35枚目集いし願い　作：紅瑠璃

私は倒したボマーに近づき、色々と聞き出そうとしたが彼は不思議に笑う。 なぜだかすぐにわかった。揺れている…彼は爆破装置をセットしていて今それを使った。

「お前らは生きて変えれない！生き埋めになるからなぁ！」

そういって闇を使い、その中へと逃げていく。

「真保！早くみんなを！」

真保とラスを乗せた古代の機械混沌巨人は巨大機械を倒しきり、人々は機械兵を倒した。多くの犠牲はある…戦いとはいつもそうだ。人々は子供らが乗ってきた移動型機械…何と言ったか…ドリルライナーだったか。それに乗り込み地上を目指す。私達も地上を目指す…。

～闇の中～

「…そぉれーでボロボロにやられたと。」
「あぁ…クユリルはどこだ！」
「あぁのーこなら、次の任務に言ったわよ。クラヌと共にね。」

俺の…ボマーの手当てをフロームがする。クユリルは作戦を放棄して逃げた。

「なぁあーら…次は私が行こうかな。」
「策はあるのか？」
「なぁあーい。」

なかった…。それよりもまったりとしたしゃべり方をどうにかしてほしい。俺はフロームが医学、生物学以外に何ができるのか知らない。出来ないのかもしれないが良く頭がいいやつは能力を隠す。

「任せよう。」

その言葉を待っていたのか不気味に微笑むフローム・ゲーテ…。

～シムアテ～

外に脱出し、逃げることに成功したようだ。オードレアンを通り抜け、シムアテに戻ってきた途中遠くで同じような町を見つけたがそれはアンブルと言う町らしい。オードレアン同様に襲われた町…シムアテは幸いにも被害は少なかったが移住民が多かったと言う。さて、今の事を伝えるとするなら再会だ…誰と？離ればなれになった両親との再開だ。中には謝る子供…泣き出す子供…赤子のように離さない子供。しかしその心の中には嬉しいが強い…私は…宮野真保はそう見た。一人一人の願いが…子供に会いたい。親に会いたい願いがここに集った。

「子供達嬉しそうですね…。」
「そりゃぁ産みの育ての親ですもの…あぁ…シャーシー会いたぁいぃ～」

アスナさんが妹のシャーシー・キルディムの事を思うが私は宮野真保は姉の事を考えていた。料理はできない…力づくで解決しようとする…問題ばかり作り出す…言葉が少なくあまり主張しない…だが、家族思いの宮野京子の事を考えていた。

「帰りたい…そう考えていた？」
「蜜柑さん…それは禁句ですよ。それより、再会できなかった人もいるようですね…。」
「それは悲しい…ミカもわかるよ。」

蜜柑さんの頭には何が出てきたのだろう…野良猫時代に世話になったおばあちゃんの事だろうか。ラス・オントが私に近づいてきた。彼は親に会えたのだろうか…聞こうとはしたが口には出さなかった。

「その…ありがとう。お前たちのお陰で再会できた。そりゃぁ会えなかったやつもいるけど…平和が戻ってきた。そう感じるよ。その…真保…デュエルの再戦を申し込みたい。ほら、途中で邪魔が入っただろ？」
「…わかった。でもこの村が落ち着いてからで良い？その間はここにいるからさ。」

アスナさんの顔を見ると「勝手に決められた…」見たいな顔をしていた。どうせ何も考えてない旅だから足を止めるぐらいどうってことないだろう。私は再戦を約束した。ラスの話によるとこの大陸の近くに遺跡があると言う…その遺跡は誰かの手によって崩れかかっているらしい。私はその手の話には興味ないがアスナさんが横から「ラス…案内して頂戴！」と割ってきたためそちらに向かうことにした。遠くでラスに手を降る男性と女性…あぁ。両親に会えたのか…私はとても安心した。