10枚目 荒野　作：紅瑠璃

「信じてください！あなたなら分かり合えるでしょ！」
「いや、それが嘘だとは思わないのかね？全く…甘い王女だことよ。」

私は真っ先にノグス王国の王に交渉をして見たが無理そうだ…と言うか今の私は囚われの身だ。確かに甘いな…。どうやら私を人質にヴァルコニアの兵士を動かそうとしているようだが無理なことだ。まぁそうなったら私の首をはねるのだろうが…私は絶望しない。

「さてと…この王女を何か利用したいな…。」
「そんなこと考えてるならこの戦を平和に終わらせることを考えてください！」
「平和に…サンムニル王国を壊滅させる…それが我々にとっての平和だ。すぐに兵を向かわせろ。ついでにヴァルコニア王国も壊滅させてやる。」
「それは許さない！」

ヴァルコニア王国を襲うことはヴァルコニア王国の民を愛しヴァルコニア王国の民に愛された私が許さない…しかし私を巻いているこの縄は外れそうにない。外れたところで私の隣にいる3名の兵士に斬られる。こんなとこで使うのか…。戦の時にカードを持ってくる奴はいないが私は数枚持ってきている…持ってこなくてはいない。私はの指は幸運なことにカードに当たる。この位置はな「妖精物語－ウルフ」だろう。

「現れて…」

私が集中してる中、私の回りにいた兵士が倒れ始める…見ると血を流して即死だ。何が起きたのか…少なくとも私でもなければヴァルコニア兵士の仕業ではない。もちろんノグスの王は驚いていたがこれをサンムニル王国の仕業だと思い込んだのか進軍の命を下した。

～サンムニル王国側～

「何っ！ノグス兵が進軍だと！おのれ…こちらも兵を向かわせろ。」

ノグス兵が進軍したことによりサンムニル兵も進軍をしたが…先ほどまで何があったのかはもちろんサンムニルの王は知らない。そんな様子を笑う二つの影があった…

「これだから面白い」
「光なんて簡単に闇に変わる。」

～ノグス王国側～

私は簡易的な牢屋に閉じ込められた。簡易的と言っても中々出られそうにない。見張りは一人…いける。私は…サイコデュエリスト…。カードに実体を与える能力。私は手に触れたカードに能力を注ぎ込む。

「現れて…。」
「ガルルッ！」

現れたのは「妖精物語－ウルフ」。「妖精物語－ウルフ」は牢屋を砕き、見張りに襲い掛かる。さらにもう１枚能力を注ぎ込む。

「現れてっ！」

現れたのは「妖精物語－ボーイ」。彼は見張りから剣を奪うと私を縛っている縄を斬ってくれた。

「ありがとう…。これ以上は召喚できない…。皆っ行くよ！」

私は妖精物語－ボーイと共に妖精物語－ウルフの背中に乗り大地を駆ける。戦場では両国の争いが起きていた。

「やめろ…。」

血を血で流すような争いは止めて欲しい。同じ大陸に済む仲間ではないのか…。

「止めろ」

私はこのような状況で何を思っているのか…。私以外わからないだろうが、人々が死ぬこの戦場を…。私は叫ぶ。声に行動に出し終わらせる。

「やぁぁめろぉぉっ！」

この言葉に戦場は次第に静かになる…。いつ私に矛先が向けられるかわからない状況。私はさらに叫ぶ。

「あなた達の行動は無駄よ！この争いは無駄に人を殺してるのよ！」

私の声は届いたのだろうか…それはわからない。しかし、信じられないことが起きたのは事実。突如闇が戦場の真ん中に沸き立ったのだ。

「シラケることしないでよ。」
「私たちのゲームを邪魔しないでよ。」

明らかに見た目だが子供だが闇から出てきた時点で普通ではない。その子供は二人いて、一人は男でもう一人が女だろうか。

「あーあ。つまんないな。」
「このゲーム、ドローだね。せっかく両方の国を襲撃したのに」

この二人がノグス王国とサンムニル王国に攻撃をしたのか。もちろん両国の矛先はその二人だが、二人は笑いながら闇の中へと戻っていく。闇が閉じる前に二人の声がまた聞こえる。

「僕たちの名前を教えてあげるよ！僕はドラゴノックス」
「私はドラゴディウス！…じゃぁね！赤毛の王女さん♪またゲームが出きるといいね！」

結局この二人の仕業となって両国は理解あった。お互いが誤解をしていたことを反省し、今後ともより良い関係になれるように進歩する…そう話し合いこの戦は終わりを迎えた。戦後のこの地は荒野とかした。

～数日後～

ドラゴディウスとドラゴノックスがこの地を放れてからよい方向へ戻っていく。私はこの出来事を蜜柑と真保に伝えると焦る様子を見せたが蜜柑が信用されているかもう一度勝負を頼んできたが私には最初っから気づいていた。この二人は信用できると…。そう伝えると蜜柑は何処かホッとした顔をした。

「さて、出発をしたいけど…ごめん！あと3日待って！」
「にゃにをするのさ？」
「王位を譲るの！妹にね…。」
「あ、あの…空いた時間で構いませんが…この世界のデュエルを教えてほしいのと…私のデッキを…あの…下さい。」
「あ、あら？デッキを持ってなかったのね…。わかったわ…そちらの支度をする。」

私はそういって二人を空いている部屋に案内し、そこを好きに使うように言う。さて、仕事が多くて嫌になる。私は笑みを溢し、廊下を歩き出す。