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第五話・5 作:KOUBOU(旧名:光芒)




☆TURN04(遊大)

「俺のターン、ドロー」

 迎えた4ターン目。デッキからカードをドローした遊大は対峙する遊舞を一瞥する。先程までは遊大を茶化すなど笑顔も見られた遊舞であるが、今の彼女の顔には怒りの感情が垣間見える。その理由はやはり遊大が前のターンに発動した禁じられた一滴だろう。
 禁じられた一滴自体は強力なカードであり、このカードは様々なデッキに採用されている。そのため、使われること自体遊舞からしてみれば文句を言う筋合いはないだろう。
 遊舞の怒りの原因はそのカードの発動タイミングにあった。遊大はセットしていた禁じられた一滴をテンペスト・ドラゴンのP召喚時に発動した効果にチェーンして発動しておけば、テンペスト・ドラゴンの効果による展開を許さず、アドバンス・ドラゴンやボルテックス・ドラゴンを戦線に維持することができていた。
 プレイングミス、ということもあるかもしれないが遊大ほどのデュエリストがそれを易々と犯すだろうか。【ゲイルアイズ】という本気のデッキを使っている自分を、遊大は風花 遊舞というデュエリストを侮っているのでは、という疑念が遊舞の中に生まれていたのだ。

(うーん、めっちゃ怒ってるね。でも、これプレイングミスでもなんでもないんだよなぁ……なんとかそれを証明しないと。それにしても……)

 遊大は口を尖らせる遊舞の姿にある人物を重ねていた。遠い異国で戦う憧れの人にして愛する女性。遊大は何故か遊舞にその人の姿を見出していた。

「俺は《強欲で金満な壺》を発動」

《強欲で金満な壺》
通常魔法
(1):自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。

「強欲で金満な壺……センパイって本当にデッキに愛されてるよね」
「愛されてるのかな? 運絡みだから安心できないけど。EXデッキのカード6枚をランダムに裏側表示で除外。そして2枚ドロー。俺は《EMドクロバット・ジョーカー》を召喚」

《EMドクロバット・ジョーカー》
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100
【Pスケール:青8/赤8】
(1):自分は「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターしかP召喚できない。この効果は無効化されない。
【モンスター効果】
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。デッキから「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター、「魔術師」Pモンスター、「オッドアイズ」モンスターの内、いずれか1体を手札に加える。

「ドクロバット・ジョーカーの効果でデッキから《相克の魔術師》を加える。そして魔法カード《EXP》を発動」

《EXP(エクストラ・ペンデュラム)》
通常魔法
(1):このターン、自分は通常のP召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにEXデッキからP召喚できる。

「EXP?」
「このターン、俺は通常のP召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにEXデッキからP召喚ができるようになった」
「でもEXデッキからのP召喚はEXゾーンに出さないといけない。今のままだと工夫しないと1体しか出せないよ?」
「そうだね、でも工夫すればいい。フィールド魔法・天空の虹彩を発動し、Pゾーンに相克の魔術師とアーク・ペンデュラムをセッティング」

《相克の魔術師》
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守 500
【Pスケール:青3/赤3】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。このターンそのXモンスターは、そのランクと同じ数値のレベルのモンスターとしてX召喚の素材にできる。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、フィールドの光属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。この効果は相手ターンでも発動できる。

「そして俺はEXデッキからオッドアイズ・プリーストを攻撃表示でP召喚! 攻撃表示でP召喚に成功したオッドアイズ・プリーストの効果を発動。墓地のアドバンス・ドラゴンを特殊召喚する。そして、俺はオッドアイズ・プリーストとアドバンス・ドラゴンをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! 現れよ、リンク2! 軌跡の魔術師!」
「軌跡の魔術師……!」
「L召喚に成功した軌跡の魔術師の効果をライフを1200支払って発動」

遊大 LP3250→LP2050

「デッキからPモンスター《オッドアイズ・ファントム・ドラゴン》を手札に加える。そしてEXPの効果で俺は再度P召喚を行う!」

 軌跡の魔術師のリンクマーカーは左下と右下に向いている。そのため、EXデッキからレベル4から7までのモンスターをP召喚できる。軌跡の魔術師のサーチ効果を発動した場合、遊大はP召喚をしない限りモンスターの効果を発動できないが、EXPなどでP召喚権を増やしておけばそのデメリットも踏み越えることができるのだ。

「俺はEXデッキからオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとオッドアイズ・プリーストをP召喚。軌跡の魔術師の破壊効果は発動しない」
(ここでも効果を使わないの? なんで……)
「そして軌跡の魔術師とドクロバット・ジョーカーをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン!現れよ、リンク3!《奇跡の魔導剣士》!」

《奇跡の魔導剣士(エクシード・ザ・ペンデュラム)》
リンク・効果モンスター
リンク3/光属性/魔法使い族/攻2000
【リンクマーカー:左下/下/右下】
Pモンスターを含む効果モンスター2体以上
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがL召喚した場合に発動できる。自分のEXデッキから表側のPモンスター1体を手札に加える。
(2):このカードの攻撃力は、自分フィールドのPモンスターカードの数×100アップする。
(3):自分・相手のメインフェイズに発動できる。自分のPゾーンのカード2枚のPスケールでP召喚可能なレベルを持つPモンスター1体を自分の手札・墓地から守備表示で特殊召喚する。

「L召喚に成功した奇跡の魔導剣士の効果を発動。ドクロバット・ジョーカーを手札に戻す。このカードの攻撃力は俺のフィールドのPモンスターカードの数×100アップする」

奇跡の魔導剣士 ATK2000→ATK2200

「そして奇跡の魔導剣士の効果! 自分のPゾーンのカード2枚のPスケールでP召喚可能なレベルを持つPモンスター1体を手札・墓地から守備表示で特殊召喚する!」
「……3回目のP召喚!?」
「P召喚とは違うし、出せるのは1体だけだけどね。オッドアイズ・ファントム・ドラゴンを特殊召喚!」

《オッドアイズ・ファントム・ドラゴン》
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
【Pスケール:青4/赤4】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンに「オッドアイズ」カードが存在する場合、自分の表側表示モンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。その自分のモンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで1200アップする。
【モンスター効果】
「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン」のモンスター効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):P召喚したこのカードの攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。自分のPゾーンの「オッドアイズ」カードの数×1200ダメージを相手に与える。

「フィールド魔法、天空の虹彩の効果を発動。オッドアイズ・プリーストを破壊し、デッキから《オッドアイズ・ファンタズマ・ドラゴン》を手札に加える。そしてPゾーンのアーク・ペンデュラムの効果を発動! デッキから2体目のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを特殊召喚! そしてペンデュラム・ドラゴンとファントム・ドラゴンでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! 来い、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン!」

 遊大のフィールドにはレベル7とランク7のドラゴン族モンスターが並ぶ。そしてPゾーンには相克の魔術師。この3体の並びを見て遊舞、そして結衣は遊大の狙いを理解した。

(まさか、これが狙い……!)
「俺は相克の魔術師のP効果を発動。アブソリュート・ドラゴンはこのターン、レベル7のモンスターとしてX召喚の素材にできる。俺はレベル7のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンとオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンでオーバーレイ! 2体のドラゴン族モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!!」



―――“二色の眼の竜よ。遥かなる天空より灼熱の炎を身に纏い、相対する者全てを焼き払え!!”――



―――降臨せよ!《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》!!―――



《覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン》
エクシーズ・ペンデュラム・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
【Pスケール:青1/赤1】
(1):1ターンに1度、もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。
【モンスター効果】
ドラゴン族レベル7モンスター×2
レベル7がP召喚可能な場合にエクストラデッキの表側表示のこのカードはP召喚できる。
(1):Xモンスターを素材としてX召喚したこのカードは以下の効果を得る。
●このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
●1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊し、このカードの攻撃力はターン終了時まで、破壊したカードの数×200アップする。
(2):モンスターゾーンのこのカードが破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。


「覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果を発動! オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手フィールドのカードを全て破壊する!!」

 遊舞のフィールドには3体のゲイルアイズモンスター、そして魔法・罠カードが3枚。ゲイルアイズというデッキはPモンスターおよび永続魔法・罠が多く、フィールドに残るカードが多い。禁じられた一滴の発動タイミングをずらし、それらのカードを敢えて遊舞に出させることで、覇王烈竜による破壊枚数を増やす。それが遊大の狙いだった。
 とはいえ、遊大がこのターンに強欲で金満な壺をドローし、強欲で金満な壺のコストで軌跡の魔術師と奇跡の魔導剣士、覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンのカードが除外されず、そしてドクロバット・ジョーカーとEXPをドローする。それらを全て成功させなければこの目論見は成立しない。随分とリスクの大きい賭けであるが、その賭けに勝てるのが高海 遊大というデュエリストなのだ。

「破壊するカードは6枚! よってレイジング・ドラゴンの攻撃力は1200ポイントアップ!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK3000→ATK4200

「破壊されたゲイルアイズ・ブロウダウン・ウィンドの効果でアタシはデッキからゲイルアイズモンスター1体を手札に加える。でも、もうアタシにできることはない……」
「これで決めさせてもらうよ。バトル! 覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンでダイレクトアタック! レイジング・ドラゴンは一度のバトルフェイズに2回攻撃ができる。"憤激のダブル・デストラクション・バースト”!!」

覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴン ATK4200×2

遊舞 LP7500→0










「……ごめんなさいっ!!」
「えっ?」

 デュエル終了後、遊舞から遊大にかけられたのは全力の謝罪だった。

「どうして謝るの?」
「アタシ、禁じられた一滴のタイミング間違えは遊大センパイが手を抜いたからって思ってあんなひどい態度採っちゃって……ちゃんと考えた上だったんだね☆」
「……まあそれはあった。ただ危ない橋だったから、次からはちゃんとするよ」
「でも、そんな賭けに勝ってデュエルにも勝つ遊大センパイ……アタシ、やっぱりそんなセンパイが大好きだよっ☆」

 そう言って前から遊大の首に腕を絡める遊舞。小さな子供が親にするならともかく、遊舞は遊大と年齢が1つしか変わらない。そんなに体格に差がない人間が不意打ちにも近い状態でそんなことをすればよろけずにはいられない。そしてそんなよろけた遊大の唇に遊舞はそっと自分のそれを重ねた。

「っ!?」
「へへっ、またちゅーしちゃった☆」
「な、な、な……! 遊舞さん!!! あなたという人は!!!」

 デュエルフィールドに飛び乗った結衣が遊大と遊舞を引き剥がす。結衣は目撃していないものの、これで遊舞が遊大にキスをしたのは2度目になる。それを知る由のない結衣は公衆の面前で、そういう行為に及んだ遊舞の頭をぐわんぐわんと揺らしていた。

「落ち着いて、脳震盪起こしちゃうから!」
「遊大さんも遊大さんです! 遊希さんという人がいながら!」
「それは悪いと思ってるから! それよりも二人に改めてお願いしたいことがあって―――」

 一方で、そんな男女三人のラブコメディーに近いやり取りを陸と仁はあくまで第三者という立場で見ていた。

「なあ、あの子アメリカ生まれなんじゃね?」
「その可能性はあるな、国籍は日本だろうが。保存完了」
「いや、いつ写真撮ったし」
「なに、これであいつを色々と」
「うわぁ」
(……風花 遊舞。本気で洗ってみても良さそうだな)





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