第19話　解き放て！　コーヒー愛！　作：トマトところてん

ウルトラマンアークのキャッチコピーが解き放て！　想像の力！　なんですが、作品から想像力を削ると残るものはなぜかコーヒーへの愛です。最新話ではついにインドネシア産の高級コーヒー豆を自家焙煎して92.5度のお湯で25秒かけていれたコーヒーを作って常軌を逸してしまった。ちなみに昨年のブレーザーのキャッチコピーは俺が行く。　で隊長がウルトラマンでパパで帰宅してただいまで終わる作品で、うめき声みたいな声の原始人ウルトラマンと一緒に戦います

本編

　今回だけ物語の舞台は怪獣がよく現れる星元市という街で、星元市に女の子の通う病院があります。アークネタはほとんどなしです
　星元市の中央病院で異星人の目撃情報があった。異星人は人間に擬態しているらしく、みつかる可能性は低かった。
　女の子の通う病院では芸術の秋、アート展覧会が開かれていた。芸術家から寄贈された現代アートが並んでいた。リハビリもこの日は休みでみんなで作品をみようということになっていたので、女の子は他の患者たちと一列に並びながら歩いて次々とつまらなそうにみていた
　そうしていると、一枚のアートの前で黒いサングラスをかけたホストやビジュアル系ロックバンドのような格好をした男性が立っていた。女の子が通り過ぎようとしたところを話しかけられた
　嬢ちゃん、この星のアートは凄いな。アートは患者に生きる力を与えるそうだ。コインの表と裏のように二面性をもつというものもいるが
　女の子は男性の情熱にたじろいで、いや、と応えた
　この良さがわからないのかい？
　うん、つまんない
　ちょっと考えてサングラスの男性が言う
　君の好きなものはなんだい？
　ここでは言えない、秘密だよ
　うーん、そこにもアートがあるだろ？
　まあね
　そのころ病院では怪獣防災科学調査所の人間たちが調査に来ていて、女の子の過ごす大部屋のおばちゃんと話していた
　あんたら、みない顔だね。お見舞いかい？
　いえ、調査です。怪しい人物を見かけませんでしたか？
　いや、今日は人が多いからね
　そうですか、ありがとうございます。それにしても、この病院のドリップコーヒーはまだまだですね
　なんてみんなでコーヒーをテイスティングしていた
　そのころ、病院の屋上で女の子はサングラスの男性にカードを見せた
　良いじゃないか、壊獣？
　うん、クモグスとラディアンがおすすめだね。レベル7でガルドニクスエタニティの素材にされない。ガメシエルもいいんだけどね
　たくさんのカードがあるんだね、知らなかった、ありがとう
　うん、しかもね、これはカードゲーム。対戦できるんだよ
　と、女の子は自慢げに言った。この星のアートなんて大げさだ、遊戯王を知らないのも怪しいなと思ったが、その後女の子は好きなことを話すからなのか、緊張しているからなのか、めっちゃ早口でベラベラと遊戯王の話をサングラスの男性に一方的に話し続け、布教だといって壊獣カグヤムラクモダイーザを貸してルールをなんとか教えたところで、
　あの、もう、けっこうです
　と、言われてガックリとしたのだった。
　その後、サングラスの男性が侵略目的でない異星人だと判明し、コンプライアンスなのか無闇に怪獣を倒さない最近のウルトラマンでもボツになりそうな何もない話は終わった
　後日、女の子は女の子の友達に異星人と会話したよと自慢したが信じてもらえなかった
　きなこちゃんは先走っちゃうからね。もっと落ち着いて、待たなくちゃ。相手がドン引きするよ、こいつ異星人なのかって。あ、例によって遊戯王星人だよ

続く

　実は異星人とは主人公のことだったってホラーみたいなオチではありません。壊獣のカードが実体化して巨大化してウルトラマンと対決！　という小さな子にとって一番大事なシーンもなし
　秋の季節ネタ何かやろうとしたらもう秋終わってる。一日で夏秋冬が味わえる天気
　ゴジラマイナスワンとアルフィーの記念番組も無事みれた。親友とは狭く深く付き合うのではなく広く浅く付き合う大事さね。思いつきでやってますが、振り返りになっていいですねSS