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7.交流 作:お野菜のデーモン

チャンチャカチャンチャンチャチャンチャン
チャンチャカチャンチャンチャチャンチャン
敵のうららだと思って墓穴打ったら〜
自分のうららに打ってました〜
チクショーーーー!!!!!!!!!!
────────────────────────
(俺が勝手に)選手生命を賭けたあの試合から、早くも数日が経過した。
まぁ……何かが大きく変わったという訳でもないが。
前ほど負けはしなくなったけど、だからといって勝ちまくれるデュエリストでもない。ただ少なくともフィールドに上がる度罵詈雑言を浴びていたあの時よりかは評価は上がった。と思う。
そんなこんなで、ちょっとだけだが精神的に余裕が出来てきた阿笠遊理だ。

(暇だ…暫くは試合もセッティングされてないし…あれ、そういえば俺ちゃんと挨拶回りとかしたっけ)

暇潰しに1人神経衰弱をしていた所、ふと思い立つ。
思えばあの時は勝ちや名誉なんかに固執しあまり周りを見れてなかった。
だから今のところ、俺のメジャーリーグでの交友関係はこの前戦って、その後飯奢って貰った鎌瀬って人と今尚病院から出て来れないチャンピオンの阿笠しかない。
控えめに言って終わっている。
友人2人とかほぼぼっちみたいなもんだぞ。

(せっかくだし、ちょっと出掛けてみるか。もしかしたら知り合い増えるかもしれないし、それに…他のデュエリストのデュエルを見て、新しい戦術が立てられるかも)

目指すはスタジアムに併設されているらしい、メジャーリーグ所属のデュエリストにのみ使用が許された専用の練習場だ。
───────────────────────
「挨拶遅れてすみません。先日、マイナーリーグからメジャーに合流した阿笠遊理と言います。まだまだ未熟ですが、先輩方に負けないように頑張ります。よろしくお願いします」

練習場に入って早々、なんか俺に視線が注目したからその流れで自己紹介してみる。
…でもこれでいいのかな。
俺、自己紹介なんか今までの人生でも片手で数えるくらいしかやったことないし。
…あれ?もしかして俺、わりとダメ人間…?

「……クスっ」

わ、笑われた。今笑われてたよな。やっぱりなんかおかしかったのか!?

「は、はは…えっとみんな。こいつこういうのにあんまり慣れてないらしくてさ、だからタイミングとかそういうのを掴むのが苦手なんだよ、多分。だから大目に見てやってくれ。自分は鎌瀬当馬。
…って、この前戦ったし何なら一緒に飯食ったから覚えてるよな。な?」

あぁ、知り合いのフォローが身に染みる…なんか、久々に人の優しさに触れたような気が…

「あぁ、そうなんですね。私は古株です。こんなおじさんでよければ、どうぞよろしくお願いします」

「…俺は江歴だ。よろしく」

「あ、どうも」

鎌瀬に続いて、挨拶を返してくれたのはメジャーリーグの中でも有名なデュエリスト2人。
過去に大記録を打ち立てた『古株俊夫』と、
チャンピオンに最も近いと称される男『江歴豪』。
どちらも、今の俺にとっては雲の上のような存在……

「おーおー若いねー!だけど、プロは年に何十試合もあるんだ。そんなんじゃあ最後までもたないぜ?気楽に行こうや、気楽に!」

「……はあ、そうですか」

…?なんだ今の…違和感というか、なんというか。
前にどこかで感じたのと、似たような感覚が…

「そうだ、せっかくだから案内してやるよ。ここ来るの初めてだろ?設備とか部屋の使い方とかも知らないだろ?色々と教えてやるから、着いてきてくれ」

…気の所為、か?頭の中で引っかかる何かは取り敢えず一旦忘れ、俺は鎌瀬に着いていくことにした…
────────────────────────
「いいか?ここが休憩室。怪我とかでくたばる前にここに来るんだぞ!で、あっちがデュエルルーム。今は…丁度中に誰かがいるみたいだな。江歴さんだぜ。お前も見るか?」

鎌瀬に促され、ドアに取り付けられたガラス越しに中を見る。
…流石だ。メジャーリーグトップクラスのデュエリスト。戦略の質、カードパワー、デッキの完成度。
全てに置いて隙がない…あ、負けた。なんというか、最初から最後まで一方的な試合だったみたいだな。
LPが1つも削れてないし。

「相変わらずすげーよな、江歴さん。俺も何回か戦ったんだけど全戦全敗で…って、今はそんなのどうでもいいか。次のとこ行くぞー」

「あ、はい。今行きま」



「いやぁ、やっぱよえーよなーお前!」

「なんだっていいだろー?どーせ、誰がやっても勝てる相手じゃねぇんだし」

「でもモンスター1体破壊してたし上等上等!あ、そーだ。この後なんか外に飯でも食いに行こうぜ!」

(…なんだ、アイツら)

……さっきまで江歴さんと戦ってたやつと、その知り合い……か?
負けたのに、反省したりデッキを見直したりするでもなくただヘラヘラ笑って…
所詮練習だからか?今のは実戦じゃなくて、ただの練習だからあんな感じの空気感で正解なのか?

「おーい!早く行くぞ、日が暮れちまうぞー!」

「…っす」

……しかし、何だ…?アイツらのあの不愉快な感じ…

────────────────────────

本当にタイトル通りメジャーの先輩に会うだけなのでアホほど短いです。
…え?だったらデュエル描写の1つや2つくらい入れろやボケ、だって?
そんなものうちにはないよ…
ということで、多分また何話かやってからデュエル描写は入ると思います。
あんまり短期間に連続してやると、私の頭が処理に耐えきれずどこか遠い世界へ旅立ってしまうので。
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ヒラーズ
ほう、これはまた、荒れる予感がしますねぇ…。
主人公が成長していく物語になればいいのですが…… (2024-07-03 23:51)
お野菜のデーモン
ヒラーズさんコメントありがとうございます。
伝説の超石頭人で、情緒不安定とも言えるレベルで熱くなりやすい遊理くんがこの空気感を迎合できるか、それが今回のキモになります。
成長ってのはどうでしょうね、するっちゃするししないっちゃしません。
良くも悪くも一度決めたら変わらないヤローなんで。 (2024-07-04 11:41)

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