22枚目 幻影霧剣　作：紅瑠璃

「蜜柑さん…気を付けて。」
「ミカは強いから♪」

今日は決勝戦だ。しかし辺りはボロボロ…コロッセオのように損傷が激しい。私の相手はもちろんの事サーチェス。そんな彼と決勝を決める種目…デュエルだ。

「蜜柑…お前とデュエル出来るとはな…。」
「サーチェス…優勝は私が貰うよ！」

観客席には王様や一般の人。私達は優勝を決めると同時に見せるデュエルをするのだから簡単にはやられない…お互いにカードをセットする。このデュエルディスクは私の為にと真保が持ってきたものだ…私専用のデュエルディスク…響きが良い。

「私からいくよ！…私は「忍者マスターHANZO」を召喚。効果で「忍法 変化の術」を手札に加える。私はその「忍法変化の術」を見せることで「黄昏の忍者－ジョウゲン」を特殊召喚！２枚伏せてターンエンド！」
「俺のターン。ドロー。」
「忍法変化の術を発動。忍者マスターHANZOをリリースし、デッキからレベルが7以下の…そう！ダーク・シムルグ…特殊召喚。」
「…。」

止まった…彼のデッキは魔法罠を伏せることで動くのか？だとしたらこれはかなりのダメージだ。なにせダーク・シムルグはセットさせない効果をもつ。

「俺は…ダガー・セイバーを召喚し、ターンエンド。」
「ドロー。…そんにゃ、攻撃力500…即倒してやるよ！EM五虹の魔術師をペンデュラムスケールにセッティング！」
「…五虹？」

観客席のアスナは隣に座る真保に声をかけた。

「真保…五虹の魔術師って？」
「昨日読んでないのですか？…魔法罠をセットしていなければお互いに攻撃も効果も使えません。一枚でもセットしていれば良いですが…サーチェスは１枚もセットされてないので効果が使えない。セットしようにもダーク・シムルグでセット出来ない。」
「厄介ね…ん？でもセットではなく発動なら突破できるわね。」

アスナさんは何か突破口を見つけたのか再び蜜柑さんとサーチェスのデュエルを見た。

「バトル！黄昏の忍者－ジョウゲンで攻撃。」
「…。」
「続けてダーク・シムルグ！…エンド」

〈サーチェス:3800〉
〈蜜柑:8000〉

「ドロー。…罠カード…バック・キル・セイバーを発動！」
「うみゃ！？セットしていにゃければ使えにゃいはず！」
「このカードは墓地に「セイバー」と名のつくモンスターが存在し、自分の場にカードが存在しない時のみ手札から発動できる。相手フィールドの魔法、罠を１枚対象に破壊する。俺が選ぶのは…忍法変化の術。」
「みゃ！？」

アスナさんは私の隣でボソッと「上手い」と言う。確かにダーク・シムルグは「忍法変化の術」によって特殊召喚された…。その忍法変化の術が消えればダーク・シムルグも消える。

「俺は四枚伏せ、エンド」
「ドロー。忍者マスターHANZOを召喚。」
「伏せていたファントム・キル・セイバー発動。それにのせモンスター・キル・セイバー発動。ファントム・キル・セイバーの効果で１枚ドロー。モンスター・キル・セイバーの効果でフィールドのモンスター１体を対象にし、効果を無効にして破壊する。当然、忍者マスターHANZOを破壊だ。」
「サーチさせにゃいのか…ぐにゅにゅ…黄昏の忍者－ジョウゲンで攻撃。」
「手札のフラッグ・セイバーの効果発動。直接攻撃宣言時に守備標示で特殊召喚。その後、自分の魔法罠カードをすべて破壊する。」
「ふ、ふっーん。自壊したにゃぁ…」
「甘い…そんな程度では俺は倒せない！」

フィールドの魔法、罠は破壊された…しかしモンスターが増えている。どう言うことだ？

「俺が破壊したのは「アンデット・キル・セイバー」…破壊されるとモンスター扱いで特殊召喚される。これらを守備標示で特殊召喚。」

罠モンスター…。私はジョウゲンでフラッグ・セイバーに攻撃した。相手のフィールドのモンスターは２体…。ターンエンドを宣言し、相手にターンを譲った。

「ドロー。カード１枚セット。さらに、永続魔法、魂の祭壇を発動。墓地のファントム・キル・セイバーを除外して発動。デッキから戦士族モンスターを手札に加える。俺はオーシャン・セイバーを手札に加える。アンデット・キル・セイバー２体を生け贄に、オーシャン・セイバーを召喚する。」

攻撃力2800…そんな攻撃力なら800しか受けない…しかし、気になるのが魂の祭壇。

「バトルだ…オーシャン・セイバーでジョウゲンを斬れ！」
「…私は機甲忍法ブリーズ・ロック発動！バトルフェイズを終了だ！」
「エンド。」

お互いに引かない…ライフ的には蜜柑が勝っているが精神的にはお互いに強いため勝敗がわからない。

「真保…サーチェスのデッキは面白いわね…。罠モンスターとアドバンス召喚を使用するなんて…。」
「はい…。魂の祭壇….あれはどのような効果ですか？」
「真保達の世界にはないのかしら？…アドバンス召喚したモンスターはこのターン、生け贄にしたモンスターの数分攻撃回数を増やせるのよ…もし、蜜柑が止めなかったら3回攻撃を受けてたでしょうね。」
「そんな強いカード…。サーチェスはまだ奥の手があるように…」
「さぁね…でも気を緩ませたら終わりよ。」

蜜柑…私はどうやって2800を越えようか…。私はカードを引く。…魔封じの芳香…今はこれじゃない。私はマジック・プランターを発動した。墓地に送るはブリーズ・ロック。２枚ドロー…

「…来た。私はジョウゲンをリリースして、黄昏の忍者将軍－ゲツガをアドバンス召喚。」
「…アドバンス。」

この手を使えばオーシャン・セイバーを破壊できる。幸い、墓地にはレベル4が２体…出すときだ。私の希望を…！