たまにはこんなの書かせてくれ②　作：ター坊

事前注意
①裏設定・本編では書きにくい事などの小話的、サイドストーリー的なものです。
②時間軸はある程度無視されてます。
③出来映えにムラあり

以上がＯＫな人はどうぞ



Ⅰ　まさかの邂逅

お昼時の盛雄の自宅・トントン飯
盛雄父「おい、盛雄！五番テーブル片付けろ！」
盛雄「わ、分かったよぉ！」
ｶﾞﾗｶﾞﾗ
盛雄「あ、いらっしゃいm」
遊路「え？盛雄？お前ここでバイトしてるのか？」
盛雄「い、いえ。ここは父ちゃんの店で…」
遊路「そうか。案外世間は狭いもんだな。…美味かったら行きつけにしても良いか？」
盛雄「は、はぁ…」
数日後
客「すいませーん！カツ丼１つ！」
客「こっちは２つ！」
客「なぁ知ってる？」
客「知ってる知ってる！あの風峰プロが美味しいって言ってたお店だよね」
盛雄「す、すごい反響だぁ…」




Ⅱ　聖恋学園出場前

部室
姫華「ＺＺＺ…」
美桜「かぁっー。姫華は余裕っちゅう感じやな」
薫「まぁ甲子園のメンバー選抜戦って言っても部長と姫ちゃんとおれでほぼ決まりでしょ？ほれほれ～」
薫は眠っている姫華の鼻先辺りに細長いグミをちらつかせる。
姫華「ん…はむっ」
薫「あはは、おもしろ可愛い♪姫ちゃん一本釣りってタイトルで撮ろ」
美桜「…これでウチらの最終兵器なんてウソみたいやなぁ。ごっつう強いんは認めるけどな」




Ⅲ　宝物

とある夜、魅河荘の一室でのこと。そこには寄り添い合うようにベッドに横たわる遊路とルナテシアがいた。事を一旦済ませた二人はほぼ生まれたままの姿で、熱く甘い吐息を漏らしながら休んでいた。未だに火照る体の温度と汗とは異なる特有の匂いがお互いの興奮をなかなか冷めさせてくれない。
「はぁ…はぁ…。出しすぎです…」
「ルナが可愛いからさ。それに後ろでシたからデキないって」
遊路がしっとりとしたルナテシアの銀髪を撫でる。
「ん？」
「どうしました？」
「いや、シュシュのフリフリが解(ほつ)れてるなぁって。買い換えるか？」
「えっ…いえ」
「そっか。気に入ってくれてるんだ」
「はい…」
ルナテシアがプライベートでも仕事中でも付けているシュシュ。それはただの髪留め以上の意味があった。

～数年前～

「ルナテシアさん」
それを渡されたのはある昼休み、不意のことだった。
「これは…」
ルナテシアが渡されたシュシュは黒と紫を基調としたものでラメ入りのレースが可愛いらしくも甘すぎない、そんなデザインだった。
「俺を守ってくれるかっこいい存在だけど、同時に可愛い恋人でもあるからさ。そういうただのヘアゴムとかじゃないやつを付けてもっと可愛くなって欲しいなぁって…」
ルナテシアは決して明るい道を歩いてきた訳ではない。だからこそ、普通の女の子として接してくれる遊路にときめき、恋にオチたのだ。

～～

「これは…私が女で良かったと、貴方に愛されて幸せなんだという証の宝物です。たとえ千切れたとしても、ずっと持ってますよ…」
普段表情を崩さないルナテシアの微笑み。それで火照る遊路の体を再び滾らせるには充分な威力だった。
「ルナ…」
「ひゃっ…遊路さん…」ﾋﾟﾄ
「そんな事言われると…つい」
「もう…」

二人の夜はまだまだ続きそうである。