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虹彩竜と歩むもの/第37話:戦術 作:光芒






☆TURN03


 林檎は悩んでいた。特殊召喚されたアリアとエレジーの効果によるシナジーは抜群で、この2体をまとめて突破できるカードなど精々対象を取らない破壊以外の除去が行える“氷結界の龍トリシューラ”くらいであり、デッキの性質上まず遊大のデッキにはそのカードが入っていないことはわかる。
 しかし、いくら守りを固めたところで相手のライフかデッキを0にしなければ勝つことができないのがデュエルである。アリアとエレジーによる守りは完璧であってとしても、その2体だけでは補えないものがある。

(高海君のフィールドには攻撃力2800で効果で破壊できない鋼炎竜に攻撃力2500でペンデュラムモンスターのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン。いくらでも持ちこたえることはできるけど、このままじゃジリ貧間違いなしじゃん……ああ、もうあのカードが来てくれないと……)

 それは他でもない「攻撃」という点である。エレジーの効果でエレジー自身の攻撃力は2300、アリアの攻撃力は1900まで上がっているのだが、それでは最上級クラスの攻撃力を持つモンスターを出されてしまえば攻めることができなくなってしまう。最もその弱点は使用者である林檎が一番理解していた。そのため彼女は一刻も早くこの状況を打破できるカードを引き入れたかったのである。

「私のターン、ドロー!……あっちゃあ……」

 ドローカードを見た瞬間、林檎は思わず天を仰いだ。そのドローカードを遊大のターンに発動させておけば、そもそも今の状況を遊大に作らせなかったのだから。

「音無さん?」
「……ううん、なんでもない。私はカードを1枚セット。アリアとエレジーを守備表示に変更してターンエンドよ」


林檎 LP6400 手札:3枚
デッキ:32 モンスター:2(幻奏の音女エレジー、幻奏の音女アリア)魔法・罠:3 墓地:2 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:14(0)
遊大 LP8000 手札:3枚
デッキ:31 モンスター:2(真紅眼の鋼炎竜 ORU:2、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン)魔法・罠:2(天空の虹彩)墓地:2 除外:0 Pゾーン:青/赤8(虹彩の魔術師)エクストラデッキ:14(2)


☆TURN04


「俺のターン、ドロー。俺は空いているPゾーンにスケール5の慧眼の魔術師をセッティング。そしてPゾーンの慧眼の魔術師の効果を発動。慧眼の魔術師自身を破壊し、デッキから魔術師Pモンスター1体をPゾーンに置く。俺はスケール1の竜脈の魔術師をセッティングするよ」

 いつもの遊大ならばこの時セッティングするのはスケール3の相克の魔術師であった。もし相克の魔術師をこの時Pゾーンに置けていれば効果も相まってこのターンでオッドアイズ・レイジング・ドラゴンのエクシーズ召喚に繋げられるため、一気に勝負を決めに行ける。
 しかし、相手モンスター2体が攻撃表示ならともかく、破壊耐性を持ったモンスター2体が守備表示ではオッドアイズ・レイジング・ドラゴンはその効果を活かすことはできない。それならば相手がカードを発動するたびにバーンダメージを与えられる鋼炎竜を維持しつつ、フィールドを固めるのが得策と考えたのである。

「スケール1と8……かなり広げてきたわね」
「でも対象を取らない破壊以外の除去をできるカードなんてそうはないからね。それでも勝つ手段はある! 俺は天空の虹彩の効果を発動、虹彩の魔術師を破壊してデッキからオッドアイズ・フュージョンを加えるよ。そして手札からオッドアイズ・フュージョンを発動! 手札の暗黒騎士ガイアとしても扱う暗黒騎士ガイアロードとフィールドのオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを融合させる!」
「オッドアイズを融合!?」
「“二色の眼の竜よ。竜を駆りし大地の騎士よ。今その命、その力を一つとし、天空へと舞い上がれ!!” 融合召喚! 来い!“天翔の竜騎士ガイア”!!」


※天翔の竜騎士ガイア
融合・効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2600/守2100
「暗黒騎士ガイア」モンスター+ドラゴン族モンスター
(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、カード名を「竜騎士ガイア」として扱う。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「螺旋槍殺」1枚を選んで手札に加える。
(3):このカードが相手モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。その相手モンスターの表示形式を変更する。


「天翔の竜騎士ガイアの特殊召喚に成功した時に効果を発動! デッキまたは墓地から“螺旋槍殺(スパイラル・シェイバー)”1枚を手札に加える!」
「させないわ! ガイアの効果にチェーンしてリバースカードを発動! 罠カード“アーティファクトの神智”!」


※アーティファクトの神智
通常罠
「アーティファクトの神智」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):デッキから「アーティファクト」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが相手によって破壊された場合、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。


「アーティファクト!?」

【アーティファクト】とは全てのモンスターが光属性・天使族・レベル5で統一されたモンスターであり、共通効果としてモンスターでありながら魔法・罠カード扱いとして魔法・罠ゾーンにセットすることが可能であり、相手ターンに効果で破壊されて墓地に送られた時に発動できる効果を持ったテーマだ。幻奏とはテーマとしての繋がりはないが、属性と種族で共通するため、同じデッキに組み込みやすいのだ。

「っ、相手がカード効果を発動したことでフィールドの真紅眼の鋼炎竜の効果を発動!」


チェーン3(遊大):真紅眼の鋼炎竜
チェーン2(林檎):アーティファクトの神智
チェーン1(遊大):天翔の竜騎士ガイア


「鋼炎竜の効果で500のダメージを受けてもらうよ!」

林檎 LP6400→5900

「このくらいどうってことないわ! チェーン2のアーティファクトの神智の効果でデッキから“アーティファクト-モラルタ”を特殊召喚するわ!


※アーティファクト-モラルタ
効果モンスター
星5/光属性/天使族/攻2100/守1400
このカードは魔法カード扱いとして手札から魔法&罠カードゾーンにセットできる。魔法&罠カードゾーンにセットされたこのカードが相手ターンに破壊され墓地へ送られた時、このカードを特殊召喚する。
相手ターン中にこのカードが特殊召喚に成功した場合、相手フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選んで破壊できる。


「アーティファクトモンスターは全て天使族モンスター。よってエレジーの効果で攻撃力がアップするわ!」

アーティファクト-モラルタ ATK2100→2400

「……チェーン1の天翔の竜騎士ガイアの効果でデッキから螺旋槍殺を手札に加えるよ」
「特殊召喚に成功したモラルタの効果を発動! 天翔の竜騎士ガイアを破壊するわ!」
「モラルタが効果を発動したことにより、鋼炎竜の効果。500ダメージを受けてもらうよ!」

林檎 LP5900→5400

 剣に付き従う青い幽霊のような霊体がその大剣を振り下ろす。融合召喚されたばかりのガイアであったが、振り下ろされた剣の一撃に駆っていたドラゴンごと真っ二つに切り裂かれてしまった。

「螺旋槍殺の効果で貫通攻撃を決めたかったんだけどな……」
「確かガイアの効果でこっちの表示形式を変更できるのよね? でも最初のターンにこのアーティファクトの神智を引けていればモラルタか“アーティファクト-デスサイズ”を召喚していたんだけど」
「……でも何もできないわけじゃない。バトル! 真紅眼の鋼炎竜でアーティファクト-モラルタを攻撃!“フレアメタル・ブレイズ”!!」

真紅眼の鋼炎竜 ATK2800 VS アーティファクト-モラルタ DEF1400

「幻奏モンスターじゃないモラルタは普通に破壊できる。そうだよね?」
「ええ、そうよ。最も守備表示だからダメージは発生しないけど」
「わかってるさ、バトルフェイズを終了するよ。メインフェイズ2に移るけど……できることはないね。ターンエンドだ」


林檎 LP5400 手札:3枚
デッキ:31 モンスター:2(幻奏の音女エレジー、幻奏の音女アリア)魔法・罠:2 墓地:4 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:14(0)
遊大 LP8000 手札:3枚
デッキ:27 モンスター:1(真紅眼の鋼炎竜 ORU:2)魔法・罠:2(天空の虹彩)墓地:5 除外:0 Pゾーン:青1(竜脈の魔術師)/赤 エクストラデッキ:13(5)


☆TURN05


「私のターン、ドロー!」

 片や鉄壁の防御、片やペンデュラム召喚による幾度となくエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できる。そんな二人のデュエルであるため、このデュエルは膠着状態に陥る―――と遊大と林檎の双方が思いかけた最中だ。それを打ち破るためのカードが林檎の下に舞い降りた。デュエルとは時に堰を突き破って流れる激流が如く、激しく動き出すものなのだ。

「来たっ! 私のフィールドに幻奏モンスターが存在する時、このモンスターは手札から特殊召喚できるわ! 来て!“幻奏の音女ソナタ”!」


※幻奏の音女ソナタ
効果モンスター
星3/光属性/天使族/攻1200/守1000
(1):自分フィールドに「幻奏」モンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):特殊召喚したこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの天使族モンスターの攻撃力・守備力は500アップする。


「特殊召喚に成功したソナタが存在する限り、私の天使族モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップするわ!」

幻奏の音女エレジー ATK2300/DEF1200→ATK2800/DEF1700
幻奏の音女アリア ATK1900/DEF1200→ATK2400/DEF1700
幻奏の音女ソナタ ATK1200/DEF1000→ATK2000/DEF1500

「エレジーの攻撃力が鋼炎竜に並んだ!?」
「エレジーとアリアを攻撃表示に変更してバトルフェイズよ! エレジーで真紅眼の鋼炎竜に攻撃!“幻音の哀歌”!」
「……迎え撃て、鋼炎竜! フレアメタル・ブレイズ!」

幻奏の音女エレジー ATK2800 VS 真紅眼の鋼炎竜 ATK2800

 愛らしい乙女の歌声と鋼鉄の竜の放つ炎が交錯し、やがて爆発を起こす。本来ならば攻撃力が同じモンスター同士の戦闘では双方相討ちになるのだが、この時倒れたのは遊大の鋼炎竜だけであった。

「エレジーはアリアの効果で戦闘では破壊されないわ! アリアで高海君にダイレクトアタック!“幻音の独唱”!」

幻奏の音女アリア ATK2400

遊大 LP8000→5600

「っ!」
「まだよ! ソナタでダイレクトアタック!“幻音の奏鳴”!」

幻奏の音女ソナタ ATK2000

遊大 LP5600→3000

「うわあっ! まさかこんな一気に……」
「へへっ、形勢逆転ね。私のフィールドの幻奏たちは個々の力は弱いかもしれないけど、互いで互いを支え合うことでより高い力を発揮する。例えるなら混声合唱団のようなモンスターなのよ」

 混声合唱とはその名が示す通り、男声と女声がそれぞれバス・テノール、ソプラノ・アルトに分かれて歌うことを指す。四つの異なる音階の声を見事に調和させることで一つの芸術を生み出すのだ。【幻奏】に属するモンスターたちは皆女性型モンスターであるが「特殊召喚」という条件下の下に異なる効果を持ったモンスターたちが足りないものを補い合う。そしてそれは大きなシナジーを生み出す。

「……合唱部の音無さんにはふさわしいモンスターだね。音痴の俺にはよく効くよ」
「あ、あの時は本当にごめんね? もしかして気にしてた?」
「……そのことでいじられるのはもう慣れっこだからどうってことはないかな。まあ、デュエルで負けることに慣れるつもりなんて更々ないけど」
「それは私も嫌。だからここで高海君に勝たせてもらうわ! バトルフェイズを終了し、メインフェイズ2に移行。と言っても私もやることないからターンエンドよ」


林檎 LP5400 手札:3枚
デッキ:30 モンスター:3(幻奏の音女エレジー、幻奏の音女アリア、幻奏の音女ソナタ)魔法・罠:2 墓地:4 除外:0 Pゾーン:青/赤 エクストラデッキ:14(0)
遊大 LP3000 手札:3枚
デッキ:27 モンスター:0 魔法・罠:2(天空の虹彩)墓地:8 除外:0 Pゾーン:青1(竜脈の魔術師)/赤 エクストラデッキ:13(5)


☆TURN06


「……俺のターン、ドロー!!」

 エレジー、アリア、ソナタの総攻撃力の合計は7200。ライフが初期値の8000であっても総攻撃を受ければ致命傷となるだけあって、遊大はこのターンでこの3体を無力化するかこの3体の攻撃力を上回るモンスターを召喚するしか生き残る術はなかった。しかし、遊大のデッキで攻撃力2800を上回るモンスターはそうは存在しない。

(このカードは……)

 そんな中、遊大がドローしたカードはこの試験の前に仁と話し合って初めて入れたカードだった。
 遊大は仁と「レイジング・ドラゴンだけでは対処できないモンスターを相手が出してきた時はどうするか?」ということで議論を重ねたことがあった。そんな時、一時的ではあるがそんな相手に対処するためのカードとして浮かび上がったのが遊大の提案した闇の護封剣と、仁が提案したこのカードだったのである。遊大と仁はそれぞれ互いが打ち出したカードを一時的にこのデッキに加えていたのだ。

(仁、ありがとう。仁のおかげでこのデュエル……俺の勝ちだ)
「俺は天空の虹彩の効果を発動! Pゾーンの竜脈の魔術師を破壊し、デッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン1体を手札に加える! そして手札を1枚捨てて魔法カード、ペンデュラム・コールを発動! デッキからスケール3の相克の魔術師とスケール8の相生の魔術師を手札に加えるよ!」
「相克の魔術師と相生の魔術師……やっぱりあのカードを出すの? でも私の幻奏たちはレイジング・ドラゴンでは突破できないわ!」
「うん。破壊できないとレイジング・ドラゴンの効果は活きない。だから……このカードを使う! 手札から速攻魔法“皆既日蝕の書”を発動!!」


※皆既日蝕の書
速攻魔法
(1):フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。このターンのエンドフェイズに、相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、その後、この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ相手はデッキからドローする。


「皆既日蝕の書!?」
「皆既日蝕の書の効果は対象を取らないし、破壊する効果でもない! よってエレジーとアリアの効果をすり抜けられる!!」

 遊大のフィールドに浮かび上がった赤銅色の書物の封印が解かれ、漆黒の光が林檎のフィールドへと降り注ぐ。その光を浴びた林檎のモンスターたちはまるで眠るように裏側守備表示へと強制的に変えられてしまった。
 表側表示の時に効果を得ていたモンスターは、当然裏側守備表示になればその効果は失われる。自身の効果で攻守の強化と強固な耐性を付与していた幻奏たちはまさに無防備な状態へとなってしまったのである。

「このターンのエンドフェイズに皆既日蝕の書で裏守備表示になったモンスターたちは皆表側表示になり、相手はそのモンスターの数だけドローできる。でもこのターンで終わらせればそのデメリットなんてあってないようなものだよ! 俺は手札からスケール3の相克の魔術師とスケール8の相生の魔術師をPゾーンにセッティング! そしてペンデュラム召喚! 手札とエクストラデッキより舞い降りよ! EMドクロバット・ジョーカー! 竜脈の魔術師! 2体のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 このペンデュラム召喚によって遊大のフィールドのカードの合計が林檎のフィールドのカードの合計を上回ったため、相生の魔術師のPスケールは8から4へと下がる。しかし、一度ペンデュラム召喚さえ決めてしまえばこのデメリットもやはり気にならない。

「俺はレベル4のEMドクロバット・ジョーカーと竜脈の魔術師でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!“竜と共に生まれ竜と共に育ちし魔女よ。その身に竜の力を宿し、全ての竜を守護する女王となれ!”復活の筝曲を奏でよ!“竜魔人 クィーンドラグーン”!!」


※竜魔人 クィーンドラグーン
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2200/守1200
レベル4モンスター×2
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、「竜魔人 クィーンドラグーン」以外の自分のドラゴン族モンスターは戦闘では破壊されない。
また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、自分の墓地のレベル5以上のドラゴン族モンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターンそのモンスターは攻撃できない。


「竜魔人 クィーンドラグーンの効果を発動! 墓地のレベル5以上のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する! 蘇れ、天翔の竜騎士ガイア! そしてクィーンドラグーンを対象にPゾーンの相克の魔術師の効果を発動! クィーンドラグーンにランクと同じ数のレベルを与える!」

竜魔人 クィーンドラグーン ランク4=星4

「そして相生の魔術師の効果! クィーンドラグーンのレベルをオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと同じレベルにする!」

竜魔人 クィーンドラグーン 星4→星7

「レベル7となったドラゴン族エクシーズ……まさかこの1ターンで?」
「そのまさかだよ! 俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとレベル7となった竜魔人クィーンドラグーンでオーバーレイ! 2体のドラゴン族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!! “二色の眼の竜よ。遥かなる天空より灼熱の炎を身に纏い、相対する者全てを焼き払え!” 降臨せよ、覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン!!」

 林檎がカードとカードの効果を組み合わせて戦術を披露するならば、遊大もまた林檎に倣って林檎の披露した戦術を上回るだけの戦術を披露する。それだけであった。

「覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン……対峙するのは初めてだけどこれはすごいね。相対しているだけでその力が伝わってくる……」
「正直使っている俺も怖いくらいだよ。でも俺はこの謎だらけのカードときっと打ち解けてみせる。オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果を発動! このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのカードを全て破壊する! そして破壊したカードの数×200ポイントこのカードの攻撃力をアップさせる!!」

 レイジング・ドラゴンの翼から放たれた熱線が林檎のフィールドに雨のように降り注ぐ。裏側守備表示になった幻奏たちはその耐性を失っているため、レイジング・ドラゴンの効果の前に為す術なく破壊されていくが、林檎のフィールドには魔法・罠ゾーンにセットされた状態で破壊された“アーティファクト-デスサイズ”が特殊召喚されていた。


※アーティファクト-デスサイズ
効果モンスター
星5/光属性/天使族/攻2200/守900
(1):このカードは魔法カード扱いとして手札から魔法&罠ゾーンにセットできる。
(2):魔法&罠ゾーンにセットされたこのカードが相手ターンに破壊され墓地へ送られた場合に発動する。このカードを特殊召喚する。
(3):相手ターンに、このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。このターン、相手はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。


 アーティファクト-デスサイズが相手ターンに特殊召喚に成功した場合、そのターン相手はエクストラデッキからの特殊召喚を封じられる。林檎は最初のターンにこのカードをセットしており、このカードを自身の効果で事前に特殊召喚できていれば、遊大の展開を防ぐことができていた。

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK3000→4000

「破壊されて墓地に送られたデスサイズを守備表示で特殊召喚するわ」
「デスサイズ……モラルタがあったら危なかった。でもこれで終わりだよ! バトル! オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでアーティファクト-デスサイズを攻撃!“螺旋のストライクバースト”!!」

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500 VS アーティファクト-デスサイズ DEF900

「これで最後! 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンでダイレクトアタック!“憤激のデストラクション・バースト”二連打!!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4000×2

林檎 LP5400→0







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から揚げ
いやあ、林檎は中々の強敵でしたね!アーティファクトを入れていた辺り、林檎がアリア・エレジーをエクストラデッキのモンスターなどで突破されない様に対策している所が感じられて素晴らしかったです!

ソナタの攻撃力上昇の効果を受けられるシナジーもありますし、もし林檎がオネストを引き当てていたら、かなり戦況が変わっていたかもしれませんね。

遊大の方も、アリア・エレジーの耐性の隙を突いて皆既日食で裏側にした上でレイジング・ドラゴンの破壊効果と2回攻撃を駆使して逆転勝利を収めていた所が、とてもカッコ良くて爽快感がありました!

仲間との相談で入れたカードで逆転する展開は本当に燃えますね!今回の様な使い方以外にも奈落に落ちそうになったペンデュラムモンスターを裏側にしながらオッドアイズ・フュージョンの素材にする事も出来ますし。仁のチョイスはとてもセンスがありますね! (2017-05-10 12:53)
光芒
から揚げさん
【幻奏】の弱点として突破力や除去能力の低さがあったので、それを補うための【アーティファクト】というわけですね。天使族同士のシナジーというのもありますが、林檎も自分のデッキに足りないものを理解した上でこの試験に臨んでいるということです。

>ソナタの攻撃力上昇の効果を受けられるシナジーもありますし、もし林檎がオネストを引き当てていたら、かなり戦況が変わっていたかもしれませんね。
本編に出てきたソナタのみならず、オネストやスコアといった戦闘補助モンスターも多いので、それを引けなかったところが林檎の運の尽きでしたね。

>仲間との相談で入れたカードで逆転する展開は本当に燃えますね!今回の様な使い方以外にも奈落に落ちそうになったペンデュラムモンスターを裏側にしながらオッドアイズ・フュージョンの素材にする事も出来ますし。仁のチョイスはとてもセンスがありますね!
確かにペンデュラムモンスターの奈落を回避する、という点でも皆既日蝕の書は使えますね。また互いのデッキに合うカードを遊大と仁がそれぞれ理解できているというところに二人の友情があります。もちろん彼らのデュエルにおけるセンスの良さもあるのですが……
(2017-05-11 01:43)

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15 第62話:暴露 200 2 2017-09-21 -
17 第63話:決意 245 4 2017-09-25 -
9 第64話:結束 230 4 2017-10-02 -
11 第65話:渇望 374 3 2017-10-07 -
14 第66話:証明 194 4 2017-10-13 -
12 第67話:空想 185 2 2017-10-16 -
11 第68話:魔鎖 198 2 2017-10-23 -
9 第69話:喝采 153 2 2017-10-27 -
10 第70話:胸愛 205 3 2017-11-01 -
13 第71話:点火 188 4 2017-11-07 -
7 第72話:誘惑 135 3 2017-11-15 -
14 第73話:憤怒 158 5 2017-11-18 -
11 第74話:反攻 128 2 2017-11-22 -
3 第75話:夢追 154 2 2017-11-27 -
5 第76話:剣閃 108 2 2017-12-02 -
3 第77話:膠着 72 2 2017-12-09 -
2 遊大たちが1月制限について語るようです 48 0 2017-12-11 -

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