4枚目 下降潮流　作：紅瑠璃

「んみゅ～…んみゅ～…。」

蜜柑は城門の前をうろうろしていた。いつ帰ってきても言いように待っていた…しかし帰ってこない。何を待っているかは分かるだろう。宮野真保の帰りだ。トルマノ王国に手紙を出しにいったきり帰ってこない…王は昼頃に戻るだろうと言っていたが昼になってもそんな気配はしない。ただ時だけが過ぎていった。心配のし過ぎだろう…歩くのが遅いとかだろう…でも心配…。そこで捜索の為に王に許可を貰うことにした…兵を二人借りるのも含め…。するとすんなりと許可を出してくれ、兵を借りることが出来た。真保が通っておった門を潜り、トルマノ王国に続く森を歩いていく。すると目の前に壊れた橋が見えた。

「ねぇ…。この橋は壊れていたの？」
「いや、毎週末には見るが…最後に見たときは困難じゃなかったぞ」
「ねぇ…。この橋以外にトルマノに行く方法ってあるの？」
「あるが…かなり時間がかかるし…その道は安全とは言い切れない。」

多くの心配事が頭をよぎった…ここを中心的に調べた方が良さそうだ。とは言え橋が切れてる以外はわからない。下には激しく水が流れている…泳げない自分からしたら落ちたくない。まずは向こう岸に行くことからだろうか…いや、真保の事を考えるとそんな時間は取ってられない。蜜柑は少し後ろに下がると勢いをつけ、ジャンプする。

「はみゃーっ！」
「だ、大丈夫ですかっ！」

足を踏み外し着地ができなくなり落ちそうになるが崖に捕まり、なんとか落ちずに済んだ…。崖から上がると二人の兵に両手を降り無事を伝えた。そして大声でそちらの捜索を任せた。私はこちらの捜索をする。とは言ったもの木々がある位だ…何もない。私は少し深いとこに入ってみることにした…好奇心の１つと思ってもらえればいい。しかしその好奇心で真保の居場所が大体把握できることになるとは思わなかった…何せ真保のカードが置いてあったからだ…。

「DNA－003…。にゃっ！あそこにはDNA－002！にゃんでこんにゃとこに…。」

私は元の場所に戻り兵を見つけると現状を伝えた。すると兵のいるとこではDNA－EX007が見つかったらしい。嫌な予感はした…もう一度下を…川を見るとさっきまでは水の激しさを見ていたがそんな自分が嫌になる…川に点々と置かれている大きな岩に愚かな埋葬や蜜柑も見たことがないシンクロモンスターもあった。確かにここで真保が居なくなった…ではどこへ？この川に落ちていった…誰かの手によってこの川に落とされた…。蜜柑はまた大ジャンプして戻ってきて兵に質問をした。

「あの川何処に繋がってる…。」
「独り暮らしの男が居なかったか？」
「あぁ俺は見たことはないが他のやつらが噂してたな…。」

蜜柑は兵からDNA－EX007を受けとると崖に飛び降り大きな岩に着地する。そして真保のカードを拾っていく。そして下流を目指す。

「お、俺達…どうするか？」
「一旦王様に報告するか。」

～川～

「…濡れてる。真保…大丈夫かにゃ…もしかしたら…」

もしかしたらもう生きていないのか…。保護してもらっているのか心配のし過ぎで気が狂いそうだ。

～下降付近～

「ん、んぅ…」

冷たい…。誰かの声がする…。

「おい。大丈夫か？」
「ここは…。」
「ここは俺の家近くの川だ…俺はニルス。君の名前は？」

顔は中々いい男…ニルス。彼は私に名前を訪ねてきた…私は川の水を見る。そこには私自身が写っていた。緑色の髪…近くに眼鏡があった。私はそれをかけ、ニルスの質問に答える。

「私の名前…わからない。私は…誰？」

～蜜柑付近～

「ひぐっ…真保ちゃーん！どこー！」

私の頬に涙が流れているのがわかる。もしものことがあれば…。猫や犬はを死と言うものが敏感だ…。もし、真保が…そう思うだけで涙が出てくる。日が暮れてきた…。そんなことを気にすることなく私は必死に探す。

～闇の中～

この中はやはり暗い…。虚しく、悲しくなるほど。クロニアに紹介された部屋。自分が使う部屋の扉を開けると勝手にくつろいでる女がいた。

「クラヌゥ…どこ行ってたのかな？」
「なんだ…クユリル。俺が何処に行こうと俺の勝手だ…。」

俺の部屋で待ち伏せしたいたのはクユリルという女だ…。俺の体に引っ付くように近づくと俺の頭を抱いてきたが俺はそんな簡単な男ではない。クユリルを突き放すと部屋から追い出す。

「サイコデュエリスト…。」

またあの眼鏡の女を思い出していた。あの書物にもあった…悪魔の血…その書物は神話のような噺だが他の話と違いなぜか皆信用する。そう考えながら本棚から「悪魔の血」という本をとりだし目を通す…。