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第十話・1 作:KOUBOU(旧名:光芒)




「え~っ!ゆいゆい、ゴールデンウィーク遊べないの~!?」

 大型連休を目前にして寮の部屋には遊舞の悲痛ともいえる叫びが木霊する。遊びたい盛りの女子高生にとって、祝日が続き学校が休みになるゴールデンウィークは何よりも待ち遠しいものと言っていいだろう。

「はい、連休中はプロの試合がありますから。あと仮に休みでもあなたとは一緒に過ごさないので」

 しかし、連休が続く行楽シーズンにおいて逆に忙しくなるのがアスリートやデュエリストに代表されるプロフェッショナルたちだ。彼らのようなショービジネスに従事する者たちは、客の入りが多くなる時期こそ仕事が増える。客を楽しませると同時に結果を残し、自らのステップアップへと繋げる。これは結衣にとってはまたとないチャンスなのだ。

「えっ、じゃあじゃあさ、天都 遊希やエヴァ・ジムリアとデュエルするの?」
「さんをつけてくださいさんを。残念ですが、私はあのお二人とはデュエルできないんです」
「なんで?」
「ランクが違うので」

 確かに大まかに言えば遊希、エヴァと結衣は同じプロデュエリストである。しかし、全てのデュエリストが横一線に並んでいるかと言えばそうではない。
 プロデュエリストの中にはランクが存在し、基本的にマッチングが成立するのは同じランクのデュエリスト同士なのだ。もちろん下位ランクであっても実力では上位ランクに行くデュエリストもいるだろう。それでもそこの区別はしっかりと為されている。
 例外としてはランクの入れ替え戦が存在し、上のランクの下位デュエリストと下のランクの上位デュエリストがデュエルをし、下のランクのデュエリストは勝てば負けた上のランクのデュエリストと入れ替わる形で上のランクに上がることができるのだ。

「プロデュエリストのランクには上からS、A、B、C、Dの5つのランクがあります。一部を除いて新人は最下層のDクラスからプロとしてのキャリアをスタートさせるんです」
「そっか、確かにメジャーリーグとかでもメジャーリーガーとマイナーリーガーは基本的に戦わないもんね。じゃあ天都 遊希とエヴァ・ジムリアは……」
「だから呼び捨てはやめてください。お二人はもちろんSクラスです」
「でもプロ辞めたんじゃなかったっけ?」

 結衣の言うように、遊希は8年前にプロを引退し、エヴァは学業に専念するため一時的にプロとしての活動にセーブをかけていた。引退を表明していないエヴァはともかく、遊希は一度その世界を去っているので、再度プロになった彼女はというと実質新人と大差ない。

「あの二人は特別ですよ。だって……」
「……権力ってやつか」
「なんでそうなるんですか。遊希さんもエヴァさんも、全世界のデュエリストが復活を心待ちにしていたんです」

 結衣の言った、一部の例外を除いて。それが遊希のようなそのランク相応の実力を持ったと認定されたデュエリストがプロに参入した場合だ。
 そういったケースの場合は、特別に飛び級でそのランクに配置される。遊希は実力はもちろん人気もSランクデュエリストトップクラスである。故に特例としてかつて自身がプロだった時に記録したSランクでの復帰が認められたのだ。

「この間二人のデュエルを見ましたよね? あの盛り上がりがその証拠です」
「アタシほとんど寝てたけどね……じゃあゆいゆいも早く二人のところに行かないとね☆」
「はい。だからこそ、今度のデュエルは私にとってCランクに上がるための昇格戦なんです」
「そっかー……☆」

 そう言ってニヤリと悪い笑みを浮かべる遊舞。ルームメイトとして一月近く共に過ごしてきた結衣は彼女のその笑みが意味するものが何なのかを早くも理解し始めていた。

「でもゆいゆい、アタシみたいな素人に負けちゃうようじゃプロとしてどうなのかな☆」
「……言うと思ってました。だからこそ、ゴールデンウイークに入る前にあなたに一度デュエルを挑もうと思っていました」
「そうこなくっちゃ!」

 連休直前ということもあり、デュエルフィールドの使用許可はたやすく取ることができた。閑散としたフィールドで遊舞と結衣が対峙する。

「言っておきますが、今までの私と思わないことですよ?」
「知ってる。ゆいゆい、いっつもカードと睨めっこしてたもんね☆」
「まあ同じ部屋ですからね。だからこそ私は負けられないんです!!」



―――デュエル!!―――



先攻:結衣
後攻:遊舞


結衣 LP8000 手札5枚
デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0 フィールド:0 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊舞 LP8000 手札5枚
デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:0 フィールド:0 除外:0 EXデッキ:15(0)


☆TURN01(結衣)

「私の先攻です。私は手札のフィッシュボーグ-ハープナーの効果を発動します! 手札のこのカードとゴーティスの妖精シフを見せ、うち1体を墓地へ送り、もう1体を特殊召喚します。私はシフを墓地へ送り、ハープナーを特殊召喚します。そして、私のフィールドに魚族モンスターが存在する場合《ゴーティスの朧キーフ》は手札から特殊召喚できます!」

《ゴーティスの朧キーフ》
効果モンスター
星2/水属性/魚族/攻 0/守1500
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドに魚族モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、その内のモンスター1体と自分の除外状態のレベル6以下の魚族モンスター1体を対象として発動できる。対象の相手のモンスターとこのカードを除外し、対象の自分のモンスターを特殊召喚する。
(3):このカードが除外された次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。除外状態のこのカードを特殊召喚する。

 結衣のフィールドには早くも魚族のチューナーモンスターと非チューナーモンスターが揃う。レベルの合計は6。

「私はレベル2のゴーティスの朧キーフに、レベル4のフィッシュボーグ-ハープナーをチューニング!」

☆2+☆4=☆6

「シンクロ召喚! 星の海より現れなさい! ゴーティスの大蛇アリオンポス!」
「うーん、やっぱり最初はアリオンポスだよね」
「わかりきっているのであれば、説明する必要はありませんね。S召喚に成功したアリオンポスの効果を発動します。デッキから魚族モンスター1体を除外します」
「おっと、じゃあそれにチェーンして手札から罠カード、無限泡影を発動☆」

チェーン2 無限泡影(遊舞)→対象:ゴーティスの大蛇アリオンポス
チェーン1 ゴーティスの大蛇アリオンポス(結衣)

「チェーンはありません。処理に入ってください」
「じゃあチェーン2の無限泡影でアリオンポスの効果は無効ね☆」
「無効にされることはある程度は想定済みです。墓地のシフの効果を発動。このカードを除外し、アリオンポスの攻撃力をターン終了時まで500アップします」

ゴーティスの大蛇アリオンポス ATK2100→ATK2600

「これでレベル8のS召喚に繋げられるけど……アタシのゲイルアイズたちはその程度じゃ止まらないよ☆」
「そうですね。あなたのデッキの突破力は非常に高いです。だからこそ、対策を講じる必要がありました。灯台下暗しとはよく言ったものですね」
「灯台下暗し?」
「ええ。あなたのデッキに対してこのカードを使えばいい、ということを考えていませんでしたから。私はまだモンスターを通常召喚していません」
「そういえばそうだけど……ここで何を出すの?」
「私はこのモンスターを召喚します!」

 結衣のフィールドに現れたのは蛙のようなを生物を象った水色の像。それを見た瞬間、遊舞は露骨に嫌そうな顔をした。

「うげっ」
「……ズルいと言って貰っても構いません。ですが、勝つためにはギリギリのラインを攻めることにしました。だからこそ、このカードに泣きつくことにしたんです。互いに水属性以外の特殊召喚、つまり風属性モンスターであるゲイルアイズのペンデュラム召喚をも封じる―――《豪雨の結界像》に」



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ヒラーズ
やはりありますよね。結界像!
壊獣とかでどかしていた記憶がが…

それはそうと、やっとゲイルアイズを使ったデュエルが出てくれるのを待ってましたぞ!今後の展開が楽しみです! (2024-04-19 18:47)
KOUBOU(旧名:光芒)
ヒラーズ様
実際に出されると厄介な結界像ですが、自分が使うと結構な確率通常召喚された相手モンスターに対処されている気がしますね。マスターデュエルでは禁止になった烈風の次くらいに見掛けたモンスターなので除去手段を備えておきたいですが。
(2024-04-23 16:18)

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