37枚目 デュアル・ブースター　作：紅瑠璃

まぁマシになったシムアテをみてラスと真保は何か二人で話している。何やら楽しそうだ。

「にゃんだ？あんにゃ経験にゃいの？」
「男の子とはなかったわね…。ハクっていう女の子とは仲が良かったわね」
「その子はいまどこに？」
「ドラネシア島にある小さな村にいる…はずよ」
「にゃらさ！次はそこにしようよ！」

蜜柑にとってはよかれと思っての提案だろう…しかし私は約束を破った。大事な約束を私は破ったのだ。

「今更…」

蜜柑はそのあとを聞こうとしなかった。この子はそういう所を敏感に感じ取っている…それはそれで嬉しいことだ。

「何話してるの？さぁ、私とラスのデュエルを見ていってよ」
「え、えぇ」

二人はデュエルディスクを構える。すると子供達はデュエルをするのかと周りに集まり、それを見守る大人も集まる。

「さぁ、いくぜ！俺のターン。俺は手札から電子戦闘機・エアーを召喚。こいつはデュアルモンスターで今は通常モンスター扱いだが、手札からユニオンモンスターの電子支援機・ランドをフィールドの電子戦闘機・エアーに装備」

【電子戦闘機】に装備した【電子支援機】の効果により通常モンスター扱いになっている電子戦闘機モンスターを再度召喚した扱いにする。

「エアーはデュアル召喚されているため自身の効果により戦闘では破壊されない！」

エアーはデュアル召喚されると戦闘耐性がつくのか。それでも真保の表情は変わらない。真保にターンが周り、ドローフェイズ…スタンバイ、メインまできた。

「手札のモンスター１枚を墓地に送り、バイオゲノム・キャットを特殊召喚。同様の方法でバイオゲノム・ドッグを特殊召喚。バイオゲノム・キャットの効果を発動。自分の墓地のカード１枚を除外する。バイオゲノム・バードを除外する。除外されたバイオゲノム・バードの効果によりフィールドのカード１枚を持ち主の手札に戻す。電子戦闘機・エアーを戻す！」
「またこれか」
「面白味がなくてごめんなさいね。バイオゲノム・キャットはレベル2尚且つチューナー。バイオゲノム・ドッグはレベル3…この２体でシンクロ召喚。レベルは5…来て！バイオゲノム・グリフォン！【バイオゲノム】シンクロモンスターはシンクロ召喚された場合除外されているカードを１枚墓地に戻す。除外されているバイオゲノム・バードを墓地に戻す。さらに【バイオゲノム】シンクロモンスターの墓地のカードを除外する効果は１ターンに二回使える。私はバイオゲノム・ドッグとバイオゲノム・キャットを除外する」

１ターンが長い…シンクロは樹形図のように長い。また、１体を出すのに3通り…多くて10通りある。瞬時の判断と計算は真保の得意なものだ。

「ドッグの効果で１枚ドロー。キャットの効果で自分フィールドのモンスターにチューナーを与える。手札のモンスター１枚を墓地に送り、バイオゲノム・ライオンを特殊召喚。ライオンの効果で墓地のバイオゲノム・ドルフィンを除外する。ドルフィンは除外されたターンのバトルフェイズ中に１度、シンクロ召喚ができる。バトルフェイズ！バイオゲノム・グリフォンで攻撃。攻撃力は2500…バイオゲノム・ライオンは攻撃力1600よ」
「4000近く持ってかれたな」
「まだよ！除外したバイオゲノム・ドルフィンの効果でバトルフェイズに１度、シンクロ召喚できるんだから。私はチューナーとなったレベル5のバイオゲノム・グリフォンとレベル3のバイオゲノム・ライオンでシンクロ召喚。レベルは8…来て！バイオゲノム・ドラゴン！」

攻撃力は3000…これが通ればラスのライフは900となる。バイオゲノム・ドラゴンの効果が発動した。真保はバイオゲノム・ドッグを墓地に戻し、攻撃してきた。もちろん防ぐ手だてはない。

「うぐっ！」
「私はバイオゲノム・ドラゴンの効果をしようし、ドッグを除外する。除外されたドッグの効果によりデッキから１枚ドロー。１枚伏せてターンエンド」
「それ、名称１ターンないのかよ…。ドロー。電子戦闘機・ライジングを召喚。手札から電子支援機・オーシャンをライジングに装備！オーシャンが装備されているためデュアル召喚されている扱いとする。だからライジングは効果により二回攻撃ができる」
「しかし、あなたのライジングは攻撃力1800…私のバイオゲノム・ドラゴンは攻撃力3000」
「確かに…難しいな」

俺は悩んでいると真保は急に笑い始めた。どこかで聞いたことあるがサイコデュエリストには何かしらの気持ちの【スイッチ】がありそれは狂気、狂喜、恐縮、凶器と様々らしい。

「ふふっ……相手を力でねじ伏せる快感は良いわねぇ！残りラインが少なかろうが容赦しないわ！ラス！」

子供たちも困惑している。いきなり人格がかわればそうなるわな。そんな真保にビビりつつもこの状況を打破しないといけない。ちょいとブースターかけるしかない。