15枚目 カイザーコロシアム　作：紅瑠璃

私…猫山蜜柑は時間になる前に到着し、再度手続きをし、正式にエントリーをした。中には時間になるまで待機している参加者がいた。皆難いがよい…体格差で負けてしまいそうだがそれは見た目の判断。遠くにサーチェスを見かけたが私は知らないふりして時間になるのを待った。

～開始時間～

コロシアムの開始時間となった私は案内に従うまま向かった…ルールとしては最初にA～Dの班に分けられ、その班内で1位を決めるらしい。会式の時に国王と呼ばれた人が「とっても迷ってなぁ～どうしたものか悩んでたんだ」何て言っていたからすごい悩んだのだろう。その後も3分ぐらい話していたが時間の都合により下げられた。ちなみに私はC班だ。最後にA～Dの1位同士で争い、勝った者に先祖代々伝わる「ヴァルキリーの心臓」と言う宝玉を授けるらしいが今までは賞金だったと言い何故今回は宝玉を授けるのかまた長ったらしく話していたが…正直飽きた。そんな長い話が終わり、A班の試合が始まった。

～客席～

「あの国王…話長かったですね。」
「そうね…。てか、蜜柑はいつに出てくるのかしら。」

私…アスナ・キルディムと隣に宮野真保は蜜柑の姿を見に来たのだが蜜柑がどこで出てくるのか分からないため飽きてきた…まだA班の試合が始まった頃なのに早いと思うだろうか？あぁ早いと思う。にしても…面白いほどに人が倒れていく。倒してるのは名前は知らないが力だけはありますって感じだの男だ。回りの観客が応援する時に「ラギルさん行けっ！」等と言うからラギルと言うのだろう。無双と言う奴だな。あっさりとその班で1位となった。続いてB班の試合だが、ふとしたときに前方を見たときに…私は目に写ってしまった。

「真保…ちょっと席開けるわ」
「え？これからB班の試合で蜜柑さん出るかもしれないのに？」
「う、うん…すぐ戻るわ。」

見つけた…見つけた。あの姿…。
その相手は私に気づいたのか知らないが奥へと姿を消した。私は急ぎ、人の気がしないとこで呼び止めた。

「見つけたわよ…。ドラゴディウス…ドラゴノックス！」
「んあれ？赤髪の姫さん」
「奇遇だね…。でも僕達忙しいんだ。」
「そうね…。あの世で懺悔をしなくちゃいけないからねぇ。」

私は腰につけてる鞘からレイピアを抜き出し構える。剣先にいる相手はドラゴディウスとドラゴノックス。この二人はノグス王国とサンムニル王国の人々を無差別に殺し、互いが戦い、散るのを高みの見物をしていた。

「てやぁっ！」

私はレイピアをドラゴディウスに誘うとするが避けられドラゴノックスが攻撃をする。私は1対1に分ける作戦に出た。どうするか？私はサイコデュエリストだ。しかもカードに実体を与える能力。その能力で私は「妖精物語－ボーイ」を召喚し装備魔法「妖精鍵物－金と銀と鉄の斧」を装備させた。この能力…私がサイコデュエリストだなんて公には言えない。私はドラゴディウスを…「妖精物語－ボーイ」はドラゴノックスを相手にした。

「サイコデュエリストだったんだ…悪魔の血だ。」
「うるさいっ！私が悪魔の血を受けてようが使い手によるわ。」
「んぐっ…そうだね。でも世間的にどう思われるのかなぁ例えば…ヴァルコニア王国の民は認めるのかな？」
「あんた…野放しには出来ないわね。」

自分がサイコデュエリスト何てバレたくない。私は何故か「悪魔の血」と言う本を思い出した。

「「妖精鍵物－七人のドワーフ」発動！」
「な、なに！コイツら…。」

これでドラゴディウスの動きを封じた。止めをさせると思ったがそれができない。急激に心臓が痛みだしたからだ。私は立つことが出来なかった。理由はわかる。カードを召喚、発動をし過ぎたのと出したカードが消滅するタイムリミットが近かった からだ。まだ私は未熟だ…ちゃんとこの能力を使えてないのはわかってる。この能力を有意義に使えれば今ごろこいつだけでも倒せてただろうに…。

「自分の能力を把握しきれてないね」
「はぁ…はぁ…。まだ…動けるわよ」

私はまたレイピアを構えるが背後から武器を当てられた。

「発動者が弱ってくると出されたカードも弱くなる。君のカードは消滅したよ。」
「アスナさんっ！」

呼ばれた方を見てみると真保の姿があった。彼女の姿を見るとドラゴディウスとドラゴノックスは姿を消した。追いかけたくても体が重い、痛い、動かない。

「何があったんですか！」
「大丈夫よ。さて…蜜柑の勇姿を見なくちゃね…。」
「いや、その…それがAからD班の1位が決まって…次の試合は午後からなんですよ。」

～コロシアムの外～

決勝戦は午後からで休憩が入った。蜜柑とは待ち合い室みたいな所で会うことが出来た。

「にゃーんで見ててくれてにゃいの！ミカ頑張ったのに！」
「悪いって…でも決勝まで行くなんてスゴいじゃない。」
「ふっふーん。ミカはスゴいから！」

決勝まで行ったのはラギル。サーチェス。蜜柑。ホッグス。だと言う。正直A班以外は見てないから言葉があまり出てこない。だから「頑張れ」しかない。それでも蜜柑はにへらっと笑い向かう。

～待ち合い室～

「おめぇさん。サーチェス…だったか？」
「誰だ。」
「俺はラギル。国王の部下でね…。」

とある待ち合い室でラギルはサーチェスに話しかけた。

「おめぇさん。今回のヴァルキリーの心臓って宝玉を手に入れてどうするんだ？」
「宝玉…そんなものには興味がない…。誰かを守る力が欲しいだけだ。」

力…。その言葉にラギルはにやつくがその顔はサーチェスにはちょうど見えない。

「確かにおめぇさんは強いがまだまだだな。俺が手を貸そう。力を手に入れることを約束しよう。」

その言葉にサーチェスは足を止めた。