7枚目 サイコ・トリガー　作：紅瑠璃

引いたのは…とてもではないが今では使えないカードだ。

「モンスター１枚伏せる。…ねぇ…。本当にわからにゃいの？」
「何度も…」
「一緒にNo.を集めたよね…。タカミネ社長と渚町の危機を解決したよね？」
「くっ…うるさい！」
「私は信じてる…ターンエンド！」

私が伏せたカード…これが最後の希望だ。

「ドローっ！リンク2リンク4のモンスター２体を墓地に送り、リンク召喚っ！サイコ・エクスペリエント・トリガーッ！」

緑色の光が全身を走り、液体や煙を出し、気持ち悪い見た目をしていた。

「攻撃力は…3300よ…。死者蘇生発動し、ネットワークリンクス・ドラゴンを特殊召喚。バトル！ハイパー・ライブラリアンで攻撃。」
「私が破壊されたのは…タイニー・ホープ…戦闘で破壊されたとき、墓地の希望皇ホープを特殊召喚し、このカードをホープのエクシーズ素材にする。舞い戻れ！希望皇ホープ」

その姿…何度も舞い戻る希望…私は脳の奥底から映像かのように戻る。あぁ…そうだ…。思い出した…猫山蜜柑。希望皇ホープ。この世界に来た理由。全てを…思い出した。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトで攻撃。」
「希望皇ホープの効果発動！その攻撃を無効にする！素材として墓地に送られたタイニー・ホープの効果で自分フィールドのエクシーズモンスター全てはこのターン効果で破壊されない。つまり、希望皇ホープ自身の効果で破壊されない。」
「だけど、戦闘で破壊されるっ！ネットワークリンクス・ドラゴン…攻撃。サイコ・エクスペリエント・トリガーで攻撃！」
「うぅ…ふっ…けどライフはまだある！」
「蜜柑さん…このデュエル…勝ちは譲れないわ♪」
「んみゃ？」
「罠カードオープン…。氷結界の龍トリシューラを特殊召喚…攻撃。」

私はトリシューラの攻撃で負けた。しかし最後に私の名前をいった…と言うことは…思い出してもらえたのだろう。

「真保ちゃん！今、私のこと…。」
「何度でも舞い上がる希望…蜜柑さん…私思い出したよ。私の名前はセイリーンではない。宮野真保っ！」

私は安心するとかなりの疲労から倒れてしまった…

「寝ちゃった…。…ニルス…まだかな？」

私を保護してくれた男…ニルスは山に入ってまだ戻らない。一度にかなりの量の木材をとってくるからそれで遅いのだろう。私はニルスの帰りを待った。

～2時間後～

「セイリーン。戻ったよ」
「ニルス！…あのね…」

私は全てを話す。自分の記憶が戻った事。自分が何なのか。そう話してる内に蜜柑さんも起きてきたようだ。ニルスはそんな私の話を真剣に聞いてくれた。

「そうなんだ…宮野真保は旅立つのか…」
「はい。短い間…ありがとうございましたっ！」

ニルスに別れを告げ、歩き始めたとき兵士たちが迎えに来てくれた。その様子にニルスも驚くが直ぐに状況を理解すると手を振ってくれた。私は返すように手を大きく振った。私は皆に感謝している…特に蜜柑さん。必死に私のために…。

「ありがとう」
「んみゅ？」
「何でもないわ♪」

私たちはグリムゴート王国に帰るのだ。

～オジネクス～

ここはオジネクス…。特徴的なことは…そうだな。コロシアムがあることだろう。他の王国と違うことは１つの大陸にここオジネクス以外にないことだろうか。

「国王…失礼します。…何かお呼びか？」
「ラギル…何度も言うように言葉使いをだな…それよりどうだね？あのコロシアムで大会を開こうじゃないか。そこで君にも出てほしい。」
「あー。それはどれぐらいまでやればいい？」
「準決勝以上の人の命は助けようかと思ってな…それより下は良い。」
「なぜ、準決勝より下はよくて、準決勝以上はダメなんだよ！最後までやらせろ！」

ラギルは国王にそんな口ぶりをした。かなり怒っているのか…。そこに国王が宥める。

「まぁ待て。一応命の尊重は守るべきだろう。とは言えまだ企画レベルだが…優勝者には私の大事な宝を…ただの宝ではない。この世の全てをかけても値などつけられない宝をだな…」
「そんなことで俺を呼ぶなよ…まぁそのコロシアム…面白そうだから出てやるよ」

そういってラギルは王室を出て、自分の部屋に戻る。ラギルの後ろから闇が立ち込め、二人の影が出てくる。

「あんな口を叩いて殺されないなんて信用なのか…流石ですねラギル隊長。」
「クラヌゥ～あとでデートしてぇ♪」
「なんだクラヌ…クユリルも…。俺の王はオスクリタ様だけだ。あんな国王早く殺りてぇよ！」
「それはそうとあの王の宝…星の源の可能性がある。強引にとらずにおとなしく優勝でもすればいいんじゃないか？」
「ねぇーぇ！クラヌゥゥ～。」
「それはそうと何のようだよ」

ラギル…オスクリタという闇の存在に支える者の一人。とても難いがよく力は誰よりもありそうだが頭が悪そうだ…俺はオスクリタ様から受けた命を話した。俺達のメンバーみな表向きの仕事がある。クユリルは踊り子として仕事しているようだ…。俺はこうして命を全うするために来たというのにクユリルは興味本意で着いてきた…俺にたいしてだろう。まぁクユリルがいれば仕事は早い。このオジネクス王国からヴァルコニア王国は海を渡らなければならない…俺はクユリルがあまりにもしつこいためそのデートと言う奴に付き合うしかなかった。