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第十一話・2 作:KOUBOU(旧名:光芒)





(これは認識を改める必要がありそうね)


遊大 LP8000 手札:5
デッキ:25 メインモンスターゾーン:3(ヴァレルロード・S・ドラゴン、オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン、Ⅰ:P マスカレーナ)EXゾーン:1(召命の神弓-アポロウーサ)魔法・罠:3(奇跡の魔導剣士、覇王門零、クープレ)墓地:8 フィールド:0 除外:0 EXデッキ:7(4)
遊希 LP8000 手札:4
デッキ:35 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:1 フィールド:0 除外:0 EXデッキ:15(0)


「錚々たる盤面ね。あなたとのデュエルでなければ投げ出していたかもしれないわ」
「……わかってもらえましたか?」
「ええ。音無さんにしっかり【幻奏】の回し方を教わったようね。疑ったことは謝るわ。でも……私はあなたにだけは負けたくないの。この世界の誰よりもね」


☆TURN02(遊希)

「私のターン。ドロー」
「ではスタンバイフェイズに手札の増殖するGを墓地に送り、効果を適用しますね」
「抜かりないわね。スタンバイフェイズに発動することで三戦の才のトリガーにならなくする」

 これで遊希が特殊召喚する度に遊大はカードを1枚ドローできる。しかし、遊希は何枚でも遊大にドローさせることはやむを得ないと思っていた。何故なら彼女の脳裏に次の遊大のターンのことなど最初から存在していなかったのだから。

(……こんな方法で勝っても嬉しくないけど、もうこうするしかないわよね)

 遊大のフィールドに存在するヴァレルロード・S・ドラゴンとオッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンが灼熱の炎に飲み込まれ、そこには命を得た溶岩のようなものが現れる。溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム。相手モンスターをリリースするという形で除去することができるため、デッキを問わず採用されることが多いカードだ。

「ラヴァ・ゴーレムって便利なカードですよね。色んな意味で。これも遊希さんの特殊召喚になるので1枚ドローします。」
「そういうことは言わないの。私は魔法カード《トレード・イン》を発動」

《トレード・イン》
通常魔法
(1):手札からレベル8モンスター1体を捨てて発動できる。自分は2枚ドローする。

「私は《ブラック・ホール・ドラゴン》を捨てて2枚ドローするわ」
(《ブラック・ホール・ドラゴン》? もしかして【ギャラクシー】じゃない?)
「そして魔法カード《ブラック・ホール》を発動」

《ブラック・ホール》
通常魔法
(1):フィールドのモンスターを全て破壊する。

「ブラック・ホール・ドラゴンを入れてるならあることはわかっていましたけど、引き当てられるとは恐れ入りましたよ。ではそのブラック・ホールにチェーンしてⅠ:P マスカレーナの効果を発動します」
「マスカレーナの効果で効果破壊耐性を持ったモンスターをL召喚するつもりなんだろうけど……そうはさせないわ! マスカレーナを対象に手札から速攻魔法、禁じられた一滴を発動! 手札のモンスター1体を墓地に送り、マスカレーナの効果を無効にするわ!」

チェーン3(遊希):禁じられた一滴
チェーン2(遊大):I:P マスカレーナ
チェーン1(遊希):ブラック・ホール

「っ……」
「チェーン3の禁じられた一滴の効果でチェーン2のマスカレーナの効果は無効。そしてチェーン1のブラック・ホールの効果で全てのモンスターを破壊するわ!」

 巨大な漆黒の渦が遊大のフィールドのモンスターを飲み込んでいく。彼のフィールドに残されたのはPゾーンの覇王門零とクープレのみだった。

「ブラック・ホール・ドラゴンはフィールドのカードが対象を取らないカードの効果で破壊された場合、墓地から特殊召喚できるけど、今は使わないでおくわ」
「まあ、増殖するGの効果もありますしね」
(……遊大のフィールドにカードが存在するから《拮抗勝負》もあまり効果がない。唯一の気掛かりは原始生命態ニビルを増殖するGの効果でドローされることだけど、こればかりは彼の運を褒めるしかない)
「それもあるけど、このカードとの噛み合いがあまり良くないのよ。私のフィールドにモンスターが存在しない場合、手札の《無限竜シュヴァルツシルト》の効果を発動するわ!」

《無限竜シュヴァルツシルト》
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2000/守 0
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、この効果を発動するターン、自分はドラゴン族XモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、または相手フィールドに攻撃力2000以上のモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、デッキから「無限竜シュヴァルツシルト」以外の光・闇属性のドラゴン族・レベル8モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

「無限竜シュヴァルツシルト……? あ、1枚ドローします」
「このカードを手札から特殊召喚。そしてデッキから同名以外の光・闇属性のドラゴン族・レベル8モンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ。銀河眼の残光竜を特殊召喚」

「増殖するGの効果で1枚ドローしますね。レベル8が2体ということはやはりランク8のX召喚ですか」
「そうよ、これが私の新しい力。私はシュヴァルツシルトと銀河眼の残光竜でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! ”神たる力を与えられし金色の竜よ。銀河の源より全てを導く希望の橋を架けよ!” 《神影金龍ドラッグルクシオン》!!」

《神影金龍ドラッグルクシオン》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/ドラゴン族/攻2500/守3000
レベル8モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがEXデッキから特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「ギャラクシー」カードか「タキオン」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。ドラゴン族・ランク8・攻撃力3000のXモンスター1体を自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。その後、EXデッキから「ギャラクシー」モンスター1体をそのX素材にできる。

「ドラッグルクシオン……初めて見るカードですね」
「まあ、最初に見せたのが遊大だから。EXデッキから特殊召喚に成功したドラッグルクシオンの効果を発動。デッキからギャラクシーカードかタキオンカード1枚を手札に加えるわ。私は《銀河眼の時源竜》を手札に加える。そしてオーバーレイユニットを2つ取り除き、ドラッグルクシオンの2つ目の効果を発動! ドラゴン族・ランク8・攻撃力3000のXモンスター1体をドラッグルクシオンの上に重ねてX召喚扱いで特殊召喚するわ!」
「1体のモンスターを素材に更なるX召喚が!?」
「……あなたが驚くことじゃないでしょうに。ええと、ドラッグルクシオン1体でオーバーレイ!!」



―――"時の力宿し銀河の竜よ。我が内に刻まれし愛する者の想いを胸に抱き、過去を乗り越え昇華せよ!” エクシーズ召喚!―――



―――《No.107 銀河眼の時空竜》!!―――



《No.107 銀河眼の時空竜》
エクシーズ・効果モンスター
ランク8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
レベル8モンスター×2
(1):自分バトルフェイズ開始時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化され、その攻撃力・守備力は元々の数値になる。この効果を発動したターンのバトルフェイズ中に相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に、このカードの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで1000アップし、このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

「銀河眼の時空竜……デュエルで相手にするのは初めてですね」
「このカードは大事なカードだけど、使うとちょっと胸が苦しくなるのよ。そしてオーバーレイユニットとして取り除かれた残光竜の効果、そして2つ目の効果を発動したドラッグルクシオンの更なる効果も発動」

チェーン2(遊希):神影金龍ドラッグルクシオン
チェーン1(遊希):銀河眼の残光竜

「ドラッグルクシオンの効果でEXデッキのLモンスター《銀河衛竜》を時空竜のオーバーレイユニットにするわ。そして残光竜の効果でデッキから銀河眼の光子竜1体を特殊召喚するわ!」

 光子竜と時空竜。名こそ違えど、同じ銀河を瞳に宿す竜が並び立つ姿に遊大は思わず息を呑む。

「バトルよ! バトルフェイズ開始時に時空竜の効果を発動。オーバーレイユニットを1つ取り除き、このカード以外の表側表示モンスターの効果を無効にするわ」

銀河眼の光子竜 効果無効

「光子竜の効果を無効に? 確かに効果が無効でも攻撃力は高いですけど……」
「無意味に思えることでも意味があるものなのよ。まずは墓地の銀河衛竜の効果を発動」

《銀河衛竜(ギャラクシー・サテライト・ドラゴン)》
リンク・効果モンスター
リンク2/闇属性/ドラゴン族/攻2000
【リンクマーカー:左下/右下】
ドラゴン族モンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のバトルフェイズに、フィールド・墓地のこのカードを除外し、
自分フィールドの元々の種族・属性がドラゴン族・光属性の「No.」Xモンスター1体を対象として発動できる。バトルフェイズ終了時まで、相手が受ける戦闘ダメージは半分になり、対象のモンスターの攻撃力は、そのモンスターの持つ「No.」の数値×100になる。
(2):相手エンドフェイズに発動できる。デッキからカード1枚を選んでデッキの一番上に置く。

「バトルフェイズに墓地のこのカードを除外し、私のフィールドのドラゴン族・光属性のNo.Xモンスター1体を対象として発動。バトルフェイズ終了時までこのターン私が与える戦闘ダメージは半分になる代わりに、そのモンスターの攻撃力をそのモンスターの持つNo.の数×100の数値になるわ!」

No.107 銀河眼の時空竜 ATK3000→ATK10700

「攻撃力10700!?」
「そして手札の銀河眼の時源竜の効果を発動!」

《銀河眼の時源竜(ギャラクシーアイズ・タキオン・プライマル)》
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手ターンに、フィールドにドラゴン族Xモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを手札から自分か相手のフィールドに特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動する。このカードの元々の持ち主は、自身のデッキから「タキオン」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(3):自分か相手のドラゴン族Xモンスターの攻撃宣言時に発動する。フィールドのこのカードをそのモンスターのX素材とする。

「フィールドにドラゴン族Xモンスターが存在する場合、このカードは自分か相手フィールドに特殊召喚できる。このカードを遊大のフィールドに特殊召喚するわ」
「俺のフィールドに、ですか?」
「そして召喚・特殊召喚に成功した場合の効果を発動。このカードの元々の持ち主はデッキからタキオン魔法・罠カード1枚を手札に加える。デッキからカウンター罠《タキオン・トランスミグレイション》を手札に加える。そして時空竜の効果。バトルフェイズに相手の効果が発動した場合、そのバトルフェイズ終了時まで攻撃力を1000アップさせる」

No.107 銀河眼の時空竜 ATK10700→ATK11700

「……あの」
「時空竜で時源竜に攻撃。そして自分か相手のドラゴン族Xモンスターの攻撃宣言時に時源竜の3つ目の効果。このカードをそのモンスターのオーバーレイユニットにするわ。そして相手の効果が発動したことでさらに攻撃力1000アップ」

No.107 銀河眼の時空竜 ATK11700→ATK12700

「戦闘ダメージは半分になるけど、自身の効果で攻撃力が上がった時空竜は2回攻撃ができるわ」
「遊希さん?」
「何かしら?」
「時源竜って遊希さんのモンスターですよね?」
「そうね」
「なのになんで俺が効果発動したことになるんですか? これってマッチポンプですよね?」
「遊大にダイレクトアタック。"殲滅のタキオン・スパイラル”!!」

No.107 銀河眼の時空竜 ATK12700

遊大 LP8000→LP1650

No.107 銀河眼の時空竜 ATK12700

遊大 LP1650→LP0






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ヒラーズ
何とも呆気ない決着。鎧袖一触とはこの事か(違う)
それにしても二人の闇鍋がヤバいですね……。
そして夫婦喧嘩は遊希が勝つ、流石前々作の主人公、恐ろしいですねぇ。

その後は何をされたのか、気になる所 (2024-05-06 07:22)
KOUBOU(旧名:光芒)
ヒラーズ様
ぶっちゃけ、どんなに制圧盤面を敷いてもあっさりと覆してくるラヴァゴや壊獣、ラー球が全部悪いという(n敗)

>そして夫婦喧嘩は遊希が勝つ、流石前々作の主人公、恐ろしいですねぇ。
この時点のデュエリストとしてのパワーバランスは遊希>遊大だったりします。デッキは明らかに遊大の方が強いんですけどね。
(2024-05-13 12:27)

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