第２５話　to be continue　作：にしん

ミミカ「アネモネちゃ・・・きゃああぁっ！！」
ミミカ：ＬＰ２４００→１００
遊飛「ミミカちゃん！！」

ザックの＜覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン＞の強烈な攻撃を＜チアブルーム・アネモネ＞が受け、戦闘破壊と共に襲う衝撃波で吹き飛ばされるミミカ。モンスターを戦闘破壊してもなお強烈に残る＜覇王＞の衝撃波によりミミカのチア衣装は素肌に傷がつくほどボロボロになっていた。それでも立ち上がり、ザックに立ち向かおうとする。

遊飛もまた、彼から逃げるために傷ついた身体と心をなんとか持たせていた。

遊飛「もうやめるんだ・・・！俺が・・・俺の覇王烈竜がこれ以上戦うと嫌なことが起きる・・・焼けるような苦しい気持ちになるんだ！」
ザック「彼女もこれまでですかねぇ。もはや彼を守る人はもういない。団長も、綺麗な事務さんも、おかしなＪＫも、自慢の料理長も。次のターンで楽にさせてあげますよ。カードを１枚セットしてターンエンドです。あっ、画家さんには絶対に勝てないので回避させていただきましたが」

その瞬間、ザックの目が仄かに赤く光る。と同時に遊飛の目も赤く光るのを見て、ミミカはカードをドローした。

遊飛「だ、だめだ・・・！サレンダーしてミミカちゃん！あとは俺が・・・！」
ミミカ「ま、まだ、だよ・・・遊飛くんを最後まで守るって、約束したじゃない・・・だから・・・」

ミミカは突如手札を１枚捨て、持っているはずのない魔法カードを発動した。

ザック「ほう」
遊飛「そ、そのカードは・・・！」
ミミカ「遊飛くん、あたしに力を貸して・・・！＜ペンデュラム・コール＞！！＜時読みの魔術師＞と＜星読みの魔術師＞を手札に加え、ペンデュラムゾーンにセッティング☆そして＜チアブルーム・エキザカム＞で墓地から＜アネモネ＞ちゃんを戻して１枚ドロー、＜チアブルーム・ガーベラ＞なので更に２枚ドロー・・・そしてペンデュラム召喚で＜チアブルーム・ガーベラ＞＜チアブルーム・ダリア＞＜チアブルーム・プリムローズ＞＜チアブルーム・チューリップ＞をステージに！」
ザック「ほう・・・彼もまた覇王の一部。だが覇王を抑えているペンデュラムの力だけを借りるとは素晴らしい。だけど君は既にボロボロ。ここから応援だけでは逆転はできませんよ」
ミミカ「あたしの応援は、必ず届くの・・・＜チアブルーム・アイリス＞でこのターン中攻撃力１０００以下の応援は全て届かせる！」

―――

マイケル「これぞ神展開ってやつデスネ！」
静流「チューリップちゃんの効果で相手モンスターの効果は全て無効化・・・更にはダリアちゃんの効果でバトルフェイズ中だけだけど効果を１度止めれる。全て通せばミミカちゃんの勝ちね」
恵那「どきどき・・・」
要「だが意味深にセットしたあのカードが気になるな」
結花「ズァークの事だしただの盛り上げるための脅しだと予想するね」

―――

ミミカ「あたしたちの応援はガーベラちゃんが２倍にしてお届けするの・・・神秘のガーベラエールッ！！」

＜チアブルーム・ガーベラ＞から放たれた光が覇王黒竜の横を通り、ザックへと襲っていく。だがザックは不敵な笑みを浮かべ、さっきセットしたカードを発動した。

ザック「楽しかったよ、ミミカちゃん。いや、一番楽しいエンタメだったというべきか。ならば、私もとっておきのエンタメでお返ししよう」
ミミカ「っ！？」

突如ザックの背後に見たことのあるカラフルでおしゃれな扉が現れる。ガーベラの光はその扉を貫き、奥へと消えていった。

遊飛「あ、あれは・・・まさか・・・」
ミミカ「そんな・・・なんで・・・」
ザック「君の応援は私には届かなかったようだね。いや、惜しかったというべきか。危うく覇王の力が抑え込まれるところでした。罠カード発動！＜地獄の扉越し銃＞！」

そして扉の奥から勢いよく放たれるのは虹色に輝く１つの大玉。遊飛がミミカをかばいに行こうとするも、その大玉の勢いはすさまじく、一瞬でミミカに直撃し、光となって弾けた。
ミミカ：ＬＰ１００→０



ミミカ「遊飛くん・・・ごめん・・・ね・・・まも、れ・・・な・・・」



遊飛「ミ、ミミカちゃん・・・ミミカーーーっ！！」

大玉の衝撃による埃が薄まった時、ザックの手には１枚のカード。

ザック「くっくっく・・・もう君を守る者はいない。さあ、私とデュエルしよう！そして目覚めるのだ！」
遊飛「デュ、デュエルしなければ覇王龍は復活することはないっ」
ザック「エンタメらしくないけど・・・君が戦わないのなら、このカード化した大切な人たちを覇王の手によって葬り去るしかないようだね」
遊飛「くっ、卑怯な・・・やるしか、ないのか・・・！」

―――

結花＆静流＆マイケル「ミミカちゃーーーん！！」
恵那「そ、そんなぁ」
要「マジか・・・」

まさかのヒロインが物語序盤に主人公が行った大逆転エンタメと同じ手法で敗北するという展開に俺たちは大盛り上がり。ここがホテルだということを思い出して一斉に一度静まり返った。そして安定のto be continue。というか今深夜一時前だぞこれ深夜アニメ。

恵那「遊飛くんがミミカちゃんとの初対戦時の方法を使ってくるなんて・・・」
結花「まさかのエンタメ路線とはーっ。逆神展開キタコレ！」
要「というか遊戯王初期レベルのズタボロ表現だったが大丈夫かこれ」
静流「まぁヒロインだしねぇ、ミミカちゃん」
マイケル「次回はきっと闇のデュエル開幕デス・・・」


マイケル「というコトで川澄サン、デュエりまショー」
結花「おっけー」
要「そういえば忘れてたな。眠気覚ましにコーヒー淹れるか」

ということで片方のベッドをフィールドにやっと結花の＜星竜・星龍＞とマイケルのデュエルが始まるのであった。


―――
おまけ
冒頭の「遊戯王ＥＭ」は途中完結させたＳＳ「遊戯王ＥＭ」終盤の展開に実際に使う内容でした。その前後の展開がどうなるのかは皆さんにお任せします。

次回、覇王死す。デュエルスタンバイ！