23枚目 宝玉獣ルビー・カーバンクル　作：紅瑠璃

「ゲツガを特殊召喚…カード１枚伏せて、ゲツガの効果を発動！自身を守備表示にして、墓地の忍者を特殊召喚する。２体の忍者マスターHANZOを守備表示で特殊召喚する。さらに、２体の忍者マスターHANZOの効果でデッキから忍者モンスターを手札に加える。私は機甲忍者フレイムと黄昏の忍者－シンゲツを手札に加える。レベル4の忍者マスターHANZOでエクシーズ！来て…No.39…希望皇ホープ！」
「希望皇…？」
「コレが私の希望…勝利への希望だ！」

観客席の私…真保は安心した気持ちになった。希望の光…希望皇ホープがフィールドに現れる。あのホープは思いでのある１枚だ。

「それでも俺のオーシャン・セイバーの攻撃力は2800…300ほど足りないな。」
「カオスチェンジ！CNo.39希望皇ホープレイ…さらに、シャイニングチェンジ！SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング！」
「２回ほど乗せたな…。」
「ホープ・ザ・ライトニングでオーシャン・セイバーに攻撃。そのとき、効果発動。素材二つ取り除き、攻撃力を5000にする。さぁ！2200のダメージを受けにゃ！」
「やった！残り1600。このまま押せれば！」
「真保ちゃん…甘いわ。彼はまだ隠してるわよ…見てみなさい。あの顔。負けた顔じゃない…。」

私…宮野真保の隣でそう呟くはアスナさん。蜜柑さんとサーチェスのデュエルで盛り上がってるのか楽しそうだ…そしてどこで買ったのか知らない飲み物を飲み始めた…。

「あの…その飲み物…どこで…」
「そこの売り子からよ。ナツリコ味よ…飲む？」
「は、はぁ…。いただきます。…ココナッツのような味ですね…」
「ココナッツ？そちらの世界のものかしら？」

ナツリコ…ココナッツのような味がした。ナツリコは私たちの知ってるココナッツで良いだろう。その間にもサーチェスはドローフェイズを終え、メインフェイズを向かえていた。

「俺は伏せていたウィンド・キル・セイバー発動。お互いの魔法、罠をすべて破壊する。その後、俺は相手フィールドの破壊したカード１枚につき、１枚ドロー。逆に蜜柑。お前は俺が破壊されたカード１枚につき、１枚ドローする。」
「サーチェスの破壊されたカードは１枚だから１枚ドロー。けど、サーチェスは２枚ドロー。ぐにゅにゅ…。」
「カードを3枚伏せ、エンドだ。」

また、伏せカード…しかし、ホープで攻撃すれば終わりだ…私が勝つ！

「ドロー。黄昏の忍者－シンゲツを召喚。ゲツガを攻撃表示に変更し、バトルフェイズ！」
「はぁ…ナイト・キル・セイバー発動！」
「このタイミングで！？」
「お互いのモンスターをすべて墓地に送る。その後、墓地に送られたカード１枚につき、相手の手札をランダムに墓地に送る。もちろん、エクシーズモンスターはエクシーズ素材も墓地に送られたカードとしてカウントする。」
「ということは…全部で5枚。」
「ならば、お前の手札を5枚墓地に送る。この場合、全てか。」

合計10枚墓地に送られてしまった。蜜柑の手札、フィールドにはカードはない。しかし、これだけではなかった。サーチェスの墓地からオーシャン・セイバーが特殊召喚されたのだ。私はターンを終了した。

「ドロー。…バトル！オーシャン・セイバーで攻撃。」
「ぐみゃぁぁ！」
「オーシャン・セイバーが相手にダメージを与えた場合、墓地からセイバーと名のつく魔法、罠カード１枚を魔法、罠ゾーンにセットする。俺はアンデット・キル・セイバーをセットする。エンドだ」
「ドロー…。」

機甲忍者アース…どうする？特殊召喚するか？次のモンスターを待つか？待てばやられる。特殊召喚すれば破壊され、次に繋げない。

「タ、ターンエンド…。」
「焦ってるな。ウィンド・キル・セイバー発動、ファントム・キル・セイバー発動。ファントム・キル・セイバーで１枚ドロー。ウィンド・キル・セイバーで全て破壊し、お前は２枚ドロー。さて、破壊されたアンデット・キル・セイバーの効果でモンスターとして特殊召喚。ファントム・キル・セイバーの効果で除外し、戦士族モンスター１体を手札に加える。俺はグランド・セイバーを手札に加える。永続魔法…魂の祭壇を発動！フィールドの２体を生け贄にグランド・セイバーを召喚。」

攻撃力3000…。どうすれば…。

「魂の祭壇の効果により、このターン。アドバンス召喚されたモンスターは生け贄にしたモンスター１枚につき、１回攻撃回数を増やせる。合計9000のダメージ…受けるが良い。」
「あにゃ…ま、負ける。」

私は9000ダメージを受け、負けた。ワンショットキルだ。 勝者はサーチェス。

～閉会～

「ヴァルキリー杯…優勝はサーチェス！サーチェスには1.000.000シリングとヴァルキリーの心臓を贈呈します。」

サーチェスはヴァルキリーの心臓という宝玉を受け取った。

「うみゅー…」
「仕方ないよ…。サーチェスは強かった！」
「蜜柑さんも強いですよ！」
「…蜜柑。お前はこの宝玉を欲しかったんだよな…やるよ。宝玉には興味ない。かといって売ると言う気にもならない。それならお前にあげようと思う。…受け取ってくれるか？」
「みゃー！ありがとう！」

蜜柑がサーチェスから宝玉を受け取ったとき、宝玉を中心に赤く光出す。その光は天にも上った。燃えるかのようにルビーのような宝玉が光る。それは獣にも見えそうな勢いだ。

「この光…まさか…。」
「アスナさん！知ってるのですか？」
「…神話でね…破壊と想像と維持の物語…。一人の神は精神と身体を３つに分けた。それが破壊神…想像神…維持神の３体。さらに、それぞれ3つずつ合計9個に命を分けた。その神話が本当なら9つの一つはこのヴァルキリーの心臓ってことよ。」

しだいに光は弱まり、静かになった。

「蜜柑…」
「9つの１つ…。サーチェス、ありがとう。」
「どうやら、退屈しない旅になりそうね。」

その後、私たちはこの国をでる仕度をした。色々あったがたのしい生活だった。

～港～

「あの船を使うのね…。」
「あの事件があって船がつかないんですって。まぁ捨てても良い船とはいえありがたいですって…。」

提供された船は小型の船…いやもう船と言うかボード？見送ってくれる人の中にはサーチェスもいた。

「サーチェス！あにゃたも私たちと旅をしようよ！」
「…妹の方が先だ。だが、仲間には数えてくれるか？」
「うん！ミカとサーチェス…仲間だよ！」

お互いの拳を合わせ、蜜柑は船に乗る。蜜柑はオジネクス国を両手を降り、さよならを告げた。

「ところで次の目的地は？」
「ふっふっふっ…ない！」

アスナさんの堂々としたまでの答えに唖然。とりあえず隣の島国を目指すことにしてみた。

「ところで…あなたのデュエル…面白いわね…でもね…」

先程のデュエルの反省会が始まった。次の目的地までは長い。ゆっくり、ゆったり過ぎず急ぎすぎない程度に楽しむ…それが旅なのだろう旅なのだろう。夕日を目にして真保はそう感じた。