第２８話　プールデュエル開幕！？　作：にしん

要「んん・・・今何時だ・・・？」

目覚めるといつもとは違う部屋、ベッド。二泊三日のプール旅行で泊っているホテルだったなここ。カーテンが分厚くて外の光がほとんど入ってこず、少し薄暗い。空調は効いているようで、真夏のような・・・普段の自室のような不快さはほとんどなかった。ホテル特有のベッドの快適さも併せて熟睡できたようだ。

そして時計・・・は遠いな。スマホの画面をつけてみる。

要「・・・は？」

時刻は２４時間表記で１１時半。昼前。寝すぎた！？とは思ったがリンクルには誰からも通知が入っておらず。多分みんなも爆睡中なんだろう。そしてここがツインの部屋ということで・・・

恵那「すー・・・」
要「・・・恵那さんも爆睡か」

とりあえずグループチャットにスタンプを送信する。すると隣のベッドからリンクルの通知音が静かに鳴る。それを聞いた恵那さんはもぞもぞと布団の中から手をだし、スマホを手に取った。

がばっ！

恵那「ふあっ！？寝過ごしちゃった！」
要「・・・おはよう」
恵那「おおおおおっ、おはようございますお兄さん・・・あれ？」

とりあえず俺のスタンプに合わせてみんなも起床コメントやスタンプを送っていた。どうやら案の定全員この時間まで寝ていたようだ。

恵那「みんな寝過ごしたみたいですね・・・」
要「まぁあんな時間までデュエルしてお菓子パーティしたからしょうがないね。とりあえず着替えてくるか」
恵那「あっ・・・じゃ、じゃあ私、シャワー浴びてもいいですか・・・？」
要「りょ。その間に着替えとく」


・・・


　準備が整い次第ロビーに集合ということで。だったのだが・・・

要「点呼」
マイケル「ＯＮＥ！！」
静流「ツーインバースト」
恵那「ス、スリー」
要「俺でフォーっと・・・ふむ」

結花の奴二度寝したなこれは。ということで俺は再びエレベーターで上り、結花が寝ている部屋のインターホンを鳴らしまくる。と同時に扉が開いた。

結花「おはーーーよっ」
要「遅いから二度寝したかと思った」
結花「女のコは準備が大変なのデスヨッ」
要「にしては準備したとは思えないような軽装だな。どうせテレビでも見てたんだろ」
結花「そうとも言える」

そして無事全員集合。今夜も泊まるかつ、午前の観光が睡眠で消えたので全員の装備はプール用のみという軽装。清掃員のお兄さん大変お待たせしました。

マイケル「お昼ご飯デスガ、気になるお店があるので行きたいノデス」

マイケルが提示したスマホの画面には有名なお好み焼き店が映っていた。これには全員同意の反応。ここから路面電車で数駅だし近い。


・・・


予想はしていたがメシついでにいくつかのアニメショップやカードショップ、ゲームセンターを回り、いざプールに行こうとしたのが昼の３時。あまり遊べなさそうだなとは思ったが、どうやらナイトプール対応のようで、シャトルバスも高島駅～プール間の最終が夜の１０時とかなり遅くまでやっているようだ。

結花「やっとプール入れるー」
静流「でも結構買ったりゲットしたりしちゃったわね」
マイケル「また一つデッキが作れそうデス」
恵那「奮発しちゃった・・・」

みんな楽しんでるなぁ。という俺もカードやパックを買った。それなりに手荷物ができてしまったということで一旦ホテルに戻って荷物を置き、プールへ再出発。プールに到着するころには４時になっていた。

そして昨日と同じくセキュリティゲートをくぐり、今度は撤退しないので女性陣が水着やらを物色し、俺とマイケルは早速着替えにプールに入場していた。今日は昨日のようなゲリラ豪雨は発生しない模様で、人もそんなに多くないようだ。これは快適に遊べそうだ。

マイケル「確か中の波のプール前集合デシタネ」
要「そうだな。あと金庫使うからサイフは出しとけよ」
マイケル「ついでにデッキモ・・・プールデュエルデス・・・！」
要「流石にやらんて・・・いや、結花は持ってきそうだな割とガチで」

俺の格好は海パンにプール用パーカー。ポケット部分は防水機能付きでお金を入れられるもので、サイズ的にデッキケースも入るかもしれない。まぁ持っていかないが。マイケルも流石に空気を読んでデッキはホテルに置いてきたようだ。

マイケルの水着はいかにもアメリカン・・・いや、ハワイアンらしいトロピカルで大きめな海パンを穿いていた。そして謎のサングラス。の上にゴーグル。おまけに自慢していたデュエルディスク型腕用浮き輪。デュエルディスクの名に恥じぬ忠実なサイズだった。

要「・・・地味にいいなその浮き輪」
マイケル「デショー。要クンは上下黒が忍者みたいデス」
要「意識していたなんて結花たちに秘密だぞ」
マイケル「行ってきマスネー！」
要「・・・絶対に言うなアイツは」

しばらく波のプール前で男２人で待っていると、男としてはお楽しみ要素である水着姿の女性陣が更衣室側から現れた。