38枚目 H－ヒートハート　作：紅瑠璃

今俺の手札は電子戦闘機・エアーとデュアル・ユニオン、デュアル・スパークの三枚のみ。
デュアル・ユニオンはデッキからユニオンモンスターを特殊召喚する効果。それ以外に何もない。てか、ユニオンだから装備から解除することができる…何て思ったが装備したばっかしだ。解除出来ない。二枚伏せてエンドする。

「あなたのエンドフェイズに異次元からの埋葬発動。除外されているバイオゲノム・ドッグ、キャット、ドルフィンを墓地に戻すわ。さぁって…ドロー！バイオゲノム・ドラゴンの効果発動。ドッグとバードを除外する」
「デュアル・スパーク発動。俺は電子戦闘機・ライジングを破壊して、ドラゴンを破壊する」
「チェーン解除でドラゴンは破壊され、あなたは１枚ドロー。次に、効果は無効にされてないのでドッグとバードを除外する。最後にドッグで１枚ドロー。バードは最後の伏せカードを手札に戻す。さぁって…手札のモンスター１枚を墓地に送り、バイオゲノム・オクトパスを特殊召喚。さらにバイオゲノム・カメレオンを特殊召喚。バイオゲノム・オクトパスとバイオゲノム・カメレオンは共にレベル3でチューナーではないが…墓地にはバイオゲノム・キャットがいる…」
「無理矢理チューナーにするってか…」
「バイオゲノム・カメレオンの効果でキャットを除外。さらにバイオゲノム・オクトパスでドルフィンを除外する。それぞれ効果は省かせて貰うわよ！バトル！バイオゲノム・オクトパスで攻撃！攻撃力は800！バイオゲノム・カメレオンで攻撃攻撃力は1600！さてと…シンクロ召喚！レベルは6…来て！バイオゲノム・クラーケン！」

また、【バイオゲノム】シンクロモンスターの効果でドッグが墓地に送られ、真保はバイオゲノム・クラーケンに攻撃命令を下した。その攻撃力は2200…。なんか…あっさり負けたな…俺。

「ふふっ楽しかったわよ…ラス！」
「こっちはワンマンショーくらってるんだよな…」

急に真保はふらつくとスイッチが切れたように正常に戻っていた。俺は真保がふらついて倒れないように手を握っていた。

「っ！？…あ、ありがと…。そしてなんか…ごめん」
「あ、あぁ。確かに驚いたよ。実際、周りの反応がそれだった。でもよ…真保はスゴいよ！バイオゲノムってシンクロのやりたいこと大体出来るんだろ？まだあるんだろ？取って置き」

確かに取って置きはある。レベル12のバイオゲノム・ケルベロス。こいつはチューナーの【バイオゲノム】モンスターと【バイオゲノム】シンクロモンスター２体…計３体で出せる。効果は…いや、今教えるのはよそう。あとバイオゲノム・フェニックス。チューナー１体以上とチューナー以外のモンスター１体以上で出せる。こいつも今は言わないでおこう。

「次、デュエルするときはその取って置きを出させてやる！だから、またデュエルしようぜ…」
「えぇ。喜んで…」
「そうだ。いつ、ここを離れるんだ？」

その質問にアスナさんが入ってきた。

「明日には出るわ。…ふっ。それまでは自由よ」

ふっ。ってなに？なぜ笑った？わからないがラスは「取って置きの場所に行こうぜ。」と言い、私の手をそのまま引きながら走った。

「元気ねぇ……」
「あつあつだにゃぁ…」

～とある岬～

私はラスに手を引かれとある岬にやって来た。夕暮れの明かりが綺麗だ。こんなとこで二人っきり……何をするのか。

「なぁ、あのときの返事……聞いてもいいか？」
「あのときの返事？」

思い出すとそれは……そうだ。ラスに好きだと告白されたのだ。私はそれを答えてない。彼は悪い人ではない……カッコいいか問われると首を傾げてしまう。でもお姉ちゃんは言っていた。好きは理屈ではなく本能だと。

「わ、私の何処が……」
「ひとめぼれだよ。好きに理由があったら嫌だろ？」
「……そうね。ラス……私はあなたが……」

私はラスに答えをいった。そして彼は私に近づき……あぁ、熱い情熱的な……でもどこか甘い味が唇に感じる。

～出発時～

結局私は夜遅くまであの岬にいた。

「にゃぁにゃぁ～夜にゃ夜にゃ、にゃぁにしてたのかにゃぁ～？」
「にゃが多い…。にしても年端もいかぬ女の子が夜までいちゃつくなんてね」
「い、いちゃついてません！」

だが、顔が赤い…。船出の際にはラスは来なかった。それでも子供や大人に感謝されながらの船出となった。とは言え真保はある岬を見つけ、大きく手を降る。ラスが要るのだろうか。真保の方を再び見ると頬を赤く染めて胸を押さえ、唇を指でなぞっていた。その時点で完全に理解し、アスナとアイコンタクトした。

「なぁに頬を染めてるの？」
「な、何でもありません！」
「チューってね！」
「ぬわっ！？//」

子供だな……可愛いわ。からかうのが楽しい。

「へー。そーんなことしてたのね」
「隅におけにゃいにゃぁ～」
「「ラブラブゥ～。」」
「乗せましたね！ズルいです！」
「大人は……」
「ズルいから。にししっ♪」

酷い話だ。私はムッとして蜜柑さんを船から突き落とす。当然蜜柑さんは泳げない。助けを求めてる。

「ふっ。早く助けてあげなさい。次の場所は……ドラゴニア島よ」

はぁ……。結局私はドラゴニア島に行くのか。ハク……私の友達。あそこはドラゴニア村、アマゾネスの村等、数々存在している。さて、蜜柑を引き上げ、向かうとしよう。