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9.勢力争い 作:お野菜のデーモン
そこまでリアルにはしませんが、人によってはちょっと閲覧注意な描写があるかもしれません。
とはいえ、やられっぱにはしませんが。
お覚ゴッドハンド。
────────────────────────
激情に身を任せ、射堂をぶん殴ったその次の日からだった。
俺と射堂一派との間に大きな確執が生まれたのは。
「おはようございます」
「……ふん」
(……無視かよ……ん?)
挨拶は無視されたがそれは気にせずデュエルディスクを持つ……が、
なんだかおかしい。デュエルディスクがいつもより軽い…?
(なんだ?どうなって……)
一旦様子見でデュエルディスクを装着した瞬間……
ガシャン!と、デッキホルダーとカードプレートの部分が別れて片方が地面に落ちる。
「な……っ!」
「クスっ……」
「ぷくく……」
それとほぼ同時だった。あいつらの中から笑いが盛れ始めたのは。
まさか、アイツらがやったのか?
俺への嫌がらせの為だけに?
(…………ちっ、くだらねぇ……デュエルディスク新調しねぇとな。てか、今日の練習どうしよ……?)
俺は休憩期間以外で久しぶりに、練習をサボった。
───────────────────────
その後もしばらく陰湿な嫌がらせは続いた。
デッキを隠されたり、上着に穴開けられたり。
……本当にくだらない。たしかに先に手を出したのは俺で、全面的に非があるのもこっちの方だ。
だが……実力至上主義のこの世界で、実力を見せて黙らせるのではなくこんなにも陰湿で情けない手段を取るなんて。幻滅……いや、失望すらしてしまう。
だから、謝らない。あの時の俺の判断は間違いじゃなかった。あんなヤツらに頭を下げるなんてのは俺のプライドが許さない。
だが……そんな俺の態度がアイツらにとって面白くなかったんだろう。ある日、ついに事件は起きた。
「おい、そこの兄ちゃん」
…誰だ?と思い振り返ってみると、そこには各自武器を持ち下卑た笑みを浮かべる男が三人立っていた。
「お前に恨みはねぇんだが、ある人の命令でなぁ。ちょっと病院送りになってもらうぜ」
「ただまぁ、ちょーっと財布出してくれりゃあ特別に2、3発殴るだけで済ませてやるよ。プロなんだろ?その腕折られたくないだろぉ?」
「そういう訳でよ、ちょっとツラ貸せヤ」
「……ふん」
佇まいを見るに、全員素人だな。で、こいつらに命令した「ある人」ってのは……色々と覚えはあるけど今の俺の状況から察するにほぼ一択。
一般人を雇ったのは正解だ。俺も腐ってもプロである以上、喧嘩沙汰はかなりヤバい。
だが……都合のいいことに、こいつらはどうやら人目につかないところで俺をボコるつもりらしい。
「……いいぜ、着いてってやるよ」
「へー、つまり降参しないってことでいいのか?」
「ひひ、お前終わったぜ」
「…………そっちこそ、覚悟しておけよ……?」
人を攻撃していいのは、やり返される覚悟があるやつだけだということを教えてやる……
───────────────────────
阿笠遊理……いきなり殴ってきやがったクソ生意気なマイナーリーグ上がりのカス。
ちょいと懲らしめてやろうと色々「工作」してやったが……最初以降、全然応えた様子が無い。
だから、その体に直接教えこんでやることにした。
下手人はその辺をブラついてた適当な不良3人。
まぁ腕のあるヤツらでは無いだろうが、アイツもプロだ。なら一般人に手を出す真似は流石にしないだろう。
(俺に刃向かった罰だ、クズめ!)
そろそろアイツもくたばった頃だろうか?そう思い不良共に連絡しようとしたその時……ドアが大きな音を立て蹴破られた。
「なっ……!!」
「よぉ……」
そこに居たのはここにいてはいけないハズの人物、阿笠遊理。
頭からダラダラと血を流し、全身血塗れ、更には後ろには俺が仕掛けたはずの不良3人を引き摺り、そこに立っていた。
「……よ、よぉ……大丈夫か?その怪我……そいつらにやられたのか?は、はは……」
「しらばっくれるなよ……もう、こいつらから全部聞いてる」
不良のうちの1人が俺の前に投げられる。
片腕と両足があらぬ方向に折れ曲がり、胸が動いていなかったら生きているかどうか疑問視されてもおかしくない有様。
まさか、一人で返り討ちにしたのか?
言い訳も先に潰され言いあぐねている俺に、アイツはあの時のようにゆっくり近付いてくる。
「まま、まて、こっち来るな!んなことして、ただで済むと思ってんのか!?」
「何言ってんだ……?今の俺の姿見てみろよ、十分正当防衛だろうが」
「そっちじゃねぇ!てめぇ、俺に手ぇ出してみろ?前は特別に見逃してやったけど今度は許さねぇ!前のこと含めて全部拡散して、二度と表を歩けないようにしてやる!だから近寄るんじゃねぇ!!」
精一杯の虚勢は鼻で笑われてあしらわれ、遂に目の前に来たあいつに胸倉を掴みあげられる。
「……俺もお前も、腐ってもデュエリストだろうが。決着は、デュエルで付けるぞ…丁度明後日俺とお前で試合がセッティングされてるしな。それでもしもお前が勝ったなら、これから先お前らの言うこと何でも従ってやる。だがもし俺が勝ったなら、俺にしてきた今までの行為と、この前のあの発言の責任を取ってもらう…覚悟しろよ、焦げカス野郎」
阿笠はそう言って、俺を解放し帰って行った。
「……じょ、上等じゃねーか」
相手は最近調子良いとはいえマイナー上がりの雑魚。しかも、前戦った時は完封できた相手だ。
負けるような相手じゃない。
この時の俺は、そう考えていた。
───────────────────────
小ネタとして阿笠くんが通ってた学校は小中高(もしかしたらデュエルアカデミアもかも)その全てがめちゃくちゃ治安悪かったので、阿笠くんは死ぬほど喧嘩が強いタフネスモンスターです。
具体的には、たとえ頭に何発貰おうがそれが致命傷じゃない限り絶対倒れません。
これがこの先生きるかは微妙ですが、設定的にはそんな感じです。
とはいえ、やられっぱにはしませんが。
お覚ゴッドハンド。
────────────────────────
激情に身を任せ、射堂をぶん殴ったその次の日からだった。
俺と射堂一派との間に大きな確執が生まれたのは。
「おはようございます」
「……ふん」
(……無視かよ……ん?)
挨拶は無視されたがそれは気にせずデュエルディスクを持つ……が、
なんだかおかしい。デュエルディスクがいつもより軽い…?
(なんだ?どうなって……)
一旦様子見でデュエルディスクを装着した瞬間……
ガシャン!と、デッキホルダーとカードプレートの部分が別れて片方が地面に落ちる。
「な……っ!」
「クスっ……」
「ぷくく……」
それとほぼ同時だった。あいつらの中から笑いが盛れ始めたのは。
まさか、アイツらがやったのか?
俺への嫌がらせの為だけに?
(…………ちっ、くだらねぇ……デュエルディスク新調しねぇとな。てか、今日の練習どうしよ……?)
俺は休憩期間以外で久しぶりに、練習をサボった。
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その後もしばらく陰湿な嫌がらせは続いた。
デッキを隠されたり、上着に穴開けられたり。
……本当にくだらない。たしかに先に手を出したのは俺で、全面的に非があるのもこっちの方だ。
だが……実力至上主義のこの世界で、実力を見せて黙らせるのではなくこんなにも陰湿で情けない手段を取るなんて。幻滅……いや、失望すらしてしまう。
だから、謝らない。あの時の俺の判断は間違いじゃなかった。あんなヤツらに頭を下げるなんてのは俺のプライドが許さない。
だが……そんな俺の態度がアイツらにとって面白くなかったんだろう。ある日、ついに事件は起きた。
「おい、そこの兄ちゃん」
…誰だ?と思い振り返ってみると、そこには各自武器を持ち下卑た笑みを浮かべる男が三人立っていた。
「お前に恨みはねぇんだが、ある人の命令でなぁ。ちょっと病院送りになってもらうぜ」
「ただまぁ、ちょーっと財布出してくれりゃあ特別に2、3発殴るだけで済ませてやるよ。プロなんだろ?その腕折られたくないだろぉ?」
「そういう訳でよ、ちょっとツラ貸せヤ」
「……ふん」
佇まいを見るに、全員素人だな。で、こいつらに命令した「ある人」ってのは……色々と覚えはあるけど今の俺の状況から察するにほぼ一択。
一般人を雇ったのは正解だ。俺も腐ってもプロである以上、喧嘩沙汰はかなりヤバい。
だが……都合のいいことに、こいつらはどうやら人目につかないところで俺をボコるつもりらしい。
「……いいぜ、着いてってやるよ」
「へー、つまり降参しないってことでいいのか?」
「ひひ、お前終わったぜ」
「…………そっちこそ、覚悟しておけよ……?」
人を攻撃していいのは、やり返される覚悟があるやつだけだということを教えてやる……
───────────────────────
阿笠遊理……いきなり殴ってきやがったクソ生意気なマイナーリーグ上がりのカス。
ちょいと懲らしめてやろうと色々「工作」してやったが……最初以降、全然応えた様子が無い。
だから、その体に直接教えこんでやることにした。
下手人はその辺をブラついてた適当な不良3人。
まぁ腕のあるヤツらでは無いだろうが、アイツもプロだ。なら一般人に手を出す真似は流石にしないだろう。
(俺に刃向かった罰だ、クズめ!)
そろそろアイツもくたばった頃だろうか?そう思い不良共に連絡しようとしたその時……ドアが大きな音を立て蹴破られた。
「なっ……!!」
「よぉ……」
そこに居たのはここにいてはいけないハズの人物、阿笠遊理。
頭からダラダラと血を流し、全身血塗れ、更には後ろには俺が仕掛けたはずの不良3人を引き摺り、そこに立っていた。
「……よ、よぉ……大丈夫か?その怪我……そいつらにやられたのか?は、はは……」
「しらばっくれるなよ……もう、こいつらから全部聞いてる」
不良のうちの1人が俺の前に投げられる。
片腕と両足があらぬ方向に折れ曲がり、胸が動いていなかったら生きているかどうか疑問視されてもおかしくない有様。
まさか、一人で返り討ちにしたのか?
言い訳も先に潰され言いあぐねている俺に、アイツはあの時のようにゆっくり近付いてくる。
「まま、まて、こっち来るな!んなことして、ただで済むと思ってんのか!?」
「何言ってんだ……?今の俺の姿見てみろよ、十分正当防衛だろうが」
「そっちじゃねぇ!てめぇ、俺に手ぇ出してみろ?前は特別に見逃してやったけど今度は許さねぇ!前のこと含めて全部拡散して、二度と表を歩けないようにしてやる!だから近寄るんじゃねぇ!!」
精一杯の虚勢は鼻で笑われてあしらわれ、遂に目の前に来たあいつに胸倉を掴みあげられる。
「……俺もお前も、腐ってもデュエリストだろうが。決着は、デュエルで付けるぞ…丁度明後日俺とお前で試合がセッティングされてるしな。それでもしもお前が勝ったなら、これから先お前らの言うこと何でも従ってやる。だがもし俺が勝ったなら、俺にしてきた今までの行為と、この前のあの発言の責任を取ってもらう…覚悟しろよ、焦げカス野郎」
阿笠はそう言って、俺を解放し帰って行った。
「……じょ、上等じゃねーか」
相手は最近調子良いとはいえマイナー上がりの雑魚。しかも、前戦った時は完封できた相手だ。
負けるような相手じゃない。
この時の俺は、そう考えていた。
───────────────────────
小ネタとして阿笠くんが通ってた学校は小中高(もしかしたらデュエルアカデミアもかも)その全てがめちゃくちゃ治安悪かったので、阿笠くんは死ぬほど喧嘩が強いタフネスモンスターです。
具体的には、たとえ頭に何発貰おうがそれが致命傷じゃない限り絶対倒れません。
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