47枚目アモルファージ・ライシス　作：紅瑠璃

　蜜柑がイカみたいな敵に向かっていき、力いっぱいの連打を浴びせるがびくともしない。

「びくともしにゃいけど！」
「蜜柑さん！その杖を抜いてみてください！私たちはそのモンスターを知っているはずです！」

真保と蜜柑は別の世界から来た……その世界にはこいつがいたのか。蜜柑は真保に言われた通り杖を抜く。すると敵は消滅していった。

「ドリアード……あの森……」

これ以上黙っていることはできないと悟ったのかドリアードはあの森について語る。

「あの森は転生の森、そこのグレファーさんが探している光と闇の森でございます。先ほどの敵は知りません」
「あの姿……アモルファージのモンスターだった気がします」

　アモルファージ。その言葉にハクが一番反応した。気迫だけで殺してしまいそうなほどの勢いに私は後ろから羽交い絞めて何とか落ち着かせた。真保の解説によるとアモルファージは全部で8体。それらをまとめている奴がさっきの男、レクターだ。弱点かどうかはいまだに判明できないが突き刺さっている竜化の杖が有効らしい。だが、どこに潜んでいるのかまではわからない。

「ドリアード。奴らはこの森を支配するために来たと考えているの。だからさ、アモルファージを倒したいハク。そしてあの森に入りたいグレファー。この森を支配されたくないあなた。……言いたいことはわかるかしら？」
「……はい。少し考えさせてください」

そう言ってドリアードは奥の部屋に入ってしまった。ドリアード自身もアモルファージは倒してほしいがあの森は通らせたくないと考えているはずだ。しかし、自分1人では倒せない。そこでハクを筆頭に私たちに倒させ、森を救う。そのお礼としてグレファー1人だけを森に通す。そこまでは見えているはずだがそれでいいのか苦悩している。
　数分後ドリアードは戻ってきた。戻ってきたというにもかかわらず悩んだような顔をしている。重々しく口を開くまで約30秒あった。

「わ、わかりました……私はアモルファージを倒してほしい。そちらの白髪さんはアモルファージを倒したい。私はあの森を守りたい。そちらの剣士さんは森を通りたい……この話乗りましょう」
「話が分かってもらえて助かるわ」

～とある村～

ここはどこだろうか……そんなことはどうでもいい。俺はレクター――アモルファージを統べるものだ。今ここに8体目のしもべが誕生したと、祝いたいとこだが先ほどアモルファージ・キャヴムがやられてしまった……。しかし、そんなこともどうでもいい。確実にこの森は俺の領地になっていく。疫病で人は死に、モンスターは共謀になる。

「いけ！プレスト。ノーテス」

あの森の力で俺はさらに強くなるのだ。ゆくゆくは世界の――

「おやおやぁぁあ～？ずいぶんと楽しそうなことしているじゃないか」
「だれだ！」
「フロームだよ。君に興味を持ってねぇ～すこぉしだけでいいんだ、仲間にしてくれないかなぁぁあ？」

この女はいったい何者なんだ。どこから出てきた。いや、そんなことはどうでもいい……信用してはいけないが使い物になるかもしれない。俺は一時的にこいつを仲間にすることにした。