけば…)」
「…はァ。お前、ほんとにやる気だな。」
突然、背後からましろの声がして遊大は丸めた背をビーンと伸ばした。
「格技場をとっておいた。行こうか。」
ましろはため息混じりにそう言うと、格技場の鍵をジャラっと遊大の前に差し出した。
「(デュエル…自分の生徒とやるのって初めてだな。懐かしいは懐かしいけど、やっぱ面倒くせえ…)」
格技場には、ましろと遊大以外に人の気配はなく、重く、冷たい空気が漂っている。
ましろも遊大もお互いにデッキをセットし、ディスクを構えて向かい合った。
「私は一応、中学高校のころはデュエルを嗜んでいた。だから、教師として経験者として、負けるわけいかないんだよな。
(やるって言っちまったからにはしょうがない。ぶっちゃけ帰りたいしさっさと終わらせるかァ…)」
「望むところっすよ!さあ、」
「「デュエル!」」
「先攻はやる。好きに回してくれ。」
「(好きに、って…。なんだそれ?)
俺のターン!」
遊大 ー手札:5 LP:4000ー
「(とはいえ、最初のターンから攻め込めるほど強い手札ではねえ。そんでもって《このカード》…墓地から蘇生させたいところだが手札に来たからには召喚を狙うのも手…、よし!)
俺は、モンスターをセット!さらにカードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」t2
ましろ ー手札:6 LP:4000ー
「…やけに慎重じゃんか?まあ私のターン、ドロー。
私は魔法カード、《亜空間バトル》を発動!」
「亜空間バトル?」
「そう。このカードは、お互いにデッキからモンスターを3体選んで選択し1体ずつ攻撃力を競う。勝った方のプレイヤーを選択したカードを手札に加え、負けた方のプレイヤーは選択子とカードを墓地に送り、500ポイントのダメージを受ける。」
「えーっとつまり…?
攻撃力の高いモンスターを選べば手札に加わる確率があがるってことでOKっすか?」
「そうなる。じゃあ、1体ずつ公開していこうか。」
「私が公開するのは《インヴェルズの斥候》!」
(A0)
「俺は、《炎妖蝶ウィルプス》!」
(A1500)
「攻撃力はウィルプスの方が上、よってお前はそのカードを手札に、私は墓地に送り、500のダメージを受ける。」
ましろ LP:4000→3500
「おい先生!どういうつもりだァ!?そのモンスター、攻撃力0だろ!」
「…ったく、そんなことは気にしなくていいんだよ。さあ、この処理を2回繰り返す。カードを選びな。」
ましろ 2枚目
《インヴェルズ・モース》A2400
遊大 2枚目
《幸運の笛吹き》A1500
遊大 LP:4000→3500
ましろ 3枚目
《インヴェルズの門番》1500
遊大 3枚目
《ダーク・ヴァルキュリア》1800
ましろ LP:3500→3000
「(よし、ここまででLPは俺のほうが勝ってる!通常召喚できるモンスターも手札に加わった!悪くない調子だぜ!)」
「まったく、攻撃力が高いモンスターばっかりで困ったもんだな。わたしは、インヴェルズを呼ぶものを通常召喚!」
インヴェルズを呼ぶもの
☆4 1800/0
黒く、昆虫を彷彿させる羽、しかし二本足で立つ奇妙なモンスターが姿を表す。
遊大は舌をべえっと出して言った。
「うへぁ、なんだこのキモチわりいモンスター…。」
「人のモンスターに気持ち悪いとか失礼な奴だなお前…。まあ気持ち悪いけどよ。私は、インヴェルズを呼ぶもので、伏せモンスターを攻撃!」
呼ぶものは、黒い波動で遊大の伏せモンスターを吹き飛ばした。
「セットモンスターは、《フェデライザー》!リバースモンスターじゃあないが、破壊されたときにデッキからデュアルモンスター1体を墓地におくり、カードを1枚ドローさせてくれる!俺は、《デュアルソルジャー》を墓地に!」
「なるほど、お前にも墓地利用の理解はあるらしいな。私はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」
遊大 ー手札:6 LP:3500ー
「よっしゃ!デュアルデッキの真髄、見せてやるってな!俺は、永続罠《正統なる血統》を発動!」
「…正統なる血統?」
「そうだ!このカードは墓地に存在する通常モンスターを攻撃表示で復活させるカード、《デュアルソルジャー》を特殊召喚!」
遊大の半分ほどの大きさの小さな小さな戦士が姿を表した。
しかし、その姿はどこか彩度がひくく色がぼやけていた。
デュアルソルジャー
☆2 500/300
「なるほど、デュアルモンスターは通常モンスターの扱いになる、か。」
「さらにさらに、デュアルソルジャーは再度召喚することで通常モンスターではなくなり、本来の能力を得る!力を取り戻せ!デュアルソルジャー!」
「ビィッ!!」
色あせていたデュアルソルジャーの体が輝きを放ち、本来の緑を基調とした色を取り戻した。
「よし、本来の力を取り戻したデュアルモンスターは強いぜ!デュアルソルジャーで、インヴェルズを呼ぶものを攻撃!インビンシブルスラッシュ!」
デュアルソルジャーはインヴェルズを呼ぶものに手裏剣を放つ。
しかし、インヴェルズを呼ぶものは、難なくそれを弾き返した。
「一丁前に攻撃名までつけやがってさ。言っとくがインヴェルズを呼ぶもののほうが、攻撃力は上だからな?」
弾いた手裏剣のソリッドヴィジョンは、デュアルソルジャー目掛けて飛んでいく。
「ンなッ!しまった!攻撃力低いの忘れてた!」
ましろは呆れたのかため息をついている。
「…はあ。お前なあ。」
手裏剣がデュアルソルジャーに命中する手前、デュアルソルジャーの姿がパッと消え、手裏剣はそのまま遊大のデュエルディスクに突き刺さった。
「…なんてな。」
突き刺さった手裏剣は、電子音を立て、それに対応するように、遊大のデッキのカードがパラパラとめくられていく。
「俺は戦闘ダメージは受けるが、デュアルソルジャーは破壊されない。さらにこいつの攻撃は、さらなるデュアルモンスターをデッキから呼び起こす!」
遊大 LP:3500→2300
「ああ?それがデュアルソルジャーのデュアル能力ってか?」
フィールドにぼおっと炎が立ち、それを切り裂くようにして、中から剣士が姿を表した。
「こい!逆巻く炎の剣士、《エヴォルテクター・シュバリエ》!」
エヴォルテクター・シュバリエ
☆4 1900/900
「おまえも中々姑息なことしたがるじゃないかよ?」
「へっ!先生、いま姑息と言ったが、最高のデュエルのためだったら、ひと芝居でもふた芝居でもうってやるぜ!エヴォルテクターシュバリエで、インヴェルズを呼ぶものを攻撃!エヴォルテックブレイズ!」
シュバリエの剣が炎に包まれ、インヴェルズを呼ぶものを焦がす。
「ぐっ…、デュアルモンスターねぇっ!」
ましろ LP:3000→2800
「どぉーーーだ!コレがデュアルモンスターの力だぜ〜!さらに俺は、カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
「私もやられっぱなしだと教師として顔が立たん。(立たせる気はないが)
私は、お前のエンドフェイズ時、500LPを払い、罠カード《侵略の波紋》を発動。」
ましろ LP:2800→2300
地面から粘質の黒い液体が染み出し、破壊されたはずのインヴェルズを呼ぶものが中から姿を表す。
「だァっ!せっかく破壊したのに!」
「ここまでのデュエルでお前のデッキはだいたいわかった。だから、私も年長者として、このデッキの本質をちょこっと見せつつ、お前を教育してやる。」
ましろ ー手札:4 LP:2300ー
「私のターン、じゃあ遊大、問題だ。私は今、《インヴェルズを呼ぶもの》を墓地から特殊召喚したが、なぜだと思う?」
「なぜって…デュアルソルジャーは戦闘破壊できないし、エヴォルテクターシュバリエも戦闘じゃ突破できないしな…、デュアルソルジャーに攻撃して、ダメージを与えるため?とか?」
ましろはまたため息をつく。
「…不正解だ。ま、正解はインヴェルズデッキの本質にあたるんだがな。」
遊大は回答のときから首を傾げたままである。
「…正解は…!」
フィールドに黒い胞子のようなものが蔓延し、やがてインヴェルズを呼ぶものを覆い隠すように集合し始めた。
「なんだ、なんだなんだコレ!?」
「…ォォオ…」
黒い胞子の中から、蛾のようなフォルムをしつつも、呼ぶものと同じように人型を保つモンスターが唸り声を上げながらフィールドに現れた。
「…正解は、アドバンス召喚だ。現れろ!《インヴェルズ・モース》!」
モースは羽を瞬かせ、黒い胞子をシュバリエとデュアルソルジャーに向けて飛ばした。
「召喚に成功したとき、LPを1000払うことで、フィールドのカードを2枚まで手札に戻す。さあ、その2体にはご退場願おうかな?」
ましろ LP:2300→1300
「グワァァ」
「ビィッ…」
デュエルディスクのフィールドから2枚のカードが弾かれ、遊大が手札に加える。
「(俺のフィールドががら空き…!だが幸い、手札は潤ってる。このターンは耐えるんだ…!)」
「さらに、だ。《インヴェルズを呼ぶもの》がインヴェルズモンスターのアドバンス召喚に使用されたとき、デッキから☆4以下の、新たなインヴェルズを呼び出せる!」
ウオオォォッ!、と何処からともなく叫び声が響く。すると、また黒い胞子の中から、今度は蜂のようで、やはり人型の黒いモンスターが飛び出してきた。
「特殊召喚。《インヴェルズの精鋭》」
インヴェルズの精鋭
☆4 1850/0
「お前のフィールドはガラ空きだ。まあ、このターンで負けたらお前、市の大会でも通用しないぞ?」
遊大は不敵に笑みを浮かべる。
「へッ!来てみりゃいいじゃないすか!」
「いい度胸だ。インヴェルズモースで、遊大をダイレクトアタック、黒死の鱗粉!」
黒い胞子が遊大目掛けて飛んでいく、だが、黒い波は、炎に包まれ、消えていった。
「耐えたか。まあこんくらいで負けてちゃあな。」
「耐えただけじゃないぜ!俺が発動したカードは《戦士の献身》!このカードは、相手の直接攻撃時、手札の戦士族モンスターを墓地に送って、その攻撃力ぶんだけ、攻撃モンスターの攻撃力をターン終了時までダウンさせる!」
「インヴェルズモースの攻撃力は0…シュバリエやデュアルソルジャーじゃないってことか?」
「俺が墓地に送ったカードは《フェニックス・ギア・フリード》!このカードが、俺を守ってくれたのさ!」
「おそらくエースモンスターっぽいカードで身を守る…なかなか追い詰められてんじゃないのか?お前。まあいいさ、インヴェルズの精鋭で、ダイレクトアタック!」
インヴェルズの精鋭が縦横無尽に宙を舞い、遊大目掛けてその針を突き立てた。
「ぐああっ!!」
遊大 LP2300→450
「私はカードを1枚伏せてターンエンドだ。
ンまあ、モースの効果で手札も潤ったことだろ。まさか、こんなとこで終わったりなんか、しないよな?」yt2
そう言って、ましろは遊大を上目で見つめる。
「ははっ、そんなわけないだろ
ひっくり返してやるさ!こんくらい!
(とは言ったものの、今の手札は《炎妖蝶ウィルプス》《ダーク・ヴァルキュリア》《エヴォルテクター・シュバリエ》《デュアル・ソルジャー》《サンライズ・ガードナー》《タイラント・プランテーション》…。さっきのターンに、正統なる血統でデュアルソルジャーを特殊召喚して展開したことと、そのモンスターをインヴェルズモースの効果で手札に戻されたこともあって、幸い手札は潤っちゃいるが、この手札じゃ攻撃力2400のインヴェルズモースは突破できない。このドローに賭けるっきゃなさそうだな…。)」
遊大 ー手札:7 LP450ー
「俺のターン!!」
遊大は、ドローしたカードに目を向け、笑みを浮かべた。
「待ってたぜ!このカードを!永続魔法、発動!《金剛真力》!」
「金剛真力?」
「このカードは、俺のフィールドにモンスターが存在せず、相手のフィールドにのみモンスターが存在する場合に効果が使えるカード!その効果で俺は、レベル4以下のデュアルモンスター《炎妖蝶ウィルプス》を特殊召喚できる!」
デュエル開始時には面倒そうな表情をしていたましろの顔にも、いつしか笑みが浮かんでいた。
「攻撃力1500のモンスターか…。ふふっでもお前、それで終わりじゃないんだろ?」
「もちろんだぜ先生!ウィルプスを、再度召喚!!」
色あせていたウィルプスの体が輝きだし、燃えたぎる、鮮やかな緋色の羽を広げる。
「再度召喚したウィルプスの効果発動!墓地に存在するデュアルモンスターを、再度召喚した状態で、特殊召喚する!」
ウィルプスの羽は、花火のように勢いよく飛び散り、フィールドに散りばめられた小さな炎は、やがて大きな緋色の渦となってフィールドを照らし出してゆく。
「不死鳥の翼宿し戦士よ。その剣で闇を切り裂き、色褪せた世界を赤く塗り上げろ!デュアル召喚!フィニックス・ギア・フリード!!」
炎の渦をその剣で裂き、紅と白の鎧に身を包んだ戦士が姿を表す。
フェニックス・ギア・フリード
☆8 2800/2200
「戦士の献身…わざと攻撃力の高いモンスターを墓地に送ったのは、この召喚のためってわけか…!」
「さらに俺は、罠カード《アサルト・スピリッツ》を発動!このカードは、自分フィールドのモンスターの装備カードとなって、ダメージ計算時に手札から攻撃力1000以下のモンスターを墓地に送ることで、その攻撃力ぶんだけ、装備モンスターの攻撃力をアップさせる!」
黄緑の閃光が、フェニックスギアフリードの剣を包み込み、炎を一体となって、さらに輝きを増していく。
「俺の手札には、インヴェルズモースの効果で手札に戻ったデュアルソルジャーがいる。これで事実上、ワンショットキルが可能!バトルだ!」
「やるじゃんか…でも、させないッ!私は、アドバンス召喚したインヴェルズモースを手札に戻すことで、罠カード《侵略の波動》を発動!」
フィールドに伏せられた罠カードがその姿を表す。
「この効果で、相手モンスター1体を選択して、破壊する!せっかく苦労して召喚したモンスターだが、悪いな。出番はない!」
黒い胞子が1つに集合し、熱を持った鉄のように、その黒い表面を不気味に光らせ、紫の閃光と共に弾け飛ぶ。
「…言っただろ先生、再度召喚したデュアルは強いってさ!俺は、フェニックスギアフリードの効果を発動!装備されたカード1枚を墓地に送ることで、モンスター1体を対象とする魔法、そして罠カードの発動を無効にし、破壊する!ゴッドブレイズ・ミラージュ!」
「…なっ!」
「バトルだ!フェニックスギアフリードで残ったインヴェルズの精鋭に攻撃!ゴッドブレイズクローズ!」
「…ったくしょうがない。私は、さらにリバースカードオープン、《侵略の手段!》このカードの効果で、デッキから《インヴェルズ・マディス》を墓地に送ることで、インヴェルズの精鋭の攻撃力を800ポケットアップさせる…!」
インヴェルズの精鋭
攻撃力1850→2650
「だが、攻撃力はこっちのほうがまだ上!ぶった斬れ!フェニックスギアフリード!」
火花を起こしながら、フェニックスギアフリードの剣とインヴェルズの精鋭の針がぶつかり合う。
やがて一瞬いるんだインヴェルズの精鋭の懐にめがけてフェニックスギアフリードが斬撃を入れ、精鋭の体は燃えながら真っ二つに分かたれた。
「…うわっ!!」
ましろ LP:1300→1150
フェニックスギアフリードの横に立ち、遊大が言った。
「どうだよ先生!俺のデュエルも、そこまで悪くないだろ?俺はこれでターンエンド!」
ましろ ー手札:3 LP1150ー
「…そうだな。私が思ってた以上に悪いわけじゃ無いらしい。」
ましろは手札のカード1枚を握ったまま、俯いていた。
「悪いな、遊大。このデュエル、私の勝ちだ。」
「ぇ…ァんだって!?」
「私は、《ヴェルズ・ケルキオン》を通常召喚!」
黒い胞子、というよりかは、先程まで召喚していたモンスターよりも青黒い、霧のような渦の中から、コツ…コツと足音を立てながら1人の戦士が現れた。
ヴェルズ・ケルキオン
☆4 1600/1550
その目を赤く光らせ、黒い渦の中から、手に触れることなく、《インヴェルズを呼ぶもの》のカードを厨に浮遊させた。
「召喚に成功したとき、墓地のヴェルズモンスター、《インヴェルズ・マディス》を除外することで、同じく墓地から《インヴェルズを呼ぶもの》を手札に戻す…。」
「インヴェルズじゃあない、ヴェルズモンスター?だが一体どうやって…。」
そのカードが紫色に発光し、インヴェルズを呼ぶものが再び姿を表す。
「ケルキオンのこの効果を使ったターン、私はもう一度、ヴェルズモンスターを通常召喚が可能。インヴェルズを呼ぶものよ、甦れ。そして遊大、私はいま勝利宣言をしたが、問題だ。」
遊大は、前髪をかきあげ、汗を1滴、ポタリと垂らす。
「…ど、どうやって勝つか、なんて問題にはしないでくれよ先生?正直、今の俺じゃ、その答えはわからねえ…!」
それを聞くと、ましろはまた、ため息を漏らした。
「…はァ。出題傾向はバッチリだが、その答えをわからなきゃ意味が薄いな…
」
そう言うと、フィールド全体が、冬のような冷気に包まれていった。
「さあ、反逆の吹雪をみせてあげよう…。」
つづく。
嬢はいつも目をキラキラさせているが、どこか控えめなところがあり、一応笑顔をのままで言った。
「うーん、私はいいかな、あはは…。」
「…?
そうか。まあやりたかったら俺から伝えとくからさ、いつでも言ってくれな!」
「あ、ありがとう!じゃあ、私はこれで失礼するね…!」
そう言って、嬢は足早に教室を後にした。
と、いうのも、遊大が知らないだけであり、ましろ自体はかなりの実力者だという噂は、校内では有名であった。
それに、ましろの面倒臭がり屋でいい加減な性格も相まって、ましろとデュエルをしようとする生徒など、前例がないものであるので、嬢は終始苦笑いのままだったのである。
「(…まだ時間があるな…。よし、こういうときにデッキの調節を…!)」
そう思い立った遊大は、早速、机の上にカードを広げる。
「(俺のデッキは、戦士族、そして装備カードを中心としたデュアルモンスターのデッキ。エースモンスターが《フェニックス・ギア・フリード》。デュアルモンスターは、墓地、フィールドで通常モンスターの扱いになっていて、再度召喚することで初めて効果を得る。
そうなると、《正当なる血統》や《黙する死者》なんかの蘇生カードと相性がいい。
上級のデュアルは、通常召喚をするよりかは、蘇生や踏み倒しのほうがいいかな…。
よし、そうなれば、《フェデライザー》!このカードで墓地を貯めていけば…)」
「…はァ。お前、ほんとにやる気だな。」
突然、背後からましろの声がして遊大は丸めた背をビーンと伸ばした。
「格技場をとっておいた。行こうか。」
ましろはため息混じりにそう言うと、格技場の鍵をジャラっと遊大の前に差し出した。
「(デュエル…自分の生徒とやるのって初めてだな。懐かしいは懐かしいけど、やっぱ面倒くせえ…)」
格技場には、ましろと遊大以外に人の気配はなく、重く、冷たい空気が漂っている。
ましろも遊大もお互いにデッキをセットし、ディスクを構えて向かい合った。
「私は一応、中学高校のころはデュエルを嗜んでいた。だから、教師として経験者として、負けるわけいかないんだよな。
(やるって言っちまったからにはしょうがない。ぶっちゃけ帰りたいしさっさと終わらせるかァ…)」
「望むところっすよ!さあ、」
「「デュエル!」」
「先攻はやる。好きに回してくれ。」
「(好きに、って…。なんだそれ?)
俺のターン!」
遊大 ー手札:5 LP:4000ー
「(とはいえ、最初のターンから攻め込めるほど強い手札ではねえ。そんでもって《このカード》…墓地から蘇生させたいところだが手札に来たからには召喚を狙うのも手…、よし!)
俺は、モンスターをセット!さらにカードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」t2
ましろ ー手札:6 LP:4000ー
「…やけに慎重じゃんか?まあ私のターン、ドロー。
私は魔法カード、《亜空間バトル》を発動!」
「亜空間バトル?」
「そう。このカードは、お互いにデッキからモンスターを3体選んで選択し1体ずつ攻撃力を競う。勝った方のプレイヤーを選択したカードを手札に加え、負けた方のプレイヤーは選択子とカードを墓地に送り、500ポイントのダメージを受ける。」
「えーっとつまり…?
攻撃力の高いモンスターを選べば手札に加わる確率があがるってことでOKっすか?」
「そうなる。じゃあ、1体ずつ公開していこうか。」
「私が公開するのは《インヴェルズの斥候》!」
(A0)
「俺は、《炎妖蝶ウィルプス》!」
(A1500)
「攻撃力はウィルプスの方が上、よってお前はそのカードを手札に、私は墓地に送り、500のダメージを受ける。」
ましろ LP:4000→3500
「おい先生!どういうつもりだァ!?そのモンスター、攻撃力0だろ!」
「…ったく、そんなことは気にしなくていいんだよ。さあ、この処理を2回繰り返す。カードを選びな。」
ましろ 2枚目
《インヴェルズ・モース》A2400
遊大 2枚目
《幸運の笛吹き》A1500
遊大 LP:4000→3500
ましろ 3枚目
《インヴェルズの門番》1500
遊大 3枚目
《ダーク・ヴァルキュリア》1800
ましろ LP:3500→3000
「(よし、ここまででLPは俺のほうが勝ってる!通常召喚できるモンスターも手札に加わった!悪くない調子だぜ!)」
「まったく、攻撃力が高いモンスターばっかりで困ったもんだな。わたしは、インヴェルズを呼ぶものを通常召喚!」
インヴェルズを呼ぶもの
☆4 1800/0
黒く、昆虫を彷彿させる羽、しかし二本足で立つ奇妙なモンスターが姿を表す。
遊大は舌をべえっと出して言った。
「うへぁ、なんだこのキモチわりいモンスター…。」
「人のモンスターに気持ち悪いとか失礼な奴だなお前…。まあ気持ち悪いけどよ。私は、インヴェルズを呼ぶもので、伏せモンスターを攻撃!」
呼ぶものは、黒い波動で遊大の伏せモンスターを吹き飛ばした。
「セットモンスターは、《フェデライザー》!リバースモンスターじゃあないが、破壊されたときにデッキからデュアルモンスター1体を墓地におくり、カードを1枚ドローさせてくれる!俺は、《デュアルソルジャー》を墓地に!」
「なるほど、お前にも墓地利用の理解はあるらしいな。私はカードを2枚伏せて、ターンエンドだ。」
遊大 ー手札:6 LP:3500ー
「よっしゃ!デュアルデッキの真髄、見せてやるってな!俺は、永続罠《正統なる血統》を発動!」
「…正統なる血統?」
「そうだ!このカードは墓地に存在する通常モンスターを攻撃表示で復活させるカード、《デュアルソルジャー》を特殊召喚!」
遊大の半分ほどの大きさの小さな小さな戦士が姿を表した。
しかし、その姿はどこか彩度がひくく色がぼやけていた。
デュアルソルジャー
☆2 500/300
「なるほど、デュアルモンスターは通常モンスターの扱いになる、か。」
「さらにさらに、デュアルソルジャーは再度召喚することで通常モンスターではなくなり、本来の能力を得る!力を取り戻せ!デュアルソルジャー!」
「ビィッ!!」
色あせていたデュアルソルジャーの体が輝きを放ち、本来の緑を基調とした色を取り戻した。
「よし、本来の力を取り戻したデュアルモンスターは強いぜ!デュアルソルジャーで、インヴェルズを呼ぶものを攻撃!インビンシブルスラッシュ!」
デュアルソルジャーはインヴェルズを呼ぶものに手裏剣を放つ。
しかし、インヴェルズを呼ぶものは、難なくそれを弾き返した。
「一丁前に攻撃名までつけやがってさ。言っとくがインヴェルズを呼ぶもののほうが、攻撃力は上だからな?」
弾いた手裏剣のソリッドヴィジョンは、デュアルソルジャー目掛けて飛んでいく。
「ンなッ!しまった!攻撃力低いの忘れてた!」
ましろは呆れたのかため息をついている。
「…はあ。お前なあ。」
手裏剣がデュアルソルジャーに命中する手前、デュアルソルジャーの姿がパッと消え、手裏剣はそのまま遊大のデュエルディスクに突き刺さった。
「…なんてな。」
突き刺さった手裏剣は、電子音を立て、それに対応するように、遊大のデッキのカードがパラパラとめくられていく。
「俺は戦闘ダメージは受けるが、デュアルソルジャーは破壊されない。さらにこいつの攻撃は、さらなるデュアルモンスターをデッキから呼び起こす!」
遊大 LP:3500→2300
「ああ?それがデュアルソルジャーのデュアル能力ってか?」
フィールドにぼおっと炎が立ち、それを切り裂くようにして、中から剣士が姿を表した。
「こい!逆巻く炎の剣士、《エヴォルテクター・シュバリエ》!」
エヴォルテクター・シュバリエ
☆4 1900/900
「おまえも中々姑息なことしたがるじゃないかよ?」
「へっ!先生、いま姑息と言ったが、最高のデュエルのためだったら、ひと芝居でもふた芝居でもうってやるぜ!エヴォルテクターシュバリエで、インヴェルズを呼ぶものを攻撃!エヴォルテックブレイズ!」
シュバリエの剣が炎に包まれ、インヴェルズを呼ぶものを焦がす。
「ぐっ…、デュアルモンスターねぇっ!」
ましろ LP:3000→2800
「どぉーーーだ!コレがデュアルモンスターの力だぜ〜!さらに俺は、カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
「私もやられっぱなしだと教師として顔が立たん。(立たせる気はないが)
私は、お前のエンドフェイズ時、500LPを払い、罠カード《侵略の波紋》を発動。」
ましろ LP:2800→2300
地面から粘質の黒い液体が染み出し、破壊されたはずのインヴェルズを呼ぶものが中から姿を表す。
「だァっ!せっかく破壊したのに!」
「ここまでのデュエルでお前のデッキはだいたいわかった。だから、私も年長者として、このデッキの本質をちょこっと見せつつ、お前を教育してやる。」
ましろ ー手札:4 LP:2300ー
「私のターン、じゃあ遊大、問題だ。私は今、《インヴェルズを呼ぶもの》を墓地から特殊召喚したが、なぜだと思う?」
「なぜって…デュアルソルジャーは戦闘破壊できないし、エヴォルテクターシュバリエも戦闘じゃ突破できないしな…、デュアルソルジャーに攻撃して、ダメージを与えるため?とか?」
ましろはまたため息をつく。
「…不正解だ。ま、正解はインヴェルズデッキの本質にあたるんだがな。」
遊大は回答のときから首を傾げたままである。
「…正解は…!」
フィールドに黒い胞子のようなものが蔓延し、やがてインヴェルズを呼ぶものを覆い隠すように集合し始めた。
「なんだ、なんだなんだコレ!?」
「…ォォオ…」
黒い胞子の中から、蛾のようなフォルムをしつつも、呼ぶものと同じように人型を保つモンスターが唸り声を上げながらフィールドに現れた。
「…正解は、アドバンス召喚だ。現れろ!《インヴェルズ・モース》!」
モースは羽を瞬かせ、黒い胞子をシュバリエとデュアルソルジャーに向けて飛ばした。
「召喚に成功したとき、LPを1000払うことで、フィールドのカードを2枚まで手札に戻す。さあ、その2体にはご退場願おうかな?」
ましろ LP:2300→1300
「グワァァ」
「ビィッ…」
デュエルディスクのフィールドから2枚のカードが弾かれ、遊大が手札に加える。
「(俺のフィールドががら空き…!だが幸い、手札は潤ってる。このターンは耐えるんだ…!)」
「さらに、だ。《インヴェルズを呼ぶもの》がインヴェルズモンスターのアドバンス召喚に使用されたとき、デッキから☆4以下の、新たなインヴェルズを呼び出せる!」
ウオオォォッ!、と何処からともなく叫び声が響く。すると、また黒い胞子の中から、今度は蜂のようで、やはり人型の黒いモンスターが飛び出してきた。
「特殊召喚。《インヴェルズの精鋭》」
インヴェルズの精鋭
☆4 1850/0
「お前のフィールドはガラ空きだ。まあ、このターンで負けたらお前、市の大会でも通用しないぞ?」
遊大は不敵に笑みを浮かべる。
「へッ!来てみりゃいいじゃないすか!」
「いい度胸だ。インヴェルズモースで、遊大をダイレクトアタック、黒死の鱗粉!」
黒い胞子が遊大目掛けて飛んでいく、だが、黒い波は、炎に包まれ、消えていった。
「耐えたか。まあこんくらいで負けてちゃあな。」
「耐えただけじゃないぜ!俺が発動したカードは《戦士の献身》!このカードは、相手の直接攻撃時、手札の戦士族モンスターを墓地に送って、その攻撃力ぶんだけ、攻撃モンスターの攻撃力をターン終了時までダウンさせる!」
「インヴェルズモースの攻撃力は0…シュバリエやデュアルソルジャーじゃないってことか?」
「俺が墓地に送ったカードは《フェニックス・ギア・フリード》!このカードが、俺を守ってくれたのさ!」
「おそらくエースモンスターっぽいカードで身を守る…なかなか追い詰められてんじゃないのか?お前。まあいいさ、インヴェルズの精鋭で、ダイレクトアタック!」
インヴェルズの精鋭が縦横無尽に宙を舞い、遊大目掛けてその針を突き立てた。
「ぐああっ!!」
遊大 LP2300→450
「私はカードを1枚伏せてターンエンドだ。
ンまあ、モースの効果で手札も潤ったことだろ。まさか、こんなとこで終わったりなんか、しないよな?」yt2
そう言って、ましろは遊大を上目で見つめる。
「ははっ、そんなわけないだろ
ひっくり返してやるさ!こんくらい!
(とは言ったものの、今の手札は《炎妖蝶ウィルプス》《ダーク・ヴァルキュリア》《エヴォルテクター・シュバリエ》《デュアル・ソルジャー》《サンライズ・ガードナー》《タイラント・プランテーション》…。さっきのターンに、正統なる血統でデュアルソルジャーを特殊召喚して展開したことと、そのモンスターをインヴェルズモースの効果で手札に戻されたこともあって、幸い手札は潤っちゃいるが、この手札じゃ攻撃力2400のインヴェルズモースは突破できない。このドローに賭けるっきゃなさそうだな…。)」
遊大 ー手札:7 LP450ー
「俺のターン!!」
遊大は、ドローしたカードに目を向け、笑みを浮かべた。
「待ってたぜ!このカードを!永続魔法、発動!《金剛真力》!」
「金剛真力?」
「このカードは、俺のフィールドにモンスターが存在せず、相手のフィールドにのみモンスターが存在する場合に効果が使えるカード!その効果で俺は、レベル4以下のデュアルモンスター《炎妖蝶ウィルプス》を特殊召喚できる!」
デュエル開始時には面倒そうな表情をしていたましろの顔にも、いつしか笑みが浮かんでいた。
「攻撃力1500のモンスターか…。ふふっでもお前、それで終わりじゃないんだろ?」
「もちろんだぜ先生!ウィルプスを、再度召喚!!」
色あせていたウィルプスの体が輝きだし、燃えたぎる、鮮やかな緋色の羽を広げる。
「再度召喚したウィルプスの効果発動!墓地に存在するデュアルモンスターを、再度召喚した状態で、特殊召喚する!」
ウィルプスの羽は、花火のように勢いよく飛び散り、フィールドに散りばめられた小さな炎は、やがて大きな緋色の渦となってフィールドを照らし出してゆく。
「不死鳥の翼宿し戦士よ。その剣で闇を切り裂き、色褪せた世界を赤く塗り上げろ!デュアル召喚!フィニックス・ギア・フリード!!」
炎の渦をその剣で裂き、紅と白の鎧に身を包んだ戦士が姿を表す。
フェニックス・ギア・フリード
☆8 2800/2200
「戦士の献身…わざと攻撃力の高いモンスターを墓地に送ったのは、この召喚のためってわけか…!」
「さらに俺は、罠カード《アサルト・スピリッツ》を発動!このカードは、自分フィールドのモンスターの装備カードとなって、ダメージ計算時に手札から攻撃力1000以下のモンスターを墓地に送ることで、その攻撃力ぶんだけ、装備モンスターの攻撃力をアップさせる!」
黄緑の閃光が、フェニックスギアフリードの剣を包み込み、炎を一体となって、さらに輝きを増していく。
「俺の手札には、インヴェルズモースの効果で手札に戻ったデュアルソルジャーがいる。これで事実上、ワンショットキルが可能!バトルだ!」
「やるじゃんか…でも、させないッ!私は、アドバンス召喚したインヴェルズモースを手札に戻すことで、罠カード《侵略の波動》を発動!」
フィールドに伏せられた罠カードがその姿を表す。
「この効果で、相手モンスター1体を選択して、破壊する!せっかく苦労して召喚したモンスターだが、悪いな。出番はない!」
黒い胞子が1つに集合し、熱を持った鉄のように、その黒い表面を不気味に光らせ、紫の閃光と共に弾け飛ぶ。
「…言っただろ先生、再度召喚したデュアルは強いってさ!俺は、フェニックスギアフリードの効果を発動!装備されたカード1枚を墓地に送ることで、モンスター1体を対象とする魔法、そして罠カードの発動を無効にし、破壊する!ゴッドブレイズ・ミラージュ!」
「…なっ!」
「バトルだ!フェニックスギアフリードで残ったインヴェルズの精鋭に攻撃!ゴッドブレイズクローズ!」
「…ったくしょうがない。私は、さらにリバースカードオープン、《侵略の手段!》このカードの効果で、デッキから《インヴェルズ・マディス》を墓地に送ることで、インヴェルズの精鋭の攻撃力を800ポケットアップさせる…!」
インヴェルズの精鋭
攻撃力1850→2650
「だが、攻撃力はこっちのほうがまだ上!ぶった斬れ!フェニックスギアフリード!」
火花を起こしながら、フェニックスギアフリードの剣とインヴェルズの精鋭の針がぶつかり合う。
やがて一瞬いるんだインヴェルズの精鋭の懐にめがけてフェニックスギアフリードが斬撃を入れ、精鋭の体は燃えながら真っ二つに分かたれた。
「…うわっ!!」
ましろ LP:1300→1150
フェニックスギアフリードの横に立ち、遊大が言った。
「どうだよ先生!俺のデュエルも、そこまで悪くないだろ?俺はこれでターンエンド!」
ましろ ー手札:3 LP1150ー
「…そうだな。私が思ってた以上に悪いわけじゃ無いらしい。」
ましろは手札のカード1枚を握ったまま、俯いていた。
「悪いな、遊大。このデュエル、私の勝ちだ。」
「ぇ…ァんだって!?」
「私は、《ヴェルズ・ケルキオン》を通常召喚!」
黒い胞子、というよりかは、先程まで召喚していたモンスターよりも青黒い、霧のような渦の中から、コツ…コツと足音を立てながら1人の戦士が現れた。
ヴェルズ・ケルキオン
☆4 1600/1550
その目を赤く光らせ、黒い渦の中から、手に触れることなく、《インヴェルズを呼ぶもの》のカードを厨に浮遊させた。
「召喚に成功したとき、墓地のヴェルズモンスター、《インヴェルズ・マディス》を除外することで、同じく墓地から《インヴェルズを呼ぶもの》を手札に戻す…。」
「インヴェルズじゃあない、ヴェルズモンスター?だが一体どうやって…。」
そのカードが紫色に発光し、インヴェルズを呼ぶものが再び姿を表す。
「ケルキオンのこの効果を使ったターン、私はもう一度、ヴェルズモンスターを通常召喚が可能。インヴェルズを呼ぶものよ、甦れ。そして遊大、私はいま勝利宣言をしたが、問題だ。」
遊大は、前髪をかきあげ、汗を1滴、ポタリと垂らす。
「…ど、どうやって勝つか、なんて問題にはしないでくれよ先生?正直、今の俺じゃ、その答えはわからねえ…!」
それを聞くと、ましろはまた、ため息を漏らした。
「…はァ。出題傾向はバッチリだが、その答えをわからなきゃ意味が薄いな…
」
そう言うと、フィールド全体が、冬のような冷気に包まれていった。
「さあ、反逆の吹雪をみせてあげよう…。」
つづく。
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57 | 0話 プロローグ | 901 | 1 | 2020-10-25 | - | |
48 | 1話 転入生 | 691 | 0 | 2020-10-25 | - | |
64 | 2話 巨竜の使い手 | 747 | 0 | 2020-10-31 | - | |
60 | 登場人物紹介 〜東雲中編〜 | 777 | 0 | 2020-11-04 | - | |
98 | 3話 黒き刺客たち | 861 | 3 | 2020-11-14 | - | |
75 | 4話 暗く冷たく | 653 | 0 | 2020-11-23 | - | |
64 | 5話 己の意思で | 657 | 0 | 2020-12-24 | - | |
65 | 6話 廃材の竜/炎の戦士たち | 643 | 0 | 2020-12-30 | - | |
51 | 7話 スタート地点 | 569 | 0 | 2021-01-15 | - | |
63 | 8話 タッグデュエル-その0- | 613 | 0 | 2021-01-21 | - | |
59 | タッグデュエル・チームデュエルについて | 562 | 0 | 2021-02-07 | - | |
57 | 9話 タッグデュエルー①ー 竜呼相打つ | 533 | 0 | 2021-02-09 | - | |
58 | 10話 タッグデュエル-②- 重撃 | 571 | 0 | 2021-02-09 | - | |
45 | 11話 託す者 | 542 | 0 | 2021-03-15 | - | |
60 | 12話 紫色の猛者 | 643 | 2 | 2021-04-10 | - | |
55 | 13話 死の領域を突破せよ! | 579 | 0 | 2021-04-13 | - | |
62 | 14話 協奏のデュエル | 604 | 0 | 2021-05-01 | - | |
71 | 15話 刹那の決闘 | 578 | 0 | 2021-05-29 | - | |
88 | 16話 リベリオス・ソウル | 583 | 0 | 2021-06-08 | - | |
62 | 17話 リトル・ファイター | 503 | 0 | 2021-07-22 | - | |
62 | 18話 強者への道、煌めいて | 470 | 0 | 2021-10-30 | - | |
57 | 19話 黒い霧 | 663 | 0 | 2022-01-02 | - | |
48 | 20話 大丈夫! | 428 | 0 | 2022-03-08 | - | |
75 | 21話 魂を繋ぐ龍 | 573 | 0 | 2022-04-03 | - | |
65 | 22話 原初の雄叫び その① | 535 | 2 | 2022-05-02 | - | |
48 | 23話 原初の雄叫び その② | 529 | 2 | 2022-05-04 | - | |
37 | 24話 焼け野原 その① | 382 | 2 | 2022-11-10 | - | |
35 | 25話 焼け野原 その② | 418 | 0 | 2022-11-11 | - | |
29 | 26話 蒼の衝突 その① | 357 | 0 | 2023-02-28 | - | |
31 | 27話 蒼の衝突 その② | 336 | 0 | 2023-03-24 | - | |
36 | 28話 憧れゆえの | 473 | 2 | 2023-04-15 | - | |
27 | 29話 黒い暴虐 | 228 | 0 | 2023-07-20 | - | |
42 | 30話 決闘の導火線 | 397 | 2 | 2023-07-30 | - | |
26 | 登場人物紹介 〜光妖中編〜 | 305 | 0 | 2023-08-03 | - | |
20 | 31話 開幕!決闘王杯! | 208 | 0 | 2023-08-12 | - | |
22 | 32話 ガムシャラ | 308 | 2 | 2023-08-25 | - | |
17 | 33話 目覚める龍血 その① | 235 | 2 | 2023-09-02 | - | |
24 | 34話 目覚める龍血 その② | 263 | 2 | 2023-09-06 | - | |
41 | 35話 雨中の戎 その① | 358 | 4 | 2023-09-19 | - | |
15 | 36話 雨中の戎 その② | 208 | 2 | 2023-09-23 | - | |
14 | 37話 チャレンジャー | 320 | 2 | 2023-09-30 | - | |
36 | 38話 心に傘を | 300 | 2 | 2023-10-07 | - | |
15 | 39話 龍の瞳に映るのは その① | 285 | 3 | 2023-10-22 | - | |
18 | 40話 龍の瞳に映るのは その② | 241 | 2 | 2023-10-26 | - | |
29 | 41話 花と薄暮 | 285 | 2 | 2023-10-30 | - | |
21 | 42話 燃ゆる轍 その① | 249 | 2 | 2023-11-07 | - | |
17 | 43話 燃ゆる轍 その② | 208 | 1 | 2023-11-09 | - | |
16 | 44話 襷 | 205 | 1 | 2023-11-14 | - | |
15 | 45話 星を賭けた戦い | 286 | 3 | 2023-11-17 | - | |
16 | 46話 可能性、繋いで その① | 251 | 2 | 2023-11-28 | - | |
27 | 47話 可能性、繋いで その② | 234 | 2 | 2023-12-07 | - | |
17 | 48話 揺れろ。魂の… | 185 | 2 | 2023-12-28 | - | |
18 | 49話 エンタメデュエル | 186 | 2 | 2024-01-07 | - | |
25 | 50話 乗り越えろ! | 240 | 3 | 2024-01-26 | - | |
38 | 51話 Show Me!! | 210 | 0 | 2024-02-01 | - | |
21 | 52話 モノクロの虹彩 | 276 | 1 | 2024-02-08 | - | |
20 | 53話 激昂 | 154 | 2 | 2024-02-22 | - | |
16 | 54話 火の暮れる場所 その① | 131 | 0 | 2024-03-02 | - | |
20 | 55話 火の暮れる場所 その② | 154 | 2 | 2024-03-07 | - | |
17 | 56話 赫灼の剣皇 | 193 | 2 | 2024-03-11 | - | |
23 | 57話 金の卵たち | 163 | 2 | 2024-03-18 | - | |
19 | 合宿参加者リスト 〜生徒編〜 | 138 | 0 | 2024-03-20 | - | |
16 | 58話 一生向き合うカード | 151 | 2 | 2024-03-24 | - | |
17 | 合宿参加者リスト〜特別講師編〜 | 109 | 0 | 2024-03-31 | - | |
21 | 59話 強くならなきゃ | 134 | 2 | 2024-04-03 | - | |
15 | 60話 竜を駆るもの | 70 | 0 | 2024-04-20 | - | |
12 | 61話 竜を狩るもの | 90 | 2 | 2024-04-22 | - | |
5 | 62話 反逆の剣 | 28 | 0 | 2024-04-26 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/03/23 新商品 QUARTER CENTURY CHRONICLE side:PRIDE カードリスト 追加。
- 04/27 02:03 評価 9点 《刻まれし魔の詠聖》「メインデッキの「デモンスミス」モンスター…
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
まあこんな感じで、バランスが壊れない程度にアニメの便利なカードを登場させていこうと思います〜。
投稿頻度は低いですが、楽しみ待っていただけると幸いです。 (2020-11-14 22:55)
主人公のデッキがデュアルというのが良い味出してますね。それもウォリアーズ・ストライクのカードが中心で、当時使っていた者としては感慨深いものがあります。
また読ませてもらいます。更新頑張って下さいね。 (2023-01-17 00:36)