第20話　遊戯王星人との遭遇　作：トマトところてん

ついに病院を飛び出し世界へと羽ばたいたきなこ、ラーメン屋にいくれんげ　第01話のコンセプトから離れてるけどまあ。前回の話と関係なし。というか一話完結が続いてる

本編

　これはプロ中のプロの仕業だっていつか言われたい。いや、やっぱり言われたくない。うわさでは奴らはキャッシュレス決済ではなく全て現金で支払いを行うらしい。デジタルをあまり信用しておらず、道具の一つとしてものは使いようだと、人と人との繋がりを大切にしているらしい
　遊戯王ハッカー、フリークスとしてデッキを組むデッキビルダー、プレイするプロデュエリスト、人脈情報フラゲ諜報部員のようなアナリスト、コレクター、それらを束ねるプライマーいわゆるリーダーがこの街に潜んでるという情報をネットで手に入れた女の子は久しぶりのしゃばの空気だと喜びながらも、カードショップにポケカを見に来た一般人をよそおって潜入した。ただの客だ
　ポケカのコーナーをちらちらとみながらも遊戯王のコーナーをみて奴がやってくるのを待つ。一分一秒が長く感じる。ポケカに精通していれば楽しく時間を潰せたか
　そいつは情報によれば、ものすごい速さでストレージを漁り、カステラのように大きなブロックオリパを買い、他のトレカはみない一筋のようにみえて実はありとあらゆるトレカに詳しい怪物、モンスターらしい。そして、これでもかというくらいの箱買い、おかげで奴の切り札はデステニーヒーローデストロイショップボックスガイではないかとうわさされた。全身四角い箱ガイでダサいらしい。奴の容姿は赤い帽子に赤い服、国籍、年齢は一切不明だが東洋人だとうわさされている。奴をみたものはコナミ君だ。と恐れるらしい
　女の子はジャンプ漫画に出てくるような謎の組織のボスに会えると思うと、おそれたがワクワクしていた。アナリストやコレクターにあるまじきデュエルマッスルを持っていて、腕力には自信があるらしい。十人がかりで挑んでも勝てないらしい。ムキムキイヤー！　実際サッカーなら一人でドリブルしてゴールまで近づいてシュートするから十一人だとも言われた
　その頃、女の子の友達はラーメン屋に一人できていた。
　まだ冬支度は早いと思ってた。秋が短い。せっかく秋刀魚がおいしかったのに、米は令和の米騒動なんていっていつもと違う米だった。焼きいもはちょっとハズレを引いてしまった。秋は脂ののった魚をいっぱい食べて冬に備えるなんて言ったらきなこちゃんは、クマかなんかかよって言ってたけど、ごはんはたくさんたべるタイプといってほしかったね
　食券を買ってラーメンを頼む
　へい、おまち
　もの凄い量の野菜で麺がみえないほどの山盛りのラーメンをズルズルとすすっていると、
　あ、自慢しよう
　と、スマホで撮ろうとしたところ、
　お客さん、うちは撮影禁止なんです
　え、そうなんですか
　女の子の友達は店主に言われてガッカリした。その店主はそれから、もの凄い速さで麺を湯切って、カステラのように大きなブロックのチャーシューをとりだし、薄くきって、ラーメン一筋と言わんばかりに、白いタオルを頭に巻いて、黒い服を着ていた。鋭いめつきでチャーハンをパラパラにしているところをみた女の子の友達は頼めばよかったなと少し後悔して店をあとにした
　しばらくして、女の子から電話がかかってくる
　あのさ、マスターデュエルやらないのかな？
　誰が？
　えっと、今探してる人、うわさの遊戯王星人
　どうせ人違いでしたってオチだよ、この街に潜んでるってのもガセネタかもしれないよ
　うーん今日はブロックオリパ買って帰ろうかな。じゃあ
　またね
　その夜、ラーメン屋の店主は仕込みを終えてカードショップへ。ラーメンの臭いがどうしても身体について離れないので職業柄仕方ないと思いつつも長居はせず少しカードを見て帰ろうとした。アロマタクティクスなどと言われるのは嫌だった
　そこに、鋭いめつきをした長身で赤い帽子に赤い服を着た男性が現れて店主とすれちがった
　これはどうも失礼
　低い声だった。店主はコナミ君というよりはコナミさんだなと思ったのだった

続く

　なんかラーメン屋の店主が実はみたいにミスリードさせて本物が出てくる話。僕はゴルゴ13みたいな謎に包まれたミステリアスな人物キャラ大好きだからこんなのばかり増えてくんだろうか
　ネタが古いですがジャンプ漫画のバクマン。という漫画家を目指す二人が主役の漫画で一番印象に残ってるのも声優を目指すヒロインのオーディションに出てくるなんたらかんたらって謎の一位の女だったし
　ラーメン大好き小泉さんという漫画が移籍して連載再開やったね